りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“J―未来の君へ―” ―全2幕― 2

2012年11月30日 20時18分54秒 | 脚本


   

         「オイラが死んだなんて嘘だーっ!!」



         音楽流れる。歌う。

      大王“おまえは死んだ”      コーラス“天界へ”

      J“オイラが死んだ         コーラス“戻れない”
       やりたいことが
       まだまだあった
       心残り もうできない”      コーラス“死んだ”

      大王“おまえの望みをただ
         一つ叶えよう
         いいことをして死んだ”

      J“死んだらおしまいだ       コーラス“終わる時”
       大切な人
       泣かせてしまう罪”        コーラス“罪”

  J「母ちゃんが・・・」

      J“オイラは死んだ”         コーラス“もう終わり”

      大王“おまえが死んだ       コーラス“お別れだ”
         子犬を助ける為に
         命 顧みずに
         救い出した           コーラス“命”
         その代わりに何か1つ    J“ああ
         願いを叶えよう          願いが
         何でも言うがよいぞ”      叶う”

  J「オイラの願いは・・・」

         音楽変わる。

      エンゼル“望みを”
  
      大王“命を返すことはできない”

  J「オイラ・・・生きた父ちゃんに会わせて!!」

      J“願い叶うとしたら
       それはたった一つ
       いつでも心に秘めた
       誰も知り得なかった
       いつも会いたい思い       コーラス“願いを
       そっと押し殺してた             叶える
       だけども溢れそうだと            必ず”
       ずっと我慢してきた” 
                           コーラス“どんなことも
                                叶えてあげよう
                               良いことの代わり
                                一つ
                                望みは叶う”
      大王“願い事を叶えてやろう
          おなえの思い        コーラス“ひとつ叶える
          ただ全て言えばよい”         心に秘めた
                                 願いを”
      エンゼル“この私が目付け役で
            あやつの側について
            共に地上へ”

      大王“任せたおまえに”

      エンゼル“ご心配なく        コーラス“戻る
            必ず連れて願いを叶え      ここへ
            時間通りに”             願い
                                 叶え”
      J“願い叶うとしたら
       それはたった一つ
       いつでも思い描いた
       パパの優しい笑顔
       いつも呟いていた
       パパと呼びかけてみた
       誰にも知られないよう
       パパにただ会いたくて”

      大王“期限守るのだ”

         紗幕閉まる。     

    ――――― 第 6 場 ――――― A

         紗幕前。ベビーカーを押したマリィ、上手
         より登場。下手よりハリー、登場。
         (音楽変わる。)歌う。

   
   



  ハリー「マリィ!」

      ハリー“どうしたの?”
  
      マリィ“約束が”

      ハリー“また来ない?”

      マリィ“待ちぼうけ”

      ハリー“こんな時間”

      マリィ“また”

      ハリー“知らん顔”

      マリィ“いつもよ”

      ハリー“君のこと
           悲しませ
           平気な顔
           するなんて”

  ハリー「子どもが風邪をひいたら大変だ。もう帰った方がいいよ
      。送って行こう。」
  マリィ「ありがとう・・・。」

         2人、上手へ去る。
         入れ代わるように、息を切らせたエド、
         下手より走り登場。

  エド「マリィ!!もう帰ったよな・・・こんな時間まで待たせて・・・。
     また、すっぽかしてしまった・・・。」

      エド“約束を守れずに
         いつでも君を
         待たせてた”

  エド「Jの誕生日なのに・・・」

         紗幕開く。(音楽変わる。)

    ――――― 第 6 場 ――――― B


   



         エンゼルとJ、エドの様子を窺っている。

  エンゼル「おまえの父だ・・・」
  J「あれが・・・父ちゃん・・・」

         2人、歌う。

      エンゼル“おまえの夢 叶う時がきた”

                        J“あの人の夢を見てた
      エンゼル“温もり        どれ程会いたかったか”

      エンゼル“触れるがいい” J“優しそうなあの瞳を
                         目の前にして
                         何を話せばいいのだろうか
      エンゼル“愛溢れ”       思い浮かばない
                         大きなあの手の平が
                         夢に見てた温もり
                         側にいる
                         今”

      エンゼル“夢叶える”

  エンゼル「会いに行くがいい・・・。おまえの会いたかった人に・・・
        。」

      エンゼル“さぁ”
                       J“ああ何から話せば
                        いいんだろう
                        いつも夢見てた人”
      エンゼル“今”
                       J“会いたくてたまらなかった
                         パパ”
  
         J、ゆっくりエドの側へ。

  J「こんにちは・・・」 
  
       

   



  エド「(チラッと見る。)」
  J「ここ・・・座っていい?」
  エド「ああ・・・。だが俺は今、子どものおしゃべりに付き合う気分
     じゃないんだ。悪いな・・・。」
  J「うん・・・いいよ・・・。(エドを見つめている。)」
  エド「何だよジロジロ・・・。そんなに俺の顔が珍しいか・・・?」
  J「え・・・?う・・・ううん・・・。」
  エド「おまえ・・・どこかで・・・会った・・・?」

         音楽流れる。
         エド、J、歌う。

      エド“懐かしい香りする
         どこかで出会ったか      J“本当?”
         暖かい温もりを
         感じるどうしてか        J“嘘”
         なぜだろう
         見ていると
         彼女を思い出す        J“本当?”
         優しい目 甘い声
         不思議な感覚”        J“聞かせてよ大切な
                            家族がいるならば
      エド“命と同じ             愛してる?
         いつも”              大事にしてる?
                            心から”
      エド“愛しい子誕生日        
         祝ってやれなくて       J”本当?”
         きっとまた2人だけ
         淋しい誕生日”

  エド「そろそろ陽が暮れるぞ。家の人が心配するといけないか
     ら帰った方がいい。」
  J「でも・・・!!」
  エド「でもじゃない。父さん、母さんが心配するだろ?」
  J「・・・パパと・・・ママが・・・」

         その時、エドの携帯電話の呼び出し音が鳴る。

  エド「(携帯に出る。)はい。よぉハリー、どうしたんだ?珍しいじ
     ゃないか。え・・・?何だって!?分かった!!うん・・・うん
     ・・・直ぐ行く!!(携帯を切る。)少年!!俺はこれから仕
     事だ!!気をつけて帰るんだぞ!!」

         音楽流れる。

  J「事故・・・」
  エド「・・・え?」
  J「兄ちゃん!!トンネルの落石事故だね!?」
  エド「何言って・・・」
  J「行っちゃ駄目だ!!」
  エド「落石事故じゃないさ。トンネルの中で、ちょっとした歪みが
     見つかったんだ。ただの交通整理さ・・・。」
  J「行ったら兄ちゃんは落石事故に巻き込まれて死んじまう!!
   」

  エンゼルの声「J!!おまえは未来を変える気か!?」

  エド「死んじまう・・・って・・・おまえ何言って・・・」
  J「だから行かないでくれよ!!お願いだ!!」
  エド「(笑う。)変なこと言う奴だな・・・」
  J「本当なんだ!!」

  エンゼルの声「J!!」

         歌う。

      エド“ああこれが俺の仕事さ
         誰にも止められはしない
         ただ命を賭けて”

      J“お願いだ聞いてよ
       オイラの話しを
       誰にも言えずに
       今まで来たんだ”

      エンゼル“ああ おまえは    (下手後方にハリー、セリ
            掟 破り          上がる。)
            今 未来を変える   ハリー“甘い奴 
            つもり”              大切な人を
                              置いたまま一人
      J“チャンスがあるなら守れる      いつも
       心に溢れる思いが”          飛び回る勝手
                              心が離れ
                              たとえ悲しませても
                              自分さえ良ければ
                              それでいい
                              おまえは彼女に
                              相応しくない”
                          (ハリー、セリ下がる。)


   



      エド“たとえ何があろうとも
         人々を守るのが使命だ”

         (上手後方にマリィセリ上がる。)

      マリィ“私たちの側にいて
          ずっと守って欲しいの
          でもあなたはいつも・・・”

      J“お願い今なら間に合う     エンゼル“ああ掟破り”
       助かる命を無駄にしないで
       悲しむ家族がいるなら
       少しでも大切だと思うなら    コーラス“いつもただ
       残された者の気持ちを            一緒に”
       思って自分のことだけ
       考えて行かないで
       ここにいてよ             コーラス“守るもの”
       仕事なんていい
       家族のことだけ
       それが一番大切なことでしょ”

  エド「(Jの頭に手を置く。)じゃあな!!(走り去る。)」
  J「待って・・・待ってくれよ・・・!!兄ちゃん・・・!!オイラと母
   ちゃんを置いて行かないでくれよーっ!!父ちゃんの馬鹿野
   郎ー!!(泣く。)」

         Jの泣き声残して。


   
    
           「父ちゃんの馬鹿野郎ー!!」






            ――――― 幕 ―――――








   ――――― “J―未来の君へ―”3へつづく ―――――









 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


    (どら余談^^;)

    今日は、次回録音作品の台詞練習日でした~♪
    次回は結構、男の子らしい男の子の役の私ですが、久し
    ぶりに低めのトーンの台詞の数々が、発散出来て気持ち
    良かったです(^_^)





    11月29日(木)

    今日、1幕ラスト動画を、“YouTube”にアップ致しました♪
    (またまた“グーグル版”が調子悪くて・・・>_<)

    一番の盛り上がり場面・・・私の腕が限界状態の映像、
    またよければご覧下さい(^^;





 
  http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
 
         http://ritorupain.blogspot.com/

     http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta





























“古びた洋館の隠れた住人・・・” ―全6場― 完結編

2012年11月29日 20時50分17秒 | 未発表脚本


  ルルル「どうしてマーサが・・・」

         そこへマーサ、下手より登場。

  マーサ「私が何か・・・?」
  ドン、デン、グン、ポー「わ・・・わあーっ!!またお化けだーっ!
                !」

         ドン、デン、顔を上げる。

  ドン「・・・って・・・もういいぜ。お化けは見慣れた。」
  デン「うん・・・」
  グン「えーっ・・・!?」
  ポー「おじさんたち怖くないのー・・・!?」
  ドン「俺たちは大人だからな。(笑う。)」
  デン「そ・・・そう言うこと・・・。いつまでも怖がっちゃいられないっ
     て・・・(マーサをチラッと見て。)で・・・でも・・・やっぱり・・・
     ちょっと・・・こ・・・怖い・・・」
  マーサ「(恐ろし気な声で。)何なんですか!!この人間たちは
       !!」
  デン、グン、ポー「わあーっ!!(手を取り合って震える。)」
  ルルル「マーサ・・・」
  ドン「・・・あんたがマーサ・・・?」
  マーサ「誰!?あなたたちは!!危険ですわ、お嬢様方!!早
       くこちらへ!!」
  ラララ「マーサ、大丈夫よ。ここにいるのはただの人間・・・。私た
      ちには、子ねずみ程も恐ろしくないわ。ねぇ、ルルル・・・(
      笑う。)」
  ルルル「ええ・・・(笑う。)」
  ドン「・・・悪かったな・・・」
  マーサ「まぁ、お嬢様たちったら・・・。でも、そのただの人間がど
       うしてここに!?」
  ドン「(咳払いをする。)それはだな・・・」
  マーサ「事と次第によっては・・・生きてここから帰れると思わな
      いことね・・・」
  デン、グン、ポー「ヒーッ!!」
  ドン「ま・・・まぁまぁ・・・待ってくれよ、そんな怖い顔しないで・・・」
  マーサ「怖い顔ですって・・・!?」
  ドン「ヒッ・・・(思わず目を伏せる。)あ・・・あの・・・だから少し落
     ち着いて・・・」
  マーサ「フン!私はいつも落ち着いてますわ!さぁ、何故生きた
      人間がこの屋敷の中をウロウロしているのか、教えて頂
      きましょうか・・・?」
  ドン「あ・・・そうそう・・・では先ずお聞かせ願いたいのですが・・・
     あなたがこの2人のお嬢さん方の乳母のマーサ夫人・・・?
     」
  マーサ「・・・ええ・・・それが何か・・・?私が先に質問したんです
       よ?あなたに聞かれる謂れは・・・」
  ドン「まぁまぁ・・・。ところであなたもこの2人が探し回っている、
     水晶玉のことをご存知で・・・?」
  マーサ「水晶玉ですって!?そんなものは知りません!!お嬢
       様方!!またそんなありもしないことを、よりによって、
       こんな人間に話すなんて・・・!」
  ルルル、ラララ其々「ごめんなさい・・・」
  マーサ「そんな水晶玉の話しなど、ただの子どもたちの空想で
       す!」
  ドン「本当に・・・?」
  マーサ「ええ。」
  ドン「何故あなたはそう言い切れるんですか?」
  マーサ「それは・・・」

         音楽流れ、ドン歌う。

         “あなたは何か重大な
         秘密を知っているんじゃないか
         我々誰も知りえない
         大切な心に秘めた何かが・・・
         ここにいる皆を欺き
         ただ一人・・・
         知り得た重大な何かを・・・”

  マーサ「そ・・・そんなもの、ある筈ないでしょう・・・。私はただの
       召使・・・」
  ドン「(デンをつついて。)おい!ほら、さっきのあれ・・・おまえが
     持ってる奴を出せよ。」
  デン「え・・・?ああ・・・(ポケットから水晶玉を取り出す。)これ・・・
     ?」

         その場にいた者、水晶玉を認め、一斉に
         驚きの声を上げる。

  ラララ「あっ!!」
  ルルル「それは私の水晶玉!!」
  ラララ「本当にあったのね・・・」
  ルルル「(恐ろし気な声で。)やっぱりあなたが盗んだのね!!」
  デン「わ・・・わあー!!違う・・・違います!!これは兄貴が!!
     」
  ルルル「兄貴?(ドンに。)あなたが犯人!?」
  ドン「ま・・・待て待て!!落ち着け!!これは俺がさっき、この
     屋敷の中で偶然見つけたんだ!!」
  ルルル「・・・見つけた・・・?嘘!!盗んだのよ!!」
  ドン「ち・・・違うんだ!!本当に見つけたんだって!!」
  ルルル「・・・本当・・・に・・・?」
  ドン「ああ!!神かけて誓う!!(手を上げる。)」
  ルルル「・・・そう・・・(デンから水晶玉を取り上げるように。)ああ
       ・・・でもよかった・・・!!本当に長いこと探していたのよ
       ・・・!!(水晶玉を愛おしそうに手で包む。)」
  ラララ「ねぇ、マーサ!!やっぱりルルルは本当のことを話して
      いたのね。」
  マーサ「・・・外からは分からなかった筈よ・・・」
  ラララ「・・・え・・・?」
  ドン「だから、うっかり壁に穴を・・・」
  デン「兄貴・・・!!」
  ドン「あっ・・・」
  マーサ「・・・どれ程の長い時・・・沈黙を守り・・・ただひたすら知
       らん顔を決め込み・・・今まで一体どれだけ心痛め・・・
       この身朽ち果ててなお、屋敷に心留め置き暮らして来
       たと思っているの・・・!?」
  ルルル「マーサ・・・」
  ドン「矢張りあなたがその水晶玉を隠してたんですね、マーサ夫
     人・・・」
  マーサ「(ハッとして。)あ・・・あの・・・いえ・・・だからそれは・・・」
  ルルル「マーサ・・・どうして・・・」
  マーサ「お嬢様・・・」
  ラララ「ルルル!私にも懐かしいお父様、お母様の様子を見せ
      て頂戴!!」
  マーサ「ま・・・待って!!」
  ラララ「え・・・?」
  ドン「マーサ夫人・・・ひょっとして・・・あなたは何か、この水晶玉
     に映し出されると困るような秘密を持っている・・・違います
     か・・・?」
  マーサ「・・・ち・・・違い・・・ます・・・」
  ドン「本当に・・・?」
  マーサ「・・・ええ・・・」
  ドン「では・・・この水晶玉を、皆で覗いて見ようではありません
     か・・・。懐かしい昔々の全てを・・・」
  マーサ「・・・(項垂れる。)分かりました・・・お話しします・・・何も
       かも・・・」

         皆、マーサに注目する。

  マーサ「私には・・・その昔、たった一人の家族がいました・・・。
       とても可愛くて優しい弟でした・・・。でもその弟は、とて
       も重い病で・・・その治療費は貧乏暮らしの我が家には
       到底払えないような金額だったのです・・・。でも何とし
       ても、弟の病気を治してやりたい・・・どんなことをしても
       ・・・そう・・・私にはどうしても・・・大金が必要だったので
       す・・・。そこで目を付けたのが・・・」
  ドン「目を付けたのが・・・?」
  マーサ「このお屋敷だったのです・・・。丁度その頃、このお屋敷
      で働かせてもらっていた私は・・・悪いことと知りながら・・・
      至る所に転がっていた金目のものを、誰にも気づかれな
      いよう、少しずつ拝借し・・・」
  ドン「弟の治療費に充てていた・・・」
  マーサ「(頷く。)・・・私にはどうしてもお金が必要だったのです。
      病気の弟の治療の為に・・・」
  デン「このお屋敷の財産を、黙って使っていたんだ・・・」
  マーサ「だから・・・そのことがお嬢様にバレでもして、ここを追い
      出されるようなことにでもなれば・・・忽ち弟の治療費が、
      払えなくなって弟は死んでしまう・・・」
  ラララ「追い出すなんて・・・」
  ルルル「そんなこと、ある筈がないじゃない・・・」
  ラララ「ハッキリ言ってくれれば、お金なんていくらだって・・・」
  ルルル「マーサの弟の為になら、私たち・・・屹度このお屋敷だ
       って手放したでしょう・・・」
  マーサ「お嬢様・・・」
  ドン「それを隠す為におまえさんは、その水晶玉を壁の裏に埋
     め込んだ・・・。それが年月と共に壁がもろくなり・・・さっき
     俺が穴を開けた場所から見つかった・・・と・・・」

         (ルルル、手に持っていた水晶玉を、
         テーブルの上へ置く。)
         音楽流れ、ルルル、ラララ、マーサの側へ。
         マーサの手を取り、歌う。

         “大好きなマーサ
         今までずっと側にいて
         私たちを温かな
         愛情で包み守ってくれた
         そんなあなたにどれ程の
         感謝を持ってこれまできたか・・・
         ああ大好きなマーサ・・・
         あなたがいたから私たち
         今まで少しも淋しいなんて
         思ったことはないのよ”

  マーサ「お嬢様・・・」
  ルルル「マーサだって、早く弟のところへ行きたかったでしょう
       ・・・?」
  ラララ「それなのに今まで、私たちとずっと一緒にいてくれたわ
      ・・・」
  ルルル、ラララ「ありがとう、マーサ・・・」
  マーサ「お嬢様・・・!!申し訳ありません・・・!!(泣く。)」
  デン「(テーブルの上の水晶玉を見ていて、何かに気付いたよう
     に。)ねぇ、兄貴・・・この水晶玉って・・・ビデオカメラみたい
     なものなんだな・・・」
  ドン「・・・ん・・・?」
  デン「だって、この水晶玉に映るのは、オイラたちがさっき見た
     ことばっかで、見たことのないものは一つだって見せてくれ
     ないぜ。」
  マーサ「・・・え・・・?」
  ラララ「・・・なんですって?」
  ルルル「見たことだけ・・・」
  ドン「そうか・・・あんたがどんな悪事を働いてきたとしても・・・そ
     んなものは水晶玉には知ったこっちゃねぇ・・・その水晶玉
     には、彼女たちのあんたに対する思い出だけが映し出され
     るってことか・・・。」
  ルルル「(水晶玉を手に取り見る。)・・・マーサ・・・笑ってるわ・・・
       私たちも・・・幸せそう・・・」
  ドン「彼女たちは、笑顔のあんたしか知らなかったってことだな
     ・・・」
  デン「じゃあ何故、魔法使いのお婆さんは、誰にも見せるだなん
     て・・・?」
  ドン「人間の欲が働くと、勘違いと言う・・・自分に都合のいいも
     悪いも分からない・・・間違った心を見せるからじゃないか
     ・・・?あんたみたいに・・・。彼女たちの心を信じていれば、
     もっと早く、彼女たちもあんたも心安らかになることが出来
     たのに・・・」
  ルルル「でも私は、あなたたちに出会えて、楽しかったわ!」
  ラララ「私も!こんな長い時をここに留まっていなければ・・・」
  ルルル、ラララ「あなたたちと出会うことはなかった・・・」
  ドン「え・・・?あ・・・ありがとう・・・(照れたように笑う。)」
  ルルル「マーサ!さぁ、向こうの世界へ行きましょう。」
  ラララ「お父様やお母様・・・そしてあなたの弟も、きっと首を長く
      して待っている筈よ・・・」
  マーサ「お嬢様方・・・お嬢様、ありがとうございます・・・(涙声で
       。)」
  ルルル「さ・・・参りましょう・・・」

         マーサを挟むようにルルル、ラララ並び、
         3人上手方へ行きかける。

  ルルル「そうだわ・・・(後方、棚の上から封筒を取り、ドン、デン
       の方へ歩み寄る。)これ・・・(封筒を差し出す。)」
  ドン「・・・なんだい・・・?(封筒を受け取る。)」
  ルルル「私の大切な宝物を見つけてくれたお礼よ・・・」
  ドン「お礼・・・?」
  ルルル「このお屋敷はもう、これからは本当に空き家になるの
       だから、あなたたちに差し上げるわ・・・泥棒さん!」
  ドン「え・・・知って・・・!?」
  ルルル「私たちは、あなたたちよりずーっとお姉さんなんですか
       らね。(笑う。)」
  ラララ「そうそう、そこら辺に転がっている丸いものは、(グン、ポ
      ーを覗き込むように見て。)そこの2人の坊やたちにあげ
      るわ。丸いものを探しに来たんでしょう?(笑う。)」
  グン「あ・・・そうだ!!僕の大切なボール・・・!!」
  デン「ボール・・・?あ・・・(ポケットを探る。)確か・・・」
  ドン「また、おまえか?何でも拾ったものをポケットに仕舞う癖、
     なんとかしろよ・・・。」
  デン「だって・・・(ポケットからボールを取り出し見せる。)・・・こ
     れ・・・」
  グン「あ!!それだ!!僕の探してた大切なボール!!」
  デン「屋敷の中に入る前に、ここの庭で拾ったんだ。はい・・・(グ
     ンに差し出す。)」
  グン「(ボールを受け取り。)ありがとう!!やった!!」
  ポー「よかったね、グン!!」
  グン「うん!!」
  ラララ「本物も見つかったって訳ね・・・」
  ルルル「さぁ、行きましょう。」
  ラララ「ええ・・・さよなら・・・」
  ルルル「さよなら・・・」

         マーサ、ルルル、ラララ、嬉しそうに
         寄り添い合い、上手へ去る。

  ドン「さよなら・・・さよなら・・・!!また会おうぜ!!(手を振る。
     )」

         4人、残したまま場面変わる。

    ――――― 第 6 場 ―――――

  グン「おじさんたち、これからどうするの?」
  ポー「このお屋敷に住むの?」
  ドン「さぁな・・・いっちょ、病院にでも改築するか!」
  デン、グン、ポー「病院!?」
  ドン「壁の中で水晶玉を見つけた時、一緒にこいつを見つけた
     んだ!(ポケットからキラキラ光る、何かを取り出し見せる
     ように。)」
  デン「ダイヤモンド!?」
  ドン「ああ!これだけあれば、病院だろうが何だろうがこの屋敷
     を改築して、新装オープン出来るぜ!!」
  グン、ポー「わーっ!!」
  ドン「病気の人を助ける為にこの屋敷を使えば・・・あの3人も喜
     んでくれるんじゃないか・・・」
  デン「兄貴・・・」
  ドン「大病院のオーナー様・・・ってのも、悪くないだろ?」
  デン「兄貴ー!!」
  グン「じゃあ僕たち帰るよ!パパやママが心配してるといけない
     から。」
  ドン「おう!」
  グン「病院が出来たら、遊びに来るね!!」
  ドン「馬鹿!病院に遊びに来るとは、どう言った見解だ!」
  グン、ポー「あはははは・・・(笑う。)」
  ドン「その前に、丸いもの取りに来いよ!!」
  グン「うん!!」

         グン、ポー、嬉しそうに下手へ走り去る。
         音楽流れ、ドン、デン歌う。

         “恐る恐る近付いた
         巷で有名 幽霊屋敷
         中に入れば本当の
         幽霊だらけのお屋敷さ
         だけど気持ちは暖かで
         楽しい気分に浸れるぜ
         まぁ一度来てみなよ 皆でさ
         怖いなんて思い違いだってこと
         中に住むのは誰も知らない・・・
         ただの愛に溢れた幽霊たちさ!”

         ドン、後方へ向かって歩き出す。

  デン「そう言やぁ、お屋敷の中で謎解きしてる時、兄貴ってば“
     名探偵ドン”って感じだったなぁ。(笑う。)」
  ドン「なぁに馬鹿なこと言ってんだよ。行くぜ!」
  デン「あ・・・待って来れよーっ!!兄貴ーっ!!」

         デン、ドンを追い掛けるように。






         ――――― 幕 ―――――
  







    さて、次回掲載作品ですが、下の余談で書いていました
   作品は、まだ書き始めの為、載せながら書き進めていって
   もいいのですが、もう少し形が見えてからの方が、私が理解
   し易いので、勝手言いますが“J”が終了後、ご覧頂こうと思
   います(^^;
   
   そこで、こちらページの次回作品は、いつ頃書いた作品で
   しょうか・・・あまり覚えがないのですが、下書き状態で放って
   置いた中の1本で、登場人物もそれ程多くはないので、
   比較的、過去作品の中では新し目のものかな・・・と・・・^^;

   それでは次回、“アンドレ”お楽しみに♪   












 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

   今回の作品に登場する“ドン”“デン”の2人組ですが、中々
   魅力的な人物に成長したかな・・・と思い、この2人でちょっと
   違った物語も書いてみたいな・・・と考え、次回紹介作品にと
   、ドンデンを主人公に今の時期らしいお話しを、只今執筆中
   であります(^_^)

   ・・・が、どうも私、こんな2人組が好きみたいで、今までにも
   同じような2人が登場する作品が、多々存在しています^^;
   どの作品に出てくるかは・・・皆さんはご存知ですよね^_^;












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“J―未来の君へ―” ―全2幕―

2012年11月25日 19時18分58秒 | 脚本



  
                    “J”



     〈 主な登場人物 〉


     J   ・・・   本編の主人公。

     エド  ・・・  Jの父。警察官。

     マリィ  ・・・  Jの母。

     ハリー  ・・・  エドの同僚。

     マイク  ・・・  Jの友達。

     大王様  ・・・  天界の裁判官。

     エンゼル  ・・・  大王に仕える天使。
                 (見た目は小さなおじさん。)

     ガキ大将。


     その他。


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪   


         (1幕)    

         音楽流れ、幕が開く。と、公園。

    ――――― 第 1 場 ―――――

         1人の子ども(J)、走り登場。歌う。

  J「おーい!!みんなー!!」

         “この町に住む仲間たち
         いつも一緒にいる仲間
         悲しいこと辛いことも
         一緒ならなんてことない
         いじめっ子だって ガキ大将の
         仲間に手を出すなら
         許さないぞ”            コーラス“守ろう
                                   正義と
                                   平和を
                                   いつまでも”

         1人の子ども(マイク)、泣きながら登場。
         J、気付いて駆け寄る。

  J「おい、マイク!どうしたんだ!?」
  マイク「ガキ大将が・・・」
  J「またあの野郎!!マイク、もう泣くな!!オイラに任せとけ!
   !」
  マイク「でも、J・・・」
  J「大丈夫!!」

       J“悪いことする奴のこと
        許すことはできない”

       マイク“いつも仲間のこと
           守ってくれるけど
           正しい心持ち
           みんなの為
           悪に向かう”        コーラス“守ろう”

  J「さぁ、行くぞ!!」
  マイク「J!!」

         J、下手へ走り去る。マイク、Jに続く。
         入れ代わるように、上手より1人の男、
         逃げるように登場。追い掛けるように
         エド、登場。エド、男を取り押さえる。

  男「わあーっ!!」
  エド「さぁ、捕まえた!!そこの店で盗んだものを出すんだ!!」
  男「わあーっ!!ごめんなさい!!お巡りさん許して!!」
  エド「駄目だ!!人のものを盗むなんて、絶対にいけないことな
     んだ!!」
  男「はい、もう二度としませんから・・・お願い・・・」

         ハリー、下手より登場。

  ハリー「(エドに気付いて。)おまえ、また捕まえたのか?(笑う。)
      」
  エド「ハリー・・・」

         ハリー、去る。エド、歌う。

         “世の中の間違い正し
         正義を守り平和を         コーラス“いつでも”
         悪いことを許さない
         未来の子ども達の為に”     コーラス“守ろう”

         汚れたJ、セリ上がる。
         エド、J、歌う。

       2人“みんな力合わせ
          正しい心 貫く勇気持ち
          手をつないで行こう
          未来の平和を
          守る為どこまでも”        コーラス“心強く
                                   思い固く
                                   正義胸に
                                   未来の為
                                   行こう”

         エド、セリ下がる。         

    ――――― 第 2 場 ―――――

         マリィ、上手より登場。マイク、下手より登場。

  J「ただいま・・・」

         音楽流れる。歌う。

       マリィ“まぁどうしたの傷だらけだわ
           酷い顔
           いつも心配ばかりかけてきた
           パパと同じ”
    
       J“許せないあいつ
        弱い者を苛める
        酷い奴らのことを
        見過ごすことできない”

       マイク“Jのこと叱らないで
           お願いだ
           僕のこと助けてくれたんだだから”

       J“間違いや悪いこと認められない
        格好つけてるだとか
        そんなことは関係ないんだ”

         (マイク、下がる。)

       マリィ“そんなとこ似ているわ
           正義に溢れて
           誰かの為になればそれでいい”

       J“正しい心持ったとこ”

       マリィ“似ているのねそんなとこが
           パパに・・・”

         下手より一人の子ども、走り登場。

  子ども「大変だ、J!!またガキ大将の奴がマイクのこと・・・!!
      」
  J「全く、あいつら!!どこだ!!案内しろ!!」
  子ども「うん!!」
  マリィ「J!!」

         J、子ども、下手へ走り去る。
         マリィ残し、紗幕閉まる。

    ――――― 第 3 場 ―――――

         上手より、ハリー登場。マリィの側へ。

  ハリー「どうしたの?マリィ・・・」
  マリィ「ハリー・・・」

         音楽流れる。歌う。

  マリィ「Jは死んだエドにそっくり・・・」

       マリィ“本当に無鉄砲
           あの人に似てる
           自分が正しいと
           思えば走り出す     ハリー“思い出すあいつ
           とても心配で           いつでも
           夜も眠れない           はったらかして
           あの人と同じだわ        心配かけてた”
           平和追い求め

           あの人がいない
           淋しい思いを
           けどいつも側に
           暖かい温もり       ハリー“あいつの代わりに
           あの子を守って          僕なら
           いつも見ていてね         決して君を
           頑張っている私          1人にしないよ”
           ただ前だけ見て”

         ハリー、マリィの肩を抱いて、下手へ去る。
         紗幕開く。

    ――――― 第 4 場 ―――――

         公園。ガキ大将、マイクを捕まえている。
         音楽変わる。歌う。

  マイク「い・・・痛い・・・」
  ガキ大将「おい、マイク!俺のことを先生に告げ口したのは、誰
        かなぁ・・・」

       マイク“離してお願い・・・”

       ガキ大将“誰が告げ口したんだろ
             誰のせいでバレた誰だ
             告げ口したのは誰だろ
             おまえなら分かる違うか
             誰が俺のことを見てた
             告げ口した犯人は
             おまえか!!”

  マイク「ち・・・違う・・・」

  Jの声「マイクーッ!!」

         上手よりJ、走り登場。

  J「マイクを離せ!!」
  ガキ大将「なんだ、J。おまえまた正義の味方のつもりか!?」
  J「弱い者苛めばっかりする奴は許さない!!」

       ガキ大将“煩いぞ”

       J“弱い者を苛める奴
        許さないぞ おまえだけは”

         (後方中央に、マリィ現れる。)

       マリィ(エコー)“そんなとこが
                似ているのね あなたのパパに
                私の自慢の子だわ
                忘れないで”

       ガキ大将“偉いつもり 鼻に突く”

       J“間違いをただ正すだけ”

       コーラス“正す”

  ガキ大将「おまえのその自信満々の態度が気に入らないんだ!
        」
  J「じゃあオイラにかかってくればいいじゃないか!!」
  ガキ大将「おまえは自分の仲良しの奴が、痛めつけられるのを
        見る方が、おまえ自身がやられるより辛いのが、俺は
        分かっているのさ!」

       コーラス“間違い 認め 正しい 心を
             正義 受け入れ 勇気 出し”

  J「くそう・・・」
  ガキ大将「これを見ろ!!(ボールを差し出す。)」
  J「・・・それは!!」
  ガキ大将「おまえの大切なボールだ!!」
  J「それは父ちゃんの形見・・・!!」
  ガキ大将「こんなボール、こうしてやる!!(投げる。)」
  J「何するんだ!!」

         犬が飛び出して来る。(ボールを追い掛ける。)


   



  犬「ワンワンワン・・・」
  マイク「犬が!!」
  J「あ!!馬鹿!!犬コロ!!遊んでるんじゃないんだぞ!!
   待つんだ!!(犬を追い掛ける。)」
  マイク「J!!車が!!」

         車の急ブレーキの音が響き渡る。
         “キキーッ!!”

  J「わあーっ!!」
  マイク「Jー!!」

    ――――― 第 5 場 ―――――

         場面変わり、音楽流れる。(天界。)
         大王様、エンゼル現れる。
         J、不思議そうに回りを見回しながら、
         登場。


   



  エンゼル「487万3647番・・・前へ。487番3647番?487
        万3647番!!これ487万3647番!!これそこの
        坊主!!」         
  J「ボウズ・・・?ん・・・?ボウズってオイラのことか・・・?」
  エンゼル「そうだ!おまえだ!487万3647番、大王様の前へ
        。」
  J「(笑う。)おっちゃん、よく番号間違えないなぁ・・・」
  エンゼル「お・・・おっちゃんとは何だ、おっちゃんとは!!私は
        ここ天界の・・・」
  大王「これエンゼル!!煩いぞ。」
  J「エンゼル・・・?(大笑いする。)おっちゃんがエンゼルだって
   ?」
  エンゼル「余計なお世話だ、坊主!!私の名前にケチをつける
        とは失礼な奴だ!!」
  J「(笑う。)エンゼルだって・・・」
  エンゼル「我々は本来、実体のないもの。おまえにどう見えてい
        るかは、おまえ自身の心の中がそう見せているものだ
        !!」
  大王「もうよい、エンゼル!!」
  J「・・・エンゼルだって・・・(笑う。)」
  大王「これ487万3647番・・・487万3647番!!」
  J「だからその番号は一体何だよ!オイラ、そんな名前じゃない
   やい!オイラの名前はジェ・・・」
  大王「487万3647番・・・そなたの死因は・・・」
  J「死因・・・?何だそれ・・・」
  大王「487万3647番が、ここに来た理由だ。」
  J「そんなの知らないね。何でオイラ、こんなとこにいるんだ・・・
   ?オイラは公園でガキ大将からマイクを・・・。じいちゃん!!
   ここはどこなんだ・・・?」
  エンゼル「じ・・・じいちゃんとは何だ、じいちゃんとは!!このお
        方は・・・!!」
  大王「これエンゼル!!少し静かにしておるのじゃ!!」
  エンゼル「はぁ・・・全く・・・最近の死者ときたら・・・」
  大王「ここは死んだ人間が天国へ行く前に、最後の願いを叶え
     る場所・・・願いの扉の前じゃ・・・。ここで生前の行いをチェ
     ックするのが我々の仕事・・・。私はここの大王じゃ・・・。」
  J「死んだ・・・?生前・・・?何だよそれ!?」

         大王、歌う。

         “天の国の分岐点だ
         ここに来た者は最後の希望
         叶える”

         車の音、叫び声が聞こえる。

         「キキーッ!!」
         「わぁーっ!!」
         「キャーッ!!」
         「子どもが大変だーっ!!」
         「Jー!!」

  J「あ・・・死んだ・・・」
  大王「うむ・・・」
  J「ジジイ!!何、嘘吐いてんだ!!」
  エンゼル「じ・・・じじいとは何だ、じじいとは!!」
  J「オイラが死んだなんて嘘だ!!オイラはこうやって・・・(手を
   見る。)透けてる・・・オイラの手が・・・嘘だ・・・嘘だ!!オイラ
   が死んだなんて嘘だーっ!!」       ※

         音楽、フェード・アウト。








   ――――― “J―未来の君へ―”2へつづく ―――――










    ※ この「透けてる・・・」は、お人形なので出来る筈がなく
     ・・・仕方がないので“演技”で表現してみたつもりですが
     ・・・いかがでしょうか・・・(^^;



 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



    (どら余談^^;)

    団員に確認してもらったところ、あまり閲覧状態は良くない
    ようなのですが、“J”のオープニング場面の動画を、
    グーグル版“ワールド”に投稿致しました(^-^)
    多分、音声的には何ら問題なくお聞き頂けると思いますので、
    またよければ、そちらもご覧になってみて下さいm(_ _)m




    11月23日(金)

    続き、現在脚本公開中の場面動画を投稿致しました(^_^)
    “J”が何故死んでしまったのか・・・部分です(>_<)



    11月25日(日)

    天界場面、YouTube、グーグル版、ヤフー版で
    公開しました♪









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“古びた洋館の隠れた住人・・・” ―全6場― 4

2012年11月21日 20時03分23秒 | 未発表脚本


  ドン「(何かに気付いたように。)・・・ん・・・?」
  デン「ど・・・どうしたんだい、兄貴・・・」
  ドン「(恐々とゆっくりラララたちの方へ。3人をマジマジ見て。)」
  デン「あ・・・兄貴!!」
  ドン「な・・・なぁんだ・・・増えた幽霊は1人だけだ!こっちの2人
     は生きた子どもだぜ。」
  デン「子ども・・・?」
  ドン「驚かすなよ!全く・・・」
  デン「で・・・でも、一人は増えたんだろ・・・?2人でも3人でも・・・
     幽霊がいて怖いのは同じじゃないか・・・」
  ドン「大丈夫さ!ほら見てみろ!(ルルルとラララを交互に見て。
     )同じだ!」
  デン「同じ・・・?」
  ドン「増えたように見えるだけで、こっちの幽霊さんが鏡に映っ
     てるだけだ。」
  デン「鏡に映って・・・?」
  ドン「ああ!」
  デン「な・・・なぁんだ・・・。けど・・・あ・・・兄貴・・・最近の鏡って・・・
     3D映像みたいになってるんだね・・・」
  ドン「え?」
  デン「だ・・・だって両方共・・・えらく立体的・・・」
  ドン「なんだよ、人が折角・・・(ルルルとラララを交互に見て。)・・・
    ホントだ・・・。あ・・・そうか!分かったぞ!!」
  デン「え・・・?」
  ドン「きっと、分身の術だ!!」
  デン「ぶ・・・分身の・・・?」
  ドン「ああ!!全く、驚かしやがって・・・(笑う。)幽霊なんだもん
    な!何か俺たち人間が知らない術を使えたって、不思議は
    ないさ!」
  デン「な・・・なぁんだ・・・」
  ドン「(グン、ポーに。)おい、そこの餓鬼2人!」
  グン「(恐る恐る顔を上げ。)・・・え・・・?」
  ドン「おまえら、なんでこの屋敷にいるんだ?」
  グン「おじさん・・・誰・・・?」
  ドン「俺・・・?俺かぁ・・・俺様は天下のおおど・・・っと・・・か・・・
    会社員様だ!!」
  グン「会社員・・・?働いている人・・・?」
  ドン「お・・・おう、そうさ!」
  グン「じゃあ・・・生きてるの・・・?」
  ドン「当たり前だ!」
  ポー「幽霊じゃない・・・?」
  ドン「この手足を見てみろ!!(自分の手足を叩く。)これのどこ
    が幽霊だ、馬鹿!」
  グン「おじさんたち・・・本当に生きてる人間なんだ・・・」
  ポー「よかったー・・・」
  ドン「それより、おまえたちみたいな餓鬼が、なんでこの屋敷の
    中にいるんだ?」
  デン「こ・・・ここはお化け屋敷なんだぜ・・・」
  グン「や・・・やっぱり・・・」
  ポー「だ・・・だから2人もお化けがいるんだ・・・」
  ドン「(ルルルとラララを見て。)ああ、こいつは本当は一人なん
    だが、分身の術で・・・」
  グン「分身・・・?そんな訳ないじゃない!(ラララを指差して。)
     こっちの幽霊さんは、僕たちとずっと一緒だったんだよ!」
  デン「え・・・?」
  ドン「けど、同じ顔・・・(ルルルとラララを交互に見る。)」
  グン「(ルルルとラララを交互に見る。)あ・・・ホントだ・・・」
  ポー「ね・・・ねぇ、グン・・・ど・・・どうして同じ顔のゆ・・・幽霊さん
     が2人も・・・いるの・・・?」
  デン「あ・・・兄貴・・・」
  ドン「こ・・・こいつは・・・」
  ルルル「私たちの・・・」
  ラララ「お屋敷にようこそ・・・」
  ドン、デン、グン、ポー「わあ―――っ!!お化けが増えたーっ
                !!(4人、手を取り合って震える。)」
  ルルル「人間ってホントに面白いわねぇ・・・」
  ラララ「あら、あなただってずーっと昔は、人間だったじゃない・・・
      (笑う。)」
  ルルル「・・・そうだったわね・・・(笑う。)」
  ラララ「ところで、どうしてあなたはこんな人間と一緒にいるの?
      」
  ルルル「あら、あなただってそんな子どもたちと一緒に・・・一体
       どこへ行くつもり?」
  ラララ「私はあなたの為に、この子どもたちに付き合ってるの。」
  ルルル「私の為・・・?」
  ラララ「私は何百年もこんな屋敷に縛られてないで、さっさとあな
      たの探し物を見つけて、早く向こうの世界へ行きたいのよ
      。」
  ルルル「それで?」
  ラララ「この子どもたちが、あなたの丸い水晶玉を探しにここへ
      来たって言うから、私はそれについて行って、取り返して
      あげようとしてただけ。」
  ルルル「(恐ろし気な声で。)その子どもたちが、私の水晶玉を
       盗みに来たですって!?」
  グン「わあーっ!!ぼ・・・僕たち幽霊さんの水晶玉なんて盗み
     に来てないよ!!」
  ポー「僕たちはただ、グンのボールを・・・!!」
  ルルル「じゃあやっぱり、こっちの2人組が私の水晶玉を盗みに
       来てたのかしら!?」
  ドン「えーっ!!」
  ルルル「あなたたちの言ってたお宝って、私の大切な水晶玉の
       ことだったの!?」
  ドン「お・・・俺たち、そんなものを盗む為にここに入ったんじゃあ
     ・・・!!」
  デン「う・・・うん・・・!!オイラたちは単純に金になるお宝を・・・
     !!」
  ドン「しっ!!馬鹿!!」
  デン「あ・・・」
  ルルル「ふうん・・・。じゃあ、水晶玉のことは知らないと言うのね
       ・・・。」
  ドン「あ・・・ああ!!勿論さ!!な・・・なあ・・・デン・・・」
  デン「(何かに気付いたように。)・・・あ・・・そう言えば・・・」
  ドン「え・・・?(小声で。)何だよデン・・・!!」
  デン「(小声で。)兄貴がさっき、オイラにくれたあれ・・・確か・・・」
  ドン「(何か思い出したように。)あ・・・」
  ルルル「何!?」
  ドン「あ・・・えっと・・・いや・・・」
  ラララ「隠すと為にならなくてよ。」
  ドン「あ・・・いや・・・違うんだ・・・(小声で。)おい、デン!あの水
    晶玉どこにやったんだよ・・・!」
  デン「(小声で。)オ・・・オイラのポケット・・・」
  ドン「(小声で。)えーっ・・・!!マジかよ・・・!」
  ルルル「なんなの!?さっきからコソコソ。」
  ラララ「ルルル・・・なんだか怪しいわね、この2人・・・」
  ドン「い・・・いや・・・怪しいことなんて何も・・・なぁ、デン・・・!」
  デン「う・・・うん!!」
  ドン「(小声で。)おい・・・!そんなの持ってるのがバレたら俺た
    ちも、この幽霊さんと一緒にあっちの世界へ行くことになるぞ
    !!」
  デン「(小声で。)えーっ・・・!!そんなぁ・・・!!」
  ドン「(小声で。)・・・早くどっかへやれよ!!」
  デン「そんなこと・・・急に言われても・・・」
  
         ドン、ルルルとラララに一寸近寄り、
         2人の気を引くように話し掛ける。
         (その間にデン、ポケットを押さえ、
         後ろを向いてオロオロする。)

  ドン「(ルルルとラララに。)な・・・なあ、おまえたち・・・なんで、そ
    んなにその水晶玉を一生懸命何百年もの間、探し回ってん
    だ?余っ程、大切なものなんだな・・・。」
  ルルル「だからさっきから言ってるでしょ!!私の大切な思い出
       が沢山詰まった水晶玉だって!!」
  ドン「あ・・・悪い・・・そうでした・・・か・・・」
  ルルル「あの水晶玉は、私たちが小さい頃に亡くなった、お父様
      お母様と過ごした、楽しかった時をもう一度見ることが出
      来る魔法の水晶玉・・・」
  ドン「・・・え・・・?小さい頃に亡くなった・・・?」
  ルルル「ええ・・・」
  ドン「じゃあ、おまえたちを育てたのは・・・?」
  ラララ「マーサよ!」
  ドン「マーサ・・・?」
  ラララ「ええ!私たちが生まれた時から、私たちの面倒を見てく
      れてる私たちの乳母よ!」
  ドン「・・・へぇ・・・」
  ルルル「マーサは私たちが死ぬまで・・・」
  ラララ「あら、違うわ!死んでからもよ!」
  グン「・・・え・・・?」
  ポー「あは・・・ははは・・・グ・・・グン・・・僕・・・なんかいやな気が
     してきた・・・」
  グン「う・・・うん・・・僕も・・・」
  ルルル「ずっと私たちの側で私たちの面倒を見てくれてる人・・・
       」
  ドン「そのマーサ・・・ってのは、おまえさんの大切な水晶玉のこ
     とは知らないのかよ・・・?」
  ルルル「マーサは・・・」
  ラララ「マーサは水晶玉なんて、最初からなかったんだって言っ
      てるわ。現に私だって、そんな水晶玉は見たことないし・・・
      」
  デン「あれ?可笑しいじゃない・・・。君はその水晶玉を取り返す
     為に、この子たちに付いて来たって・・・」
  ラララ「あー・・・もう面倒臭いわねぇ・・・ルルルは水晶玉でなくて
      も、丸いものなら何でもいいの!!だから、その子たちが
      丸いものを探してるって言うから・・・それを拝借しようと考
      えたのよ。」
  ドン「丸いものならなんでもいいのか・・・?」
  ルルル「違うわ!!」
  ラララ「マーサは、ルルルは丸いものを集めたがる、精神の病な
      んだって言ってるわ。私も最初は可笑しいと思ってたけど
      、これだけこのお屋敷の中を何百年も探し回って、見つか
      るのはボールやゴムまりみたいなものばかり・・・。今じゃ
      マーサの言うことが正しいんだと思ってる・・・。」
  ルルル「ラララ・・・!!」
  デン「ふうん・・・」
  ドン「マーサは・・・水晶玉なんて、最初からないんだって言い切
     ってたってのか・・・」
  ラララ「そうよ。」
  ルルル「でも・・・私、マーサにだけ見せたことが・・・」
  ラララ「大体、魔法使いのお婆さんが、誰にも見せるなって言っ
      てたものを、マーサにだけ見せたなんて可笑しな話し・・・
      その魔法使いだって、ルルルの単なる思い過ごしなのよ
      、きっと・・・。あんな汚らしいカエルが、魔法使いのお婆さ
      んだったなんて・・・信じられる筈ないもの。」
  ドン「あんな汚らしいカエル・・・?」
  ラララ「え・・・?ええ・・・」
  ドン「君もそのカエルは見たんだな・・・?」
  ラララ「ルルルったら、平気で手の平に乗せて・・・。私、恐ろしく
      って、飛んでマーサに言いつけに行ったわ!」
  ドン「ほう・・・。カエルに変えられた魔法使いの婆さんが・・・誰
     にも見せるな・・・か・・・。これは何だかきな臭い・・・」
  デン「何臭いって・・・?兄貴・・・」

         音楽流れ、ドン歌う。

         “何だかこいつはきな臭い
         怪しい香りが立ちこめる”

  ドン「えー・・・では、そこの証人前へ・・・(デンを見る。)」
  デン「(回りを見回し、自分を指差す。)お・・・オイラ・・・?」
  ドン「あなたは、つい今しがた、この屋敷で何かを見つけません
     でしたか?」
  デン「え・・・あ・・・あの・・・丸いものを沢山・・・」
  ドン「そう!!丸いものだ!!確かにこの屋敷は丸いものだら
     けだ・・・。では一体、その丸いものはどこからやって来たの
     だろうか・・・?」

         ドン、歌う。

         “丸いものを集めたくなる
         不知の病のお嬢様”

  ドン「さて・・・果たしてこの世に、そんな変わった病が本当に存
     在するものなのかどうなのか・・・」
  ルルル「私はそんな病気ではないわ!!私は大切な水晶玉を
       ・・・!!」
  ドン「水晶玉・・・?」
  ルルル「え・・・?ええ!!」
  ドン「その水晶玉に、なぜあなたはそんなに執着するのか・・・?
     」
  ルルル「その水晶玉には、懐かしい思い出が映し出されるの!
       !」
  ドン「ほう・・・それは珍しい水晶玉だ・・・。」
  ルルル「だって魔法使いのお婆さんが、ピンチから救ったお礼
       に私の願いを何でも一つだけ、叶えてくれると言ったわ
       。だから私、お父様とお母様と私たち姉妹が仲良く暮ら
       してた頃の思い出を、もう一度見せてと頼んだのよ!」
  ドン「では、その水晶玉は過去を見せる魔法の水晶玉だと?」
  ルルル「そうよ!!」

       コーラス“だけどみんなが口揃え
             そんなものは初めから
             この世に存在しないもの
             そんな風に言い続け
             いつしか誰もがそう信じ
             疑う者などいなくなった・・・”

  ドン「次の証人、前へ・・・(ラララを見る。)」
  ラララ「(回りを見回して、自分を指差す。)わ・・・私・・・?」
  ドン「あなたはカエルを見ましたか・・・?」
  ラララ「ええ、見たわ!汚らしいひき蛙をね!」
  ドン「そのカエルが魔法使いだったとは・・・?」
  ラララ「そんなの知らないわよ!誰が考えたって、カエルが魔法
      使いのお婆さんだなんて、可笑しいじゃない!」

         ドン、歌う。

         “カエルは確かにそこにいた
         存在したのは事実のようだ
         だけどカエルが魔法使いだなんて
         それを見たのはただ一人
         お礼をもらった娘だけ・・・”

  ルルル「だって・・・だって本当のことよ!!私は嘘は吐かない
       わ!!」
  ドン「しっ!!誰も君が嘘吐きだなんて言ってやしない。」
  ルルル「でも・・・!!」
  ドン「さて、そこの子ども2人・・・おまえたちはなぜ、この屋敷に
     ?」
  ポー「ぼ・・・僕たち、グンの大切なボールが、このお屋敷の中に
     飛び込んだんじゃないかって・・・だから・・・」
  ドン「忍び込んだ・・・?」
  ポー「ごめんなさい!!人のお屋敷に黙って入るなんて、悪い
     ことだと思ったけど・・・」
  グン「あのボールはパパに買ってもらった、僕の宝物なんだ!!
     それで・・・」
  ドン「それで・・・?屋敷の中でボールは見つかったかな?」
  グン「(首を振る。)」
  ドン「確かにこの屋敷の中に、丸いものは沢山あった・・・」
  グン「その中に僕のボールもあったの!?」
  ドン「まあ、待て。おまえの探してるボールが、どんなボールか
    知らないが、その中の一つかも知れない・・・」
  ラララ「マーサは丸いものを沢山集めて、ルルルが満足したら、
      向こうの世界へ行けると言っていたわ。だから私たちは丸
      いものを見つけると、それが何だか分からなくても持って
      行って、丸いものばかり集めているタンスの中へ仕舞うの
      。」
  デン「・・・あ・・・あのタンスだ・・・」
  ドン「そこでだ・・・最初の話しに戻るが・・・あんたが丸いものを
    集めたがる精神の病だと言ったのは・・・」
  ルルル「マーサ・・・」
  ドン「だから丸いものを沢山集めようと言ったのは・・・」
  ラララ「マーサ・・・」
  ドン「(ルルルに。)おまえが見せてはいけないと婆さんに言わ
    れたのに、その水晶玉を見せた・・・と言うのは・・・」
  ルルル「マーサ・・・」
  ドン「ずっと、ずっとずーっと2人の側にいたのは・・・」
  ルルル、ラララ「マーサ・・・」
  ドン「うん・・・キーワードはマーサだな!!」
  ドン以外の全員「マーサ!?」










   ――――― “古びた洋館の隠れた住人・・・”
                         5へつづく ―――――










 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


      (どら余談^^;)

      書き終わったので、全6場となりました(^O^)v
  









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“アリアの海” ―全6場― 完結編

2012年11月19日 19時52分51秒 | 脚本


   



  アリア「えっと・・・どこかしら・・・。違う・・・これじゃない・・・えっと
      ・・・これも違う・・・あ・・・あった・・・あったわ!!これよ!!
      魔法の貝の笛!!待ちなさい!!悪いことばかりしてる
      島の主とやら!!この私が・・・」
  ゴーザ「何!?(振り返り、アリアを認める。)おまえはアリア・・・
      。どうしてこんなところに・・・!?」
  アリア「ゴーザ・・・おじさん・・・?昔、悪いことをして、お父様に
      海の国を追放されたゴーザおじさんが、この島の主なの
      ・・・?」
  ゴーザ「おまえ・・・」
  アリア「こんなところで懲りずに、また悪いことをしてたのね!!
      」
  ゴーザ「畜生!!みんなまとめて食料にしてやる!!」
  アリア「駄目よ!!これを見て!!(貝の笛を差し出す。)」
  ゴーザ「あ・・・それは魔法の貝の笛・・・」
  アリア「そうよ!!魔法が使える笛よ!!おじさんは取り上げ
      られてしまわれたけど、私たち海の国の者は、みんな持
      ってるわ!!私はお父様のように情けをかけたりしない
      !!貝の笛よ・・・私に力を貸して!!」
  ゴーザ「何!?」
  アリア「悪いことを繰り返し、人々を苦しめるこのゴーザを・・・」
  ゴーザ「や・・・やめろ!!やめてくれ!!」
  アリア「小さな小さな・・・カニに変えてーっ!!(笛を吹く。)」
  ゴーザ「えーっ!?(途中で変な声に変わる。)」    ※
  


   



         (曲終わり。)
         その時、“ボン”の音と共に煙が上がり、
         恐ろしい姿だったゴーザ、小さなカニに
         変わる。       

  ゴーザ(カニ)「おい、おまえら!!俺様をこんな姿にするなんて
          !!なんてことしやがるんだ!!戻せ・・・!!戻し
          やがれー!!俺様を元の格好良い姿に戻せーっ
          !!なんて奴らなんだ!!全く!!」
  アリア「(笑う。)」
  ルディ「(笑う。)踏み潰されたくなきゃ、さっさとどこかへ行って
      しまうんだな!!」
  アリア「ゴーザおじさん!その姿とっても可愛いわよ!(笑う。)」
  ゴーザ「畜生!!なんて小娘なんだ!!このゴーザ様を!!
      ・・・(何かに気付いたように。)あ・・・そうだ・・・こんな小さ
      い体になったと言うことは・・・この洞穴の奥の海の入り口
      ・・・鉄格子の門の間を摺り抜けることが出来るぞ!!わ
      ーい!!海に帰れるんだ!!やったーっ!!」

         ゴーザ、上手後方へ走り去る。

  アリア「ゴーザおじさん!!もう悪いことしないでね!!」
  ゴーザ「わーい!!わーい!!」
  ルディ「したくたって、あの体じゃできないよ。」
  アリア「そうね。」

         アリア、ルディ、顔を見合わせ笑い合う。

  ラナ「ルディ!!(駆け寄る。)」
  ルディ「姉さん!!」
  ラナ「前に貢ぎ物を届けに来た人達も、太らせてから食べるつも
     りだったみたいで、みんな無事よ。」
  ルディ「そうなんだ!」
  ラナ「(アリアの方を向いて。)ありがとう・・・。」
  アリア「よかったわね・・・」
  ルディ「うん!!」
  アリア「これでこの島も平和になって、私も海の国へ・・・(その場
      に突然倒れる。)」

         (音楽流れる。)
  
  ルディ「・・・アリア!!・・・どうしたの・・・?アリア・・・アリア!!
      そうか!!水がなくなったんだ!!僕の水筒の水を・・・
      (水筒の飲み口をアリアの口元へ。)さぁ、アリア!!飲ん
      で早く・・・!!アリア・・・アリア!!口を開けて!!お願
      いだアリア!!どうして飲んでくれないの!?まさか・・・
      間に合わなかったんじゃ・・・アリア・・・(泣く。)嘘だ・・・間
      に合わなかったんだ・・・。僕は自分で君に何かあった時
      の為に、一緒に行くと言っておきながら・・・。姉さん・・・僕
      ・・・アリアを守れなかった・・・。」
  ラナ「ルディ・・・」

         ルディ、歌う。

         “ごめんね          コーラス“ごめんね
         僕が                   僕 約束
         君を守れなかった”          守れなかった
                               ごめんね”

         その時、アリアの名を呼ぶ声が聞こえる。

  ウオレットの声「姫様ーっ!!姫様ーっ!!」
  王の声「アリア!!アリアーっ!!」

         上手後方より、海の国の王様と
         ウオレット、慌てた様子で登場。

  

  
                    ※2
   


  王「おお、アリア!!(アリアを認め、駆け寄り抱き上げる。)無
    事だったか・・・!!アリア・・・?アリア!?」
  ウオレット「姫様!?」
  ルディ「僕のせいだ・・・」
  ウオレット「姫様ーっ!!(大泣きする。)」
  王「アリア・・・まさか・・・こんなことが・・・(涙を堪えるように。)」

         王、歌う。

         “心配ばかり
         かけて仕方ない娘”

         ルディ、歌う。

         “ごめんね
         僕が
         君の側についていた”     コーラス“なのに”

         その時アリア、息を吹き返したように
         目覚める。

  王「アリア・・・?」
  ウオレット「姫様!!」
  アリア「お父様・・・それにウオレットも・・・どうしてここに・・・?」


  
  



  王「アリア!!よかった!!(アリアを抱きしめる。)」
  ウオレット「姫様・・・」
  ルディ「アリア!!死んだんじゃないんだね!!」
  王「キューイからおまえが貝の笛をなくしたと聞いて、しばらくの
    間、様子を見ていたのだが、おまえが陸へ上がると言うので
    慌てて後を追って来たのだ。それにしてもアリア!!全くお
    まえは私の言うことを聞かず、好き放題しているから、こんな
    危険な目に遭うのだ!!」
  アリア「・・・ごめんなさい・・・」
  王「もう少しで水がなくなり、命が危なかったのだぞ!!それに
    してもゴーザが・・・!!ん・・・?この洞穴の中に閉じ込めて
    いた筈のゴーザは一体・・・」
  アリア「(申し訳なさそうに、肩をすくめる。)・・・カニに変えちゃっ
      た・・・。」
  王「何!?カニに変えただと!?」
  ウオレット「王様!さっき、海の国の門の前ですれ違ったカニ・・・
        あれがもしや・・・」
  アリア「ごめんなさい・・・勝手なことして・・・」
  王「(溜め息を吐いて。)やれやれ・・・、最近のゴーザの行いは、
    目に余るものがあったからな・・・。今度こそゴーザも心の底
    から反省するであろう・・・。」
  ウオレット「でもなぜ姫様は水がない状態で・・・」
  王「全く不思議なことだが・・・」
  アリア「(何かに気付いて自分の頬に触れる。)濡れてる・・・」
  王「濡れていると・・・?」
  ルディ「あ・・・僕の涙だ・・・」
  アリア「涙・・・?」
  王「そうか・・・そう言うことだったのか。」
  アリア「どうしたの?お父様・・・」
  王「我々、海の国の者にとって、人間の一滴の涙は、バケツ一
    杯の水にも等しい水分を含んでいる、秘薬になるのだよ。」
  ウオレット「それで姫様は助かられたのですな。」
  王「うむ・・・。礼を言うぞ、そこの少年。ゴーザのせいでお互い
    が敵対するものへと変わっていった、我々海の国の者と人
    間だったが・・・おまえの為に涙してくれる、よい人間と知り合
    うことができたな、アリア・・・。」

         アリア、歌う。

         “ありがとう
         みんな
         私を助けてくれて”

  王「アリア、ルディ、お互いが助け合ったことで、再びみんなが
    幸せに暮らせる世の中が戻ってくるであろう・・・。」
  アリア「お父様・・・」

    ――――― 第 6 場 ―――――

         音楽変わり、背景海辺に変わる。
       
  アリア「ありがとう、ルディ!!」
  ルディ「ううん・・・僕こそ、ありがとう!!」

         アリア、歌う。

         “あなたと出会えたの
         一人で不安な
         こんな広い砂浜で
         見つけてくれた私のこと”

         ルディ、歌う。

         “君と出会えたのは
         偶然じゃないさ
         輝く笛 僕を見てた
         見つけてくれないかと”

         アリア、歌う。

         “本当?”

         王、歌う。

         “いつまでたっても
         悪戯して
         手を焼く娘だ
         成長してくれないかと
         目をかけてきたが
         ほんの少し願い叶った”    ウオレット“悪戯
                                   姫様”

         ルディ、歌う。

         “見つけたのは君の思い
         僕に届いたから”

  ルディ「君の思いが僕たちをつないだんだ・・・。」
  アリア「ルディ・・・」

         アリア、歌う。

         “あなたが見つけてくれた
         だからつながった
         偶然のようで
         あなたが私を
         呼んでくれたのよ”

         みんな、手をつなぎ歌う。

         “みんなが幸せになる
         ことができるなら
         手をつなぎ
         前を向いて歩こうよ
         生きる仲間だよ”

      ルディ“ありがとう”

      アリア“さよなら”

      ルディ“出会えて”

      アリア“よかった”

         嬉しそうに見つめ合う2人。



  








           ――――― 幕 ―――――










    次回からは、“J”―未来の君へ― をご覧頂こうと思い
    ます(^O^)
    お楽しみに・・・♪












   ※ この“変な声”、意外と子どもたちにウケていました^^;


   ※2、右端のウオレットさん、笑顔に見えますね・・・(>_<)
      悲しい場面でも笑顔・・・お人形故、仕方ないのです(;_;)
 


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ 


  
    (どら余談^^;)

    今現在の公演依頼は、1月に小学校、3月にもう1ヶ所
    の2公演ですが、そのどちらもこの“アリアちゃん”作品で
    行く予定にしています(^_^)

    それまでに、只今新しい音響メンバーさんの協力を得な
    がら、自分で手がけている編集作業ですが、1月までに
    もう少し手直しし、より一層聞きやすい作品に作り直そう
    と考えています(*^_^*)

    新作も書きたいし・・・次回作の台詞練習もあるし・・・と、
    益々楽しい多忙な毎日です(^-^;






    11月17日(土)

    皆様にお詫びですm(_ _)m

    ヤフー版“リトルパイン”のページで、“アリアの海”動画の
    公開を始めましたとお知らせ致しましたが、たった今まで
    それが非公開設定になっている為に、皆さんにご覧頂け
    なかったと、知りませんでした(>_<)

    団員から「見れない」と連絡を受け、初めて気付き慌てて
    確認、設定変更しましたので、今はもう大丈夫かと思いま
    すので、またご覧になってみて下さいm(_ _)m

    続き、別場面動画も増やしていこうと思っていますので、
    お待ち下さいね♥

    ついでに・・・
    ヤフー版でなくても、YouTubeで公開していますので、
    そちらでご覧頂いても大丈夫です(^^;

    どちらも団員に見れるかどうかの確認済みですので、
    ご安心を・・・(^_^;)

    それでは先ず、お詫びを皆様に・・・と思い、脚本更新は
    また後ほに・・・^^;



                               どら。








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