少しピンボケですが・・・お許し下さい^^;
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〈 主な登場人物 〉
ジェフリー ・・・ ある劇団の振付師。
アイリーン ・・・ その劇団に入団希望でやって来た娘。
モーリス ・・・ ダンサー。ジェフリーの友人。
ダイアナ ・・・ 劇団のスター。ジェフリーに思いを寄せる。
リン
その他
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――――― 第 1 場 ―――――
幕が上がる。と、其々ポーズを取った男女、
順次飛び出すように登場。歌い踊る。
“夢見たことが現実に
夢を夢で終わらせない為に
誰もが自分の人生を
無意味なままに済ませぬ為に
成功と言う名の山頂に
登り詰めるその時までは
努力と言う名の階段を
一段一段踏み締める
夢見た自分があるように
過去に願った些細なことが
今日と言う日の幸せならば
それは夢の現実と
人生の舞台の上に登り切った
夢見た一時を
スポットライトに包まれたい”
再びポーズで、曲調変わり、踊っていた男女、
ゆっくり左右へ去ると、中央後方、バックポーズ
の男(ジェフリー)振り返る。
稽古着に身を包み、首にタオルを巻いたジェフリー、
歌いながらゆっくり前方へ。
“優しい思いが心を過り
温かな温もりが頬を過ぎる・・・
胸を締め付けられるような
未来への期待が
迸る泉のように溢れ返る・・・
それが今生きている一つの証
過去に残した思いの丈を
今新たに見詰め直す・・・
その時側に期待に包まれ
明るい明日への
道案内に導かれ
希望の扉を今開こう・・・”
何かに取り付かれたように、激しく踊るジェフリー。
(途中、タオルを放す。)
決めのポーズで、息を切らせながら、放したタオル
をゆっくり拾い、払う。
と、下手奥より、ジェフリーの踊りを見ていたように
興奮した様子で、拍手しながら一人の娘(アイリー
ン)登場。ジェフリーの側へ。
アイリーン「あなた、ここのスターさんですわね!!」
ジェフリー、怪訝そうにアイリーンを見る。
アイリーン「だって今のあなたの踊り、もう素晴らしくって感動し
ましたもの!!ほら、胸がこんなに!!(思わずジェ
フリーの手を取って、自分の胸に当てる。)」
ジェフリー「おい!!(驚いて、手を引っ込める。)」
アイリーン「あ・・・私ったら!!ごめんなさい!!(自分のした
ことに初めて気付いたように、恥ずかしそうに下を
向く。)」
ジェフリー「・・・何か用か・・・?」
アイリーン「(瞳を輝かせて、ジェフリーを見る。)私、アイリーン
と申します!!ここに入れてもらいたくて!!入団
希望者です!!私、あなたのように上手く踊れるよ
うになりたくて来ましたの!!」
ジェフリー「(アイリーンを頭の天辺から足先まで、怪訝そうに見
詰めて。)・・・おまえが・・・?」
アイリーン「ええ!!(ジェフリーの視線に気付いて、自分の姿
を見る。)・・・何か・・・可笑しいですか・・・?」
ジェフリー「・・・別に・・・。(上手方へ汗を拭きながら、行こうとす
る。)」
アイリーン「待って!!どうしたら私も、入れて頂けるのかしら!
?」
ジェフリー、振り返ってアイリーンを見る。
アイリーン、返事を待つようにジェフリーを
見詰める。
アイリーン「あの・・・?」
ジェフリー「(溜め息を吐いて。)奥の事務局へ行って、所定の
用紙を貰って来い・・・。全てはそれからだ。ただし、誰
でも入れる訳じゃない・・・。2週間の研修期間を置い
て、それから試験をする・・・。入団テストだ。それに合
格して初めて、団員になれるチャンスを与えられる研
究科生に名を連ねることが出来る・・・。」
アイリーン「そうしたら、私もあなたのように踊れるようになるの
ね!!(瞳を輝かせ、彼方を見遣る。)」
ジェフリー「(呆れたように溜め息を吐いて。)おい・・・、分かって
るのか?入団する為には・・・」
アイリーン「私、ずっと夢見てたの!!」
アイリーン、期待に胸膨らませるように、彼方を
見遣り歌う。
途中、ジェフリー首を傾げて、呆れたような面持
ちで、上手へ去る。
アイリーン、スポットに浮かび上がる。
“何時か大空へ飛び立つことを・・・
何時か羽根を大きく広げ
夢と言う名の大空へ・・・
大空へ飛び立つことを
幼い頃から憧れた
夢見続けたちっぽけな
心に抱いた
溢れんばかりの私の理想・・・
夢は叶える為に見る・・・
夢を本当に変えてこそ
夢見た昨日が輝き増す・・・
夢と言う名の大空へ
大空へ今飛び立とう・・・”
フェード・アウト。
――――― 第 2 場 ―――――
紗幕前。フェード・インする。と、左右に稽古着に
身を包んだモーリス、ダイアナ、其々ポーズして
いる。2人、見詰め合い思いを込めて“ラヴ・ソン
グ”を歌う。ゆっくりお互いを求めるように、手を
差し出し中央へ。
モーリス“君と知り得たことに
運命の出会いと心からの感謝を・・・”
ダイアナ“あの時の感動を
何時までも胸に抱きながら・・・”
モーリス“偶然で済ますには余りにも・・・”
ダイアナ“一体どれ程の高鳴りを・・・”
2人“あなたが側にいるだけで
世界は丸で2人の為に・・・
宇宙の果てが永遠であるように
2人が共にいる限り
星の輝きが2人を祝福する・・・”
手を取り合い、彼方を見遣る。
曲が終わると、2人さっと離れる。
モーリス「あのさ、今の最後のとこ・・・」
ダイアナ「何?」
モーリス「(再び最後のポーズを取る。)これでもいいんだけど、
この方が(ダイアナを胸に抱く。)思いが込められてる
ような気がしないかな?今までの誤解が解けて、漸く
結ばれたって言うのに、手を取り合っただけで、俺なら
我慢できないと思うけどね。」
ダイアナ「そうね・・・。」
モーリス、ダイアナ考えている風に。
そこへジェフリー、上手より憤慨したように
登場。
モーリス「(ジェフリーを認め。)ジェフリー!丁度よかった!!」
ジェフリー「俺は今、忙しいんだ、後にしてくれ!!(2人の前を
通り過ぎてスタスタと。)」
モーリス「(ジェフリーを追い掛けるように。)忙しいって・・・?出
掛けるのか?デート!?」
ジェフリー「(立ち止まって溜め息を吐く。)何の用なんだ!早く言
えよ!」
ダイアナ「荒れてるのね。」
モーリス「(笑って。)こいつは元々短気な奴だから。どうせまた、
くだらないことにイライラしてるんだろ?」
ジェフリー「くだらない・・・?ああ、本当にくだらないことさ!!今
度来たあの女・・・!!」
モーリス「あの女・・・?」
ダイアナ「アイリーンのこと・・・?」
ジェフリー「何が入団希望者なもんか、全く!!」
モーリス「(笑って。)如何したんだよ。」
ジェフリー「俺は今まで色んな奴を見てきたが、あんな踊りらしく
ない踊りを踊る奴を見たのは生れて初めてだ!!」
モーリス「(声を上げて笑う。)何だそんなこと・・・。」
ジェフリー「そんなこと!?」
ダイアナ「私だってここへ来るまで、ダンスなんてしたことなかっ
たのよ。それをあなたがここまでにしてくれたんじゃな
い。」
ジェフリー「俺は元々持っている素質を引き出してやることなら
できる!だが、あいつのは・・・!(溜め息を吐いて、首
を振る。)下手糞なんてもんじゃないんだぞ・・・!!」
モーリス、ダイアナ、顔を見合わせ、肩を窄める。
――――― 第 3 場 ―――――
前場から3人残したまま。
音楽で紗幕開く。と、稽古場。
中央、団員ジョナサン、ハドソン、踊りの
練習をしている。一寸離れてアイリーン、
見様見真似で踊っている。
アイリーンの脇に、心配そうに佇むリン。
それを見て、モーリス、ダイアナ踊りに加わる。
ジェフリー、一寸脇へ寄り、腕組しながら、皆
の踊りを見ているが、アイリーンを認めると、
呆れたように顔色を曇らせる。
途中ジェフリー、見ているのが歯痒いように、
踊りに加わり激しく踊る。
それまで踊っていた団員、付いていけないと
いった風に、横へ避ける。
ジェフリー、暫く踊った後、苦痛に顔を歪め、
膝を押さえる。
モーリス「(駆け寄り。)ジェフリー!!」
他の団員達も、ジェフリーの側へ。
ジェフリー「何でもない・・・。(手を差し出すモーリスを避けて、団
員達を見る。)悪かったな。練習を続けてくれ。」
ジョナサン「ジェフリーさん・・・」
団員達、心配そうに顔を見合わせながら、
ジェフリーの言葉に従い兼ねている。
アイリーン「(嬉しそうに、ジェフリーに近寄って。)矢張りあなた
の踊り、何て素敵なんでしょう!!如何して、あなた
は舞台に立たないんですの!?そんなに上手なの
に・・・。」
ジェフリー「(汗を拭いながら。)関係ないね・・・。」
ハドソン「今の見てて分からなかった?」
アイリーン「え・・・?」
ハドソン「膝を悪くしたからなんだよ。」
ジェフリー「ハドソン!!」
ハドソン、“仕舞った”と言う風に、肩を
窄める。
アイリーン「・・・まぁ・・・そうでしたの・・・。私ったら、何も知らなく
て・・・。ごめんなさい・・・。」
モーリス「何も君が謝ることじゃないさ。な、ジェフリー!」
ジェフリー「おまえが何に憧れて、甘い夢を見てるのか知らない
が、その夢にも裏側があるんだと言うことを、よく覚え
ておけ・・・。如何して俺が、振付師なんて抑えた職業
に甘んじているのか・・・。」
モーリス「ジェフリー・・・」
ジェフリー「あんな踊りしか踊れないのなら、夢は見るだけにし
といた方がいいってことだ。」
モーリス「ジェフ!!」
アイリーン「だって・・・こんな踊りは生れて初めてで・・・」
リン「アイリーン・・・は、ワルツなら得意ですのよ!!」
他の団員、聞いていた風に声を上げて
笑う。
ジョナサン「ワルツだってさ。」
アイリーン「リン・・・」
リン「すみません・・・。」
モーリス「(リンに)君は?何時もアイリーンの側にいるけど・・・。
入団希望者でもなさそうだし・・・。」
アイリーン「あの・・・親友なんです!!昔からの友達で・・・!!
それで私に付いて・・・。リンがいては迷惑でしょうか
・・・?」
モーリス「いや、構わないよ。(微笑む。)」
ジェフリー「踊りもまともに踊れないなら、生活の面倒まで見ても
らうお守がいる訳だ・・・。(下手方へ行こうとする。)」
モーリス「ジェフリー!(ジェフリーの後を追うように。)」
リン、アイリーンを慰めるように、上手へ去る。
モーリス「ジェフリー!何でおまえは女性にもう少し優しく接する
ことが出来ないんだよ!況してや彼女はまだ昨日来た
ばかりじゃないか。」
ジェフリー「俺は嘘は吐けないんでね。」
ジェフリー、下手へ去る。
モーリス「ジェフリー!!」
モーリス、ジェフリーを追い掛けるように
下手へ去る。
ジョナサン「ダイアナ!来週の“ダンサー”のオーディション、受
けるんだって?」
ハドソン「へぇ。」
ダイアナ「ええ・・・。ここの公演が迫って来てるし、どっちつかず
になるのは嫌だったから、迷ったんだけど“ダンサー”
は、私の小さい頃からの夢だったの!だって、私が今
この世界にいるのは、小さい頃見た“ダンサー”の舞台
があるからなんだもの。」
ハドソン「そうだったんだ。“ダンサー”か・・・。踊りが好きで好き
で堪らない娘が、貧乏な家の為にダンス教室に通えな
くて、何時も教室に楽しそうに通う友達を、羨ましく見て
たある時、偶然知り合った老紳士に気に入られ、とんと
ん拍子に運と実力を持って、出世街道を伸し上がってい
くと言う話し・・・。現代のシンデレラストーリーですよね。
」
ジョナサン「ダイアナなら絶対ものに出来るさ!」
ジョナサン、ハドソン、肩を組みながら
嬉しそうに歌う。
“何時も人一倍の努力を惜しまず
陰でコツコツ練習に明け暮れる
決して人前に現れず
裏で流した涙のことも
朝陽が昇れば笑顔と共に
掻き消える
ダイアナ ダイアナ
いよいよ幕が上がりスポットが当たる
スターを夢見て唯ひたすら待ったチャンスの時
ダイアナ ダイアナ
君なら屹度未来を手に入れる筈
誰よりも努力することを惜しまない
君だから・・・”
ダイアナ、呼応するように彼方に夢を
馳せながら歌う。
“私なら・・・
ずっと頑張ってきた証・・・
私なら屹度
夢を叶えることが出来る・・・
努力だけは誰だって
私に敵う者はない
希望に満ちた未来をこの手に入れるまで
何時までだって踊り続けるの・・・”
紗幕閉まる。
――――― 第 4 場 ―――――
紗幕前。
車の通行音や、人々の往来が聞こえる。
リン、上手後方客席より登場。ゆっくり誰かを
捜すように、前方へ。立ち止まる。
一時置いて、下手よりモーリス走り登場。
モーリス「(腕時計を見ながら。)遅くなったな・・・。急ごう。」
リン「(モーリスには気付かずに、上手方を見たまま。)Mr.ブライ
アン!」
モーリス「(前方へ行き掛けてリンを認める。)・・・あれ・・・?あの
子は確か・・・。」
リン、手を上げて、舞台上手へ去る。
モーリス、上手を覗き込むように。
モーリス「・・・歳は60前後・・・白髪の紳士・・・か・・・。恋人?・・・
いや、まさか・・・(笑う。)父親・・・?には見えなかった
なぁ・・・。(ゆっくり前方へ行きながらブツブツと。)」
そこへ下手よりジョナサン、両手に荷物を
提げて、息を切らせながら走り登場。
上手方を見ているモーリスを認め、不思議
そうに近寄り、モーリスの肩を叩く。
モーリス「(驚いたように振り返る。)おまえか・・・。」
ジョナサン「如何したんですか?(嬉しそうに上手方を見て。)
いい女でもいたのかな?」
モーリス「馬鹿!(ハッとしたように。)それより遅かったじゃない
か!こっちの方が遅れたと思って、慌てて走って来たっ
てのに!」
ジョナサン「あ・・・すみません。(両手に持っていた袋を見せる
ように。)買い物に手間取っちゃって。」
モーリス「ほら、半分貸せよ・・・。(ジョナサンの持っていた袋を
一つ取る。)早く行かないと、皆がお待ちかねだ。」
――――― “ジェフリー”2へつづく ―――――
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