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11月24日は、フレディ・マーキュリーの命日。
このブログを書き始めた当初は、毎年この日はフレディのことなど思うことを記載していた。
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知識も経験もコレクションもなく、おまけに稚拙な私の文章では表現も限られてくるのだが、それでもずっと心の奥で思っていたことは事実だ。
2005年の11月には、ポール・ロジャースを迎えたQUEENを生で見ることができ、感激した。
2018年11月24日。
フレディー・マーキュリーが亡くなって27年。
当時21歳だった私も48歳になり、フレディ・マーキュリーの没年齢を追い越してしまった。
そして息子が今年21歳。
つまり、フレディ・マーキュリーが亡くなった当時の私の年齢になってしまった。
今年、11月9日から映画「ボヘミアン・ラプソディ」が公開される。
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今だからこそ言うが、事前情報などほとんどスルーしてきていて、単に「映画があるんだ」ぐらいの気持ちでいた。
ライブ・エイドも再現!ということぐらいは知っていたが、来日したQUEENのメンバー役の俳優さんの様子など、ほとんどテレビでも見なかった。
SNSでニュースを見たり、写真を見たりする程度。
それでも映画は見に行こう!
行くのならば、11月24日だな・・・という感じだった。
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実際に映画を見ての感想だが・・・。
涙がどうしても出てきてしまい、たまらない気持ちになった。
それは、ストーリーや音楽そのものの素晴らしさはもちろん、リアルタイムQUEEN(ライブエイド)に至るまでの道のりに、自分がリアルタイムで見てきたQUEENが交差して、ずっとともに歩んできたような気持ちになったということが大きかった。
ライブエイド当時は中学生だった。
ヒットチャートに上がってきたのは「Radio Ga Ga」、そして、フレディー・マーキュリーのソロだった。
(よって「I Was Born To Love You」は、QUEENの楽曲というより、フレディー・マーキュリーのソロの認識の方が強い)
以降はずっと活躍を見てきて、ツアーをしないことに関しては漠然と思っていたが、新譜は出てるし、ベテランのバンドとして大きく表には出なくても活動していくものと思っていた。
21歳の秋、フレディ・マーキュリーのエイズ罹患公表、翌日の死は、それはショックだった。
ロックミュージシャンの訃報で、一番最初に衝撃を受けて打ちひしがれたのは、彼だったからだ。
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あー!自分語りになってしまった。
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フレディ・マーキュリーと、QUEENの前身バンドであるSMILEでのブライアン・メイ、ロジャー・テイラーとの出会い、いつの間にかメンバーになってる(笑)ジョン・ディーコン、そしてメアリー・・・。
史実とは違うのは重々に承知していたし、その辺は特に気になることはなかった(割り切っていた)。
成功をつかむまでの彼ら、レコーディングのこだわり、名曲が誕生して世に出るまでのドラマ、ぐいぐいとスクリーンに引き込まれた。
メアリーを愛しているフレディ・マーキュリーだが、次第に自分の中にある違和感とメアリーとのすれ違い、そして「ゲイなのよ」とメアリーに突き付けられる。
自分が何者なのか?で苦悩し、たくさんに人に囲まれながらも、本当に自分を大事に思ってくれる人はわずか・・・。
愛する人に、ただそばにいて欲しかった。
本当に分かり合える友人が欲しかった。
バンドのメンバーは大切な家族であり仲間だった・・・。
バラバラになりかけた彼らが、ラストのライブエイドのステージで、圧巻のパフォーマンスを見せる。
この場面では、すでに10代当時の自分になってしまうのだ。
そして、改めてライブエイドを体験するということで、さまざまな感情があふれ出す。
QUEENのメンバー役の俳優さん、みんなご本人にそっくりで、髪型の遍歴など細かいところまで丁寧に再現されていた。
それは他の配役の俳優さんも同様で「よく似た人連れてきたなぁ」と本気で思った。
ライブエイドのパフォーマンスはもちろんだが、そんなに延々とあるわけではないが、ほかのライブシーンも素晴らしかった。
小物へのこだわりやフレディには欠かせない猫の存在も、ホッとする清涼剤や緩和剤のような、愛らしい姿がそこかしこに登場するのもうれしかった。
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そして・・・。
フレディー・マーキュリーの死からすでに四半世紀以上が経ち、若い人は当時を知らず、生まれた時にはすでに彼はいない人が増えた。
そんな若い人たちは、この映画のストーリーや音楽、一人の人間としてのフレディー・マーキュリーの生き方に触れ、新たにQUEENを知ったのだろう。
年齢を重ねた方は、当時を思いながら、なお自分の中に生きているフレディー・マーキュリーやQUEENの音楽を見つめなおしたのかもしれない。
私は70年代の彼らはリアルタイムではないが、普通に活躍していた彼らを見てきた最後の世代になるのだろう。
やはり、当時の自分とQUEENに思いをはせ、自分がリアルタイムを迎えるまでのストーリーに引き込まれ、そして今を思うのだ。
見るたびに新しい発見が必ずあるこの映画。
また、再会したい。
記1月26日