――――― 第 7 場 ―――――
カーテン前。下手スポットにジェシー浮かび
上がる。今の気持ちを切々と歌う。
ゆっくり上手へ。
“何故だろう こんな気持ち
生まれて初めて感じたような・・・
如何したんだろう一体
こんな思いが駆け巡るのは・・・
可笑しいんだ ここ数日
この気持ちを持て余してしまう・・・
ただおまえの・・・
泣き顔より笑顔が・・・
ほんの少し見てみたいと
何故だろうこんな思い・・・
変だ・・・変だ・・・
如何しちまったのか
自分で自分の心が分からない
たった一度しか会ったことのない
誰かの為になんて
俺らしくない・・・”
暗転。
――――― 第 8 場 ―――――
フェード・インする。と、美術館。
“聖母マリアの肖像”の前で見上げるように
佇み、絵に見入るマリア。
静かな音楽が流れている。
1組の男女、楽しそうに絵を見て、ゆっくり
出て行く。
下手よりバリー登場。マリアを認め近寄る。
バリー「マリア・・・。」
マリア「(バリーを認め、嬉しそうに。)戻って来たのね!!」
バリー「ああ。昨夜、見回りに来た時には盗まれた状態だったん
だが今朝来てみると、全く何もなかったかのように戻って
いたんだよ。それで直ぐに鑑定士に来て調べてもらった所
、紛れもなく本物の“聖母マリアの肖像”だと言うんで、こ
うして元の通り・・・と言う訳さ。だが、喜んでいいんだろう
が、何とも・・・奇妙な話しさ・・・。今まで盗難に遭って、そ
の品物が何処かへ流れて見つかることはあっても、元通
り返って来るなんて、聞いたことがないからね。」
マリア「でも私は嬉しいわ!!またこうしてここへ何時でも話し
に来れるんだもの。」
バリー「そうだね。だけどよく分かったね、昨夜この絵が戻って来
たこと。それとも偶然かい?」
マリア「(首を振る。)それが見てくれる?この手紙・・・(手に握り
締めていた手紙をバリーに差し出す。)」
バリー「(手紙を開いて読む。)ほう・・・」
マリア「ね!今日ここへ来れば、必ずいいことがあるって・・・。マ
リアのいなくなったここへ来たって、何がいいことあるのか
しらって・・・。けど、何時もの習慣で、ついこの前まで来ち
ゃって・・・そしたら!!」
バリー「そうか・・・幸せの手紙って訳だ。(マリアへ手紙を返す。
)」
マリア「そう!」
バリー「まあ今日は、飽きるまで見ておいで。」
マリア「ありがとう!!」
バリー、微笑んで上手へ去る。
マリア再び絵に見入る。
一時置いて、上手よりジェシー登場。マリアを
見詰める。マリア、何となく人の気配に気付き、
振り返りジェシーを認め、嬉しそうに微笑み
駆け寄る。
マリア「見て頂戴!!“聖母マリアの肖像”が戻って来たの!!
(ジェシーの手を取って、嬉しそうに絵の前まで引っ張って
行く。)」
ジェシー「ああ・・・。」
マリア「もう私、嬉しくって・・・!!マリアにもう一度会えるなんて
・・・。」
ジェシー「・・・よかったじゃないか・・・。」
マリア「ええ!!(恥ずかしそうに下を向いて。)あの時は・・・あ
りがとう・・・。あなたのお陰で元気が出たのよ!」
ジェシー「大袈裟だな・・・。(微笑む。)」
マリア「でもね、変な手紙が届いたの。見て・・・(手紙をジェシー
に差し出す。)」
ジェシー「(手紙に目を遣る。)・・・へえ・・・」
マリア「誰かが私に、この絵が戻って来たことを知らせてくれた
のよ。一体誰かしら・・・。」
ジェシー「いいじゃないか、別に・・・。またこの絵に会えて嬉しい
んだろ?なら、そんな手紙、気にすることないさ・・・。(マ
リアへ手紙を返す。)」
マリア「・・・そうね!」
ジェシー「それにいいことだとは書いてあるが、絵のことだとは
一言だって書いてないんじゃないか?」
マリア「そうね・・・いいことって、あなたにもう一度会えたことか
も知れないわね?」
ジェシー「馬鹿!」
マリア「よく来るの?ここ。」
ジェシー「いや・・・俺は絵なんかに余り興味はないからな。」
マリア「それじゃあ、今日ここで会えたのは、奇跡に近いかもね
!(微笑む。)」
ジェシー「・・・そうだな・・・。」
マリア「そう言えば・・・私、まだあなたの名前知らない・・・。」
ジェシー「・・・ジェシー・・・」
マリア「ジェシー・・・。ねぇ、ジェシー!仕事は何をしているの?」
ジェシー「・・・表通りのクラブで働いてる・・・。」
アリア「私は・・・」
ジェシー「知ってるよ・・・。“劇団フラップ”の団員だろ・・・?」
マリア「・・・ええ・・・。でも如何して・・・」
ジェシー「この間、劇団のパンフレットを見た時、最後の方に小
さく写真が載っていた・・・。」
マリア「よく分かったわね!!友達なんて、私が何処に写って
るか見つけられない子だっているのに!!・・・何時かあ
のパンフレットの表紙に、サイン入りで写真が載ることが
私の夢・・・。ジェシーは夢なんてないって言ったけど・・・」
ジェシー「・・・おまえに言われて・・・そう言えば俺も昔・・・子ども
の頃・・・夢を持って生きていたような気がする・・・。」
マリア「(瞳を輝かせてジェシーを見詰める。)どんな?」
ジェシー「・・・(思わず笑みを洩らす。)」
マリア「ねえ!!どんな夢!?」
ジェシー「(微笑んで。)いいだろ、何だって・・・。」
マリア「教えてくれたっていいじゃない!!意地悪ね!!」
ジェシー、笑いながら上手へ去る。
マリア「待ってよ!!(小走りでジェシーに続く。)」
柱の陰から出たラリー、出て行く2人の背中
を見据える。カーテン閉まる。
――――― 第 9 場 ―――――
カーテン前。
ニック、マイク、下手より話しながら登場。
ニック「それで何か分かったのか?」
マイク「全然!!」
ニック「全く役立たずな野郎だぜ。」
マイク「そんなぁ・・・。俺だって一生懸命、探り入れてたんだけ
ど、あいつの住むとこすら俺達知らないんじゃ・・・。」
ニック「そうだったよな・・・。」
マイク「相変わらず無愛想だし・・・。」
ニック「別にあれ以来、変わった様子もなしか・・・。そうだ!!
(ズボンの後ろポケットから、新聞を取り出す。)これを見
てみろよ!(新聞を差し出す。)」
マイク「(受け取った新聞を開いて見る。)何を見るんだ?・・・
人生相談・・・今日の料理・・・天気予報・・・」
ニック「馬鹿野郎!!そこだよ、そこ!!(新聞を指差す。)」
マイク「(新聞を読む。)来月行われる万国博覧会に“女王の涙
”が出品されることになった・・・て・・・“女王の涙”って、そ
んなもの如何するんだよ・・・。」
ニック「馬鹿!!“女王の涙”って言ったら、時価数千億は下ら
ないと言われているダイヤの原石だ!!」
マイク「・・・(呆然と。)数・・・千億・・・?」
ニック「ああ!!」
マイク「えーっ!!数千億もあれば、一生遊んで暮らせるじゃな
いか!!」
ニック「おまけに原石だぜ!!バラバラにして捌けば足もつかな
い!!」
マイク「やった!!次の獲物は決まりだな!!」
ニック「これに目を付けない手はないだろ!?」
マイク「けど、ただの原石に何でそんなロマンチックな名前が付
いてるんだ?」
ニック「(幾分、瞳を輝かせて。)何でも昔からこの宝石には曰く
謂れがあって・・・一体何時から今の持ち主である王室に
あるのか分からないそうなんだが、誰であろうと一目この
宝石を見た者は、忽ちその妖しげな輝きに魅了され、ど
んなことをしても我が物にしたくなる感情に駆られ、幾多
もの人間がこの宝石を巡って、血の争いを繰り返したらし
い・・・。で、手に入れた者は決まって不幸な人生を歩まな
くてはならなくなるそうだ・・・。そしてこの宝石の赤く鈍く
輝く独特の色合いは、その人々の血が滴り込められてい
るからって話しだぜ。そんな醜い人々の心を悲しんで自
殺した女王に因んで、この名前がついたって訳さ。」
マイク「・・・えー・・・そんな・・・そしたら俺たちも・・・」
ニック「馬鹿・・・それはもう何百年も昔の話しで、王室に渡った
時にその曰く謂れを振り祓おうと、国中捜して一人の有
名な祈祷師を呼んで、ちゃんとお祓いは受けたそうだ。」
マイク「(ホッとして。)よかったー。へぇ・・・でもそんな魅力のあ
る宝石なら、早く見てみたいなぁ・・・。」
その時、上手よりラリー走り登場。
ラリー「おおい!!ニック!!」
ニック「(振り返りラリーを認める。)何処行ってたんだ?」
ラリー「分かったぜ!!(息を切らせて。)」
ニック「・・・分かったって・・・?」
ラリー「ジェシーがとった不可解な行動の訳さ!!」
マイク「えーっ!?」
ニック「それで一体何が分かったんだ!?」
ラリー「それが聞いて驚くなよ!!」
マイク「早く言えよ!!」
ラリー「煩いな!!おまえに言われなくても言うさ!!」
ニック「早く言え!!」
ラリー「ああ・・・。それがなんと・・・奴の後ろに“女”がいたんだ
よ!!」
ニック「・・・女・・・?」
ラリー「そう!!」
ニック「(笑って。)冗談だろ?あの無愛想で何考えてるか分か
らないような奴が、女の為に何かするなんて考えられる
かよ!!」
ラリー「けど本当なんだ!!俺たちには笑顔なんか見せたこと
のないあいつが、その女の前では笑ってたんだぜ!!」
ニック「(真面目な顔付になって。)・・・へぇ・・・女ねぇ・・・」
マイク「ニック?」
ニック「今の話しが本当なら・・・ひょっとしたら、あいつはもう・・・
使い物にならないかも知れないぜ・・・。」
マイク「・・・使い物・・・?」
ニック、上手へ去る。ラリー続く。
マイク「ニック!!待ってくれよ!!ラリー!!(慌てて2人の後
を追う。)」
――――― 第 10 場 ――――― A
音楽でカーテン開く。と、ジェシーの働くクラブ。
カウンターの中にジェシー。カウンターに1組の
男女座り、語らっている。ジェシー、客のグラス
へ酒を注いだり用事をしている。
一時置いて、奥よりシャロン登場。カウンターに
座る。
シャロン「雨・・・降ってきたわね。」
ジェシー「へぇ・・・」
シャロン「私にも一杯頂戴。」
ジェシー「OK・・・。」
シャロン「覚えてる?一年前、あなたがこの店に初めて来た時
のこと。」
ジェシー「いいや・・・。(酒をグラスに注いで、シャロンの前へ差
し出す。)」
シャロン「ありがとう。(グラスを持って。)あの日も今日みたいに
小雨が降ってたのよねぇ・・・。」
ジェシー「よく覚えてるな・・・。」
シャロン「そりゃあ・・・ね・・・」
客の男女、お金を置いて出て行く。
男、戸の外を見て雨が降っているのに
気付き、自分のジャケットを脱ぎ、女の
頭から掛けてやり、肩を抱いて出て行く。
ジェシー「ありがとうございました。」
シャロン「(客の2人を見ていて、呟くように。)いいなぁ・・・恋人
同士は・・・。ジェシーは何も話さないのね、自分のこと
・・・。」
ジェシー「話すようなことは何も持たないからな・・・。」
シャロン「そう・・・?私はあなたがその内、ここへ来た時と同じ
ように、ふらっと何処かへ行ってしまうような気がするの
・・・。」
ジェシー「(微笑んで。)何処へも行かないよ・・・。」
シャロン「(微笑んで。)そうね・・・。」
その時、戸を開けて、雨に濡れた
長く解き流した髪をハンカチで拭き
ながら、マリア登場。
ジェシー「いらっしゃ・・・(マリアを認め、驚いたように。)マリア
・・・」
シャロン「マリア・・・?(振り返ってマリアを認める。)」
マリア「(カウンターの中のジェシーを認め、嬉しそうに駆け寄る
。)ジェシー!!やっと会えた!!随分探したのよ、この
お店!!(興奮して。)聞いて!!私、選ばれたの!!今
度の舞台の主役に選ばれたのよ!!」
ジェシー「・・・え・・・?」
マリア「オーディションで選ばれたのよ!!」
シャロン「・・・知り合い・・・?」
ジェシー「あ・・・ああ・・・(思い出したようにカウンターの外へ、
慌てて出る。)何でこんなところへ来たんだ!!ここは!
!(思わず誰かを捜すように、回りを見回す。)」
マリア「でも、如何してもあなたに一番に知らせたかったの!!」
ジェシー「(呆然とマリアを見詰め、フッと笑って。)・・・よかった
な・・・。」
マリア「(頷く。)ありがとう!!」
ジェシー「今度ちゃんと祝ってやるよ・・・。だから今日はもう帰る
んだ。」
マリア「本当?」
ジェシー「ああ・・・。髪が濡れてる・・・。傘持ってないのか?」
マリア「だって、このお店を探し始めた頃は、まだ雨は降ってな
かったもの。」
シャロン「雨・・・もう30分は降ってるわよ・・・。」
ジェシー「一体何軒回ったんだよ・・・。」
マリア「だって表通りってことしか知らなかったもの・・・。」
ジェシー「ちょっと待ってな・・・。(ジェシー、カウンターの中から
傘を取って、マリアの側へ。」
と、奥よりニック、ラリー、マイク登場。
ジェシー、一瞬強張った表情で、3人を
見据える。
ニック「(にこやかに。)やあジェシー、彼女かい?」
ジェシー「(態とぶっきら棒に。)そんなんじゃない・・・。」
ニック「(ラリーをチラッと見る。)」
ラリー「(ニックに答えるように軽く頷く。)」
ニック「いいじゃないか、隠さなくても。何時の間の見つけたんだ
?こんな可愛い彼女・・・。おまえは恋愛なんかに興味な
いと思ってたけど、これで安心だ。(笑う。)」
ジェシー「本当に俺とは何の関係もないんだ!!」
ニック「まあまあ・・・。(マリアを見て。)彼女、ゆっくりして行くん
だろ?」
マリア「いいえ・・・もう。レッスンもあるし。」
ジェシー「さあ、これを持って行けよ・・・(傘を差し出す。)」
マリア「ありがとう!(傘を受け取る。)」
ニック「レッスンって?」
ジェシー「(態とニックの言葉は耳に入っていない風に。)マリア
・・・(マリアの背中を軽く押して、戸まで付いて行く。)」
マリア「(店の中の皆に軽く頭を下げる。)じゃあジェシー!さっ
きの約束、絶対ね!!」
マリア出て行く。暫くジェシーその方を見ている。
――――― “マリア”4へつづく ―――――
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(どら余談^^;)
この作品・・・に限らず、ずっと以前に書いたお話しは、言葉使
いの気になる個所が所々出て来ます^^;
そんな時は台詞の差し替えをしているのですが、し切れてな
かったらすみません^_^;
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://ritorupain.blogspot.com/
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
犬たち上手へ去る。
ジュリー、犬たちに続いて行きかけ立ち止まる。
(音楽変わる。)
ジュリー歌う。
“あなたに会えるわもう
直ぐに行くから
会いたくてここに来た
ドキドキしてる
ドキドキしてる・・・”
犬1の声「早く来いよーワン!!」
ジュリー、上手へ去る。
紗幕閉まる。
――――― 第 6 場 ―――――
下手より村長とアナベル、話しながら登場。
(左・アナベル、右・村長)
村長「で、アナベル、この間傷だらけでやって来たノラ犬は、ま
だ目が覚めないのかワン?」
アナベル「ええ、お父様ワン・・・。きっと人間の車にでもぶつけ
られて、そのままほったらかしにされたのよワン。」
村長「そうかワン・・・。この村は人間に酷い目にあわされた犬
たちが、行く場所がなくて集まって来る村ワン・・・。」
アナベル「人間なんて大っ嫌いワン!!お父様も私も・・・飼い
主だった人間に、新しい動物を飼うんだって丸でゴミ
のように捨てられたのよワン!!雨の降るアスファル
トの冷たい道の真ん中にワン・・・。」
村長「やめなさいアナベルワン・・・。人間全てが悪い者ばかり
ではない。中には我々を本当の友達のように、生涯可愛
がってくれる人間もいるんだワン・・・。」
アナベル「嘘よ!!そんな人間いる筈がないわワン!!」
村長「アナベル・・・そうだな・・・ここは私たちのような、可哀相な
境遇の犬たちが沢山いるんだったな・・・ワン。」
アナベル「・・・そうよ・・・ワン。」
紗幕開く。と、村長の家の中。
下手方、ベットの上にプッチ、横になっている。
アナベル、プッチの側へ。
※
アナベル「(プッチの額へ手を置く。)だいぶ熱が下がったみたい
ワン。」
村長「そうか、それは良かったワン。ならもう少しで目が覚める
かも知れないなワン。アナベル、そのノラ犬のことは頼んだ
ぞワン。」
アナベル「はい、お父様ワン。」
村長、下手へ去る。
音楽流れ、アナベル歌う。
“あなたはどうしてここに来たの
酷い傷 高い熱 辛そう・・・
どんな風に辛い目に
あってきたの
ここまでどうやって
辿り着いた”
そこへ上手より、犬1登場。
犬1「アナベルお嬢さん、村長さんはワン?」
アナベル「お父様なら奥にいるわワン。」
犬1「アナベルお嬢さん、その犬・・・」
アナベル「ええ。まだ気が付かないのワン・・・。」
犬1「そうなんですかワン・・・。」
アナベル歌う。
“いつかは帰るの
あなたの場所
私の知らない
あなたの場所
こんなになるまで
力を出し
辿り着いたの コーラス“着いたの
あなた誰 誰なの
手が届きそう” 帰るの・・・”
下手より村長登場。
村長「どうしたワン?」
犬1「あ、村長ワン!そのノラ犬を捜しにやって来たとか言う、
娘犬を連れて来たんだワン。」
アナベル「え・・・?」
村長「本当なのかワン?」
犬1(頷く。)」
村長「ここへ呼んで来なさいワン。」
犬1「はいワン!(上手を見て。)おーい!!(手を振る。)」
上手よりジュリー登場。
プッチを認め駆け寄る。
ジュリー「プッチ・・・プッチ!!やっと見つけたわ!!あなたの
ことをどれだけ捜し回ったか!!プッチ・・・プッチ!!
ああ、よかった!!やっと会えた・・・!!どうしても見つ
からなくて諦めかけた時、昔ママに教えてもらったこの
国のことを思い出したのよ。それでもしかしたらって・・・」
村長「その犬の名前はプッチと言うのかねワン?」
ジュリー「え・・・?あ・・・はい・・・!この犬の名前はプッチ・・・。
私の・・・(口籠る。)」
アナベル「あなた・・・その犬とどんな関係なのワン・・・?」
ジュリー「え・・・っと・・・」
アナベル「えらく親し気だけどワン・・・」
ジュリー「あ・・・あの・・・私の家・・・とプッチの家が・・・お隣同士
だったの!!そう!!私の飼い主とプッチの飼い主が
・・・」
アナベル「ふうん・・・」
ジュリー「でもプッチ・・・どうしてこんな大怪我を・・・?」
村長「それがよく分からないのだよワン。この村へやって来た時
には、もう口も利けないような状態で、ずっと眠ったままな
のだワン。」
ジュリー「プッチ・・・」
※2
アナベル「私がずっと看病してるのよワン!」
ジュリー「え・・・あ・・・ありがとう・・・。」
アナベル「あなたにお礼を言われる筋合いはないわワン!」
村長「これアナベル!お客様だぞワン。」
アナベル「ふんっ!(下手へ去る。)」
ジュリー「プッチ・・・プッチ・・・」
ジュリーのプッチを呼ぶ声が木霊する。
全員下がり、入れ代わるようにプッチ上がる。
(スモーク。背景変わる。) ※3
――――― 第 7 場 ―――――
(プッチの回想。)
音楽流れ、プッチ歌う。
プッチ(エコー)「ジュリー・・・僕はいつも君と一緒にいられるだけ
で幸せだったんだ・・・。たとえ姿形や言葉は違っ
ても・・・」
“ああ僕はいつも
君といれば
ああただそれだけ
僕の願いだ”
ジュリー、上がり歌う。
プッチ“ああいつも2人 ジュリー“あなたはどこに
丘に登って 側にいて
いつも一緒だから 大切だから”
君と駆けるんだ”
一匹の犬(ジョン)上がる。
ジュリーの側へ。
ジュリー「ジョン!ジョン!」
ジョン「(嬉しそうに。)ワンワンワン!」
ジュリー「くすぐったいわ!」
ジョン「ワンワンワン!」
ジュリー「あはははは・・・ジョンったら!」
ジョン「ワンワンワン!」
ジュリー「あはははは・・・ジョン、行きましょう!」
ジョン「ワンワンワン!」
ジュリー、ジョン下がる。
プッチ「ジュリー!!」
プッチ歌う。
“ああ君の側に
いればいい
ああただそれが
僕の願いだ”
プッチ「ジュリー・・・」
紗幕閉まる。
――――― 第 8 場 ―――――
下手より犬たち、ジュリー、話しながら登場。
最後からアナベル、不審気にジュリーを見な
がら登場。犬たちに続く。
犬1「ねぇ、君はどこから来たんだワン?」
犬2「どんな辛いことを人間にされたのワン?」
ジュリー「え・・・?」
犬3「ここに来る犬たちは、みんな人間に酷い扱いを受けてきた
んだワン。」
犬1「ほら見てくれよ僕のひげ・・・半分しかないんだワン・・・。こ
んなに格好が悪いのは、人間が面白半分で、ハサミで僕
の大切なひげをちょん切ったからなんだ・・・。おかげで上手
く歩けないワン・・・。」
ジュリー「・・・そうなの・・・」
犬3「人間なんて、自分たちの楽しみの為だけに、僕たちを側に
置こうとするワン。」
犬2それで飽きたらポイ・・・なのよワン。」
アナベル「それで・・・?あなたはどんな酷い目にあわされたの
ワン?」
ジュリー「私・・・私は・・・人間はそんな風に酷い人ばかりじゃな
いと思うわ・・・」
犬1「え・・・?ワン。」
ジュリー「私はそんな風に酷いことはしない・・・」
アナベル「私・・・?私ですってワン!?」
ジュリー「あ・・・私じゃなくて・・・私の飼い主は・・・よ!!私の飼
い主のことよ!!」
アナベル「あなた・・・なんだか変ね・・・ワン。」
ジュリー「そ・・・そんなことないわ・・・ワンワン!!(わざとらしく
。)」
犬3「アナベル・・・ジュリーが変ってどうして・・・ワン・・・」
その時、ジュリーの犬の耳が消える。 ※4
犬2「ジュリー・・・あなた・・・耳が・・・ワン・・・」
ジュリー「え?」
犬1「耳がないぞワン!!」
犬3「ジュリーの耳は、人間そっくりだワン!!」
ジュリー「嘘・・・!!もう10時間経ったの!?」
緊迫した音楽流れる。
犬1「人間だ・・・人間が紛れ込んでるぞワン!!」
犬3「人間だーワン!!」
犬1「やっつけろワン!!」
犬2「私たちの敵よ!!人間なんてワン!!」
犬たち「ウー・・・・ワンワンワン!!」
犬たち色めき立ち、ジュリーの回りを囲み
歌う。
“俺たちの敵だ”
犬1「俺たちの敵だワン!!」
犬2「人間なんかワン!!」
犬3「やっちまえワン!!」
“自分のことだけ コーラス“敵 敵
敵 敵
人間なんて” 敵 敵”
ジュリー「そんなことないわ!!私たちはあなたたちの敵じゃな
い。いつもあなたたちと仲良くしたいと思ってるのよ!!
だから・・・」
犬1「そんな言葉、信用できるもんかワン!!」
犬3「そうだワン!!」
犬2「ワンワン!!」
ジュリー「信じて!!」
“俺たちの敵だ”
ジュリー「待って・・・待って!!私は何もあなたたちを苦しめよ
うと思って来たんじゃないわ!!私はプッチを捜しに来
ただけ・・・」
アナベル「・・・プッチはあなたになんて渡さないわワン!!」
ジュリー「お願い・・・私にプッチを返して・・・」
犬1「追い出せーワン!!」
犬3「この村から今直ぐ追い出すんだワン!!」
ジュリー「待って・・・待って!!」
“人間てやつは
自分のことしか
頭にないぞ”
犬1「俺はひげを切られたワン!!」
犬3「俺は冷たい野原に捨てられたワン!!」
犬2「私は鎖につながれたままほったらかしワン!!」
“俺たちの敵だぞ コーラス“敵 敵 敵 敵
すべて” 敵 敵”
犬1「人間なんて、俺たちをおもちゃかなんかだと思ってやがる
ワン!!」
犬3「そうだワン!!」
“自分 勝手に
生きて るのさ”
“自分の思うまま
捨てたり拾ったり
弱い者いじめだ
勝手な奴人間”
ジュリー“違うわ そんなことはない”
ジュリー「お願い!!人間を嫌わないで!!」
“自分の思うまま
捨てたり 拾ったり
弱い者いじめだ
勝手な奴人間
好き放題生きてる
俺たちをおもちゃと
生きる仲間なんだ
俺たちだって生きてる”
その時、上手より犬4、走り登場。
犬4「大変だーワン!!(息を切らせて。)大変なんだワン!!」
犬2「どうしたのワン?」
犬4「それが村長さんの納屋が・・・」
アナベル「え!?」
犬の声「村長さん家の納屋が火事だー!!」
アナベル「お父様!!」
犬たち下がる。(音楽流れる。)
――――― “ワンダフルToday!
―君と僕の新しい出会い―3へつづく ―――――
※ バレてます・・・?^^;
先の背景は村長さん家の中になっていますが、この写真
ではまだ前場の背景のままです(>_<)
・・・と、言うことは、この絵の方が先の絵の場面より前と
言うことで、よって台本中の“紗幕”云々・・・はナシにして、
6場の頭から背景引き抜きで場面転換しています^_^;
・・・と言うことです^^;
後日談ですが・・・子どもがプッチくんの寝ている前辺りに
座って見ていたそうなのですが、「プッチがずっとこっち見
てた~!!」と、言っておりました(-_-;)
その写真が・・・↓・・・です^^;・・・成る程・・・だと思いませ
んか・・・?^^;
※2 お分かりになるでしょうか^^;
ジュリーちゃん、犬のお耳を付けています(^^)v
犬に変身したジュリーちゃん写真の貴重な一枚です♥
※3 ここからが、グーグル版“ワールド”でお聞き頂いたお稽
古音声の場面になります(^^)
※4 写真でもお分かりのように、この場面、最初からジュリー
ちゃん、人間バージョンに戻っています^^;
前場のプッチくんの回想場面での続きから、犬バージョン
と人間バージョンの早替えが出来なかった為、人間に
戻って登場させました(>_<)
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(どら余談^^;)
今日は、グーグル版“ワールド”に、7周年記念公演作品の
1本で、子ども向き作品の方の録音前練習の音声を載せて
みました(^^)v
月曜日に最終合同練習があり、来月11日に録音日を迎える
訳ですが、まだまだ仕上がりには程遠い状態ではありますが、
メンバー一同頑張ってお稽古に励んでいる最中ですので、
どんな風に仕上がるのか楽しみに、未完成の練習中音声も
お聞き頂ければ・・・と思いますので、またよければ覗きに行っ
てみて下さいね♥
6月26日(火)
ここ数日、頭を新作書きの為にフル回転させていて、ブログ
更新に中々来ることができません(>_<)
満足いくページをご覧頂けなくてホントすみません<(_ _)>
新作が仕上がるまで、今暫く我慢下さいね^^;
因みにこの新作は、来年春公演用作品になります♥
も一つおまけに、この新作、ちょっと男の子チックな作品で
あります(^^)
http://milky.geocities.jp/little_pine2012/index.html
http://ritorupain.blogspot.com/
http://blogs.yahoo.co.jp/dorapontaaponta
〈 主な登場人物 〉
ジュリー ・・・ 本編の主人公。
プッチ ・・・ ジュリーの愛犬。
村長 ・・・ 犬の王国に住む犬。
アナベル ・・・ 村長の娘。
ジュリーの父と母。
犬たち。
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
開演アナウンス。
音楽流れる。(幕が開く。)
「人間世界から隔離されたかのような隠れた山間に、外
からは一見分かり難い不思議な場所がありました。一歩
足を踏み入れたその場所には、明るく賑やかな、とても
楽しそうな村があったのです。人間達から隠れるように
造られたその村は・・・ワンダフルな・・・犬の王国だったの
です。」
――――― 第 1 場 ―――――
山間の村の風景。
犬たち、楽しそうに歌う。
“ここは犬の国
危険な人間世界から離れ
みんな幸せに暮らすパラダイス
今 希望満ち同じ仲間同士だけで
生きるそこは素敵な楽園
犬の為の王国
心安らぐ隠された
誰も知らない僕たちの
素敵な場所だ
犬ならば 誰でも住める
王国だ”
その時、村長とアナベル、下手より登場。
犬1「あ!!村長さんとアナベルお嬢さんだワン!!」
村長「今日も変わったことはないかワン?」
犬たち「はい、村長ワン!!」
村長「うむ・・・」
犬たち歌う。
“ここは犬の国
豊かで実り溢れてる
ただひっそり
誰にも知られず
築き上げた犬の王国だ
実り多い楽園”
村長「さぁ、そろそろ来年の作物の準備を始めるぞワン。」
犬2「はいワン!!」
犬3「ワン!!」
その時、上手より犬4の声が聞こえる。
犬4の声「大変だー、ワン!!」
上手より犬4、走り登場。
犬4「(息を切らせて。)村長!!大変だ・・・ワン・・・。」
村長「何事だワン。」
アナベル「どうしたの?ワン。」
その時、犬5に抱えられたノラ犬(プッチ)、
息も絶え絶えな様子で登場。
(中央、倒れ込む。)
アナベル「キャーッ!!」
犬1「どうしたんだワン!!」
犬2「どうしたの?このノラ犬ワン!!」
犬4「それが村の入り口の川辺に倒れていたんだワン!!」
アナベル「お父様!!酷い怪我ワン!!」
村長「早く私の家へ連れて来なさいワン!直ぐに手当てをしよ
うワン!」
犬5「おい、しっかりしろワン!!」
犬3「ワン!!ワン!!」
犬たち「ワン!!ワン!!ワン!!」
犬たち、騒ぎながら下手へ去る。
紗幕閉まる。
――――― 第 2 場 ―――――
紗幕前。音楽流れ上手よりジュリー、
走り登場。
ジュリー「プッチー!!こっちよー!!早く来てー!!」
犬のプッチ、上手より嬉しそうに走り登場。
プッチ「ワンワンワン!!」
ジュリー「(笑う。)プッチ!!やめてよ!!やめてったら!!く
すぐったいわ!!」
プッチ「ワンワンワン!!」
ジュリー「(笑う。)プッチ!!プッチ!!大好きよ!!」
ジュリー歌う。
“あなたが一緒なら
私 何も欲しがらないわ
一緒にいるだけで
私は幸せだから
いつまでも2人で”
プッチ、心の歌声。
“僕はいつも君の側にいるよ”
ジュリー「プッチ!!行くわよ!!」
プッチ「ワンワンワン・・・」
ジュリー、下手へ走り去る。(音楽フェード・アウト。)
プッチ、下手方へ行きかけるが、
上手方に気を取られ立ち止まる。
(プッチ、下手へ一旦去る。)
上手よりジュリーの父と母、話しながら登場。
(左・ジュリー父、 右・ジュリー母)
母「あなた・・・。どう考えても今度の引っ越し先は、自然溢れる
こことは違って都会過ぎますわ。新しい住まいも、町の中の
高層マンションなんですもの。犬を連れて行くことは・・・」
父「そうだな・・・。プッチには可哀相だが、どこか引き取ってくれ
る新しい飼い主を捜すことにするか・・・。」
母「ええ・・・」
父「これからのジュリーの学業のことを考えると、田舎の一軒家
より都会の方が、環境も整い絶対にいいだろうからな・・・。」
母「そうね・・・。」
父、母、上手へ去る。
プッチ、下手より2人の話しを聞いていたように
登場。(音楽流れる。)
※
プッチ「僕・・・どこかへやられるんだ・・・。ジュリーと一緒には行
ないんだ・・・。離れ離れになってしまうんだ・・・。」
プッチ歌う。
“大好きな君
ずっと側にいつも
離れることなく コーラス“いつも
そう信じてた” 側に”
プッチ、淋しそうに下手へ去る。
ジュリーの声が聞こえる。
ジュリーの声「え・・・?おばあちゃんのお家へ連れて行ったプッ
チがいなくなったですって!?どうして新しいお家
へ一緒に連れて行っては駄目だったの!?どうし
てプッチをおばあちゃんのお家へ連れて行ったりし
たの!?どうして・・・どうして私に黙って、プッチを
連れて行ってしまったの!?パパもママも大っ嫌い
!!」
母の声「ジュリー!!」
紗幕開く。と、森の風景。
ジュリー上がる。
ジュリー「私・・・プッチを捜しに行くわ・・・!」
ジュリー歌う。
“大好きだから
大切な友達
ずっと側にいつも
一緒にいてね
あなたを捜す
きっとこの私が
だから待っててね コーラス“きっと
心配ないわ” 捜す
あなたを・・・”
ジュリー「(回りを見回して。)確かこの辺りに・・・どんな薬でも作
ってくれる魔法使いのおばあさんがいるって、ママに聞
いたことが・・・」
後方、木が割れるように左右に開くと、
一軒の小屋が現れる。
ジュリー「あ・・・こんな所に小屋が・・・」
(音楽変わる。)
――――― 第 3 場 ―――――
扉の開く音(“ギィーッ”)と共に、小屋が
下がると、小屋の中の風景。
一人の老婆、後ろ向き上がる。 ※2
ジュリー「こんにちは・・・」
老婆「(ジュリーを見る。)・・・何か用か・・・」
ジュリー「・・・ここが・・・どんな薬でも作ってもらえるお薬屋さん
・・・?」
老婆「いかにも・・・。お望みとあらば、人間をひき蛙に変える薬
でも作ってやろう・・・。(笑う。)」
ジュリー「人間を・・・。私・・・犬になりたいの!!おばあさん!!
どうか私を犬に変える薬を作ってちょうだい!!」
老婆歌う。
“望みとあらば
信じられないような
薬だとしても
作ってやろうぞ・・・”
老婆「ただし・・・金貨100枚じゃ。」
ジュリー「え?」
老婆「“え?”なんじゃ、その驚いた声は。ここは薬屋じゃ・・・。
ただで薬をもらえるとでも思ったか。」
ジュリー歌う。
“お願いします
私を犬にして
薬を作って下さい
私に”
老婆「金貨100枚払えば、犬にでも猫にでも・・・何にでも変わ
れる薬を作ってやろう。」
ジュリー「私・・・ここに今までお小遣いを少しずつ貯めた、金貨
10枚持って来たの・・・。どうかおばあさん・・・この金貨
10枚で私に・・・」
老婆「10枚じゃと!?笑わせるでないわ。」
ジュリー「私どうしても犬になって、犬の王国へプッチを捜しに
行かなけりゃならないの!!」
老婆「わしには関係ないわ。」
ジュリー「おばあさん、お願いします!!どうか・・・どうか私を犬
にして下さい!!」
老婆「ふん・・・」
ジュリー「どうかお願い・・・優しいおばあさん!!」
老婆「そんなおべんちゃらを言ったところで、駄目なものは駄目
じゃ・・・!!しかし・・・そこまで言うのなら・・・金貨10枚分
の薬を作ってやってもいいがのぉ・・・。」
ジュリー「本当!?おばあさん!!」
老婆「その代わり・・・薬の効き目は金貨100枚分の10分の1
・・・10時間じゃ・・・」
ジュリー「それでもかまわないわ!!」
老婆「10時間経てば、おまえは人間の姿に戻る。そのことを忘
れんようにな。犬の王国で人間の姿に戻ると言うことは、そ
の命の保証もないと言うことじゃ。なんせ犬の王国の犬た
ちは、ここら辺のノラ犬たちよりたちの悪い、自分たちの不
遇は全て、人間のせいだと考えておるような犬たちばかり
じゃからな。だが同じ仲間だと思われれば、あそこ程楽しい
場所もないであろう。まぁせいぜい10時間の間、その犬の
王国を楽しんで来るんじゃな。」
ジュリー「ありがとう!!おばあさん!!」
(音楽フェード・アウト。)
紗幕閉まる。
――――― 第 4 場 ―――――
上手よりジュリーの母、慌てて登場。
母「あなた!!あなたー!!」
下手よりジュリーの父、登場。
父「どうしたんだ?」
母「あ、あなた!!大変ですわ!!ジュリーがプッチを捜しに行
くと言って、私が止めるのも聞かず、家を飛び出して行った
んです!!」
父「何だって!?」
母「あの子、プッチのことが本当に大好きだったから・・・。おばあ
様の家からいなくなったことを知って、ものすごく泣いて・・・
それで!!一体どこへ行ったのかしら・・・!!」
父「直ぐ警察に電話しよう!!」
母「そうだわ・・・もしかして・・・」
父「どうした?」
母「あの子が小さい時によく話して聞かせた犬の王国・・・そこへ
行ったんじゃ・・・」
父「犬の王国だって?」
母「ええ・・・。そんな場所ある筈ないのだけれど、小さい時から
あの子は心から犬の王国なんて場所があるんだと信じてい
ましたから・・・。プッチもいつかそんな素敵な場所へ行けた
らいいなって・・・。あの子・・・犬の王国へ、プッチを捜しに行
ったんだわ!!」
父「ジュリー・・・」
紗幕開く。
――――― 第 5 場 ―――――
幻想的な音楽流れる。
スモーク流れ、木々で覆われた森の
ような風景。 ※3
コーラス“犬たちだけ”
(音楽フェード・アウト。)
音楽変わる。
木々が割れるように開く。と、明るい村。
(犬の王国。)犬たち歌う。
犬1「(下手より登場。)おーいワン!!」
犬2「(上手より登場。)みんなーワン!!」
“ここは犬たちの国だ” コーラス“犬たちの
守られた”
“ここにいれば” “安心だぜ
安全だから”
“ここは犬たちの国だ” “犬たちの
守られた”
“ここにいれば” “平和で
幸せ
楽しく
暮らせる”
“犬たちだけの国”
“犬たちの国だ”
そこへ下手より、犬の姿に変わったジュリー、
わくわくしたような面持ちで登場。
犬たちの様子を楽しそうに見ている。
犬3「誰だワン?」
犬1「新入りワン?」
犬2「あなたも人間に捨てられたのワン?」
ジュリー「私、プッチって言う犬を捜しにやって来たの!!ここの
国に来てないかしら!?」
犬2「プッチ・・・?」
犬1「知らないなぁワン・・・」
犬3「・・・そう言えば・・・2、3日前に傷だらけで現れたノラ犬が、
この国へやって来て村長のところへ連れて行かれたが・・・
まだ目が覚めないって・・・ワン。」
ジュリー「え・・・?」
犬1「名前は分からないけど・・・君が捜してる犬がそいつなら、
まだ村長ん家で傷の手当てをしてもらってるぜワン。」
ジュリー「本当!?」
犬2「ええワン!」
ジュリー「お願い!!私をその村長さんのところへ連れて行って
!!」
犬3「おやすいごようさワン!」
犬1「さぁ、こっちだワン!」
――――― “ワンダフルToday!
―君と僕の新しい出会い― 2へつづく ―――――
※ ここで、犬形のお人形から、人形(ひとがた)のプッチくん
に変わります(^^)
※2 この“老婆”、ご存じクリフ作品の魔法使いと同一人物
です(^^)v
時期的には、ジュリーちゃん作品の方が先で、まだこの
頃は金貨の枚数に応じて、薬の質を変えはしても、作っ
てあげないなどと意地悪の言わない、それなりの薬売り
のお婆さんでした^^;
でも、ジュリーちゃんも後で分かりますが、薬の利き目が
切れて、人間に戻ってしまったりするのですが、クリフくん
作品の中で“ひき蛙”に変わってしまったお婆さんも、
その内、効き目が切れて元にもどるのかな~・・・なんて、
想像して頂けると、また楽しいのではないでしょうか^^;
※3 久しぶりに“スモーク”・・・またまた挑戦致しました^^;
結果は・・・矢張り“スモーク”は難しい・・・でした(>_<)
次回、記念公演では「スモークマシン」なるものをお借り
しようか・・・と思案しております^_^;
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ジェシー「な・・・何だ!?(回りを見回す。)」
マリア「(ジェシーを認め、驚いて再び悲鳴を上げる。)キャーッ
!!」
ジェシー「(思わず耳を塞ぐ。)一体何なんだ!?」
マリア「ごめんなさい!!私、こんなところに人が寝ているなん
て知らなくて!!」
ジェシー「この糞暑い夜に・・・折角、人が寝入ろうとしている時
に、勘弁してくれよ・・・。・・・で、何が“キャー”なんだ?」
マリア「あの・・・私・・・来週のオーディションで、台詞を言わなき
ゃならないんだけど、それが中々上手く言えなくて・・・。」
ジェシー「(呆れたように。)台詞・・・って・・・今の“キャー”が・・・
?」
マリア「(頷く。)そう・・・」
ジェシー「ありゃ台詞って言うんじゃないだろ?ただの叫び声だ
!!ただの!!」
マリア「あら、悲鳴も立派な台詞なのよ!!悲鳴が下手だと、
後のお芝居が嘘っぽくなって、舞台そのものが台無しに
なっちゃうんだもの。悲鳴を馬鹿にすると、とんでもない
ことになっちゃうのよ!!」
ジェシー「ああ、そうかい・・・。よく分かったよ。分かったから何
処か余所へ行って、その“キャー”を練習でも何でもや
ってくれ。俺はぐっすり眠りたいんだ。」
マリア「ここで・・・?」
ジェシー「ああ、ここでだ!!」
マリア「(クスクス笑う。)可笑しなところで眠るのね。確かにもう
そろそろ町は夜の闇に包まれて、休む時間かも知れない
けれど・・・。普通はちゃんと家へ帰って眠るものよ。」
ジェシー「俺はこの場所が気に入ってるんだ。放っておいてくれ
。おまえもこんなところで道草食ってないで、早く帰らな
いと、本当に悲鳴を上げなきゃならないことが起こって
も知らないぞ!!」
マリア「まあ、心配してくれてありがとう!」
ジェシー「誰の心配もするものか・・・。」
マリア「(ジェシーの言葉は耳に入っていないように。)私ね、今
まで舞台で名前のある役って貰ったことがなかったの・・・
。それに私のいる劇団には、もうずっと前からスターがい
て、後から入った私なんかが如何頑張ったところで、到底
主役なんか望めるようなところじゃなかったの。(嬉しそう
に。)でもね!!今度の舞台では、主役を選ぶオーディシ
ョンが行われるの!!来週、フランスから偉い先生が来
られるのよ!!私にもやっとチャンスが巡ってきたんだわ
!!丸で夢みたい!!まだチャンスをものにした訳じゃ
ないけれど、この日の為にずっと頑張って来たんだもの!
!」
ジェシー「くだらない・・・」
マリア「あら、そうかしら!!夢を持ってそれに向かって努力す
る。そしてその努力が報われる時がくれば、こんな素晴ら
しいことはないわ!!あなただってあるでしょ?夢が!!
」
ジェシー「ないね、そんなもの・・・」
マリア、瞳を輝かせ嬉しそうに歌う。
マリア“私には夢がある!!
将来 屹度 舞台に立ち
誰もが驚くような
輝く人に!!”
ジェシー「(素っ気なく。)興味ないね・・・。」
マリア“(ジェシーの手を取って。)
あなたにも屹度ある筈
心に誓った夢が!!
誰にもある筈
心を賭けて願うこと!!”
ジェシー「俺にはない・・・。」
マリア“心の奥を探って
自分で忘れたことも
体は屹度 覚えてる筈
夢見た明日を!!”
ジェシー「俺は何時も一人だった!!生まれて直ぐに親に捨て
られ、ずっと孤児院で育てられたんだ!!物乞いしたこ
とだって・・・盗みを働いたことだってある!!そんな俺
に明日を夢見る心なんて、あったと思うのか!?」
マリア「(優しくジェシーを見詰める。)・・・思うわ・・・。」
ジェシー「おまえに如何してそう言い切れる!!」
マリア「(微笑んで。)・・・だって私も・・・あなたと同じ一人ぼっち
だったから・・・」
ジェシー「(呆然とマリアを見詰める。)・・・一人ぼっち・・・?」
マリア「(頷く。)生まれて間もなく、教会に捨てられてたの・・・。
小雪の舞う寒空に・・・。シスターが見つけてくれたのが、
後一時間遅かったら危なかったって・・・。(微笑む。)だか
ら私の名前は“マリア”・・・。」
ジェシー「聖母・・・マリア・・・」
その時、遠くにけたたましいパトカーの
サイレンの音が鳴り響く。
マリア「(その方を見遣って。)・・・何かあったのかしら・・・。」
ジェシー「・・・おまえ・・・それで・・・自分の運命を呪ったことは・・
・?」
マリア「ある訳ないじゃない!!私の両親がどう言う訳で、私を
捨てたにせよ、今私がこうしていられるのは、その父さん
や母さんがいてくれたから・・・。その父さんや母さんが私
を生んでくれなかったら、私はここにはいないのよ!そし
てあなたと出会うこともなかった・・・。だから運命って不
思議よね・・・。何処で如何してそうなるのか・・・。あなた
がもし、今夜は自分のベットで真っ白なシーツにくるまれ
て眠りたい気分だったり、私が今夜は台詞の練習をお休
みして、真っ直ぐ家へ帰ってたなら、今夜こうしてあなた
と私は出会わなかったのよ!!」
ジェシー「(思わず微笑みを洩らす。)初めて会った人間に物怖
じしない奴だな・・・。」
マリア「なんだか、あなた・・・言葉使いと違って優しい目をして
る・・・。だから最初も・・・驚いて悲鳴を上げたけど、怖い
とは感じなかったもの・・・。」
ジェシー「・・・優しい・・・目・・・?」
そこへ下手よりメアリ、鞄を担いで登場。
メアリ「(マリアを認めて。)マリア!こんな所で何をしているの?
」
マリア「メアリ!今帰り?」
メアリ「ええ・・・。(マリアの肩越しに、ジェシーを覗き込むように
。)誰?」
マリア「(微笑んで。)知らない。今さっき、知り合ったばかりの人
よ!」
メアリ「もう、あなたって本当に誰とでも直ぐに慣れ慣れしくする
んだから!!気をつけなきゃ駄目よ!!」
ジェシー溜め息を吐いて、2人に背を向け
立つ。
マリア「そうだ!さっきパトカーのサイレンが鳴り響いてたけど、
何かあったの?」
メアリ「ええ・・・。何でもあなたがよく行く美術館から、“聖母マリ
アの肖像”が盗まれたらしいわよ。」
マリア「・・・嘘・・・」
メアリ「本当よ!(腕時計を見て。)いっけない!!私、急いで帰
らなきゃ!!彼が来ることになってるの!!じゃあマリア、
私帰るわね!!あなたも早く帰りなさい!!」
メアリ、マリアに手を振り上手へ走り去る。
マリア「マリアが・・・マリアが盗まれたなんて・・・」
ジェシーとマリア残して、カーテン閉まる。
ジェシー、そっとマリアの様子を盗み見する
ように。
マリア「(ジェシーに駆け寄って。)マリアが盗まれたんですって
!!」
ジェシー「・・・それが・・・如何したんだ・・・?」
マリア「如何したですって!?(涙声になる。)あの絵は、私が
一番心の拠り所にしてた絵なのに!!あの中のマリアは
私にとって、たった一人の母さんだったのに!!何時も
劇団で嫌なことがあっても、あの絵の中のマリアに会い
に行くと、本当に元気になれたのに!!その絵が盗まれ
たなんて・・・!!これから私、如何すればいいの!!」
ジェシー「そんな大袈裟な・・・」
マリア「大袈裟じゃないわ!!(泣き叫ぶ。)本当に大切に思っ
てたのに!!来週のオーディションだって、マリアが付い
ていてくれたから頑張ってこれたのに!!」
ジェシー「おい・・・おい!!落ち着け!!」
マリア「(ジェシーを見る。)」
ジェシー「(マリアの肩に手を置いて。)あの絵が、おまえを踊ら
せてくれる訳じゃないだろ!?あの絵が、おまえに台詞
を教えてくれるのか!?あの絵があろうがなかろうが、
そんなことで壊れるくらいの夢だったなら、最初から夢
なんか持つな!!全く・・・もっとしっかりしろよ!!何で
この俺が励まさなきゃならないんだ・・・。」
マリア「(ジェシーを見詰め、頷く。)」
暗転。
――――― 第 6 場 ―――――
音楽でライト・インする。と、ジェシー、ニックの
働くクラブ。歌手シャロンの歌。
正面にカウンター。男性客が座ってグラスを
傾けている。カウンターの中にはニック。
グラスを拭いたりしている。
他に2組のテーブルと椅子。その1つに1組の
男女、シャロンの歌を聞いている風。
シャロンの歌が終わると拍手して、楽し気に語
らいだす。カウンターの客、ニックに酒のお代り
を求める。シャロン、お辞儀をしてカウンターへ。
椅子へ座る。
シャロン「今日はジェシー、遅いのね。」
ニック「そうだなぁ・・・。無愛想な奴だけど、仕事に遅れることな
んて滅多にないからな。」
シャロン「あら、彼は無愛想に見えるだけで、本当はとても優し
い男よ。」
ニック「(酒をカウンターの客へ差し出して。)へぇ・・・よく分かる
んだな、奴のことが・・・。」
シャロン「決まってるじゃない。好きな人のことは何だって分か
わよ!」
ニック「(驚いた面持ちをして。)意外だなぁ。おまえがあいつに
惚れてたなんて・・・。」
シャロン「そう?去年、ジェシーがこの店にふらっと立ち寄った、
あの雨の日のこと・・・今でもよく覚えてるわ・・・。濡れた
髪が妙にセクシーで、一目惚れってやつかなぁ・・・。」
ニック「へぇ・・・。だが俺には、あいつの心の中は見えないね。
一体・・・何を考えて俺達の仲間に入ったのか・・・。」
シャロン「(不思議そうに。)仲間・・・?」
ニック「(少し慌てて。)いや・・・この店で働くつもりになったのか
だよ。」
シャロン「変ね。別にどんなつもりで働く気になったからって、如
何でもいいじゃない。私は嬉しいわぁ・・・。だって何時も
彼に会えるんだもの。」
そこへ入口よりジェシー入って来る。
シャロン「(ジェシーを認め嬉しそうに。)ジェシー!!遅かった
じゃない!!」
ニック「おまえにしちゃ珍しいじゃないか、遅刻なんて。」
ジェシー「悪い・・・。(カウンターの中へ入り、自分のジャケットを
脱いで、黒のウエイタージャケットを着る。)」
シャロン「あら、別にいいのよ。偶に遅刻するくらい!しょっちゅう
開店時間にいない人だっているんだから・・・。ねぇ、ニッ
ク!」
ニック「悪かったな。」
シャロン「誰もあなたのことだって言ってないわよ。(立ち上がっ
て。)さ、奥で休んでこよ!また後でね、ジェシー!」
シャロン、奥へ入る。
カウンターの客、金を置いて出て行く。
ジェシー「ありがとうございました。」
ニック「ありがとうございました。」
ジェシー、客のグラスを下げて、用事を
している風。ニック、カウンターの外へ。
ニック「何処か行ってたのか?」
ジェシー「まぁな・・・」
ニック「ふうん・・・。さて・・・俺も少し休んでくるかな。」
ジェシー「ああ・・・。」
ニック「じゃあ中、頼んだぜ。(奥へ行こうとする。)」
その時、入口からマイク、走り登場。
マイク「大変だー!!ニック!!」
座っていた男女、その声に驚いたように
揃ってマイクの方を見る。
ニック「(客の態度に気付いて。)馬鹿、お客様が居るんだ!!
大声で騒ぐな!!(客の方を向いて。)失礼しました。(頭
を下げる。)」
客、再び楽し気に語らう。
マイク「ごめん・・・」
ニック「・・・で、何が大変なんだ?」
マイク「それが“聖母マリアの肖像”が無くなったんだ!!」
ニック「(驚いて。)無くなった!?何故!?」
マイク「今さっき、絵を隠してあった倉庫へ、ちょっと拝みに行こ
うと思って覗きに行ったら・・・」
ニック「ジェシー!!知ってたか!?」
ジェシー「(用事をしながら。)ああ・・・」
ニック「そうか・・・。“ああ・・・”?“ああ”ってことは知ってたのか
!?」
ジェシー「俺が元の美術館へ返しに行った・・・。」
ニック・マイク「えーっ!!」
客、再びニック、マイクの声に驚いたように
2人を見る。ニック、客に気付いて、引き攣った
笑顔で頭を下げる。
客、首を傾げて顔を見合わせ、再び話しだす。
ニック「返しに行ったって如何言うことだよ!!」
ジェシー「あの絵は、あの場所で大勢の人達に見られるのが一
番なんだ・・・。」
マイク「一体、何言ってるんだよジェシー!!あの絵がいくらす
ると思ってんだよ!!それにあんなに苦労して盗んだも
のを!!」
ニック「なのに、また同じ苦労を冒して返しに行っただと・・・?」
マイク「如何かしちまったのか!?」
ジェシー「別に・・・。兎に角、あの絵にだけは二度と手はつけな
い。」
その時、奥よりシャロンの声。
シャロンの声「ジェシー!!ちょっと、こっち手伝ってくれない!
?」
ジェシー「OK!(ニックとマイクを見て。)そう言うことだ・・・。」
ジェシー、奥へ入る。呆然と顔を見合わせる
ニックとマイク残して、カーテン閉まる。
マイク「如何しちまったんだろう、あいつ・・・。」
ニック「確かに何時も何考えてるか分からない奴だが・・・今度
ばかりは全く信じられないね・・・。(暫く考えている風に。)
」
マイク「本当だよ!!あんな大金を棒に振るなんて!!信じら
れないよ!!」
ニック「煩い!!だけど可笑しいな・・・。これには何か訳がある
かも知れないぜ・・・。」
マイク「・・・訳って・・・?」
ニック「馬鹿野郎!!それをこれから探るんだよ!!」
マイク「ああ、そうか・・・。」
ニック「行くぞ!!」
ニック、マイク上手へ走り去る。
暗転。
――――― “マリア”3へつづく ―――――
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(どら私的余談^^;)
子どもが退院しました(^^)v
今まで、読みに来て下さってた皆さんにも、随分とご迷惑を
お掛けしてきましたが、これからはまた少しずつ、こんな時間に
しか更新出来なかったページの改善など、行っていけるかな
・・・と考えていますので、引き続きお楽しみ頂けると嬉しいで
す♥
沢山の方達にご好意を頂いてきたので、これからはまた、
今度は私が皆さんに、暖かい心を届けることができるように、
頑張って行こうと思っていますので、ヨロシクお願い致します。
で・・・
何故、退院した今日もこんな時間なのか・・・と申しますと・・・
引越しかと思われる程の、病院から持って帰った大荷物を、
片付け終わった途端、ものすごい睡魔に襲われ・・・さっきまで
爆睡してしまいました~・・・^^;
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――――― 第 6 場 ――――― A
音楽流れ、
下手よりポーラ走り登場。
ポーラ「お兄ちゃーん!!(大きく手を振る。)」
上手よりクリフ走り登場。
クリフ「ポーラー!!」
2人歌う。
ポーラ「私、走れるわ!!走れるのよ!!見て!!お兄ちゃん
!!」
クリフ“自分でない誰かの
為になることが ポーラ“素敵
大切だと教えてくれた 私
友達だ” 走れる”
ポーラ「お兄ちゃん!おかみさんが、そろそろ次の町へ行くから
用意をしなさいって。」
クリフ「え・・・?もう・・・」
(クリフ残してポーラ下がる。) ※
紗幕開く。と、村の様子。
――――― 第 6 場 ――――― B
上手より2人の女性、話しながら登場。
(下手方へ。)
※2
女性1「もう芝居小屋、次の町へ行っちゃうんだってさ。」
女性2「楽しかったのに、残念だねぇ。」
女性1「本当。」
女性2「また平凡で、静かな村に戻っちゃうね。」
女性1「そうだねぇ・・・」
2人、下手へ去る。
入れ代るように、下手よりジ―ク登場。
ジ―ク「クリフ!」
クリフ「ジ―ク・・・」
ジ―ク「聞いたぜ。折角仲良くなれたのに、もう行っちゃうんだっ
てな・・・」
クリフ「うん・・・」
ジ―ク「淋しくなるな・・・」
音楽流れる。
クリフ歌う。
“初めて出会ったよ
君のような友達
見知らぬ誰にも
手を差し伸べる”
ジ―ク歌う。
“初めて出会ったよ
君のような友達
いつもただ頑張って
一生懸命”
(コーラス“出会えた喜び
心に抱きしめてた
ずっと”)
クリフ「・・・ありがとう・・・色々と・・・」
ジ―ク「何だよ、改まって・・・」
クリフ「僕・・・今までずっと旅して来て・・・いつもポーラと2人きり
・・・友達なんて1人もいなかったんだ・・・」
ジ―ク「クリフ・・・メソメソすんなよ!!」
ジ―ク歌う。
“いつかまた会えるよ
心は君と共に
出会えてよかった
心の友に”
クリフ歌う。
“いつかまた会えるよ
心はいつも側に
出会えてよかった”
2人歌う。
“きっと会えるね”
ジ―ク残し、クリフ下がる。
(音楽変わる。)
――――― 第 6 場 ――――― C
上手よりジ―クの母登場。(ジ―クの側へ。)
ジ―クの母「ジ―ク!」
ジ―ク「母ちゃん・・・」
ジ―クの母「芝居一座が行っちゃうよ。」
ジ―ク「・・・うん・・・」
ジ―ク母「また静かな村に戻るねぇ・・・。どうしたんだい?元気
ないじゃないか。ほら、来たよ!」
下手前方より、手を振りながら芝居一座
ゆっくり登場。(上手後方へ。)
一座歌う。
“また会いましょう
いつの日にか コーラス“いつの日か
楽しい時 また会いましょう”
届ける為”
豪華な衣装に変わったクリフ、ポーラ
下手前方より登場。
クリフ、ジ―クを認め立ち止まる。
(一座、上手後方へ去る。ポーラ続く。)
クリフ歌う。
“素敵な村
素敵な人 コーラス“君に会う為
僕はきっと 約束する
また戻るよ” きっと”
クリフ、一座に付いて去る。
ジ―ク「クリフ!!さよなら・・・さよならー!!また会おうぜー!
!」
クリフと入れ代るように、上手後方より
ジ―クの父、登場。
ジ―クの父「ジ―ク・・・」
ジ―ク「・・・父ちゃん・・・?」
ジ―クの母「あんた・・・!!」
ジ―クの父「記憶が戻って、やっと帰って来れたよ・・・」
ジ―ク「父ちゃん!!」
ジ―クの父「長い間すまない・・・」
3人、抱き合う。
――――― 幕 ―――――
※ 最初、女の人達が話しながら行くのを、クリフくんを残し
てその様子を見ている・・・と言った演出にしたかったので
すが・・・私の腕の都合で・・・(長丁場・・・持ちませんでした
~^^;)一旦下がることに致しました(>_<)
この作品、出ずっぱりのクリフくん、ジ―クくん、台詞の空き
を見つけては下がっていたので、時々不自然に消える時
があるのです・・・お気付きでしたか・・・?^^;
※2 この女の人2人の人形操作をしているのは、今回初
お手伝いメンバーとして参加してくれた2名です(^.^)
初めてだし、あまり説明もしない私なので、きっと不安に
思うことだらけだったろうに、一生懸命お手伝いしてくれ、
本当に助かったのです♥
改めてこんなところで何ですが・・・「ありがと~ね~!!」
とっても可愛らしい学生さん2名でした(^^)v
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪
(どら余談^^;)
実は・・・6場のラスト場面から、ジュリーちゃん作品終了まで、
ビデオの充電が切れてしまい、記録が残っていません(>_<)
・・・とっても悲しいです・・・(T_T)
・・・人任せにした私の責任です・・・m(__)m
なので、動画をご覧頂くことができません・・・(;_;)
また、どこかで公演する機会があると思いますので、その
時まで動く映像はお待ち下さい<(_ _)>
辛うじて写真は少し残っていますので、そちらで我慢下さい。
ごめんなさ~い・・・<(_ _)>
それでは、次回から掲載の「wonderful today ―君と僕
の新しい出会い―」お楽しみに♥
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