2017年の春に九段の昭和館で行われた、
『ポスターに描かれた昭和 高橋春人の世界』展
(この記事の投稿時点では既に終了しています)
で展示されたポスターに感動。
高橋春人『たのむぞ石炭』
実は、展示は実際に見ていませんが、
路面の案内板に掲示されていたポスターに目が釘付けです。
シンプルなコピーとイラストで構成されたポスターは、
戦中から戦後にかかて、
公共広告を数多く手がけた高橋春人の作品。
インパクト強すぎのリード、
「たのむぞ」だけを赤の太明朝にし、
「石炭」を裾広がりのゴシックでまとめた、
フォント処理の素晴らしさ!
そして、必要な部分だけを的確に抽出したイラスト。
色、バランス、配置、全てが一体となって、
素晴らしい作品に仕上がっていると思います。
当時石炭がいかに重要だったかを、
ひしひしと感じます。
ところで、この片手を口元に当てて、
口を大きく開けるポーズを見て、
あるポスターを思い出しました。
ロトチェンコ『あらゆる知についての書籍』
画像は、ロシアのデザイナー、ロトチェンコの、
『あらゆる知についての書籍』と題された1924年のポスター。
叫んでいる口から吹き出しているのは、
「本」という意味のロシア語です。
ロトチェンコは、
ロシアアバンギャルドと呼ばれる芸術運動に所属し、
絵画、写真、建築など、多くの媒体を通して作品を残した作家。
特に20年代には、詩人マヤコフスキーのコピーとともに、
数多くのプロパガンダポスターを制作しています。
口元に片手をあて、口を大きく開けて叫ぶポーズは、
まさにたのむぞ石炭の兵士のポース。
高橋春人が、このポスターを見ていたことは明らかですね。
ポスターとしての完成度は、
明らかにロトチェンコに軍配。
しかし、横顔だった構図をほぼ正面の構図にし、
ロトチェンコのご機嫌な眼差しを、
切迫感ある眼差しに変更するなど、
単なるパクリを越える工夫を凝らして、
ロトチェンコより訴求力を高めているのは素晴らしいと思います。
「本ー!」と叫ばれてもピンときませんが、
高橋のポスターは、
「よっしゃ、任せてくれ!」と返したくなります。
『ポスターに描かれた昭和 高橋春人の世界』展
(この記事の投稿時点では既に終了しています)
で展示されたポスターに感動。
高橋春人『たのむぞ石炭』
実は、展示は実際に見ていませんが、
路面の案内板に掲示されていたポスターに目が釘付けです。
シンプルなコピーとイラストで構成されたポスターは、
戦中から戦後にかかて、
公共広告を数多く手がけた高橋春人の作品。
インパクト強すぎのリード、
「たのむぞ」だけを赤の太明朝にし、
「石炭」を裾広がりのゴシックでまとめた、
フォント処理の素晴らしさ!
そして、必要な部分だけを的確に抽出したイラスト。
色、バランス、配置、全てが一体となって、
素晴らしい作品に仕上がっていると思います。
当時石炭がいかに重要だったかを、
ひしひしと感じます。
ところで、この片手を口元に当てて、
口を大きく開けるポーズを見て、
あるポスターを思い出しました。
ロトチェンコ『あらゆる知についての書籍』
画像は、ロシアのデザイナー、ロトチェンコの、
『あらゆる知についての書籍』と題された1924年のポスター。
叫んでいる口から吹き出しているのは、
「本」という意味のロシア語です。
ロトチェンコは、
ロシアアバンギャルドと呼ばれる芸術運動に所属し、
絵画、写真、建築など、多くの媒体を通して作品を残した作家。
特に20年代には、詩人マヤコフスキーのコピーとともに、
数多くのプロパガンダポスターを制作しています。
口元に片手をあて、口を大きく開けて叫ぶポーズは、
まさにたのむぞ石炭の兵士のポース。
高橋春人が、このポスターを見ていたことは明らかですね。
ポスターとしての完成度は、
明らかにロトチェンコに軍配。
しかし、横顔だった構図をほぼ正面の構図にし、
ロトチェンコのご機嫌な眼差しを、
切迫感ある眼差しに変更するなど、
単なるパクリを越える工夫を凝らして、
ロトチェンコより訴求力を高めているのは素晴らしいと思います。
「本ー!」と叫ばれてもピンときませんが、
高橋のポスターは、
「よっしゃ、任せてくれ!」と返したくなります。