月に一度は、映画館で新作を。2023年の
3月は、「エブリシング・エブリウェア・オ
ール・アット・ワンス」(アメリカ)。
1、2月と低調なスタートの2023年は、
3月も作品チョイスを消極的2択でしばし悩
むことに。
そうこうしているうちに、アカデミー賞の報
道があり、ハリウッド系エンタメ重視のツキ
イチ映画館として本作に傾き、チョイス。
事前情報は、いつも通り予告編のみだが、今
回はアカデミー賞をたくさん獲ったよ、とい
う情報だかなんだかもプラス。
ストーリーは、生活に追われるある意味平凡
な夫婦が、マルチバース(並行宇宙)で生ま
れた世界を滅ぼす存在と戦うというもの。
最近やや流行だがマルチバース自体は、ジャ
ンルとしては新しくもなく、ストーリーも一
応はハリウッドテンプレート。
観ている途中で自分の中で位置付けられたジ
ャンルは、新解釈マトリックス系(ただしシ
ュールコメディ)。
多次元の宇宙を救うという目的のわりに、主
な舞台は現代アメリカの2つの建物のみで、
2時間超を並行宇宙も活用してやりくり。
そうして舞台は限りなく狭いが、シュールコ
メディであることも影響し、没入できるよう
な世界観は最後まで構築されず。
フィクションのリアリズムに乏しく、一つの
映画作品としては纏まっているが、エブエブ
の「世界」というものの実感はない。
コメディ要素は下品な演出も少なくなく、確
実に好き嫌いが分かれ、これも世界観の構築
を妨げた要因か。
映像表現も現代の作品としては特筆するもの
はないというか、マーベル系とかのせいもあ
るが、控え目に言って劣る。
サウンドも特に印象に残るものはなく、これ
は映画館の問題かもしれないが、効果音で音
量設定が数か所バグっている(うるさい)。
自分のような、2時間を作品の世界に身を任
せるままに浸りたいという求ム、エンタメ!
タイプには物足りなさも。
と、ここまでマイナスなことばかり並びたて
ているが。
作品賞を取るだけあって、決して一つの作品
として破綻しているわけではなく、確かにパ
ッケージとしての完成度は高い。
起承転結のバランスもいいし、素材に反して
分かりやすく混乱することもないし、終わり
方も王道。
つまり、笑えるかどうかは別として、面白く
ないということはなく、まさに「賞レース」
向けっぽい作品だった。
下品さも含めてシュールコメディが好きで、
かつ、ほんの少しの感動と説教臭さも好みの
方におススメ。
ちなみに、本作の受賞は、作品賞、監督賞、
主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集
賞でSF系の作品賞は初らしい。
マトリックスは視覚効果賞、編集賞、音響賞、
音響編集賞であるから、そういう視点で観て
みても面白いのでは。
3月は、「エブリシング・エブリウェア・オ
ール・アット・ワンス」(アメリカ)。
1、2月と低調なスタートの2023年は、
3月も作品チョイスを消極的2択でしばし悩
むことに。
そうこうしているうちに、アカデミー賞の報
道があり、ハリウッド系エンタメ重視のツキ
イチ映画館として本作に傾き、チョイス。
事前情報は、いつも通り予告編のみだが、今
回はアカデミー賞をたくさん獲ったよ、とい
う情報だかなんだかもプラス。
ストーリーは、生活に追われるある意味平凡
な夫婦が、マルチバース(並行宇宙)で生ま
れた世界を滅ぼす存在と戦うというもの。
最近やや流行だがマルチバース自体は、ジャ
ンルとしては新しくもなく、ストーリーも一
応はハリウッドテンプレート。
観ている途中で自分の中で位置付けられたジ
ャンルは、新解釈マトリックス系(ただしシ
ュールコメディ)。
多次元の宇宙を救うという目的のわりに、主
な舞台は現代アメリカの2つの建物のみで、
2時間超を並行宇宙も活用してやりくり。
そうして舞台は限りなく狭いが、シュールコ
メディであることも影響し、没入できるよう
な世界観は最後まで構築されず。
フィクションのリアリズムに乏しく、一つの
映画作品としては纏まっているが、エブエブ
の「世界」というものの実感はない。
コメディ要素は下品な演出も少なくなく、確
実に好き嫌いが分かれ、これも世界観の構築
を妨げた要因か。
映像表現も現代の作品としては特筆するもの
はないというか、マーベル系とかのせいもあ
るが、控え目に言って劣る。
サウンドも特に印象に残るものはなく、これ
は映画館の問題かもしれないが、効果音で音
量設定が数か所バグっている(うるさい)。
自分のような、2時間を作品の世界に身を任
せるままに浸りたいという求ム、エンタメ!
タイプには物足りなさも。
と、ここまでマイナスなことばかり並びたて
ているが。
作品賞を取るだけあって、決して一つの作品
として破綻しているわけではなく、確かにパ
ッケージとしての完成度は高い。
起承転結のバランスもいいし、素材に反して
分かりやすく混乱することもないし、終わり
方も王道。
つまり、笑えるかどうかは別として、面白く
ないということはなく、まさに「賞レース」
向けっぽい作品だった。
下品さも含めてシュールコメディが好きで、
かつ、ほんの少しの感動と説教臭さも好みの
方におススメ。
ちなみに、本作の受賞は、作品賞、監督賞、
主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞、編集
賞でSF系の作品賞は初らしい。
マトリックスは視覚効果賞、編集賞、音響賞、
音響編集賞であるから、そういう視点で観て
みても面白いのでは。