池澤夏樹の新刊『また会う日まで』(朝日新聞社)は作者の大伯父(祖母の兄)である、海軍少将・秋吉利雄を主人公にした歴史長編小説だ。明治に生まれ、敗戦後までを生きた人の人生を描くことは、日本の近代史をたどることになる。秋吉は、海軍軍人、天文学者、そしてクリスチャンという三つの顔をもつ人物だ。これが三つ巴の如くおそってくるのだから読むのに、えらく時間がかかった。でも、物語として面白くて止めらない。さすが . . . 本文を読む
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