Four Season Colors

現代詩とスポーツ、エンタメ、時事など雑文を掲載
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ツキイチ映画館(2024年07月)

2024-07-29 | 雑文
月に一度は、映画館で新作を。2024年の
7月は、「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
(アメリカ)。

月面着陸を目指す、アメリカの宇宙ロケット
「アポロ11号」の打ち上げにまつわる、地
上での(社会的な)あれこれを描く本作。

NASAの新任PR(パブリック・リレーシ
ョンズ)担当と発射責任者の2人を中心に展
開する(ラブもある)社会派コメディ系。

お堅い奴と何でもアリの奴が、衝突しながら
も歩み寄りながら、周りとも協力してやり遂
げるという、本当によくあるストーリー。

恐らくアポロ11号の当時のものだろう映像
も交え、リアルなんだかフィクションなんだ
か、シリアスなんだかコメディなんだか。

個人的な体感としては、前半リアル、シリア
ス寄り、後半フィクション、コメディ寄りの
印象で。

いつもながら予習はなしで、予告編だけで選
んだこともあり、コメディだと知らずに観て
いた。

特に前半は、どちらかというとちゃんと?し
た展開のため、あ、これコメディなんや、と
気づいたのは割と中盤以降だったりする。

以降は肩の力を抜いてのほほんと観ていたが、
であれば、鈍感な自分でも分かるように、最
初か序盤に意思表示が欲しかったとも。

ただし、コメディといっても、ゲラゲラ系で
はなく、シュールな感じで、そもそもが笑い
あり涙ありを狙う欲張り仕様。

どっちつかずと言えばどっちつかずであるが、
といって、とてもつまらないわけではなく、
でも、とても面白いわけでもない。

好みは別として、無難に一定のレベルでまと
め、主演の二人も周りの人たちも違和感なく、
世界観にもスッと入っていける。

映画館で観るほどか、となると是非とは言え
ないが、お時間ある時に観ても損はしないの
では。

ただ、サウンド、曲は好みであったので、そ
の点は映画館で良かったかもしれない。

あと、先月の「クワイエット・プレイス」に
同じく、猫もいます。

人間模様

2024-07-25 | 
角度のない一途な棒線

歪みのない素直な正円

60゜の冷静な三角形

90゜の頑固な四角形

交わり増える無数の点

浮かび上がる数々の図

意味ありげな複雑模様

思わせぶりな関係模様

読書のよもやま(2024.07.22)

2024-07-22 | 雑文
「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」小林照
幸(新潮文庫)

新刊ホイホイにひっかかるように、あまり迷
わず、どちらかというと直感に従って購入し
た一冊。

日本では古くから特定の地域で見られ「水腫
脹満」とも呼ばれた、お腹が大きく膨れ、成
長障害も引き起こす寄生虫による感染症。

症状緩和の対処療法しかなかった頃から、医
学の発展とともに、原因寄生虫の特定がなさ
れた1900年初頭。

そこから、中間宿主の特定から治療薬の開発、
中間宿主の駆除と、日本住血吸虫症との闘い
が丁寧に綴られる。

安全宣言後であったとはいえ、流行地のある
県に数年ではあるが生活をしていたが、この
病名を目にすることはなかった。

いや、していたかもしれないが、意識された
こと、記憶に残ることはなかった。

しかし、読み進めれば読み進めるほど、それ
は知ることの怠惰であったのだろうと思い知
らされる。

人間に意識される、という意味での発見から
百年の後、絶滅危惧種となった「死の貝」。

様々な要因はあるだろうが、日本は、この住
血吸虫症を克服した稀なる国らしい。

生きるための利益の追求の全てを否定はしな
いが、そこに多分に美化も含まれようが、こ
こには、間違いなく無私がある。

それを無条件に尊いとは言わないが、生物と
して、日本という国の人間として、それは本
質でもあるように思う。

忘れられていく「死の貝」は、恐らく他にも
少なくなく、こうして知ることができたのは、
とても幸運なことで。

それも、こうして良質なノンフィクションと
して記録をしてくれる作家さんたちのおかげ
である。

また、書籍として、多少の不謹慎さも併せて、
医療系のノンフィクションは、冒険系ノンフ
ィクションに劣らずスリリングだ。

おりじなる

2024-07-18 | 
おなじものないものから

おなじになるものになる

すがたおなじすがたでも

すがたからちがうすがた

ちがいあるものあるから

ちがいになるものになる

きのうちがうきのうでも

きのうからおなじきのう

百英雄伝ークリア後の感想5ー

2024-07-15 | 雑文
(つづき)幻想水滸伝と同じく、百英雄伝の
サウンドだけはとてもよかったが、これもあ
くまでも最終盤以前までのこと。

中終盤がテキスト省略ではなく、しっかりゲ
ームとしてあれば、ついにいよいよのシーン
に感情も入っただろう。

しかし、反攻の過程が戦略もなにもない戦争
パートとテキストであれよあれよとご都合主
義に進んでしまえば。

いくらバックグラウンドでそれっぽい歌唱付
きサウンドが流れようと、とても気持ちは盛
り上がれない。

幻想水滸伝において、あれほど重要かつ、感
情を高めるギミックとして存在した一騎打ち
にしても。

戦略や読み合いなどというものはどこにもな
く、せっかくのブレイクシステムは明らかに
足枷で、要はつまらない。

正直なところ、幻想水滸伝があったから、幻
想を追えたから、何とかクリアまでこられた。

どうやら、そのうち追加シナリオも来るよう
だが、(感動とは逆の気持ちで)今はとても
やろうという気にはなれない。

英雄たちのバックグラウンドも思わせぶりな
ものが多く、世界観にも謎が多く、明らかに
続編の余地を残している。

面白ければそれでよかったが、やはりイチユ
ーザーとしては、色気など見せず、全力で一
本を完成させてほしかった。

追加シナリオでさえなのだから、2などの続
編が発表されても、もちろん予約などという
選択肢は今は考えられない。

発売を見届けられなかったプロジェクトリー
ダーへのリスペクトは、溢れんばかりにある。

幻想水滸伝I&Ⅱを生み出したことへの尊敬
と経緯も、溢れんばかりにある。

だからこそ、期待を込めて予約購入した一人
のユーザーとして、率直な感想を、酷評でも
書くことが礼儀だと信じている。(おわり)