かたつむりのように

のんびり、ゆっくり、ゆっくり、・・・歩いていこう
時には アンテナをたてて・・・

日展にいってきました

2015年02月14日 19時57分20秒 | 日記

今年も日展の時期になった

時折小雪が舞う寒い日だったが 日展を見に愛知県美術館ギャラリーに出掛けた。

会場は多くの人でにぎわい、静かな熱気に包まれていた。

日本画 洋画 彫刻 工芸美術 書の五部門だが

私はやっぱり日本画 洋画をみるのが楽しい。

 

会場は大きな作品がぎっしりと並び、その迫力に圧倒される。

それぞれの作品から、何かうったえかけられるような想いがして

素通りするのがためらわれてしまう。

特に 車椅子の年老いた母親を描いた【わが母の像】や

軍艦島を描いた【廃墟の島へ】は心魅かれた。

 

会場には いろいろの世代の人たちがやってきていたが

ニット帽にリック姿、とうに80才を越えたと思われる小柄の女性が

杖にすがりながら、じっと絵を見ている姿が気になった。

身内の方の絵があるのだろうか・・・

それとも

一人でやってくるほど絵がお好きなのだろうか・・・

 

私も子供の頃から絵が好きだった。

中学生の頃は美術部に入り、友人と校内に壁画を描いた

ローランサンの模写だった

その時の楽しさ 感動が忘れられずいつか大きな絵を描きたい! 油絵が描きたい!

ずっと夢みていた・・・

 

40才ごろだった。

転勤で長崎に住んでいたある日 バスに乗っていると、

キャンバスを持った4~5人が乗り込んできた。

(あ~、この人たちは油絵を描いているのだ。 いいなあ~ どこで描いているのだろう)

私はその人たちの後をついてバスを降り、そっと後をつけて行った。

すると、とある会館に入っていった。

受付で

「ここで、油絵を教えていただけるんですか?」

「はい、今日やっています。どうぞ どうぞ・・・」

ちょっと聞くつもりだったのに、受付の人は立ち上がってしまった。

私は戸惑いながら、その人の後についていった。

大きな部屋に、イーゼルがたち並び、熱心に絵を描いている人たちの姿がとびこんできた。

私は 心の準備もないままに、戸惑いつつ入会してしまった。

・・・・・・・・

あれからいくつもの転勤を重ね、長い年月がたった。

今年も当時の友人から 年賀状が届いた。

「まだ油絵続けていますか?」

「〇〇さんは中央に出品しましたよ。 〇〇さんと私は 県展に入選しました」

(あ~ いいなあ~・・・)

 

絵具も 筆も 夢も断捨離してしまった心に 未練の火がチョロッと燃えた。

しかし 日展の大迫力、堂々たる絵を眺めながら、思った

夢をもったが・・・所詮 夢だった!

と