Four Season Colors

現代詩と映画、読書、ゲーム、スポーツなど雑文を掲載
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Crack-Swing

2025-01-30 | 
鉢のヒビを知らず

泳ぐ出目金の横で

同じ時刻を告げて

スイングする振子

鏡のヒビを知らず

笑う道化師の横で

同じ地点を回って

スイングする人形

割れてもそのまま

止まらぬスイング

ツキイチ映画館(2025年01月)

2025-01-27 | 雑文
月に一度は、映画館で新作を観よう、という
コンセプトで続けている「ツキイチ映画館」
の2025年1月期。

エンタメ系重視の企画に恥じぬよう、選んだ
作品は、「ビーキーパー」(アメリカ)。

主演のジェイソン・ステイサムが悪い奴らを
暴力的に懲らしめる、勧善懲悪ハリウッド超
絶テンプレート系。

設定や起承転結など、あってないようなもの
で、ジェイソン・ステイサムが暴れる他の作
品とシーンを混ぜても、多分わからない。

普段、伏線や芸術性は味付けで重要ではない
といっておきながらなんだが、ちょっといく
ら何でも、これは、という感想。

主人公はビーキーパー、つまり養蜂家なので
あるが、これがまったく必然性もなく、深さ
もほぼ平坦くらいに浅く、本当に設定のみ。

タイトルを付けないといけないし、とりあえ
ず養蜂家にしておこうかというくらいに、ほ
かの職業でもいい。

根拠などないが、そういう映画だから主人公
は負けないし、淡々と暴力で解決していくか
ら、緊張感もメリハリもない。

今日日、派手な暴力系など珍しくなく、映像
も奇麗はそれは当たり前に奇麗であるが、た
だそれだけ。

一応、三すくみの組織設定はあるが、まあ、
暴力シーン以外のための時間稼ぎ程度で。

せめてというには贅沢かもしれないが、テン
プレート系とはいえ、ミッションインポッシ
ブル程度のプラスアルファは欲しかった。

ジェイソン・ステイサムが暴れる映画がとに
かく好きで、もう、それだけあれば十分とい
う人以外には、特におススメでもなく。

世界観に浸ることもできないというか、そも
そも集中力が切れて現実に戻るほど、まずそ
の世界(フィクション)に入らない。

感想を書くにあたり検索して、悪役の俳優さ
んが「ファイブ・ナイツ・アット・フレディ
ーズ」の主演と知る(映画館で観てるのに)。

イマイチだったあの作品の続編が主演続投で
制作と知り、まさかこちらも、などと邪推し
てみたりして。

どちらも作品根本の問題だから、俳優さん
(ジョシュ・ハッチャーソン)のせいではま
ったくないのだけれど(よい俳優さん)。

それをやっちゃあ、おしめぇよ

2025-01-20 | 雑文
国が治まらないのは、人ではなく法制度に原
因があるという、どちらかといえば性悪説的
な考え方がある。

国というと話が大きくなるが、一般社会にお
けるモラルもまた、同じ考え方がされること
がある。

現状のルールが良かろうと悪かろうと、守っ
ている限りは、何ら問われるいわれはなく、
ルールを変えればよい、それから従うと。

決められた範囲内といえば、それはとても明
確で、他に議論の余地はないのだと簡単に主
張もできる。

モラルだとか、信仰だとか、気持ちだとか、
そういう曖昧な、決して明確ではないことを
簡単に排除できる。

自己の利益だけを見て、「それをやっちゃあ、
おしめぇよ」などという言葉は、何の足しに
もならないという。

社会はどんどん変わるから、最初どのような
目的だったとしても、そこから外れたルール
の運用がされることは、昔からよくある。

ルールの範囲内だけど、モラルが、信仰が、
気持ちが、「それをやっちゃあ、おしめぇよ」
と自分にいう。

これを善と悪と決めるのが適切でないなら、
この考え方の片方の極は、もう片方の極を鼻
で笑い、馬鹿にするだろう。

片方の極は、もう片方の極には見向きもせず、
ただ自己において、満足を得るだろう。

結果だけをみれば、自己の絶対的な善、他者
から見れば自己満足は、ただ損をする馬鹿な
のかもしれない。

しかし忘れてはならないのは、少なくとも現
代のこの国(日本)のルールは、信仰による、
つまり神の定めしルールではない。

だからこそ、皮肉にも、結果的に、ルールが
分かりやすい絶対となりがちでもあるが、ル
ール自体は論点にはなりえない。

つまりは、心の豊かさを何に求めるかで、ル
ールの範囲かどうかの話ではないのだけれど、
片方の極は、ルールのみを語るという話。

距離のX乗

2025-01-16 | 
どれだけ遠くへと越しても

お隣さんと言葉が通じれば

別離の悲しみは里を越えて

お隣さんとも饒舌に通じて

どれだけ近くから越しても

お隣さんと言葉が通じない

別離の悲しみは里を越えず

お隣さんとは沈黙に通じて