りとるぱいんわーるど

ミュージカル人形劇団“リトルパイン”の脚本の数々です。

“レナード” ―全13場― 3

2012年08月31日 18時45分54秒 | 未発表脚本

      ジェイン、出て行く。通りすがりに警官トミー、

      捕まえた男を一人連れて登場。

 

  トミー「レナードさん、おはようございます!」  

  レナード「よお・・・(捕まえた男を見て。)取り調べか?」

  トミー「そうですよ。こんな朝っぱらから・・・。」

  男「じゃあ止めりゃあいいだろ。」

  トミー「煩い!!じゃあレナードさん!」

  レナード「頑張れよ。」

 

      トミー、男を連れて出て行く。レナード、

      チャールズを認めて近寄る。

 

  レナード「チャールズ!」

  チャールズ「(顔を上げて。)レナード!俺も今日、おまえの所

         へ行こうと思ってたんだ!それより・・・偉く早いじゃ

         ないか。」

  レナード「(チャールズのデスクの上に腰を下ろして。)彼女の

       ことが分かったんだ。」

  チャールズ「(思わず立ち上がって。)分かったって?そうだ!

         こっちも見つけたぜ!極秘で捜索願いが出てた。」

  レナード「捜索願い・・・?」

  チャールズ「ああ。TMインターナショナルの社員からだ。名前

         は・・・えっと・・・(書類を見て。)ダニエル・カーン・・

         ・」

  レナード「彼女はそこの社長令嬢だ。」

  チャールズ「社長令嬢・・・何だって!?それが何で!?」

  レナード「そこの専務に何か裏があるらしい。おまえ、表から

       探りを入れてくれないか?」

  チャールズ「おまえは?」

  レナード「勿論、俺はあの会社に潜り込むのさ!」

  チャールズ「レナード・・・おまえ、昨夜彼女との間に何があった

         か知らないが、やばいことには首を突っ込むなと

         言ってあるだろ?」

  レナード「彼女は親父さんの会社を守ろうと必死なんだ・・・。そ

       んな彼女を、俺は放っておくことはできない・・・!!」

  チャールズ「レナード・・・(溜め息を吐いて。)OK・・・俺も乗った

         ・・・」

  レナード「チャールズ・・・」

  チャールズ「・・・で?その専務にどんな裏があるって言うんだ

         ?」

  レナード「ありがとう・・・」

 

      2人、お互いの肩に手を置き合う。フェード・アウト。

      カーテン閉まる。(カーテン前。)

      

    ――――― 第 6 場 ―――――

 

      フェード・インする。と、椅子の上にトーマス

      腰を下ろしている。

      横にウィリアムス、ウィルソン、専務秘書ポーラ

      立っている。

 

  ウィリアムス「好い加減、会社は諦めたらどうだ。」

  トーマス「・・・こんなことをして、ただで済むと思っているので

       すか?」

  ウィリアムス「こんなこと・・・とは?」

  トーマス「これは明らかに犯罪ですぞ!」

  ウィルソン「可笑しなことを仰るのですね。我々はあなたにただ、

        任意退職を勧めているだけです。普通でもあなたは、

        もう現役引退のお歳だ。亡くなった社長に何も義理

        立てをして、娘のお守をする必要もないでしょう。今

        あなたが黙って退職なさるなら、退職金も普通の倍

        は出すと言っているのです。あなたにとっても全く悪

        い話しではない筈ですよ。」

  トーマス「私には、あなた方がどんな汚い手を使ってきても、社

       長を裏切るような真似は絶対に出来ない話しです。」

  ウィリアムス「全く、頑固な爺だ!!」

  トーマス「お嬢様はどうされたのです!」

  ウィルソン「(恍けるように。)さぁ・・・。あなたが何時までも、そ

        んな頑なな態度を取り続けるのであれば、フランシス

        お嬢さんも屹度、お辛いでしょうなぁ。」

  トーマス「(思わず立ち上がって。)お嬢様に何をしたのです!

       ?」

  ウィリアムス「(トーマスの肩を押さえて座らせる。)まぁ、まぁ・・・

         。我々もお嬢さんに手出ししようなどとは考えていま

         せん。ただねぇ・・・お嬢さんも頑固なお方ですから

         ・・・。(笑う。)まぁ、時間はいくらでもありますから。

         また、ゆっくり考えてみて下さい。あなた自身にとっ

         ても、お嬢さんにとっても、何がこれからの為に一

         番良いことなのか・・・。(下手へ去る。)」

  ウィルソン「では・・・(ウィリアムスに付いて去る。)」

 

      専務秘書ポーラ、2人に付いて行きかけて、

      再びトーマスの所まで戻って来、ポケットから

      何かを取りだし、トーマスの手を取り、それを

      渡す。

 

  トーマス「え・・・?(思わずポーラを見上げる。)」

  ポーラ「こんなものしかないけど・・・。キャンディー・・・」

  トーマス「ありがとうございます・・・。」

  ポーラ「けど・・・早く専務達の言うようにした方がいいと思い

      ますわ。でないと何時までもこんな所に閉じ込められた

      ままじゃ、トーマスさんの体が参ってしまいます。」

  トーマス「(俯いて思い出すように。)私は・・・今まで亡くなった

       社長には、言葉では言い尽くせない程の恩義を受け

       てきたのです・・・。例え死ぬまでここから出られない

       としても、私には社長の遺言を裏切ることなど、絶対

       に出来ないことです。お嬢様のバックアップをしてお

       守りすること・・・これが私に課せられた最後の仕事

       だと思っています・・・。」

  ポーラ「・・・そう・・・。それからフランシスお嬢さんですけど・・・」

  トーマス「(立ち上がって。)えっ?」

  ポーラ「逃げ出されました。」

  トーマス「何ですと!?こんな高い場所からどうやって!?」

  ポーラ「勿論、見張りのいるドアからは出られません・・・。多分

      ベランダ沿いに非常階段を伝って・・・。」

  トーマス「それでお嬢様は!?」

  ポーラ「さぁ・・・専務達も必死で捜しているようですけど、まだ

      今のところは・・・」

  トーマス「そうですか・・・。お嬢様・・・どうかご無事で・・・!!」

 

      暗転。

 

    ――――― 第 7 場 ―――――

 

      カーテン開く。と、舞台はTMインターナショナル

      ロビー。そこへアタッシュケースを持ち、スーツ

      を着たレナード、登場。受付の方へ。

 

  レナード「あの、営業課のダニエル・カーン氏に面会お願いで

       きますか?」

  受付嬢(マートル)「(レナードを見上げて。)分かりました。少し

             あちらでお待ち下さい。」

 

      レナード、窓際に並べられてあるソファーに、

      腰を下ろす。横にあった新聞を取って、読む

      振りをしながら回りの様子を見回している。

      社員(チャーリー、ドナルド)話しながら登場。

      マートルの方へ近寄る。

    

  チャーリー「やあマートル、元気?」

  マートル「ええ・・・」

  チャーリー「僕、今日外回りは近場だけなんだ。」

  ドナルド「だから何なんだよ。」

  チャーリー「煩いな!ねえ、ねえ、だからさ、食事でも一緒に

        ・・・」

  ドナルド「あー!!抜け駆けする気かよ!!」

  マートル「私、今日は約束がありますから・・・」

  チャーリー「えー!!本当に!?」

  ドナルド「やーい!!」

  チャーリー「煩いなー!!」

  マートル「あの・・・仕事の邪魔になりますから・・・」

  チャーリー「ちぇっ・・・またアウトか・・・」

 

      チャーリー、ドナルド、入口より出て行く。

      そこへウィリアムス、ウィルソン登場。立ち止まり

      話しをしている風。レナード、2人に気付いて見入る。

 

  レナード「あれが例の悪玉だな・・・」

 

      そこへレオーネ、スタン登場。ウィリアムス達に

      近寄り話す。

 

  レナード「(身を屈めるように深くソファーに沈み込む。)おっと

       ・・・あいつらはこの間の・・・。矢張り専務達の手下だ

       な・・・」

 

      ウィリアムス、ウィルソン、入口より出て行く。

      レオーネ、スタン、レナードとは背中合わせの

      ソファーに腰を下ろす。

 

  スタン「ねぇ、レオーネさん、後は一体何処を捜せばいいんす

      か?もう、この辺りに女が一人で隠れていられそうな所

      なんかないっすよねぇ・・・。」

  レオーネ「煩いな・・・。それでも捜さなきゃならないんだよ!!

       もし見つからなかったなんて言ってみろ!!俺達が

       殺られるかも知れないぜ!!」

  スタン「えー!!そんなー!!俺、まだ死にたくないっすよ!!」

  レオーネ「馬鹿、俺だって同じだ!!」

 

      そこへダニエル登場。受け付けでレナードの

      ことを聞き、近寄る。

      レオーネ、スタン、立ち上がり出て行こうとする。

 

  ダニエル「営業課のダニエル・カーンです。僕に何か・・・?」

 

      レオーネ、何気なしにその方をチラッと見る。

 

  レオーネ「(新聞を置いて立ち上がったレナードの顔を見て、

       一瞬不思議そうな顔をして、再びスタンと行きかけて

       。)あれ・・・?あの顔は・・・」

  スタン「レオーネさん、如何かしたんすか?」

  レオーネ「あいつは確か裏通りのバーの・・・何でネクタイなん

       か締めて、こんな所に・・・」

  スタン「レオーネさん?」

  レオーネ「まぁ、いいか・・・」

 

      レオーネ、スタン、入口より去る。

      レナード、舞台中央へ。ダニエル続く、

      カーテン閉まる。カーテン前。

 

  レナード「俺は裏通りのバーでマネージャーをしている、レナード

       と言う者だが・・・」

  ダニエル「そのマネージャーのあなたが何か・・・?」

  レナード「君だろ?フランシスの捜索願いを極秘で出したのは

       ?」

  ダニエル「(驚いて。)何故それを・・・!?」

  レナード「彼女は無事だ・・・」

  ダニエル「えっ!?(思わず。)お嬢さんは今何処に!?」

  レナード「しっ!!」

  ダニエル「すみません・・・。でも一体何処に・・・!?」

  レナード「俺の店にいる。」

  ダニエル「え・・・?」

  レナード「彼女から大体の話しは聞いた。専務のことや、この

       会社の中で誰が信用できる奴らかってこと・・・。俺は

       彼女から親父さんの会社を守る為に、力を貸して欲し

       いと頼まれてね。」

  ダニエル「本当ですか?あの・・・ひょっとして、あなたは

       “nothing”のレナードさんじゃ・・・?」

  レナード「どうして俺のことを・・・?」

  ダニエル「矢っ張り!!この界隈に住んでて、あなたのことを

       知らない奴がいたら、そいつは潜りですよ!!誰の

       為にも力を貸してくれる、正義の味方だと言われてる

       んですから!!(嬉しそうに。)」

  レナード「(照れ臭そうに。)参ったなぁ・・・。今はそんなことより

       フランシスのことだ。」

  ダニエル「はい!」

  レナード「彼女とは、偶々逃げ出したホテルから俺の店が近か

       ったと言うことで、入って来て知り合ったんだ。」

  ダニエル「(安心したように。)よかった・・・逃げ込んだ所が、あ

       なたの所で・・・」

  レナード「いや・・・最初は逃げ込んだと言うより、ただふらっと

       寄ったって感じだな・・・。兎に角俺は、専務の悪事を

       暴く。君はその手助けをして欲しいんだ。」

  ダニエル「僕は一体何をすれば・・・?」

  レナード「なぁに、簡単なことさ。夜、俺がこのビルに忍び込む

       のを手助けしてくれればそれでいい。後は俺が上手く

       やる。」

  ダニエル「分かりました!!任せて下さい!!」

  レナード「(微笑んで、ダニエルの肩に手を掛ける。)頼んだぞ

       !」

  ダニエル「あなたのお手伝いが出来るなんて光栄ですよ!!

       それもお嬢さんの為になるんだ!!」

  レナード「よし、じゃあ俺はそろそろ行くよ。(行きかける。)」

  ダニエル「レナードさん!!」

  レナード「(振り返る。)」

  ダニエル「(レナードに近寄って。)お嬢さんに頑張るように伝

       えて下さい。」

  レナード「OK。」

  ダニエル「僕はお嬢さんのファンですから・・・。」

 

      暗転。

          

 

 

 

 

 

 

      ――――― “レナード”4へつづく ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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“レナード” ―全13場― 2

2012年08月30日 19時22分08秒 | 未発表脚本

            ――――― 第 2 場 ――――― B

 

          音楽大きくなり、歌手スザンヌ歌う。

          下手より、見るからにチンピラ風の男ハリーと

          ピート、登場。

          2人、歌い終わったスザンヌに近寄る。

 

  ハリー「よお、スザンヌ。相変わらずいい声してるな。」

  スザンヌ「何しに来たの!?」

  ピート「おいおい、それはなだろ?」

  ハリー「(ピートを制するように。)悪いな、ちょっと懐が淋しくな

      ってよ。」

  スザンヌ「お金なんかないわ!!」

  ハリー「冷たいじゃないか。」

  スザンヌ「一体、幾等私から巻き上げる気なの!?」

  ハリー「(ムッとしたように。)誰のお陰で、この店で働けると思っ

      てるんだ・・・。俺が知り合いに口利きしてやったからだろ

      !!(スザンヌの腕を掴む。)」

  スザンヌ「痛い・・・放してよ!!」

 

          その声に気付いた、店の従業員アーチー、

          近寄りハリーの腕を掴む。

 

  アーチー「お客さん!店の者に乱暴されちゃ困りますよ!」

  ハリー「何だと!?俺の女を如何しようが知ったこっちゃない

      だろ!!(アーチーの掴んでいた腕を振り解き、殴り

      掛かる。)」

  ピート「やっちまえ!!」

 

          他の客達、3人の乱闘騒ぎに気付き、

          悲鳴を上げたり騒ぐ。

          アーチーと、アーチーに加勢してピート

          と殴り合っていたロイ、倒れそうになって

          いる。B・Jも加勢するが、殴られている。

          その時、レナード、奥から騒ぎに気付い

          て出て来る。

 

  レナード「店の中で騒ぐのは止めろ。」

  アーチー「マネージャー・・・」

  ハリー「マネージャー?」

  レナード「出て行ってもらいましょうか。」

 

          女性従業員、遣られて座り込んで

          いたアーチーとロイ、B・Jに近寄り

          助け起こす。

 

  ハリー「マネージャーさんよ、俺はおまえさんの店で、こいつら

      に殴られて怪我しちまったんだ。慰謝料よこしな!!」

  レナード「・・・聞こえなかったか・・・?出て行けと言ったんだ。」

  ハリー「何を!!(レナードに殴り掛かる。)」

  レナード「(サッと避けて、ハリーの腕を掴み、締め上げる。)」

  ハリー「あいてててて・・・ち・・・畜生・・・何しやがる・・・」

  レナード「本当に怪我をしたくなければ、二度と店の者には手

       を出すな!!いいか!!」

 

          レナード、ハリーの腕を掴んだまま引き

          摺って行き、下手方へ放り出す。

 

  ピート「ハリー・・・!!(慌てて後を追う。)」

  ハリー「畜生!!覚えときやがれ!!」

 

          スザンヌ、レナードに駆け寄って

          抱き縋る。

 

  スザンヌ「ありがとう!!」

  B・J「やったーっ!!」

  アーチー「流石!!」

 

          全員、レナードを称えて歌う。

 

          “全く頼りになる男

          どんな奴らも敵わない

          俺達のマネージャー

          レナードに任せりゃどんな問題も

          忽ち解決 全く頼りになる男

          俺達のレナード”

 

          途中から、騒ぎに気付いて部屋から出て来た

          フランシス、2階からその様子を見ている。

 

        ――――― 第 3 場 ―――――

 

          カーテン閉まる。カーテン前。

          上手よりレオーネ、スタン、ふてぶてしく

          登場。

 

  スタン「レオーネさん!如何してさっきの奴、ぶっ飛ばしてしま

      わなかったんすか?」   

  レオーネ「馬鹿!!あいつは俺達が敵う相手じゃないぜ。」

  スタン「(笑う。)冗談!あんなひょろっちいのに、レオーネさん

      が負ける訳ないじゃないっすか!」

  レオーネ「(振り返って。)おまえはまだまだ甘いな。あいつの

       目を見りゃ分かるんだ。ありゃ、幾つもの修羅場を潜

       りぬけてきた奴の目だってな。」

  スタン「えーっ?そうかなぁ・・・。」

  レオーネ「もっと相手を見る目を養いな。(前方へ目を遣って、

       不味そうな顔をする。)やばい・・・」

 

          その時、下手より専務ウィリアムス、

          その部下ウィルソン登場。

 

  ウィルソン「おい、レオーネ!!フランシスは見つかったのか

        !?」          

  レオーネ「いや・・・それがまだ・・・」

  ウィルソン「さっさと見つけてこないか!!」

  ウィリアムス「まさか7階のホテルの部屋から、ベランダ伝い

         に逃げるとは思わなかったな。(笑う。)」

  ウィルソン「専務!そんな呑気な!!」

  ウィリアムス「(咳払いをして真面目な顔付になる。)そうだ!!

         さっさと連れて来て、早くヘンリーとの結婚を承知

         させなければ・・・。全くあの社長が、あんな遺言さ

         え残さなけりゃ、会社はさっさと私のものになった

         のだ!それよりトーマスの方はどうだ?観念して

         実権を放棄すると言ったか!?」

  ウィルソン「いや・・・それもまだ・・・」

  ウィリアムス「畜生、しぶとい爺だ!!全く、どいつもこいつも

         ・・・。兎に角、レオーネ!!フランシスが逃げ出し

         てから、まだそんなに経っていない!屹度、何処

         か近くに潜んでいる筈だ!!直ぐ見つかるような

         自宅や知人宅などには寄るまい・・・。他に娘が行

         きそうなところ・・・徹底的に捜して来い!!」

  レオーネ「分かりました・・・。行くぞ、スタン!!」

 

          レオーネ、スタン、軽く頭を下げて下手

          へ去る。

          入れ代るように上手より、専務息子(

          ヘンリー)登場。

 

  ヘンリー「お父さん、フランシスは戻りましたか?」

  ウィリアムス「(振り返って。)ああ、ヘンリー・・・。それがまだだ

         ・・・。」

  ヘンリー「フランシスは僕がずっと想ってきた人・・・。その彼女

       がやっと僕の物になろうと言う時に・・・。」

  ウィリアムス「分かっているよ。」

  ヘンリー「父さんがどんな汚い手を使っているか知らないが、

       僕は兎に角、彼女が僕のところへ来てさえくれれば

       それでいいのですよ・・・。例え、それが彼女の意志

       とは全く関係なく、無理矢理であったとしても・・・。」

  ウィリアムス「相変わらずおまえは冷たい人間だな。」

  ヘンリー「そりゃ、父さんの息子ですから・・・。(笑う。)」

 

          ヘンリーの笑い声残して、暗転。

          

        ――――― 第 4 場 ―――――

 

          カーテン開く。

          舞台は閉店後のひっそりとした“nothing”。

          カウンターの中で一人、後片付けをしていた

          レナード、ライトのスイッチを消すと、店内は

          薄暗くなる。棚から酒瓶を一本と、グラスを

          持ってカウンターの外へ。

          (椅子はテーブルの上へ全て上げてある。)

          椅子を一つ下ろし、ゆったりと腰掛ける。

          グラスに酒を注いで、飲み始める。

          その時、2階からフランシス、ゆっくりと下りて

          来て、レナードの方へ近寄る。

 

  フランシス「・・・あの・・・」

  レナード「(フランシスに気付いて微笑む。)どうした?眠れない

       か?」

  フランシス「(軽く頷く。)」

 

          レナード、立ち上がって椅子を下ろす。

 

  レナード「(フランシスに椅子を勧めて。)かけろよ。」

  フランシス「(頷いて腰を下ろす。)何をしているの・・・?」

  レナード「(カウンターの中へ入って、カップに飲み物を注いで

       持って来る。)俺は、この時間が一番好きでね。店が

       終わって、誰もいなくなったここで、一人グラスを傾け

       る・・・。落ち着くだろ?(フランシスにカップを渡し、椅

       子に座る。)ほら・・・温まるぜ。」

  フランシス「ありがとう・・・(カップを受け取って、口を付ける。)

         暖かい・・・」

  レナード「(そんなフランシスの様子を見て。)・・・話しがあるん

       だろ・・・?」

  フランシス「(驚いたように。)どうして・・・?」

  レナード「(微笑んで。)顔見りゃ分かるよ・・・。何があったんだ

       ・・・?」

  フランシス「(暫く俯いて、考えている風に黙っているが、思い

        切ったようにレナードを見詰めて。)お願いです!!

        私を助けて下さい!!(思わずレナードの手を取る

        。)」

  レナード「おまえ・・・誰なんだ?」

  フランシス「(ゆっくりと。)・・・父の名前はバーナード・タナー・・・

        TMインターナショナルの社長でした・・・。」

  レナード「TMインターナショナル・・・と言うと、あの大手貿易会

       社の・・・?」

  フランシス「(頷く。)」

  レナード「・・・社長でした・・・ってことは・・・」

  フランシス「・・・亡くなりました・・・2週間前に・・・。父は遺言を残

        したんです・・・。以前から専務の行動に不審感を抱い

        ていた父は、自分が亡くなった後、専務の思う様には

        させない為に、私と結婚した男性に会社を任せると・・・。

        それまでは、父が一番信頼していた秘書のトーマスに

        、肩書きでは私が社長となり、実際の運営はトーマス

        が行ってくれることになっていました・・・。ところが、そ

        の遺言を見た専務は、どう転んでも会社は自分の思

        い通りにならないと分かると、私とトーマスを其々ホテ

        ルの一室に監禁したんです。その後のトーマスのこと

        は分かりません・・・。専務は私に専務の息子との結

        婚を承諾するように迫りました・・・。」

  レナード「それで、おまえはそのホテルから逃げ出して来たと・・・

       ?」

  フランシス「・・・はい・・・。今逃げださなかったら、このまま私は

        押し切られて、専務の思いのままになってしまうと思っ

        たから・・・。お願いです、マネージャーさん!!さっき

        あなたが皆に称えられているのを聞いて、あなたなら

        私に力を貸してもらえる・・・そう思ったんです!!お

        願い!!助けて下さい!!(泣きながら。)私・・・父の

        会社だけは守りたいんです・・・」

 レナード「・・・泣くな・・・。本当に俺がおまえを助けてやれるかな

      んて分からないぜ・・・」

 フランシス「・・・マネージャーさん・・・(レナードを見詰める。)」

 レナード「けど・・・俺は一生懸命な奴に弱いんでね・・・。それから

      俺のことはレナードでいいよ・・・」

 フランシス「(涙が溢れる。)・・・ありがとう・・・ありがとう・・・」

 レナード「(フランシスの頭に触れる。)泣くなって言ったろ・・・」

 

          レナード、フランシスの手を取り歌う。

          (カーテン閉まる。)カーテン前へ。

 

          “何が起こるか分からない・・・

          けど行動を起こさないと

          何も始まらない・・・

          何が待ってるか分からない・・・

          素晴らしい未来かそれとも・・・

          けど迷っていたら何時までも

          立ち止まったまま・・・

          いつもnothingから始まる

          振り向くことは考えないで

          昇りゆく陽が輝いているから・・・”

 

          暗転。

 

         ――――― 第 5 場 ―――――

 

          カーテン開く。(絵紗前。舞台はサンフランシスコ

          市警内。)人の行き来が多く、騒めいている風。

          上手よりチャールズ、何か書類に目を遣りながら

          登場。自分のデスクに座り見入っている。

          そこへジェイン、コーヒーの入ったカップを2つ

          手に登場。チャールズの側へ。

 

 ジェイン「(一つのカップをチャールズのデスクに置いて。)おは

      よう、チャールズ!!」

 チャールズ「(書類に目を遣ったまま。)ああ・・・」

 ジェイン「一体何をそんなに熱心に見ているの?(チャールズの

      見ている書類を覗き込んで。)捜索願い届け・・・?何?

      昨日からこんなの一生懸命読んでたの?誰か捜してる

      の?」

 チャールズ「(顔を上げてジェインを見る。)おい・・・俺は今、忙し

        いんだ。お喋りしてないで、パトロールにでも出たら

        どうだ?」

 ジェイン「もう冷たいのね。折角コーヒー入れて来てあげたのに

      。」

 チャールズ「(机の上のコーヒーに気付いて。)ああ・・・ありがとう

        ・・・」

 ジェイン「(微笑んで。)いいのよ!さ・・・パトロールにでも出よっ

      かな・・・。じゃあね!」

 

      チャールズ、出て行くジェインの方を暫く見ているが、

      再び書類に見入る。

      ジェイン、出て行こうとして、入口でレナードに出会う。

 

 ジェイン「あら、レナードおはよう!どうしたの?こんな朝っぱら

      から、珍しじゃない。」

 レナード「ああ、おはよう。」

 ジェイン「あなたがこんな時間に起きてるなんて、今日は雨が降

      るかしら。(笑う。)」

 レナード「(肩を窄めて。)冗談だろ。」

 

 

 

 

 

 

 

     ――――― “レナード”3へつづく ―――――

 

 

 

 

 

 

 

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“ねこの村は大騒ぎ” ―全6場― 完結編

2012年08月29日 18時23分23秒 | 未発表脚本


    ――――― 第 6 場 ――――― A

         客席下手より。シュワッチ、ミータ、ネコ吉、
         食いしん坊話しながら登場。
         ゆっくり上手方へ。

  シュワッチ「あのさ・・・僕が皆に貰った人形・・・何処へ置いたか
         知らないかい・・・?」
  ミータ「なぁに!?シュワッチ、私達の苦労の作を無くしちゃった
      の!?」
  シュワッチ「いや・・・あの・・・確かに自分家に持って帰ろうと思っ
         て、大切に持ってたんだ!!途中・・・ちょっとノドが
         乾いたから、川へ下りて水を飲もうと思ったんだけど、
         落としちゃ不味いから、人形を橋の袂に置いておい
         たんだ・・・。それが・・・上がって来た時には・・・」
  食いしん坊「川へ落ちたのかなぁ・・・?」
  ネコ吉「それなら水音で分かるだろ?」
  シュワッチ「大切な人形を落っことしたら大変だと思って、ちゃん
         と落ちそうにない橋の横穴に入れといたから、勝手
         に落っこちないよ・・・。」
  ミータ「じゃあ可笑しいじゃない。誰かが持って行っちゃったとで
      も言うの?」
  シュワッチ「そんな!!・・・だからひょっとして、持ってたっての
         は僕の思い過ごしだったのかな・・・って。何処かに
         忘れてきてやしないかと思って聞いたんだよ・・・。」
  食いしん坊「そうだね・・・。」
  ミータ「・・・思い過ごしなんかじゃないわ・・・!きっと誰かに盗ま
      れたのよ!!」
  シュワッチ「ミータ・・・?」
  ミータ「きっとあいつよ!!」
  ネコ吉「あいつ・・・って・・・?」

         ミータ、上手へ走り去る。

  シュワッチ「あ・・・おい!!」

         他のネコ達、ミータを追い掛けるように
         上手へ去る。
   
    ――――― 第 6 場 ――――― B

         舞台、フェード・インする。
         一時置いて、上手より後方を気にするように
         ノラ、手にシュワッチの木彫りの人形を持って、
         息を切らせながら下手よりに立ち止まって、手に
         持っていた人形を見詰める。

  ノラ「・・・畜生・・・こんな人形・・・!!(投げ付けようと持ち上げ
    るが、躊躇ったように。)」

         その時、上手よりボウネコ登場。
         ノラを認めて。

  ボウネコ「ノラ!!」

         ノラ、驚いて人形を落とす。慌てて拾うが、
         人形の首が取れているのに、困ったように
         オロオロする。後ろに隠して、ボウネコの
         方へ振り返る。

  ノラ「・・・やあ・・・」
  ボウネコ「何、落っことしたの?」
  ノラ「な・・・なんでもないさ・・・!!」
  ボウネコ「何?何?」
  ノラ「なんでもないって言ってるだろ!!おまえには関係ないん
     だから、早くあっちへ行けよ!!」
  ボウネコ「・・・ふうん・・・」

         ボウネコ、下手へゆっくり行きかける。
         ノラ、背後に人形を隠し持ったまま、
         ボウネコの動きに合わせて背を変える。
         ボウネコ、行く振りをして悪戯っぽく微笑んだ
         かと思うと、ノラの不意をついてその背後に
         回る。

  ノラ「(驚いて。)あ、おまえ!!」
  ボウネコ「(真顔になって。)それは・・・」
  ノラ「(観念したように、前に人形を出す。溜め息を吐いて。)バ
    レたか・・・」
  ボウネコ「・・・首が取れてる・・・」
  ノラ「仕方ないだろ・・・!!おまえが急に声をかけるから驚いて
    ・・・!!」
  ボウネコ「・・・なんでノラが、シュワッチの人形を持ってるの・・・
        ?盗んだの・・・?」
  ノラ「ちが・・・違うよ!!シュワッチが忘れてったから・・・持って
     ってやろうと・・・」
  ボウネコ「(ホッとしたように溜め息を吐いて。)なぁんだ・・・よか
       った・・・。そうだよね!!人のものを盗るのはよくないこ
       とだもの!ノラがそんなことする訳ないよね!ごめん・・・
       。」
  ノラ「・・・何、謝ってんだよ・・・」
  ボウネコ「だって、人形が壊れたの、僕のせいだもの・・・。一緒
        にシュワッチに謝りに行くよ・・・。」
  ノラ「う・・・うん・・・」

         ボウネコ、ノラ、ゆっくり下手方へ行きかける。
         と、下手より一番ネコ登場。一時、一番ネコ、
         ノラ、お互いを見据える。

  ボウネコ「あ!一番ネコ!」
  一番ネコ「2人で何処行くんだ?」
  ボウネコ「うん・・・シュワッチに謝りにね・・・。」
  一番ネコ「謝りに・・・?(ノラが手に持っている人形に気付く。)
        どうかしたのか?」
  ボウネコ「シュワッチが忘れてった人形を、ノラが届けようとして
        たのを、僕が壊しちゃったんだ・・・。ごめんよ、一番ネ
        コ・・・折角、一生懸命作ってくれたのに・・・」
  一番ネコ「そんなこと構わないさ・・・。ただ・・・本当にシュワッチ
        が忘れて行ったのかな・・・って・・・」
  ボウネコ「え・・・?」
  ノラ「・・・何が言いたいんだよ・・・」
  一番ネコ「あいつは人に貰ったものを、忘れるような奴じゃない
        ってことさ・・・」
  ノラ「俺が盗んだとでも言いたいのか、昔のおまえみたいに・・・
     ?」
  一番ネコ「なんだと・・・!?」
  ボウネコ「やめてよ、2人共!一番ネコ、ノラは人のものを盗ん
        だりしないよ!それにノラ、一番ネコはもう昔の一番
        ネコじゃないんだ!だから2人共、仲良くしてよ!」
  一番ネコ「ボウネコ・・・そうだな・・・。」
  ノラ「ふん・・・!」

         そこへ上手より、ミータ走りながら登場。
         続いてネコ吉、シュワッチ、食いしん坊、
         息を切らせて走り登場。

  ネコ吉「待って・・・!ミータ・・・」
  食いしん坊「(肩で息をしながら。)僕・・・もう、走れない・・・」
  ミータ「(ノラを認めて。)いた!!」
  一番ネコ「皆、どうしたんだよ、そんなに慌てて・・・」
  ミータ「(ノラが手に持っている人形に気付いて。)あ・・・!!やっ
      ぱり!!(人形を指差す。)」
  ノラ「やっぱり・・・って何がだよ・・・(思わず後ろに、人形を隠す。
     )」
  ミータ「やっぱり、あなたがその人形を盗んだのね!!」
  ボウネコ「違うよ!!ミータ!!この人形は、シュワッチが忘れ
       てったのを、ノラが届けてあげようとしてて・・・」
  ミータ「忘れてったですって?何処によ!!」
  ボウネコ「・・・何処に?えっと・・・何処で拾ったの?ノラ。」
  ノラ「も・・・森の中だよ・・・!!」
  ミータ「嘘よ!!シュワッチは橋の袂に置いたって言ってるのよ
      !その人形がどうして勝手に森の中へ歩いて行ったりす
      る訳!?可笑しいじゃない!!誰かが持って行ったとし
      か思えないわ!!だってシュワッチは・・・」
  ノラ「(呟くように。)煩いなぁ・・・(ミータの言葉を遮るように。)そ
     うさ!!俺が橋の袂に置いてあったこいつを盗んだのさ!
     !(人形を見せる。)」
  ボウネコ「・・・ノラ・・・」
  一番ネコ「・・・やっぱり嘘吐いてたんだな・・・」
  ノラ「“やっぱり”ってなんだよ。(鼻で笑って。)ああ、そうさ。おま
     えが初めっから疑ってたとおり、俺はおまえと一緒になって
     町でやってた盗みを、ここでも止められないんだよ!!」
  シュワッチ「・・・どうして・・・」
  ノラ「・・・どうしてもこうしても・・・これが本当の俺なんだ!!」

         一番ネコ、ノラ、睨み合う。
         音楽流れる。     ※
         ノラと一番ネコの喧嘩の踊りになる。
         囃し立てるミータと食いしん坊。
         慌てるシュワッチとネコ吉。
         オロオロするボウネコ。
         (全員の踊り。)

      一番ネコ“俺が倒す悪い心
            おまえの中 生まれて育った悪”

      ノラ“たとえ誰が何をしても
         俺の中に根付いてしまった悪”

      ネコ吉“誰もが一度は闘う”

      ネコ達“行け!!”

      ノラ“さあ!!”

      ネコ達“やれ!!”

      ノラ“こい!!”

      ネコ達“やっちまえ!!”

      一番ネコ“誰もが持つ誰にも見せない悪”

      ノラ“誰もが必ず闘う”

      ネコ達“誰もが一度は闘う
           やれ!!やれ!!やれ!!やれ!!
           やれ!!やれ!!やれ!!やれ!!”
           (段々、掛け声をかける人数が増えていくように。)

         曲の終わりと同時に、ノラの振り下ろした手が
         間に入って止めようとしたボウネコの頬を、
         強く叩く。

  ボウネコ「あっ!!(頬を押さえる。)」
  ネコ吉「ボウネコ!!」

         全員、驚いて呆然とする。
         その時、上手より老ネコ登場。

  老ネコ「好い加減にするんじゃ!!」 
  
         全員の間に、一瞬気まずい雰囲気が漂う。
         其々、視線が定まらないようす。

  老ネコ「大丈夫かの?ボウネコ。」
  ボウネコ「・・・打たれた頬より・・・(胸を押さえて。)ここが痛い・・
        ・。喧嘩している2人を見てると、胸が痛いよ・・・!!
        (泣く。)」
  一番ネコ「・・・ボウネコ・・・」
  老ネコ「その通りじゃ・・・。喧嘩などと言うものは、体だけでない
      ・・・心までも傷付け合う、つまらないことなんじゃ。よく分
      かったじゃろう?喧嘩が解決の方法なら、仲間など持た
      ずに自分一人で生きていけばいいんじゃ。そうすれば、
      心も体も傷付け合うことはない・・・。皆分かっていながら、
      どうして友達が欲しいと思う?何故、仲良くしたいと考え
      るんじゃろう・・・?いきがって、たった一人で生きて行け
      ると思っても、心の何処かで満たされない部分があるか
      らじゃよ・・・。偶に喧嘩をするのもいい・・・。じゃが、後の
      フォローもお互いにきちんとしなくてはな・・・。(微笑む。
      一番ネコとノラの手を取り、握手させる。)」
  一番ネコ「・・・老ネコ・・・」
  ノラ「・・・俺・・・シュワッチやおまえが羨ましかったんだ・・・。」
  シュワッチ「・・・ノラ・・・」
  ノラ「俺・・・町で何時もシュワッチからこの村のことを聞いてた
    んだ・・・。本当に毎日・・・ここがどんなに緑溢れる、素晴らし
    いところで・・・優しい仲間が沢山いること・・・。一番ネコも知
    ってる通り・・・俺は生まれた時から独りぼっちだったからさ!
    !シュワッチが村に帰るって言うのを聞いて、無理矢理付い
    て来たんだ・・・。」
  シュワッチ「違うよ!僕が一緒に来ないかって誘ったんだよ!」
  ノラ「そして・・・ここで一年前、突然いなくなった一番ネコが、楽
    しそうに暮らしてるのに出会った時・・・何故だか無性にイラ
    イラして・・・。この間まで一緒に町で悪いことばっかりして暮
    らしてた一番ネコが、今はこの村でヌクヌクと生活してるなん
    て、許せなかったんだ・・・!ごめんよ・・・ボウネコ・・・思いっ
    切りひっぱたいて・・・痛かったろ・・・?」
  ボウネコ「(嬉しそうに微笑んで首を振る。)ううん!!」
  老ネコ「優しい気持ちは、傷付いた心も体も癒してくれるんじゃ
      よ・・・。」
  ノラ「(恥ずかしそうに周りの皆を見回して。)皆にも・・・ごめん・・
    ・」
  一番ネコ「俺達の方も・・・ごめん・・・」
  ネコ吉「少し調子に乗り過ぎたね・・・ごめん・・・。」
  ミータ「ごめんなさい・・・」
  食いしん坊「ごめんよ・・・。」       ※2
  老ネコ「さぁ、これでまた新しい仲間が増えたの!」
  ノラ「・・・え・・・?」

         皆、嬉しそうに頷く。

  ネコ吉「改めて・・・ようこそ、ねこの村へ!!」

         ネコ達、明るく歌う。

         “歓迎しよう新しい仲間
         招き入れよう喜んで
         共に手を取り楽しもう
         明日の暮らし夢見て笑おう
         済んだことは水に流し
         微笑み歩こう今日から未来へ”

  ミータ「シュワッチは都会へ戻るの?」
  シュワッチ「うん・・・僕も気付いたんだ・・・。ここがどんなに素晴
         らしいところなのか・・・。町へ戻ってレンジャー戦士
         になるより、僕はこの村で皆と楽しく暮らしたい・・・っ
         て・・・。」
  ボウネコ「本当!?」
  シュワッチ「うん!!」
  ネコ吉「おかえり、シュワッチ!!」

         “歓迎しようねこの村へ
         優しい気持ちがあるのなら
         誰でもおいで僕らの村
         偶に喧嘩もするけれど
         済んだことは水に流し
         微笑み歩こう今日から未来へ!”

         微笑んで手を取り合い、未来に瞳を
         輝かせ、彼方を見遣る猫達。







          ――――― 幕 ―――――









    ※ この場面も、決まった曲が付いていたようで、曲名が
      書いてありました^_^;割りと有名な曲なので、歌詞を
      見て、どんな曲に合いそうか考えて頂くと、ひょっとする
      と曲名が分かるかも知れないですね(^.^)

   ※2、台詞の後ろに、句読点のある部分とない部分があるの、
      お気づきでしたでしょうか?この作品に限らず、どの作品
      にも今の台詞には「・・・。」と句読点が付いているのに、
      次の台詞には「・・・」と、なっていることが多々あると思い
      ます(^.^)
      これは決して書き忘れなどではなく、台詞を話す人物が、
      句読点の“あるない”の表現をして話しているんだ・・・と
      ご理解頂き、皆さんもご覧になった時に、句読点を意識
      して読んでみて下さい"^_^"
      


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

    まだ“ネコの村・・・”が書き終わっていませんが、先に次回
   掲載作品について、少しお話しておきたいと思います(^_^)
 
    一つ、今の私の原点にあるような作品で、下書き状態で
   ほったらかしにしてあった作品を見つけました^_^;
   (本書きしていない作品・・・と言うことは、今まで、誰にも
   お見せしたことがない、本当の“未発表”作品であります。)

   下書き状態のまま・・・と言うことで、以前、皆さんにも写真を
   見て頂いたことがあると思いますが、ぐちゃぐちゃに近い・・・
   あっち飛び、こっち飛びして書きなぐっているものなので、
   読むのに随分時間がかかってしまったような作品なのですが、
   読み終わってみて、とても面白く・・・人形劇以前の作品では
   ありますが、今現在の私作品にとても近い・・・ファンタジーな
   お話なので、次回はそちらを皆さんにご覧頂こうかなと思い
   ます(^^)v    
 
   で・・・タイトルですが・・・
   いつものように主人公の名前を・・・と思ったのですが、この
   主人公の名前が“スティーブ”なのです^^;
   スティーブと言う名前が度々、他の作品でも登場するので、
   この作品でキーワードとなる「風になる・・・」と言ったことば
   を、今作品のタイトルとして使用したいと思います(^.^)

   それでは次回、“風になる・・・”お楽しみに♪
   











 
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“レナード” ―全13場―

2012年08月29日 18時22分47秒 | 未発表脚本


   下の説明では、グーグル版のみで、ご覧頂こうと思って
   いましたが、こちらにも移動して来ることに致しました^^;

   説明通り、未熟な作品ではありますが、よければこちらも
   またご覧下さい(^^)v


                                 どら。


 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



  この作品は、私が色んな話しを書き始めた当初、自分の趣味的

  に書いたもので、まさか自分の書いたものが、誰かの目に触れる

  ことがあろうとは、考え及びもしないで書いていた、ホントに今読ん

  でみると、何て未熟で好き放題書いた話しだな・・・と、思うのです

  が、今回、このグーグル版“ワールド”Onlyで、ご紹介してみようか

  な・・・と思いました^_^;

  色々とマズイところもあるかと思いますが、敢えて書き直すことは

  せず、当初のままご覧頂こうと考えていますので、皆様、読みなが

  ら一人突っ込みでお読み下さい(^_^;)

 

 

 

    

                                  どら。

 

 

 

 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 

    〈 主な登場人物 〉

 

    レナード  ・・・  バーのマネージャー。

 

    フランシス  ・・・  社長令嬢。

 

    チャールズ  ・・・  刑事。

 

    レオーネ  ・・・  黒ずくめの男。

 

    ヘンリー  ・・・  専務の息子。

 

    ダニエル  ・・・  社長秘書付社員。

 

    B・J  ・・・  バーの従業員。

 

    ウィリアムス  ・・・  専務。

 

    ジャネット  ・・・  他のバーのマダム。

 

 

 

    その他

 

 

    

 

    ※ 登場人物がとても多いので、ここら辺にしておきます^_^;

 

 

 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 

 

         ――――― 第 1 場 ―――――

 

          音楽で幕が上がる。と、舞台は裏町。

          住人の男女、陽気に歌い踊る。

 

          “人生何もないかも知れない

          俺達にも何もないかも知れない

          けれどどんな日にも

          必ず明日があって 必ず朝がくる

          nothingから始めよう

          nothingでいいじゃない

          nothingだから

          未来に向かって飛び出そう”

 

          舞台中央、レナードセリ上がり歌う。

          住人の男女の踊りに誘われるように、

          レナード踊る。

          全員の掛け声と、決めのポーズで

          カーテン閉まる。

 

         ――――― 第 2 場 ―――――

 

          カーテン前。

          上手より、ズボンのポケットに手を

          突っ込んだチャールズ、ゆっくり登場。

          続いて、バー“マントル”のマダム、

          ジャネット登場。

 

  チャールズ「(笑いながら。)レナードのお陰で、俺の仕事が

         なくなるよ。」

  ジャネット「だって態々、刑事のお世話になるより、レナード

        の頼めばあっと言う間だもの。本当に頼りになる

        わ。それにレナードは、刑事みたいに差別はしな

        いもの。私達みたいな者の為にも、一生懸命力を

        貸してくれる・・・。」

  チャールズ「おいおい、俺は差別してるつもりなんて・・・」

  ジャネット「分かってる。チャールズは他の刑事達とは違うわ

        。けど、皆が皆、チャールズみたいな刑事ばかり

        じゃないのよ。こんな商売してる私達のこと、そこら

        辺のゴミくず位にしか思ってない奴らが殆どだって

        こと・・・。」

  チャールズ「確かにね・・・。」

 

          カーテン開く。

          舞台は裏町のバー“nothing-ナッシング-”。

          チャールズ、ジャネット、話をしながら

          舞台上へ。

 

  ジャネット「そんな顔しないでよ。別に私達は何とも思ってやし

        ないわ。全くチャールズは、生真面目なんだから。

        (笑う。上手より登場したレナードを、目敏く見つけ、

        声を張り上げる。)レナード!!」

  レナード「(2人に気付いて近寄る。)よお、来てたのか?」

  ジャネット「この間は本当に助かったわ。」

  レナード「大したことないさ。」

  チャールズ「大手輸入会社のMCAの常務が、脅迫紛いのこと

         をやってたとはね。」

  レナード「あれから店に来ないか?」

  ジャネット「ええ。あんな奴に、うちの店の中で大きな顔されて

        たんじゃ、堪ったもんじゃないわ。どこで聞いて来た

        か知らないけど、うちの女の子が、昔、刑務所に入

        ってたことを、客にバラされたくなかったら金を寄越

        せだなんて、馬鹿にしてるわよね。」

  レナード「また何かあったら、何時でも言いに来いよ。」

  ジャネット「ありがとう!!(腕時計にチラッと目を遣って。)

        そろそろお店に戻らなきゃ。一応、商売敵になるん

        だけど、うちの店にも偶には寄ってよね、レナード!

        愛してるわ!(レナードの頬にキスする。)おやすみ

        、チャールズ!」

  チャールズ「おやすみ。」

 

          ジャネット下手へ去る。

          チャールズ、カウンターの椅子に座る。

          レナード、カウンターの中へ入る。

 

  レナード「(棚から酒瓶を1本取って、チャールズの方へ差し出

       す。)」

  チャールズ「ああ、貰うよ。全く・・・おまえは俺達を失業させよう

         ってんじゃあないだろうな。(笑う。)」

  レナード「(笑って。)まさか・・・。おまえ達の仕事に、俺は興味

       なんかないよ。」

  チャールズ「だけど、ここら辺の奴らは、何かあったら先ず警察

         よりレナードだ。」

 

          チャールズ、レナードに語り掛けるように

          歌う。

 

          “刑事なんか当てにならない

          問題があればnothingに行けばいい

          レナードに言えば何とかなる

          この界隈きっての頼りの男

          刑事なんか信用するな

          レナードは人を比べたりはしない

          男でも女でも誰であろうと

          レナードなら解決してくれる”

 

          レナード、楽しそうにチャールズの歌を

          聞いている。

 

  レナード「(笑う。)えらい信用だな。(チャールズの前へコップ

       を置く。)」

  チャールズ「(コップを取って。)本当だぜ。お陰で俺の管轄は、

         問題がこっちの耳に入った時には、もう解決してる

         って訳さ。全く・・・有り難いのか有り難くないのか

         ・・・」

 

          B・J、カウンターの方へ近寄って。

 

  B・J「いらっしゃい、チャールズさん。」

  チャールズ「(振り返って、B・Jを認める。)よお、頑張ってる

         か?」

  B・J「(チャールズの背後を覗き込むように。)あれ?今日も

     一人?最近、何時もの綺麗な彼女、一緒じゃないんです

     ね?喧嘩でもしちゃったのかな?(冷やかし口調で。)」

  チャールズ「馬鹿、あいつとはもう終わったよ。」

  B・J「えーっ!?」

  チャールズ「結婚したんだ。」

  B・J「再び、えーっ!?俺、密かに憧れてたのにー!!」

  レナード「B・J!無駄口ばかり聞いてないで、仕事しろよ。」

  B・J「ちぇっ、はーい。(離れる。)」

  チャールズ「・・・結婚したよ・・・(独り言のように。)」

  レナード「チャールズ・・・」

  チャールズ「終わったことさ・・・。」

 

          その時、回りの様子に呆気にとられるように、

          見回しながら、素足のフランシス下手より登場。

          カウンターに座る。

 

  フランシス「あの・・・こんにちは・・・」

  レナード「あ・・・いらっしゃい。何にする?」

  フランシス「えっと・・・オレンジジュース・・・」

  レナード「(笑って。)おいおい・・・ここは昼間の喫茶店じゃない

       んだぜ。」

  フランシス「じゃあ、何を頼めばいいのかしら?」

  レナード「そりゃあ例えばカクテルとか・・・ビールとか・・・」

  フランシス「それじゃあ、そのカクテルを下さい。」

  レナード「カクテルって言ったって色々・・・(溜め息を吐いて。)

       まぁいいか・・・」

  チャールズ「(フランシスの足元を見て。)君・・・靴は・・・?(レ

         ナードと目を見合わせる。)」

  フランシス「あ・・・あの・・・なくしちゃって・・・」

  チャールズ「なくしたって?」

  フランシス「ええ、なくしたんですわ。さっき・・・その・・・路地で

        ・・・!」

  チャールズ「(レナードと目を合わせて、首を傾げる。)」

  レナード「素足のお嬢さん、足のサイズは?」

  フランシス「あの・・・9・・・」

  レナード「OK。(奥へ入る。)」

  チャールズ「この辺では見かけない顔だね?」

  フランシス「ええ。この町は初めて・・・。あの・・・あなたは・・・

        ?」

  チャールズ「ああ、失礼。俺はこう見えても、一応サンフラン

         シスコ市警捜査第1課の刑事でね。」

  フランシス「刑事!?」

  チャールズ「刑事ったって、今は勤務外だ。友達の店に飲み

         に来た、ただの男だよ。仕事柄、つい探るような

         聞き方をして悪かったね。」

  フランシス「いいえ・・・」

 

          レナード、奥から靴を持って出て来る。

          カウンターの外へ。跪いてフランシスの

          足を自分の膝の上へ置き、持って来た

          靴を履かせる。

 

  レナード「ぴったりだな。」

  フランシス「あの・・・」

  レナード「従業員の履き古した靴だから気にするな。おまえに

       やるよ。」

  フランシス「でも・・・」

  レナード「素足で表を歩き回ってたら、綺麗な足が血だらけに

       なるぜ。(立ち上がって微笑む。)」

  チャールズ「相変わらず女に優しいね。」

  レナード「馬鹿野郎。」

 

          その時、店の入り口から2人の黒づくめの

          男、肩で風を切るように登場。

          レオーネとスタン、回りを見回すように。

          丁度、店を出ようと歩いて来たアベックと

          ぶつかる。

 

  レオーネ「いってえな!!(声を張り上げ、アベック男の胸元

       を掴む。)ぶっ殺すぞ!!」

 

          店の中の客、一斉にその方に注目する。

          それに気付いたレオーネ、男を離す。

  

  アベック男「すみません!!(脅えるように。)」

  スタン「気を付けな!!」

 

          アベック男女、慌てて下手へ去る。

          その男達を見たフランシス、顔色を変えて

          立ち上がり、慌ててカウンターの陰に身を

          潜める。レナード、そんなフランシスの様子

          を不審に思いながら、見詰める。

          レオーネ、スタン、一見して店の偉い人らしき    

          レナードを認め、近寄って行く。

          他の客達、その方を気にしながらも、さっき

          までと変わらず、飲んだり踊ったりしている。

          レナードも、一寸近寄る。チャールズ、立ち上

          がってレナードの後ろに控える。

 

  レナード「お客さん、店の空気を乱すような行為は、慎んで頂

       けませんか?」

  スタン「何だと!?」

  レオーネ「おい!(スタンを止める。)誰だ、てめえ・・・」

  レナード「(ただ黙って、レオーネを見据える。)」

  レオーネ「(思わず目を逸らせて。)まぁ、いい。俺たちゃ人を

       捜してるんだ。(スタンに。)おい。」

  スタン「(背広の内ポケットから、一枚の写真を取り出して、レ

      ナードの方へ差し出す。)」

  レオーネ「この女を見なかったか?」

  レナード「(チラッと写真に目を遣る。)いいえ・・・。この女性が

       如何かしたんですか・・・?」

  スタン「そんなこと、てめえにゃ関係ないだろ!!」

  レオーネ「よせ!!来なかったんならそれでいい。(回りをぐる

       っと見回して。)行くぞ!!」

 

          レオーネ下手へ去る。スタン、客達に

          暴言を吐きながらレオーネに続いて去る。

          レナード、2人が去るまで、その方を見て

          いる。

 

  チャールズ「(2人が去るのを見計らって、レナードの耳許で。)

         彼女か?」

  レナード「(入口の方を見たまま。)ああ・・・。(思い出したよう

       に、座り込んでいるフランシスに近寄り覗き込む。)・・・

       もう行ったぜ・・・おい・・・(フランシスの腕を取って、立

       ち上がらせる。)誰なんだ、あいつら・・・」

 

          フランシス、ただ脅えるように俯いている。

 

  レナード「(チャールズと目を合わせて。)言いたくなきゃ、別に

       言わなくたっていいさ・・・。(溜め息を吐いて。)けど、

       何か訳ありみたいだな?おまえ・・・帰る所はあるのか

       ・・・?」

  フランシス「(俯いたまま、ゆっくり首を振る。)」

  チャールズ「家出娘か・・・?」

  フランシス「違うわ・・・!!」

  レナード「(チャールズの顔を見て、“何も言うな”と言うように、

       首を振る。)じゃあ・・・暫く、ここにいればいい。」

  フランシス「え・・・?」

  レナード「ここの2階は宿屋になってるんだ。丁度、今一部屋

       空いている。そこを使うといいさ。」

  チャールズ「そうだな・・・。あいつらに見つかりたくないんだった

         ら、ここは絶好の隠れ場所だぜ。何たってこいつは

         この辺りじゃ凄腕で通ってるんだ。」

  フランシス「けど私・・・お金は・・・」

  レナード「そんなことは気にするな。(辺りを見回して。)B・J!」

 

          B・J気付いて近寄る。

 

  B・J「何っすか?」

  レナード「(フランシスの肩に手を置いて。)えっと・・・あ・・・おま

       え名前は・・・?」

  フランシス「・・・フランシス・・・」

  レナード「フランシスを2階の部屋へ案内してやってくれ。」

  B・J「はい。どうぞ!」

  フランシス「(B・Jに付いて行きかけて振返る。)あの・・・ありが

        とうございます・・・。(頭を下げる。)」

  レナード「(微笑む。)」

 

          B・J、2階の部屋へフランシスを案内する。

          フランシス、階段を上りながら、気にするよう

          に振り返りB・Jに付いて行く。

          チャールズ、上がって行くフランシスの方を

          見ている。レナード、カウンターに座っていた

          他の客に、酒を出したりしている。

 

  チャールズ「いいのか?」

  レナード「何があったか知らないが、素足で逃げて来なけりゃ

       いけないようなことが、彼女の身に起こったことは事

       実だ。」

  チャールズ「そうだな・・・。署に戻って、一回捜索人の届けが

         出てないか、調べてみるか・・・。俺が刑事だと分

         かった時の彼女の顔付も気になるし・・・。だが、

         ヤバいようなら、余り首を突っ込むなよ。」

  レナード「(笑って。)誰の心配をしてるんだよ。」

  チャールズ「(笑う。)そうだったな。」

 

          その時、ジェイン下手より登場。

          チャールズを認め近寄る。

 

  ジェイン「いたいた!ここだと思ったわ!こんにちは、レナード

       。」

  チャールズ「何だ、ジェイン。俺は今日は非番だぜ。」

  ジェイン「分かってるわよ。レナード、何時もの頂戴。」

  レナード「OK。」

  チャールズ「俺はちょっと調べ物があるから、もう署に戻るぜ。

         (立ち上がる。)」

  ジェイン「(チャールズの腕を掴んで。)待ってよ!冷たいのね

       。一杯くらい付き合ってくれたっていいじゃない!」

  レナード「(ジェインの前へコップを置く。)」

  ジェイン「今日は非番って、自分で言ったのよ。調べ物って何

       ?私も手伝ってあげる!」

  チャールズ「いいよ。」

  ジェイン「遠慮しなくってもいいのよ!」

  チャールズ「(ジェインの言葉は耳に入っていないように。)

         じゃあな、レナード!何か分かったら連絡するよ。」

  レナード「ああ。」

 

          チャールズ、下手へ去る。

 

  ジェイン「もう!何時もチャールズはああなんだもの。いくら私

       がモーションかけたって・・・」

  レナード「あいつはまだ、前の彼女が忘れられないのさ・・・。」

  ジェイン「・・・あのチャールズのことを振って、御曹司と結婚し

       たお嬢様?」

  レナード「違うな・・・。チャールズは相手のことを真剣に考えて

       、態と振られるような真似をしたんだ。あいつらしくね

       ・・・。」

 

          レナード、カウンターの中にいたロイに

          何か言って、奥へ入る。

          代わりにロイ、客の相手をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

       ――――― “レナード”2へつづく ―――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪

 

 

    (どら余談^^;)

 

    グー版“ワールド”の“ジェフリー”のアイリーンさんと、この

    フランシスさん、似たような境遇ですね^_^;

    書いた時期は全く違うので、多分こんな設定・・・好きなの

    かも知れません(^_^;)    


“公演日記” ―君のために・・・―

2012年08月28日 19時32分47秒 | 公演日記



    
    2012年8月9日(木)


   とても暑い・・・けれど風が微妙に涼しく感じた今日でしたが、
 
   毎年この時期にお声掛けして頂いている小学校で、今年も

   また、公演をさせて頂いて来ました(^^)v 




 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪



         AM9:50  ・・・  小学校到着。
                         準備開始。
             
   

               
   

    30分に子ども達が入って来ると言うことだったので、
    後ろの時計の時間の頃は、大慌てで準備の最終段階に
    差し掛かっていたと思います。
 
    なのに・・・
    携帯片手に写真を撮るこの余裕・・・^^;
    ・・・は、全くありませんでした~(-_-;)

    今回、初の試みとして、後ろのホワイトボードに、背景を
    養生テープで貼り付け、3場面変換させる予定でした^^;
    (写真は、一番目に登場する場面の、村の絵です。)
    ・・・が・・・
    1枚目の絵を剥がす時に、2枚目の絵まで一緒に剥がれ
    てしまい・・・結果、エライ大変な目にあっていたメンバーが
    1人・・・^_^;
    私はクリフくん操作で全く身動きが取れず、一人で焦って
    取れた絵を貼り直してくれているメンバーを、横目では
    見ていたのですが・・・頑張ってくれてありがとう~



     
         

                      ↑

       開演前、スタンバっているお人形達です(^.^)

                      ↓

         



         
         


        子ども達が全員揃うのを、先に来た子達は
        大人しく(^^;)座って待っています(^^)





         AM10:45  開演


   


   説明が重複しますが・・・今回のビデオは始まった途端この向
   きになり、その状態のまま最後まで撮れていました^^;
   見え難いビデオ写真ですが、お許し下さい



   


   このお馬、私が出入りに拘った為、大道具班長が右向きと
   左向きの2種類作ってくれました^^;♪
   ・・・が、今回は、人手不足の為、ラスト場面では後方の・・・
   馬車の“車”の部分しか登場しません~(-_-;)



   


      私、クリフくんとポーラちゃんの2体持ちです^_^;



   


       私の後姿です(^^ゞ・・・どうでもいいですね^^;

    頑張って持っていたつもりだったのですが・・・クリフくん、
    かなり下がってきております・・・(・・;)
   
   


   

      
       私、奥っ側のクリフくん操作をしております(^^)v
       手前はポーラちゃんですね(^^)

       う~ん・・・どの場面辺りでしょうか・・・^^;



   
   

    実は、この辺りからビデオの映りがとっても暗くて、修正して
   もこんな↑感じなのです(ーー;)お人形のお顔が見え難いかも
   知れませんが我慢下さい


   
   


   今回は、背景を3枚で済ませたので、クリフくんとポーラちゃん
   の場面は“外”と言うことになってしまいました(>_<)
   具合の悪いポーラちゃんなのに・・・ですよね(~_~;)


   
   

       
                      ↓
                     

   

                      ↑

    少し暗いですが・・・これがご存知、背景ドタバタ時の様子
    です^^;
    人形操作をしている私達の表情は分かりませんが、本当は
    とっても焦っているのです(>_<)

                      ↓

   

   暗くて分かりにくいですが、背景を立ち上がって押さえる団員
   のシルエットが、なんとなく見えるでしょうか・・・^_^;



   
   
    向こうの方に魔女さんが見えます(^。^)
    ・・・クリフくんのショボン加減から、歌い終わってお婆さんに
    薬を「お願いします・・・」と、頭を下げている場面ではないか
    と・・・^^;
     
    舞台裏の写真は、どうも背中ばかりの真っ黒けの同じような
    写真で申し訳ありません(ーー;)


   


                     ↓


   

   心なしか・・・お人形の向きが後ろを向いて・・・いますね^^;
   
   下で人形操作している私達も、後ろの異変に慌てて、そちら
   に視線が取られているからでしょうね~(^_^;)


       
   

    大道具班長力作のこの場面の背景を、どうしても子ども達
   に見てもらいたくて、ホワイトボードに3枚貼り付ける、無謀な
   場面転換をした為に、上のような背景ドタバタ事件となったの
   でした~・・・(>_<)
   しかもリハーサルなしのぶっつけ本番・・・(ーー;)
   失敗しない方が奇跡ですね・・・^^;
    
   

   
    
   「芝居一座、もう行っちゃうんだってねぇ・・・」「淋しくなるねぇ」


         一人で2体持ちしてもらっています^^;



   
   
   見難くてすみません<(_ _)>
   後ろの時計の時間から、ラスト場面と言うことが分かります^^;

   どこかで書いたかも知れませんが、ラストとオープニングの
   芝居一座の入り去りには拘りがあって、この写真のラストでは
   下手前方から上手後方へと馬車が移動しています(^。^)



           AM11:20   終演

   
   
     ここから、子ども達の質問タイムとなりました~^^;
    少し上がった質問を書いてみますので、皆さんもお考え
    下さい♪



  Q1、クリフくんは何人ですか?(どこの国の人?)
   
      
  Q2、クリフくんは何で女の子みたいな声と顔なんですか?


  Q3、何でクリフくんは歌ってばっかりなん?


  Q4、魔女の白いのは、何?(見た目のことのようです^^;)




   もう少しあったと思いますが、忘れてしまいました~(>_<)
   すみません<(_ _)>
   それでは答えを・・・(^.^)
   


  
  A1、これは全く考えたことのない質問で、私自身「?」な
     問題だったので、幾分返事に戸惑ってしまいましたが、
     隣にいた団員が、コソッと助け舟を出してくれ、答えること
     ができました(^_^;)答えは、クリフくんは空想の世界の
     お友達なので、何人とかはありません。お伽の国の子ども
     です(^^)v

  A2、これは「私」が声を担当しているからなのですが・・・^^;
     答えは、まだ子どもだからです。でした(^^)v

     女の子みたいな顔・・・と言うのは、意図してそう言う風に
     作ったのですが、旅一座で舞台に立つ子なので、綺麗な
     お顔をしているんですよ・・・みたいに答えたかと・・・^^;

     あ・・・実際は関西弁で捲くし立てるように話しているので、
     こんなに丁寧に答えてはいません^_^;

  A3、これは・・・単純に主役だからです(^^)v

  A4、頭巾の下から見えていた“髪の毛”です(^^)v






    こんな風に、今回は子ども達をより身近に感じ、また、
    子どもならではの面白い感性に触れることができ、
    いつも同様沢山のキラキラした瞳と出会えた、夏の暑い
    公演日でした(^^♪

    この小学校の夏公演に呼んで頂いて3年目になりますが、
    毎回色々とお世話になり、「来て頂いて・・・」と言って頂き
    ますが、私達は「呼んで頂いて・・・」なのです"^_^"

    今回も、本当にありがとうございました<(_ _)>   

     

     
                 ミュージカル人形劇団“リトルパイン”
                                  代表 どら。







 ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪


   (どら余談^^;)

   グーグル版“ワールド”に、春公演の時に撮れていなかった
   部分の動画を投稿致しました♪
   またよければご覧下さい(^.^)

   説明の補足をしておくと、ラスト登場の時に、私はクリフくんと
   ポーラちゃんの2体持ちをしています。その後、ポーラちゃん
   を受け取りにきてもらい、クリフくんソロとなり、クリフくん退場
   後、ジークくんのお父さんを持ってもらっていたメンバーから
   お父さんを受け取り、下がるまで私が持っていました^^;

   お父さん・・・中に手を入れることが出来なくて、外から棒を
   掴んでいるのですが、手がとっても可笑しなことになってい
   ますね・・・(-_-;)









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