躑躅が崎館から甲府城へ 戦国大名もお忙しい💦

2022-06-13 18:29:43 | 紹介
山梨といえば、、さくらんぼ、桃、ぶどうなどなど果物が美味しいところ🍒でしょうか?
南アルプスを有しているということもあり、
来館された方から、「ほうとう」の他、おいしいお蕎麦屋さんを聞かれることも多いです。
「信玄餅はどこで買えますか?」というご質問もいただきます。
もちろん、ミュージアム内の㈱桔梗屋様直営店で買えますよ。とお答えしますが、
実際に山梨県内であれば、お土産の取扱店で置いていない方が珍しい、というくらい。
果物の持ち帰りは気を使いますが、信玄餅なら気楽に持ち帰れますから。
ともかく、ネーミングの勝利でしょうか。昔から山梨土産といえば「信玄餅」。

甲府市内のデザインマンホールも、6種類中4種類が「信玄公」

JR甲府駅周辺に設置されているデザインマンホールマップ
左がマンホールカードも発行されている「風林火山」
右上が「戦国BASARA信玄くん」マンホールです。

確かに、信玄公は、山梨の歴史においてもキラ星のごとく✨
戦国時代における存在感もさることながら、
江戸時代に入ってからも軍神キャラクターで活躍しました。

でも、信玄公が亡くなった後も、甲府はずっとあったワケで、
歴史は連綿と続いて今があります。
当館でご紹介している躑躅が崎館と呼ばれた武田氏館跡も、
勝頼公が新府城へ拠点を移した際、一度廃城にされていますが、
織田信長による甲州征伐による勝頼公の死後、
信長が館内に建てた仮御殿に入ったとも伝承されています。
そのわずか2ヶ月後、本能寺の変により、再び甲斐の国は混乱状態に陥るのですが。

そこで、信長の弔い合戦をすると触れ回りつつも、
甲斐と信濃を押さえるべく動いた一人が徳川家康。
上杉・北条との、旧武田氏領をめぐる、三つ巴の合戦・天正壬午の乱が起こりますが、
家康は、生き残った武田遺臣を調略するなどして、北条氏と和睦を果たし、
織田家宿老たちの了承を得て、晴れて信濃と甲斐を領有して甲府入り。

「国中三郡」、今のお天気図で言うところの、
甲府を含む山梨中西部を実質的に治めたのが、徳川家家臣・平岩親吉。
躑躅が崎館の城代として、甲州金や甲州枡など、武田氏時代の制度を受け継ぎます。
また、家康から親吉に、現在のJR甲府駅周辺の「一条小山」に、
甲府城を普請するよう命じたと伝えられ、甲府城は、徳川勢が最初に築城に着手した
とも言われています(諸説あり)。
そして、秀吉の小田原出兵、家康の関東移封で中断。

今度は秀吉の甥・羽柴秀勝が甲斐国に入るも、またたく間に岐阜へ国替え。
その後を継いだのが、豊臣家家臣、加藤光泰でしたが、
文禄の役(1592)で朝鮮へ出兵、翌年、病没。

甲斐統治を引き継いだのが、浅野長政・幸長(よしなが)親子でした。
甲府城は、この浅野氏の時代に完成されたと推定されています。
現存する石垣に、安土城や大阪城の石垣との共通点があること。
発掘調査で、浅野家家紋「違い鷹の羽紋」の軒丸瓦、
豊臣家家紋の「五三の桐紋」の鬼板瓦や、多数の金箔瓦が出土していることが根拠。
ちなみに、武田氏が拠点とした躑躅が崎館の天守台跡や、石積みが、
甲府城同様に、穴太(あのう、又はあなふ)(※)による石垣の特徴を示していることから、
甲府城が完成するまで、武田氏館が甲斐国統治の拠点だったと考えられています。

(※)現在の滋賀県、近江国穴太出身の石工集団で、
手がけた石垣は、自然石を加工せず、そのまま積み上げる技法でしたが、
大変に頑丈で、信長も驚くほどだったとか。

そして、秀吉の死後、東西に別れて争った関ヶ原の合戦を経て、
浅野長政は江戸から常陸国5万石へ。
息子・幸長は紀伊国和歌山37万6500石へ。
そして、甲斐は再び徳川氏の治めるところとなり、国中三郡を統治すべく、
かつて甲斐を治めた平岩親吉が甲府城に入り、豊臣以前の支配体制が再び取られます。

・・・武田氏館、通称躑躅が崎館が再び脚光を浴びるのは、
明治、大正時代の、武田神社創建活動が活発化する、およそ300年後。

マンホールを巡りつつ、甲府の歴史も一緒にお楽しみいただければ幸いです❤

・・・・・
信玄ミュージアム、特別展示室の企画展示、
「甲斐領主と善光寺」第3弾が始まりました。
テーマは、豊臣政権下で、甲斐国を治めた加藤・浅野氏と善光寺。
善光寺所蔵の「一光三尊阿弥陀如来画像」も展示しております。
7月4日(月)までの期間限定展示です。お見逃しなく!






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