Four Season Colors

現代詩とスポーツ、エンタメ、時事など雑文を掲載
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4月1日(Year.2023)

2023-03-30 | 
長く密やかな沈黙の季節は

ようようにハルを取り戻し

お互いに連絡の繋がらない

金曜日の慌ただしさは過ぎ

新生活の緊張を解くような

くだらない冗談を思いつき

貴方に会うのが待ち遠しい

土曜日のエイプリルフール

2023年3月の映画館

2023-03-27 | 雑文
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響
で、月に一度映画館へ行くことすら困難にな
ったのは、丁度2年前である2021年3月。

その「ツキイチ映画館」を感染に注意しつつ
再開したのが10か月後の2021年12月。

その後は、なんとか継続ができていて、気が
付けば、再開から1年と3か月が経過したら
しい。

新型コロナウイルスが蔓延する前は当たり前
だった「映画館」の価値を、この2年間であ
らためて実感することとなった。

行動制限がなされた時は、映画館も営業を休
止していたし、その後は座席を一つ飛ばしに
する措置がスタンダードになる。

そうして感染対策の措置をしているとはいえ、
再開後の映画館は人が少なく、作品によって
は客は自分ひとりだったことも。

感染の波に合わせ、映画館は人が少し増えた
り減ったりしたが、トータルではこの2年は、
本当に人の少ない2年と記憶している。

この前のいわゆる第8派が終息して、この2
月、3月は、そんな劇場もロビーにも人が多
く、久しぶりに売店に並ぶ長蛇を見た。

そして3月は、マスクの着用も個人判断とな
り、予告編後の見慣れた「マスク着用のお願
い」と「換気は万全」の動画もなくなった。

この2つがなかったという事実は、ことのほ
か自分の中で感慨深く、新たな日常のはじま
りのようなものを実感することになった。

3月の「ツキイチ映画館」は平日にも関わら
ず人がそれなりに多く、座席も見やすそうな
範囲はどちらか隣に人がいる席しかなく。

感染症の流行がはじまる前は、隣が埋まって
いるということをこれほど気にする時がくる
とは思ってもおらず。

別に好きな席を堂々と選べばよいのだけど、
慣れというものは恐ろしいもので、下手に毎
月来ていることがアダとなった感もあり。

結局、追加料金を払うとゆとりのあるシート
になるサービスを人生ではじめて利用してみ
ることに。

この追加料金シートは、まだ感染が流行して
いる時は利用者も少なかったが、3月は割と
利用率も高い様子だった。

映画館のお客さんが増えたとはいえ、マスク
をしている人がほとんどで、通常の席もそれ
なりに空いてはいる。

だから今はまだ、恐らくは自分のように、席
の質を上げたいというより、人との距離のた
めに利用している人もいるのだろう。

それでも、話題作はなくとも、それなりに人
がいるという「映画館」が徐々に戻りつつあ
ることは確か。

日本で開催されるスポーツでの観客の応援、
歓声とともに、映画館でもアフターコロナを
見る3月だった。

GRADUATION

2023-03-23 | 
毎朝のジョギングも

毎朝のような寝坊も

毎朝のない明日には

明日の夢と今の夢が

明日の朝に揺らめく

毎晩のヴィジョンも

毎晩のような夜深も

毎晩のない明日には

明日の姿と今の姿が

明日の晩に揺らめく

ツキイチ映画館(2023年03月)

2023-03-20 | 雑文
月に一度は、映画館で新作を。2023年の
3月は、「エブリシング・エブリウェア・オ
ール・アット・ワンス」(アメリカ)。

1、2月と低調なスタートの2023年は、
3月も作品チョイスを消極的2択でしばし悩
むことに。

そうこうしているうちに、アカデミー賞の報
道があり、ハリウッド系エンタメ重視のツキ
イチ映画館として本作に傾き、チョイス。

事前情報は、いつも通り予告編のみだが、今
回はアカデミー賞をたくさん獲ったよ、とい
う情報だかなんだかもプラス。

ストーリーは、生活に追われるある意味平凡
な夫婦が、マルチバース(並行宇宙)で生ま
れた世界を滅ぼす存在と戦うというもの。

最近やや流行だがマルチバース自体は、ジャ
ンルとしては新しくもなく、ストーリーも一
応はハリウッドテンプレート。

観ている途中で自分の中で位置付けられたジ
ャンルは、新解釈マトリックス系(ただしシ
ュールコメディ)。

多次元の宇宙を救うという目的のわりに、主
な舞台は現代アメリカの2つの建物のみで、
2時間超を並行宇宙も活用してやりくり。

そうして舞台は限りなく狭いが、シュールコ
メディであることも影響し、没入できるよう
な世界観は最後まで構築されず。

フィクションのリアリズムに乏しく、一つの
映画作品としては纏まっているが、エブエブ
の「世界」というものの実感はない。

コメディ要素は下品な演出も少なくなく、確
実に好き嫌いが分かれ、これも世界観の構築
を妨げた要因か。

映像表現も現代の作品としては特筆するもの
はないというか、マーベル系とかのせいもあ
るが、控え目に言って劣る。

サウンドも特に印象に残るものはなく、これ
は映画館の問題かもしれないが、効果音で音
量設定が数か所バグっている(うるさい)。

自分のような、2時間を作品の世界に身を任
せるままに浸りたいという求ム、エンタメ!
タイプには物足りなさも。

と、ここまでマイナスなことばかり並びたて
ているが。

作品賞を取るだけあって、決して一つの作品
として破綻しているわけではなく、確かにパ
ッケージとしての完成度は高い。

起承転結のバランスもいいし、素材に反して
分かりやすく混乱することもないし、終わり
方も王道。

つまり、笑えるかどうかは別として、面白く
ないということはなく、まさに「賞レース」
向けっぽい作品だった。

下品さも含めてシュールコメディが好きで、
かつ、ほんの少しの感動と説教臭さも好みの
方におススメ。

ちなみに、本作の受賞は、作品賞、監督賞、
主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集
賞でSF系の作品賞は初らしい。

マトリックスは視覚効果賞、編集賞、音響賞、
音響編集賞であるから、そういう視点で観て
みても面白いのでは。