一代で企業を業界大手に育てた創業社長の後継者への引き継ぎで通販のジャパネットたかたと総合家具小売の大塚家具では,明暗を分けた。企業は公器と認識し,経営権を長男に全面移譲の高田明氏。
対して上場していようとあくまで「自分の会社」。鶴の一声で物事を決めて何が悪いと,経営方針を巡り長女と対立の大塚勝久氏。
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┗■ 明・ジャパネットたかた / 暗・大塚家具
ジャパネットたかた | 大塚家具 | |
業態 | 通販大手 | 総合家具小売りの大手 |
資本金 | 1億円 | 10億8,000万円 |
売上高 | 1423億円 | 555億円 |
従業員数 | 327名 | 1,749名 |
創業者 | 高田明 (67歳) | 大塚勝久 (71歳) |
創業年 | 1986年1月 | 1969年3月 |
創業地 | 長崎県佐世保市 | 埼玉県春日部市 |
後継者 | 高田旭人・長男 | 大塚久美子・長女 |
後継者の略歴 | 東大卒・野村證券 | 一橋大卒・富士銀行 |
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┃★┃ 暗 ・ 大塚家具 経営体制を巡り父娘が対立
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※出所: 大塚家具HPより
埼玉・春日部の桐ダンス販売店から身を興し,一代で大塚家具を株式公開企業に育てた大塚勝久氏。いま経営体制を巡る父娘の対立から,企業イメージの悪化が懸念されている。
大塚家具 (東京都江東区 http://www.idc-otsuka.jp/ ) は1月28日,大塚久美子取締役(46)が社長に,大塚勝久会長兼社長(71)が会長に就任する人事を発表した。久美子氏は2014年7月に社長職を解任されたばかりであり,わずか半年で復帰するという,極めて不可解の人事である。創業者の大塚勝久会長兼社長(71)は,引き続き代表権を持ち会長に就いた。こ の異例な人事について,会社側は「経営管理体制の強化のため」,と告知している。
父娘の対立の根源は,経営を巡る考え方の違いがある。町の家具店から出発して一代で大塚家具を株式公開企業に育てた勝久氏にとって,大塚家具はあくまで「自分の会社」。自らの一存で物事を決めて何が悪いという超ワンマン経営者で知られる。 対して,一橋大学卒で,銀行に総合職として務めた才媛で,理論詰めの経営を貫く。久美子氏からすれば,株式を公開した以上,家業経営から脱却し,コーポ レートガバナンス(企業統治)を指向する。その為,独立性の高い社外取締役を増やして,家族経営を近代化したいと思っている様子だという。
このように,まったく反りの合わない父と娘である。「二人三脚など絶対にあり得ない」とし,勝久氏が会長にとどまる限り,久美子氏が経営の主導権を握ることは,難しいと消息通は見る。
久美子氏は勝久氏の長女。昨年7月に社長の久美子氏を解任し,勝久氏が社長を兼ねた。当時,この解任劇は経営方針を巡っての意見の対立の結果とみられていた。社長の座に返り咲いた勝久氏は消費増税対策として,ショールームへの来店促すテレビCMを積極展開,増収増益確保を図った。だが,客足は伸びず,2014年12月期の単独営業 損益が4年ぶりの赤字。この事態に危機感を持った久美子氏が経営体制の変革を求め,勝久氏がこれを受け入れたとの見方がある。
一連のお家騒動で退職者も出ているという。また,企業イメージの悪化は,消費者離れを招きかねない。勝久氏が実質的に引退して社長である久美子氏に全権を移譲しない限り,会社の明日はない,との厳しい見方も聞かれる。
参考記事 ⇒⇒ 週刊東洋経済新報 ⇒ 続報! 大塚家具、父娘「激突」の舞台裏 ⇒
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150125-00058372-toyo-bus_all
⇒⇒ 日経ビジネス ⇒ 大塚家具、前代未聞のドタバタの顛末 解任6カ月で前社長が復帰 ⇒
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150129/276882/?P=1
◆大塚家具--企業概要
総合家具小売りの大手。中高級品・輸入品に強み。独自の会員価格販売。全国に大型店を展開。1969年3月 株式会社大塚家具センターとして創業。
名称:株式会社 大塚家具 (ジャスダック 8186) OTSUKA KAGU, LTD.
本社:東京都江東区有明3-6-11
資本金:10億8,000万円
創業: 1969年3月
設立:1972年8月
代表取締役社長:大塚 久美子
取締役専務執行役員営業本部長:大塚 勝之
従業員:1,749名 (2013年12月31日現在)
⇒⇒開示情報 ⇒ 代表取締役の異動に関するお知らせ ⇒
http://www.idc-otsuka.jp/company/ir/tanshin/h-27/h27-1-28.pdf
⇒⇒開示情報 ⇒ 特別利益および特別損失の計上ならびに業績予想の修正に関するお知らせ
http://www.idc-otsuka.jp/company/ir/tanshin/h-26/h26-12-24.pdf
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┃★┃ 明 ジャパネットたかた ・ 移譲 次代を長男に託す
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ジャパネットたかたの高田明社長は,ハウステンボスの澤田秀雄社長との対談で,社長を長男で副社長の旭人氏に譲る事について,自身の胸中を次のように吐露している。
高田:私の場合は完全退任です。会長にも就かず,役職もありません。テレビ出演は1年前後をめどにやめますが,退任後も十分にアドバイスできる元気な年齢でもあるし。
この約29年間,世の中に貢献し,そのためにも利益を出すことを念頭に走り続けてきました。今では県内はもちろん全国,何千万人の方にメッセージを届けることができる環境に置かせていただき有り難いと思います。
ハウステンボスとは違って,顧客が見えない通信販売業という世界でも「心を通わす」ということは一緒。新体制もこの理念を大切に,100年,200年続く企業に向けてしっかりやってくれると思います。
>>>高田社長は今年,社長の座を長男に譲られます。後継者育成という点で気掛けていることは。
高田: 私は,背中を見せて「付いてこい」と走り続けてきた人生なんですが,売上高が千億円を超えて,社員が増えてきたら組織という仕組みを作り,任せないといけない。その点,副社長は仕組みをつくることが上手い。
>>>今年退任される高田社長にとっても,新しい出発点とも言えますね。
高田:ここ数年,社員には「変化に対応しよう」と言っていましたが,今は「変化対応」とは言わない。対応しようとした時は遅れている。だから「変化を創り出す」ということが大切だと実感しています。先読みできる洞察力が必要なんです。
澤田さんがおっしゃるようにロボットというのは,まさしく変化を読んで創り出しておられるんだろうと思います。さっきの世阿弥の「秘すれば花」には,常に 秘するものを持ち続けて,出し続けていくことが,変化を創り出していくこと。そういう思想が込められていると思います。
でも,成長するばかりが幸せでもない時代。これからは「価値観の考え方」も日本という国は求められてくる気がします。経済大国として世界を引っ張ってきましたがこれからは,世界3位,4位となっていくのかもしれません。
それはそれでいい。少子高齢化で人口が減ったら「もっと濃度の濃い,世界一幸せな住みやすい国にしていこうよ」という前向きな発想が大切。これは政治主導 かどうか分かりませんが,企業も,そういう価値観を新しくつくっていくことが求められる。それは,生きがい,絆がないとできないものでもあるんです。
出典:長崎新聞 http://www.nagasaki-np.co.jp/bigtaidan/index.shtml
⇒⇒ 新生ジャパネット 開幕セール ⇒ http://www.japanet.co.jp/shopping/sale/index.html
「社長、辞めます! 」 ジャパネットたかた 激闘365日の舞台裏 | |
1986年に長崎県佐世保市で誕生したときは街の小さなカメラ店だったジャパネットたかた。 それがラジオ通販やテレビ通販へ進出したのをきっかけに、日本を代表する通販企業へと成長。 しかし、2011年、12年は2期連続の減収減益に沈む。家電エコポイント制度終了や地デジ完全移行の影響を受け、 全体の5割強を占めていた主力商品、テレビの売り上げが最盛期の5%まで落ち込んだからだ。 この状況を脱しようと高田社長は13年、とんでもない秘策を打ち出す。 主力商品の売り上げが95%減とほぼ消滅する中、高田社長はどう社員を鼓舞し、業績を立て直したのか。 社員は目標達成に向け、13年をどう戦い抜いたのか。そして高田社長の去就は――。激闘の365日を振り返る。 |
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■高田社長に取材した人気連載を集大成 テ レビショッピングでおなじみ「ジャパネットたかた」の高田明社長への取材を続けてきた著者が、『日経ベンチャー(現・日経トップリーダー)』などに執筆 したインタビュー記事を集大成。「話す」「見せる」「考える」「実行する」などビジネスの原則について、高田社長が自ら語った貴重な1冊。「ブランド・ ジャパン2010」における高田社長の講演録も収録。 |
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