かたつむりのように

のんびり、ゆっくり、ゆっくり、・・・歩いていこう
時には アンテナをたてて・・・

日展がやってきました

2016年02月09日 19時57分49秒 | 日記

日展に行ってきました。

 

毎年この時期になると 赤地に白い『日展』と書かれたポスターに

ソワソワしてきます。

絵を見る楽しさに加え この日展の頃になると、

太陽の光にも 風の中にも かすかな春の気配を感ずるようになり

寒さも峠を越したなと嬉しくなってきます。

 

会場の愛知県美術館は今年も いろいろの年代の人達でにぎわっていました。

弾けるような笑顔の高校生、絵画サークルの仲間と思われる人たち、

絵がお好きだろうと思われるベレー帽に長いコートの老婦人・・・

 さまざまの人たちの間を縫って 窓口に向かった時

私は 後ろから

ポン ポンと肩をたたかれました。

見ず知らずの60才ぐらいの女性でした。

「友達がこれなくなったので、この券をつかってください・・・」

びっくりし 戸惑いながらお礼を言う私に

「いいの いいの・・・」

と手で押しとどめるようにしながら、会場に入って行かれました。

 

すると また

「お二人ですよね。もう1枚ありますよ。〇〇新聞の招待券ですが どうぞ」

なんと

 思いがけず 夫と二人分の招待券をいただいてしまいました。

 当日券は1000円です。

ネットでプリントアウトしてきた割引券は僅か100円の割引です。

私達は ほっこりとした気持ちで会場に入りました。

 

会場には 今年も200号あまりの大作がならび 迫力満点です。

どれもこれも 構想から描き上げるまで何か月も費やされたことでしょう。

 心魅かれる作品は、たくさんありました。

 

特に好きだったのは 特選になられた「そよ風」です。

キャンバスの中にやわらかな光、優しい風がかすかに動いているようで

その中に入り込んでしまいたくなるような美しい絵でした。

 

今年も 気になったのは「母の像」です。

よくお母様をモデルに出品されていますが、かっては立姿だった母親像が 

今は車イス姿です。

 昨年の「わが母の像」の車イス姿より 一段と頼りなげにみえました。

 作者の(母親のすべてを忘れまいぞ・・・)とするかのような

鋭敏な目と温かな眼差しで描かれ母親像は胸に響きました。

 

この絵を眺めながら 絵より以前に 「あゝ お元気なんだ。よかった!」  と

 思ったのは、私だけではなかったことでしょう。

 

今年も たくさんの肖像画がありました。

かって、絵画サークルの友人が

「娘が20才になったら、赤いドレスを着た娘を描きたいわぁ~」

と言ったことがありました。

息子ばかりの私は、ちょっと羨ましく

 「息子じゃあ 絵にならないよねぇ~」

なんて笑いあいました。

 

あれから随分長い年月がたちました。

他県に住む彼女です。

 

あの夢は 果たせたのでしょうか・・・

 

思い出しながら、絵をみてまわりました。