3月に「JR博多シティ」が開業したが、ここに来てようやく屋上まで上る機会に恵まれた。
屋上庭園にある「鉄道神社」。
昼下がり、夏休みのさなかと言うこともあり、子ども連れも多くとても賑わっていた。
でも、この神社の周辺は、青と白のコントラストと、周囲の喧噪などないかのように、凛と不思議なたたずまいを見せていた。
博多駅という、九州の玄関口に、こんな神社があるなんて。
鳥居の手前に並ぶ仲見世。
お店の旗が風に揺れる。
かき氷にビール・・・。
チリン、チリンと、乾いた音の江戸風鈴の音。
ガラスの江戸風鈴は、鉄製の南部風鈴とは違って、周囲の景色をより白く際立たせる。
そんな仲見世の景色が歪んで見えるほどの夏の暑さも加わり、まさに白昼夢の中に、自分が迷い込んだかのような錯覚を覚える。
ふと見ると、みんないる。
一緒に仕事をしている仲間がいる。
夢でもなんでもない。
心がカラになる。
隙間ができる。
そしてまた、水を注ぐ。
白昼夢のような、そんな風景までも乾いてしまわないように。