「エンド・オブ・ライフ」佐々涼子(集英社
文庫)
著者の作品は「駆け込み寺」「紙つなげ!」
「エンジェルフライト」と読み、本作で4作
目となった。
取材で知り合った訪問看護師に重い癌が見つ
かり、本人からの依頼により書籍化を前提に
話を聞き続けた日々をまとめている。
在宅による終末期医療に多く携わった看護師
による、患者となった自身を通した訪問介護
について、後進向けに本にまとめる。
そのはずだったのだが、著者が取材に赴いて
も、看護の専門的な話は一向に出ず、そのま
ま最期の時を迎える。
裏表紙ではノンフィクションとされているも
のの、本書は終末期と死とテーマとしたエッ
セイに近い。
癌が見つかる前に取材した在宅医療と、患者
である看護師と、著者の過去を交え、在宅医
療と死について考え、語る。
そもそもノンフィクションを目的とした取材
ではなかったから、仕方がないのかもしれな
いが、内容はわりと雑多な感があり。
構成はよくある今と過去を交互に進める形式
を取っているが、ただ交互であるだけで、内
容に交わりもなく、必然性は薄い。
良くも悪くも、対象に一歩踏み込むことはな
い(なくなった)著者であるから、在宅医療
の実話を集めたものとして読めてしまう。
そこに著者の在宅医療と死について思うこと
を挟み、結果的に、読者はそこから終末期の
在宅医療についてを考えることとなる。
3冊目の「エンジェルフライト」の著者紹介
で、著者の佐々さんが9月にお亡くなりにな
ったことを知った。
本屋で気軽に手に取ることができる一般向け
のノンフィクションやルポルタージュは、本
当に貴重なものである。
今後、佐々さんの新著が増えることはないと
いうことを、とても残念に思う。佐々涼子さ
んのご冥福をお祈りいたします。
文庫)
著者の作品は「駆け込み寺」「紙つなげ!」
「エンジェルフライト」と読み、本作で4作
目となった。
取材で知り合った訪問看護師に重い癌が見つ
かり、本人からの依頼により書籍化を前提に
話を聞き続けた日々をまとめている。
在宅による終末期医療に多く携わった看護師
による、患者となった自身を通した訪問介護
について、後進向けに本にまとめる。
そのはずだったのだが、著者が取材に赴いて
も、看護の専門的な話は一向に出ず、そのま
ま最期の時を迎える。
裏表紙ではノンフィクションとされているも
のの、本書は終末期と死とテーマとしたエッ
セイに近い。
癌が見つかる前に取材した在宅医療と、患者
である看護師と、著者の過去を交え、在宅医
療と死について考え、語る。
そもそもノンフィクションを目的とした取材
ではなかったから、仕方がないのかもしれな
いが、内容はわりと雑多な感があり。
構成はよくある今と過去を交互に進める形式
を取っているが、ただ交互であるだけで、内
容に交わりもなく、必然性は薄い。
良くも悪くも、対象に一歩踏み込むことはな
い(なくなった)著者であるから、在宅医療
の実話を集めたものとして読めてしまう。
そこに著者の在宅医療と死について思うこと
を挟み、結果的に、読者はそこから終末期の
在宅医療についてを考えることとなる。
3冊目の「エンジェルフライト」の著者紹介
で、著者の佐々さんが9月にお亡くなりにな
ったことを知った。
本屋で気軽に手に取ることができる一般向け
のノンフィクションやルポルタージュは、本
当に貴重なものである。
今後、佐々さんの新著が増えることはないと
いうことを、とても残念に思う。佐々涼子さ
んのご冥福をお祈りいたします。