現在、グーグル版ワールドに掲載途中の作品です(^^;
グー版の新作掲載まで、暫し、こちらご覧下さいm(_ _)m
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〈 主な登場人物 〉
レナード ・・・ ダンスインストラクター。本編の主人公。
ジュリー ・・・ 現大統領孫娘。
ジャック ・・・ 探偵。
マシュー ・・・ カフェバーのマスター。
グレイヴィル大統領 ・・・ ジュリーの祖父。
マイケル ・・・ レナードの友人。
リチャード ・・・ 演出家。
その他
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ノートに走り書きしていたので載せてみました(^_^)
――――― 第 1 場 ―――――
楽し気な音楽流れ、幕が上がる。
舞台はダンス教室。
生徒達が歌い踊る。
(中央にレナード、一際目立つ。)
決めのポーズの後、皆其々に散らばり、
踊りの練習を始める。
中央にレナードと数人の生徒。
レナードが手本を踊ると、生徒達それに
続く。
レナード「おいおい!そこはそうじゃない!!(踊って見せる。)
ワン、トゥ、スリー、フォー、ファイブ!だ!ちゃんと覚え
ろよ!」
アルバート「(首に巻いていたタオルで、汗を拭きながら。)難し
いなぁ・・・俺、頭がパニックになりそうだ。」
ドロシー「本当・・・」
レナード「こんなくらいで根を上げてちゃ話しにならないぜ。来
週の舞台のオーディション、受けるんだろ?ただのエ
キストラだが、目立つ場所での踊りを貰えるんだ!そ
れなりの踊りを踊らないと、手に出来ないぜ。ほら、も
う一回最初からだ!」
レナード、生徒達踊る。
その時、2階の入口からジュリー入って
来る。
下を見下ろして、物珍しそうにゆっくり
階段を下りて来る。(階段途中に腰を
下ろし、皆の様子を見詰める。)
レナード、手拍子しながら生徒達の間
を回る。
レナード「ダニー!!また間違えたぞ!!やめだやめだ!!
一旦休憩だ!!」
生徒達、其々息を切らせ、汗を拭きながら
端へ寄る。
レナード、首に巻いていたタオルで汗を
拭く。その時、階段に腰掛けているジュリー
に気付き、近寄る。
レナード「(嬉しそうに。)やぁ、入会希望者かい?」
ジュリー「(驚いて立ち上がる。)あ・・・いいえ・・・ここで見てい
たら、お邪魔ですか・・・?」
レナード「いや、構わないさ。だが、ただの見学者と言うのも珍
しいな。君、踊りは?」
ジュリー「(微笑んで。)全然・・・今までワルツ以外、ダンスなん
て踊ったことありません。だから、皆さんの踊りを見て、
なんて上手く踊られるのかしらって・・・。特にあなたの
踊り・・・すごく素敵・・・」
レナード「(声を上げて笑う。)一応こう見えて、俺はここのイン
ストラクターなんだ。他の連中より上手くなきゃ、話し
にならないだろ。・・・踊ってみるかい?」
ジュリー「え・・・?でも私・・・踊りなんて・・・」
レナード「おいで。(ジュリーの手を取って舞台中央へ歩いて
行く。)」
ジュリー「本当に私・・・」
レナード、熱心にジュリーに踊りを教える。
ジュリー、夢中でレナードの指導に従う。
回りでは生徒達、それに気付き楽しそうに
見ている。
暫く教えたところでレナード、片手を上げて
合図をする。と、音楽流れる。
それに乗って2人、ダンスを踊る。
踊り終わると生徒達「ブラボー!!」の声
と共に拍手喝采。
ジュリー、嬉しそうに回りを見回す。
レナード、そんなジュリーの様子を嬉しそう
に見る。
生徒達、再び練習をし始める。
ジュリー「(息を切らせ、興奮したように。)踊ることって楽しいの
ね!!私、今までダンスがこんなに楽しいなんて全然
知らなかったわ!!」
レナード「初めて踊った割には、中々上手いじゃないか。」
ジュリー「本当?」
レナード「ああ。練習次第でもっと上手く踊れるようになるよ。」
ジュリー「(嬉しそうに。)私もあなたみたいに踊れるようになる
?」
レナード「ああ・・・」
ジュリー「本当にそうなったら素敵ね・・・」
レナード「教えてやるから、通って来いよ。」
ジュリー「(一瞬悲し気な表情になる。話しを逸らすように。)・・・
踊りを教えてくれてありがとう・・・(駆けて行こうとする。
)」
レナード「(慌てて。)あ・・・おい!!おまえ!!」
ジュリー「(立ち止まり振り返る。)」」
レナード「(ジュリーに近寄りながら。)あの・・・えっと・・・」
ジュリー「・・・ジュリー・・・」
レナード「ジュリー!急ぐのかい?俺の行きつけのカフェで、
いいとこがあるんだ。よかったら一緒にお茶でもどう
?」
ジュリー「(疑り深そうに、レナードを見る。)」
レナード「(横に置いてあるテーブルの上から、上着を取って
羽織りながら。笑う。)大丈夫、下心なんてないよ。」
ジュリー「(思わず笑みを浮かべて。)ごめんなさい。本当言う
と、朝から何も食べてなくて、お腹ペコペコ・・・」
レナード「(嬉しそうに。)良かった!(生徒達に向いて。)後
は自主稽古だ!」
生徒達、口々に驚きの声を上げる。
(レナード、ジュリー階段を上る。)
ジュリー「(生徒達の方を気にしながら。)いいの?」
レナード「ああ!」
レナード、ジュリー出て行く。
カーテン閉まる。
――――― 第 2 場 ―――――
カーテン前。
グレイヴィル大統領、秘書(レイチェル)
雇われ探偵(ジャック)、その部下(ボビー)
召使(ヘレン)出る。
グレイヴィル「(憤慨した様子で。)一体、いつ分かったのだ!!
あれがいなくなったことに!!」
ヘレン「(オロオロしたように。)あの・・・今朝お起こしに行った
時には、確かにまだお部屋の方に・・・その後、朝食は
お部屋に持って来て欲しいと仰ったので、食堂へ取りに
行って戻るともう・・・」
ジャック「(淡々とした口調で。)朝、起こしに行った時、何か変
わった様子は?」
ヘレン「(首を振る。)・・・特に・・・」
ボビー、メモを取る。
グレイヴィル「何か気付かなかったのか?」
ヘレン「・・・すみません・・・」
ジャック「部屋からなくなったものは?」
ヘレン「はい・・・いつもお嬢様がお出掛けになる時に、持って
行かれる鞄以外何も・・・」
グレイヴィル「ゆ・・・誘拐だ!!誘拐されたに違いない!!」
レイチェル「落ち着いて下さい、先生!!また血圧が・・・」
ジャック「それはないでしょう・・・」
グレイヴィル「では君は、あれが自分で出て行ったとでも言う
のかね!?」
ジャック「(頷く。)それも今朝思い立って出て行ったのではな
い・・・。彼女は以前より、この時を待って出て行った
のではないでしょうか・・・。・・・何か・・・彼女が家出
したくなるような理由は・・・?」
グレイヴィル「(一瞬、顔色が変わる。)そ・・・そんなことは何
もない!!」
ジャック「そうですか・・・我々は彼女を見付け出し、連れ帰る
ことに全力を尽くします。その為には何でも我々に
言って頂かなくてはなりません。」
グレイヴィル、考えているように。
レイチェル「(ジャックに写真を1枚差し出す。)これがお嬢様の
お写真です。」
ジャック「(写真にチラッと目を遣り、背広の内ポケットに仕舞う
。)それでは我々はこれで・・・おい、ボビー!」
ボビー「はい!(ポケットにメモを仕舞う。)」
グレイヴィル「(慌てて。)待ってくれ・・・!」
ジャック「(振り返り。)何か?」
グレイヴィル「・・・実は・・・」
ボビー、再びメモを出し、筆記する。
グレイヴィル「あれは・・・私が決めた結婚が気に入らないのだ
・・・」
ジャック「結婚とは?」
グレイヴィル「ある貿易会社の御曹司と縁談があって・・・孫は
最初、断ってくれと申したのだが、良い話しであっ
たので私が勝手に進めておったのだ・・・。初めこ
そああは言っていたが、式が近付くにつれて段々
その気になってきていると思っていたのだが・・・
まさか、こんな間近になって・・・」
ジャック「式の日取りは?」
グレイヴィル「・・・来週の日曜日に・・・」
ジャック「それが理由だと思われるのですね。」
グレイヴィル「(溜め息を吐いて。)そうだ・・・。頼む・・・孫を一
刻も早く、捜し出してくれ・・・。それとくれぐれも
内密に・・・」
ジャック「勿論・・・」
グレイヴィル「必ず・・・ジュリーを見つけ出してくれ・・・!!」
暗転。
――――― 第 3 場 ―――――
カーテン開く。と、カフェバー。
歌手サラ、客席の間を回りながら歌っている。
途中、レナード、ジュリー入って来る。
(客達、親し気にレナードに声を掛ける。
ジュリー、珍しそうに回りを見回す。)
レナード、ジュリーをエスコートしながら
カウンターの方へ。
歌声小さくなる。
マシュー(マスター)「(用事していた手を止める。)やぁレナード、
早いじゃないか。」
レナード「まぁね。今日はどう?」
マシュー「ぼちぼちってとこかな。まだ夜はこれからだぜ。それ
より今日は何食べるんだ?」
レナード「いや、今日はもう食って来た。」
マシュー「おいおい、珍しいじゃないか。おまえが余所の店で
食事を済ませて来るなんて。何、ご馳走食って来たん
だ?」
レナード「ホットドッグさ。」
マシュー「ホットドック!?(笑う。)余程、急いでたのか?・・・
ん?(レナードの後ろにいるジュリーに気付く。)連れ
・・・?」
レナード「ああ。ジュリー!紹介するよ、ここのマスターだ。」
マシュー「やぁ、いらっしゃい。」
ジュリー「初めまして。(微笑む。)」
ジュリー、回りをキョロキョロ見ている。
マシュー「可愛い娘じゃないか。彼女にもホットドックを?」
レナード「彼女のリクエストだからね。」
マシュー「本当に?」
サラの歌、再び大きくなる。
2人、いくつか置いてあるテーブルの
方へ歩いて行く。
レナード、ジュリーに椅子をすすめ、
自分も腰を下ろす。
ジュリー、相変わらず落ち着き無く。
レナード、手を上げるとボーイ(ラリー)
近付く。レナード、何かを注文している
ように。
サラ、歌い終わると客達拍手。
静かな音楽流れる。
ジュリー「今日は本当にご馳走様でした。美味しかったわ、さっ
きの変わった名前の食べ物・・・」
レナード「ホットドック?」
ジュリー「そう!そのホットドック!」
レナード「あんな物でよかったら、いつでもご馳走してやるよ。
でも変わってるな・・・普通、食事に行こうって誘ったら、
フランス料理や日本料理をリクエストする女達ばかり
なのに、おまえときたら、道端に停まってるワゴンカー
のホットドックがいいなんて・・・。本当にあんな物でよ
かったのかい?ここの料理も結構いけるんだぜ。」
ジュリー「ええ!私、ホットドックって今まで一度も食べたことが
なかったの!それにあんな風に、歩きながら食べるな
んて・・・(楽しそうに笑う。)面白いのね!」
レナード、微笑ましくジュリーを見詰める。
ラリー、飲み物を2つ運んで来る。
ラリー「(テーブルにグラスを置きながら。)レナードさん!新し
い彼女?」
レナード「馬鹿野郎。」
ラリー「(ジュリーに向かって。)彼女!ごゆっくり!(下がる。)」
ジュリー「(微笑んで。)本当によく来るのね。皆あなたのこと知
ってる。」
レナード「近いし、稽古の後よく教室の奴らと来るんだ。皆、仕
事柄、金のない奴ばかりだし、ここのマスターは良心
的で、そんな奴らに安くで美味いもん、食わしてくれる
んだ。」
ジュリー「そう・・・じゃあ今日は無理にホットドックに付き合って
もらってごめんなさい・・・。」
レナード「いや、構わないさ。久しぶりで美味かったよ。(グラス
を持って。)じゃあ、新しい出会いに乾杯!」
――――― “ジュリー”2へつづく ―――――
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