レミのソラ

ピアニスト/作曲家 知野礼美のブログ。
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When You're StrangeとMao's Last Dancer

2010-12-01 23:38:56 | 日記・エッセイ・コラム
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邦題はドアーズ「まぼろしの世界」。この映画は全て当時の映像のみで構成されたいわばドキュメンタリー、ずっと待ってましたよ山形での上映。案の定映画館は悪人面の中高年で一杯。なわけなく普通の人々ですが、いつもより混んでます。そしてレミはどっぷりドアーズに浸りきり、家帰ってすぐCD聞いてピアノ練習終わってもドアーズに戻り、ああワタクシの脳は彼ら4人の音が占領されています。もうすぐ天使の歌声合唱とか、ジャンヌ盛上げドラマティックパートを書くというのに。
そしてこの映画の素晴らしいのは、ジョニデのナレーションがいつしかジム・モリソンの歌声に寄り添っていること。二人の顔の造作(目のくぼみ具合やちょこっとした唇など)が似てるので、いいアンサンブルを作り出したのか。
「声」は天の授け物。ピアニストは生まれた時に与えられるのは、皆同じ10本の指だけ。ジム・モリソンは楽譜も読めず自分の声に劣等感を持っていた(最初のステージではまともに客席に向かって歌えない)のだが、その声は退廃的な楽曲そのものでジム以外の誰かが歌えるわけない。だけどなんかうちのCDの音質に非常に不満だ。昔のCDを高音質に加工してる最近のCDに買い替えたいと思ってます。

実は昨夜も私は同じ映画館にいた。
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Mao's Last Dancer(邦題は小さな村の小さなダンサー)
毛沢東の共産時代の最後のダンサーってこと。
オーストラリアでベストセラーとなった、リー・ツンシンの自伝を映画化したものです。
まあなんと、リーが初めてアメリカに渡って大成功、の時期にワタクシもアメリカにいたわけだ。しがない音楽学生だったが、中国本土からの留学生と何人か親しくしてた。アメリカ人みんなTシャツジーンズなのに彼だけいつもグレーの背広着てて、「これを脱ぐわけにはいかないんだ」って言ってたなあ。共産主義って大変なのねとは思ったけど、彼の心の内は全然理解しようと思わなかったし。
この映画では山東省出身のリーが過酷な訓練を受け、運良く得た3ヶ月のアメリカ滞在中に「ここでは自由に踊れる」と永住を決心する。支援してくれる人たちがヒューストンの大使館で拉致されたり、ストーリーはおもしろかった。
だけど山東省での映像が良かったなあ。人間は生まれたら必ず「故郷」と「家族」が出来るんだ、となんか当たり前のことをしみじみ感じたのでした。