私はその言葉を知らない。
いや、知る由もない。
毎日、保険の外交員をしながらこの惑星の調査をしているからだ・・・・。
昨日は会社の芋煮会、河川敷でやるのは久しぶりだ。佳境になり後片付けをしている時にケータイが鳴る。
「今、何しった?」
「会社の芋煮会。ちょうど後片付けしているところだ」
「飲んだか? 夕方『夢屋さん』がご馳走してくれるらしいから終わったら自転車で来い」
「ノンアルコールだから大丈夫だ。終わったらビール持って行くよ」
と『ノロ君』宅を訪ね、『夢屋さん』の第2サティアンに向かう。
『夢屋さん』は稲杭を直しているところだった。
「準備してあるから先に飲んでろ~」
それじゃ~お言葉に甘えてと缶ビールを開ける。『ノロ君』は用事があるので出掛けるからやっていてくれと中座する。
農作業が終わった『夢屋さん』は今度はシェフに変身だ。
目新しいなべを七輪にかけて、収穫したばかりのにんじんと玉ねぎを切り始める。
「にんじんあるか?良かったらもってけ~」
ありがとうと返事をしながらなべをしげしげと見つめる。英語でなにか書いてあるが・・・・。
そのなべは「ダッチオーブン」というものらしい。よくまぁ~いろんなものを見つけてくるもんだ。彼はそうやって遊びに変える天才だ。
ブログに書いてあったかぼちゃの丸焼きを作る為らしいなぁ~・・・・。
炭の火力で暖まったダッチオーブンに牛ステーキ用肉を入れる。ジューという音がなんとも心地よい。いったん肉を取り出し、玉ねぎ、にんじん、肉を敷き詰める。その上に再び玉ねぎ、にんじん、かぼちゃ、にんにくを重ねて蓋を閉じる。味付けは塩胡椒のみ。後は『ノロ君』が帰って来る頃に完成を待つばかり。
仕込が終わると『第1サティアン』に場所移動。来週入院予定の『ノロ君』に肉でも食べて体力をつけろと言うことだ。このへんの心使いが彼らしい。
用事が済んだ『ノロ君』もやってきた。主が不在なのに勝手にやっているのがご愛嬌。
彼もなべを見つける。
「それなんだ? 一万円ぐらいするのか?」
野菜から出る水分で予想外の肉の仕上がり具合に納得出来ない『夢屋シェフ』だったが、野菜の味は十分に引き出されていたのには驚いた『ノロ君』と私。調理器具で味が変わることを実感しました。肉も美味しかったよ~。
ふらっと顔をだした『イチオ』は缶ビールと塩さば持参。とりあえず野菜を前菜として出すと美味しいと太鼓判。これでやったんだ~と指差すと「知ってるよ。ダッチオーブンだろ!」
予想外だ。彼も知ってるなんて・・・・。
黙って頷きながら聞いていた『ノロ君』はきっとダッチオーブンを買う気だ。
急に夜風が冷たく感じる今日この頃、ダッチオーブンの暖かい料理が体を温めてくれます。
『夢屋さん』『ノロ君』いつもご馳走様です。
調査報告書には『ダッチオーブン』と書いておこう。
今朝も8時起床、食欲の秋。ついに体重は8キロオーバーだぁ~・・・・。