「塞翁が馬」
中国の故事で、人生の幸不幸は予測できないものだ…と言う意味だそうな。
一見、不幸に思えたことが、幸運につながったり、その逆だったりする。
人生の禍福は転々として予測できないものだ…。
私は、「ピンチはチャンス」と言う言葉が好きで、なんか似てる感じがして、この中国の言葉も好きなのだ…。
そして、この言葉と共に、叔父が浮かんでくるのだ…。
父の末弟の叔父は、私とは、9歳しか離れていない。
早くに父(私の祖父)を失くし、長兄(私の父)が親代わりだったから、叔父とは兄妹のように育った。
叔父は、なかなか、頭の良い人だったらしく、私が9年後に入学した中学校でも、叔父の名前は記憶に残っていた。
〇〇の妹か…と、何人もの教諭から言われるほど、その優秀さは、学校でも有名だったらしい。
頭だけでなく、容姿も素晴らしく、「天は二物を与えず」なんて、嘘っぱちだと私は思ったものだった。
が、成人し、銀座の大手の会社に就職が決まり、順風満帆化に見えた叔父だったが…。
中耳炎を悪化させ、入院生活に。
手術の結果は、芳しくなく、2年間もの入院生活の結果、両耳が聞こえなくなる最悪の結果となってしまった。
が、大学病院での2年間を、叔父は通信教育でペン字を習得した。
転んでもただでは起きない努力家の人なのだ。
そして、「みみよりの会」と言う聴覚障碍者の会で、素敵な伴侶を見つけ、今ではたくさんの孫に囲まれ、幸せな余生を送っている。
人生、万事塞翁が馬…と言う言葉は、叔父の人生そのものだと、感じている。