Four Season Colors

現代詩と映画、読書、ゲーム、スポーツなど雑文を掲載
詩集4冊(各110円)をAmazon「Kindleストア」で販売中

ツキイチ映画館(2023年07月)

2023-07-31 | 雑文
月に一度は、映画館で新作を。2023年の
7月は、「ミッション:インポッシブル/デッ
ドレコニング PART ONE」(アメリカ)。

2023年ようやくの、ツキイチ映画館の方
向性に合った、エンタメ全開の新作ハリウッ
ド系大作。

ストーリーは明快で、とある長年のチームが、
困難なミッションをこなしながら世界(アメ
リカ)の危機を救うというもの。

シリーズものであり、本作は7作目となるが、
一貫したブレないドキドキ系アクションを主
演のトム・クルーズがこなしている。

多分、全作品観ているはずなのだが、観たと
いうだけで覚えているはずもなく、もしかし
たらどれか観ていないかもしれない。

しかし、どの作品にせよ、観た感想としてア
クションも、音楽も、世界観も、ドキドキが
物足りなかったことはない。

それは、時代として国家から個人に正義のあ
りかは変わっているが、コテコテのハリウッ
ド系テンプレートの勧善懲悪であっても。

本作も、開始からタイトルまでで二分の一本
分くらいを凝縮しているくらいに贅沢で、す
ぐに引き込まれる。

世界観の構築は完璧で、最初から最後までフ
ィクションにおけるリアリティに没頭したま
ま、この世界に入り楽しめる。

ややチェイスのシーンが長いが、メリハリは
あるので、緊張感は何とか保たれた感じ。

映像はハリウッド印なので安心であるし、音
楽もお馴染みのメインテーマを中心に心地よ
く、邪魔にもならない。

ただし、最近課題の長く続くシリーズものの
宿命であるが、トムのアクション映画俳優と
しての寿命はギリギリのよう。

こうしたジャンルの映画には、生物としての
若々しさ、壮年期の色気(というかフェロモ
ンというか)がどうしても必要になる。

それは、トップガンの続編でもギリギリだと
感じたのだが、もはや長年の貯金で耐えてい
る印象すら受けてしまう。

近年、長年のシリーズものの主演が世界観に
耐えきれていない作品も多く、好きな作品だ
けに、そうした姿は観たくない。

160分もあるくせに前半らしく、撮影状況
など知らないが、後半くらいは持つだろうか
ら、次作で綺麗に終わってくれることを望む。

過去作を観ていない人が楽しめるかについて
は、細かいことが気になる人はどれかを観る
か、簡単でよいので予習は必要。

細かいことが気にならない人は、存分に贅沢
なドキドキアクションを楽しめばよい。

自分も過去作は観ているけど、まともに覚え
ていないから、同じ程度の知識はネットに転
がっている。

大して複雑でもないし、主要な俳優の年齢を
経過ぎた姿もちょっとモノ悲しいから、ある
意味では、過去作など観ない方がよい。

それを解決するために、とあるポジションに
ある人物を取り替えていっているという不満
も感じないことだし。

なんにせよ、何も考えずにただ、ただ楽しめ
るので、万人におススメ。

イロヲウシナウ

2023-07-27 | 
ワカツテイテモ イロヲウシナウ

ソウゾウコエテ イロヲウシナウ

コウヨウシテハ イロヲウシナウ

イロヲウシナイ イロヅクヒビヨ

イロヲウシナイ イロヅクヒビヲ

オモテニミセズ イロヲウシナウ

キヅカヌウチニ イロヲウシナウ

クロカラシロヘ イロヲウシナウ

イロヲウシナイ イロヅクヒビヲ

イロヲウシナイ イロヅクヒビヨ

道端の石ころの価値

2023-07-25 | 雑文
物事が希少であり、かつ経済取引上の金額の
高いものがよい、という価値観がある。

この場合の希少性は、個々における独自性や
オリジナリティではなく、物理的に所有する、
存在する総量が少ないことを意味する。

また、経済取引上の金額については、推定や
取引のない自己評価ではなく、広く認められ
る金額であることが必要となる。

一時期流行った世界に一つの、オリジナルの
という価値観と同じか、延長上にあるかに見
えるが、この二つは大きく異なる。

直前の世界にたった一つだけの、という価値
観は、自己肯定に重きを置き、価値を認める
のは自分である。

しかし冒頭の価値観は、自己完結に意味を見
出さず、あくまでも他者からの価値、評価に
重きを置いている。

どちらがどうこうということではなく、希少
性に対して他者の価値を無視できないのは、
いつ頃からだろうという疑問による。

かつては道端の石ころに希少性を認め、宝物
とすることは、価格として価値はなくとも、
バカにはされなかったのではないか。

ところが最近は、そこに他者による価格とし
ての価値がないもしくは低ければ、どこか後
ろめたい雰囲気がある。

石ころほど極端ではないとしても、大なり小
なり生産消費を伴う経済活動に、同様の流れ
が大きい。

もっとわかりやすく言えば、どのような希少
性を認めようと、そこに価格の付加が認めら
れなければ、意味がないというものである。

他者と同じでは意味がない、価値がない、で
きれば他者も認める(うらやむ)価格を持つ
オリジナルが欲しい。

こう書けば、何も新しい価値観ではなく、昔
からある価値観のようにも見える。

見えるのだが、明らかに、自己評価による肯
定は、低い価値を望んではいないという前提
を孕んでしまっている。

そんな儲からないことをという言葉に対して、
好きでやっていると返答をする。

その返答する側の胸の張り方というか、純度
が、最近は相当に張れずに低いという、中年
の時代遅れの愚痴(自虐)。

PILGRIM-JunreiSha-

2023-07-20 | 
大きな外套で身を包み

目標とした宿を目指す

遠くそびえる塔の先は

直径が増せば増すほど

深く心の臓に食い込む

聖地と呼称される街を

訪れないではいられず

経典の確かさだけ求め

同じ型の貫きに安んじ

特別な巡礼だと信じた

痛みもなく血も流れぬ

致命傷を負い横たわる

己ではない己の声々に

決して耳を傾けぬよう

必死に強く巻き付けて

ツキイチ映画館(2023年前半)

2023-07-18 | 雑文
月に一度、映画館へ行き新作の映画を鑑賞す
る「ツキイチ映画館」活動を実施している。

2023年も企画としては無事6回を経過し、
上半期が終了したので、振り返りも込めて回
顧を。

まず真っ先に出る感想は、毎月ほぼ必ず「作
品選びに苦労する」と言っていたな、という
もの。

それも観たいものが複数あって悩んじゃう、
というものなら良かったのだが、現実はまっ
たく逆で。

そんな苦労して選んだ(選ばざるを得なかっ
た)6作品は、「非常宣言」「バビロン」

「エブリシング・エブリウェア・オール・ア
ット・ワンス」「AIR/エア」「TAR/
ター」「M3GAN(ミーガン)」。

こうして並べてみると、意味もなくふふって
なるくらいに、これ良かったな、おススメだ
なという作品が、一つもない。

悪役(犯人)に魅力のない非常宣言と、映像
だけのバビロン、いかにも賞レースなエブエ
ブに、ただの交渉劇のエア、

冗長な現代風刺のターときて、量産型人形劇
のミーガン。

何十年とやっているわけではないが、1,2
年程度でもないツキイチ映画館の歴史の中で
も、恐らくワーストを争う上半期。

例年なら、これは良かったけど、これは残念
みたいに、書いていても感情が動くものだが、
それもまったく。

仮にここまでで今年が終われば、ツキイチ映
画館の年間の最優秀賞は、「該当なし」であ
る。

優秀賞(敢闘賞)候補ですらあやしいところ
であるが、それでも無理して一つおススメを
上げるならば「M3GAN(ミーガン)」。

さて、心は、2003年の下半期1作品目が
確定している、トムの某シリーズものに移っ
てしまっている。

逆に言えば、下半期はとりあえずいきなり作
品選びに悩むこともなく、面白いかどうかは
別として、期待は出来そうで。