老婆「どうしてもこうしても・・・兎に角あの城には・・・
恐ろしい魔物が住んでおって・・・誰であろうと城
に近づく者を取って食ってしまうんじゃ。」
アレクサンダー「食う・・・?」
老婆「そうじゃ。だから近寄ってはいかんぞ、いいな?」
アレクサンダー「(笑う。)冗談ばっかり!」
老婆「嘘だと思うなら、ネズミの村の長老に聞いてみるが
いい。」
アレクサンダー「長老?おばあさんよりうんと年寄りの、
あのいつも椅子に腰掛けてボーッとして
いる長老に?」
老婆「ああ、そうじゃ。」
アレクサンダー「嫌だよ!!グリエルモ、行こう!!おば
あさんが煩いから、家の中でお・と・な・
し・く、戦いごっこでもやろうぜ!!」
グリエルモ「あ・・・アレクサンダー!!」
アレクサンダー、上手へ走り去る。
老婆「アレクサンダー!!何が゛僕はもう子どもじゃない
よ!”じゃ・・・。やれやれ・・・北の国の魔女から
守る為、北の国の魔女が唯一恐れるネズミの姿へと
変え、この小さな家の中でひっそりとかくまってき
たが・・・。元来、王子の持つ性格ゆえか、より広
い世界に興味を抱くようになるとは・・・」
グリエルモ「婆様・・・北の国の魔女って・・・?」
老婆「うむ・・・そうじゃな・・・おまえさんには話をし
ても差し支えあるまい・・・。その昔・・・天の国
の魔法使いに子どもが生まれたのじゃ・・・」
音楽流れる。
老婆「その子は天の国を司る者・・・すなわち次の天の国
の魔法使いになる者として生まれた、いわゆる天の
国の跡取りじゃった・・・」
老婆、歌う。※
゛しかし不幸な話じゃが
生まれた子ども
瓜二つ
双子だなんて困ったぞ コーラス゛天の国には
王は二人もいらぬ” 二人の王は
いらない
どちらか一人が
いればいい”
コーラス゛それでは先に生まれた
姉をこの国の
王として迎えようぞ
仕方のないことだ
妹は国の外へ
こっそり連れて行け
誰にも見つからぬよう
北の魔女のとこへ”
老婆、歌う。
゛双子の姉
それがわしじゃ
この・・・”
グリエルモ「婆様が・・・北の国の魔女の姉・・・?天の
国の魔法使い・・・?」
老婆「じゃがわしは、天の国を継ぐのをやめたんじゃよ・
・・」
グリエルモ「どうして?」
老婆「妹を犠牲にすることができんかったからじゃ・・・」
グリエルモ「婆様・・・」
老婆「じゃがそんなことは知らぬ妹は・・・ただわしを憎
んでおるんじゃ・・・わしがあの城で、王子の教育
係として暮らしておったことを、どこかで聞きつけ
てやって来たのであろう・・・。しかし、わしと王
子を見つけることが出来ずに城に居座り、ただその
帰りを待ちわびる妹の前へ、アレクサンダーがノコ
ノコと現れてでもみろ。それこそまさに妹の思うツ
ボじゃ・・・。わしは王と后の命を懸けての頼みを
、なんとしても守らねばならんのじゃ。アレクサン
ダーを守ることは・・・天の国を出て、行く場所が
なく途方に暮れていたわしを、城へと招き入れ、何
から何まで世話を焼いてくれた、王と后との約束な
のじゃ・・・。しかし・・・ネズミの姿へと変えて
はおるものの、あのやんちゃくれ王子のこと・・・
全く何を仕出かすか・・・。グリエルモ・・・くれ
ぐれもアレクサンダーから目を離すでないぞ。よい
な。」
グリエルモ「分かってるよ!僕も大好きなアレクサンダー
が危ない目に遭うのは嫌だからね。僕はアレ
クサンダーを守るよ!」
老婆「頼んだぞ・・・」
老婆、グリエルモ、上手へ去る。
— 第 1 場 — B
音楽流れ、一寸置いて上手よりアレクサンダー、
周りをキョロキョロ見回しながら、こっそり
登場。
アレクサンダー「しめしめ・・・みんないないぞ・・・」
アレクサンダー、歌う。
゛あんなとぼけた話で
信じるとでも思った
僕を騙せる筈ない
馬鹿だね
恐ろしい魔女なんていないのさ
本当 嘘だよ
騙して引っかかるなんて
僕を騙すなんて
たやすくないよ
だけどなぜ
何かある あのお城に コーラス゛大切なあなたの命
隠してるお宝が 守りたいただ”
きっとあるぞ”
コーラス゛嘘じゃない話
本当のこと あなたの為に”
アレクサンダー゛黙ってる
なんて僕じゃないよ”
コーラス゛危ない 危険”
アレクサンダー゛行くぞ!”
アレクサンダー、後方山の上の城目指して
走り去る。
紗幕閉まる。
— 第 2 場 — A
(紗幕前。)
下手より北の国の魔女登場。歌う。
北の国の魔女「一体何年、私を待たせる気なの!?」
゛この世界の全て私だけのもの
一つずつ手に入れる
全てをこの手に
誰にも手出し口出しさせない
生きるものは何もかも
私だけの装飾品だから
逆らう者達
忽ち石像にしてあげるわ
口出しは命取り
少しでも私の気に障ることして
誰も止められないわ
私の気の向くままにする
忌々しい姉
ほんの少しだけ早く生まれただけで
何もかも手にし
私の全て奪い去ること
生きるよすがとしてきた
なんて心の醜い悪魔よ
今度は私があなたから
なにもかも奪い去るわ
口出しは命取り
少しでも私の気に障ることして
誰も止められないわ
私の気の向くままにする
後悔させてあげるわ”
北の国の魔女「フン!!」
北の国の魔女、下手へ去る。
— 第 2 場 — B
音楽変わり、紗幕開く。と、城の中。
(石像が並ぶ。)
上手よりアレクサンダー登場。
アレクサンダー「やった!!上手く潜り込めたぞ!!(周
りを見回して、王と后の石造に気付き近
寄り見上げる。)わぁー・・・立派な石
造だなぁ・・・(首を傾げ、呟くように
歌う。)」
゛懐かし香りが
どうしてだろう・・・”
音楽変わる。
(アレクサンダー、部屋の中を色々と見て回って
いる。)
—————゛アレクサンダーの秘密”3へ続く—————
※ この歌の間、後ろで子どもが連れて行かれる小芝居を
していたのですが、前でお婆さんが歌っているので、
そんなに目立つ訳ではないのに、何故か他の人形操作
のところより、頑張って演技していました^^;
私の力演、見て頂くことが出来なくて残念です(。-_-。)
― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ― ♪ ―
↑ 出番待ちをしている、左からグリエルモ(人間)、
アレクサンダー(人間)、アレクサンダー(ネズミ)、
グリエルモ(ネズミ)、お后様、王様、老婆。
(どら余談^^;)
ここしばらく、12月の子育てサロンボランティア
公演用の作品を2作品書くのに、私の自由時間を費や
しておりました(*_*;
その合間に、その作品の新しい登場人物(?)たち
を作ったりしていたのですが、今日はその一部をご覧
下さい♪
↑ 森に住むリスさんたちです・・・
色はこんなですが・・・^^;
↑ 森のケーキ屋さんのクマさんと、
小鳥たち♪(この小鳥たちは新入りの団員
さんに、見本を渡して作ってもらいました(^^)v
縫物が得意の新入りさん、とても心強い仲間が
加わってくれたと嬉しい限りです(^^))