迷子の森~きのこ谷~

ここは迷子の森の片隅にある『きのこ谷』。ここでは、きのこの輪っかが沢山見つかります。もしかして、ここは妖精たちの住みか?

節分のパン

2015-01-31 16:18:01 | トナー タイニーベッツィー





今日のお話は、茂市久美子さんの『つるばら村のくるみさん』の中の
『節分のパン』をアレンジしたお話です。



つるばら村で、通販のパン屋さん
ベーカリー・ジンジャーマンをやっている
アップルちゃん(向かって左)とパイちゃん(向かって右)。

電話で注文を受けたり、
自転車の荷台にパンを積み、道しるべの下でパンを売ったりしながら、
やっとお店を持つことができました。










まだまだ底冷えのする日が続いていますが、
もうすぐ節分。

パイちゃんのアイデアで、開店の記念に、
黒豆と蜂蜜入りのパンを作ることにしました。










いつもパイちゃんはアイデアが豊富だわぁと感心する
アップルちゃん。










普段作るパンを少なめにして、
黒豆入りの節分のパンを沢山作りましたが、
もうほとんど売れてしまいました。

(あーーーあ、ブルタック見えちゃってるよ。)(^^;)










たった三つだけを残して・・・。










パイ 『三つ残ってるけど、
明日も早いし、もうお店閉めましょうか。』

アップル 『そうね、これは私たちで食べましょう。』










そこへ、ベーカリー・ジンジャーマンに居座ってから大分経つ、
茶トラの野良猫、チャトラが帰ってきました。

チャトラ 『お客様をお連れしたよ。』

アップル・パイ 『まあ、お客様を?』










チャトラ 『どうぞ、お入りください。』










二人 『どなたかしら???』










チャトラが連れてきたお客様をみて、
二人はびっくり!










(トラのパンツ、下がっちゃってるよね。)(^^;)











だって、そのお客様は、
この寒空の中、パンツ一枚でほとんど裸ん坊だったのです。










その上、もじゃもじゃ頭のてっぺんには、
白い角が一本生えていていました。
その子は、まるで鬼の子のようでした。

二人は、この鬼の子は、
どこかのお家が早めに豆をまいたので、
追い出されてきたのかしら?・・・と思いました。










チャトラ 『それじゃ、僕は又ちょっと出かけてくるので、
後はよろしく。』

そう言うと、勝手気ままなチャトラは、
びっくりしている二人にかまわず、
又出かけていってしまいました。










パイ 『あなた、そんな恰好じゃ寒いでしょう?』

アップル 『今、何か羽織るもの持ってくるわ。』

鬼の子 『いえいえ、僕はちっとも寒くないので大丈夫です。』










鬼の子 『それより、すごくいい匂いがしますネ。』

パイ 『それは、きっと黒豆と蜂蜜入りのパンの匂いだわ。』

鬼の子 『僕、お腹が空いちゃったなぁ・・・。』










黒豆と蜂蜜入りのパンが、ちょうど三つ残っていたので、
アップルちゃんとパイちゃんは、
切株のイスとテーブルをセットして、
その節分のパンとミルクを鬼の子にすすめました。

鬼の子 『やぁ、おいしそうだなぁ~。
やっぱり外までいい匂いがしてたのは、このパンの匂いだ。』










鬼の子 『あ~~~、おいしかった♪♪♪』

鬼の子はミルクも飲まずに、一気に節分のパンを三個、
ぺロリと平らげてしまいました。

パイ 『・・・鬼の子に、黒豆入りのパンなんか食べさせちゃって、
大丈夫かしら?』

アップル 『そうねぇ・・・。』

二人は、ちょっと心配になりました。










でも、鬼の子は何ともなさそうでした。
そして、その内頭をかきはじめました。

二人 『あら、どうしたのかしら?』










鬼の子 『もうすぐ角が抜けるので、かゆいんです。』

アップルちゃんとパイちゃんは、
え~~~っ!鹿じゃあるまいし!?と、又びっくり!

鬼の子 『この角は抜けると、とっても素敵な物になるんだよ。』

パイ 『まあ、素敵な物?』

アップル 『一体何になるの?』

鬼の子 『野山に春を灯すろうそくさ。』

二人は、この子は何を訳のわからない事を言っているのかしら?
と思いましたが、だまって聞いていました。










鬼の子 『それでは、どうもごちそうさま。
これからいそがしくなるから、
僕はもう帰らないと。』

そう言うと、鬼の子はあたまをペコリと下げました。










さよ~なら~~~。




























・・・そして、次の日の朝








今日も二人は、
朝早くからパンづくりに励みます。

今日も黒豆と蜂蜜入りの節分のパンを、
沢山焼くことにしました。

今日は、昨日までのの寒さがうそのように、
きゅうに暖かくなりました。










そこへ、チャトラが帰ってきました。
チャトラは、昨日から帰って来ていませんでした。

チャトラ 『あ~~~、疲れた。
昨日お家に帰る途中で、あの鬼の子に会ったんだ。
あのこの角は、もうとれていたよ。
とれた角は、春をともすろうそくになったんだ。
そのろうそくで、川辺に春をともすのに、
一晩中つきあっていたので、すっかり疲れてしまったのさ。』

チャトラは一気にそう言うと、出窓に向かって走りました。










チャトラ 『ほらほら、
アップルちゃんとパイちゃんも外を見てごらんよ。』

アップルちゃんとパイちゃんが窓を開け、
目をこらして外を見てみると、
ネコヤナギの木の枝に、銀色の綿毛のような芽が出ていました。










あの鬼の子の角が春をともすろうそくになると言うのは、
そういうことだったんだ・・・と二人は思いました。

アップル&パイ (・・・あの鬼の子は、春の精だったんだわ。)





『つるばら村のくるみさん』の『節分のパン』よりでした。

丁度節分が近いので、シリーズ三冊目の中のお話ですが、
節分のパンのお話を先に写真撮ってしまいました。
そのため、通販のパン屋さんだったベーカリー・ジンジャーマンが、
突然お店に(^^;)。

お店を開くためには、パンを入れる籠が必要だったので、
エコクラフトの平カゴを少しづつ作っていました。

上の段の右端の籠が、一番最初に作ったもの。
それ以外は、二個目以降です。
二個目からは、大分作りやすくなりました。
(azamiちゃん!大分上達したでしょう~~~?)(笑)










久しぶりの、
トナータイニーベッツィーのブルネットおかっぱちゃん。

以前、アントステラの林檎農場の木製サインを使った写真の時に、
アップルちゃんとパイちゃんという名前で登場させていたので、
その時のままの名前にしちゃいました(笑)。

向かって左が、アップルちゃん、右がパイちゃんです。

アップルちゃんは、やや長めのおかっぱで、前髪も長めです。
髪形のせいか、とっても可愛いお顔をしています。
パイちゃんは最初の頃の子で、つや消し肌でメイクも薄く、
素朴~~~なお顔をしています。そこが、お気に入りです♪♪♪





しばらく遊んでなかったけど、ベチも可愛いなぁ♪♪♪
又、ベチとも遊ぼう~~~っと♪♪♪

お話にするには、ベチ位の大きさだとホントに楽ちんです。
それほど可動はしませんが、首傾げができるので、
表情豊かに仕草になってくれます。


鬼の子は、頭皮を外してくるくるウィッグを被せたドリューちゃんです。
普通の肌色の子だと、トラのパンツだけではあまりに寒そうなので、
ドリューちゃんに登場願いました(笑)。

即席の紙製の角と、フェルトのトラトラパンツは、
以前ラティのイエローに作ったものです。




(出演者:トナー タイニーベッツィー ブルネットおかっぱ
アップル&パイちゃん)










コメント (9)
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