第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。
取材で通った2004年〜2017年の約12年の間に、池島がどう変わったか。
今回は、「かあちゃんの店」の変貌です。
画像は2010年(平成22)に撮影した、
現在島内で唯一の食堂「かあちゃんの店」のメニュー前で微笑む、
“かあちゃん”こと脇山さん。
脇山さんは、炭鉱操業時に、
港の近くにあった協力会社(下請け)の独身寮「港寮」で、
まかないを作っていた方。
閉山後、島民からのたっての願いで、
かつての食料品小売センター(通称“市場”)の建屋内に、
飲食店「かあちゃんの店」を開店しました。
かあちゃんの店の食事の一部。
左上は、長崎名物ちゃんぽんで、お店では一番人気です。
左下は、ご飯とカツとスパゲッティの3種を、
様々な味付けのバリエーションでワンプレートに盛る、
長崎B級グルメのトルコライス。
かあちゃんの店では、ソース掛けトンカツにチャーハン、
それにケチャップ・スパゲッティの盛り合わせで、
トルコライスとしては、ちょっと変わり種です。
右上は定番的に美味しいオムライス。
そして右下の丼ものは甘い味付け。
最初に池島を訪れた2004年は昼過ぎから日帰り、
2005年は、まだ営業していた池島ストアで食料を購入したので、
かあちゃんの店へは行ってませんが、
2009年以降は常にお店を訪れ、なんらかの食事を食べてきました。
かあちゃんの店では、注文が入ってから作り始めるので、
食事ができ上がるまでけっこう時間がかかります。
その結果、常に店内の様子をいろいろと撮影してしまうわけですが、
では、かあちゃんの店の何が変遷しているのかというと、
実はメニューなんです。
画像は2010年(平成22)に撮影したメニューは、
値段毎に整然と色分けされたものでした。
そしてこれが2012年(平成24)のメニュー。
冷やし中華や各種セットがなくなり、
値段もいくつかの料理で50円アップしています。
もちろん、ご覧になっておわかりのように、用紙も別のものに。
画像は2014年(平成26)のメニュー。
用紙に色がなくなってしまいました。
値段もこの時期、ほぼ全てのメニューが100円アップしています。
その原因は聞いてませんが、
おそらく観光客が増加したのと、
閉山後の2007年に島内に設立された、
池島アーバンマインという都市鉱山の企業が閉鎖し、
島内に会社員がいなくなってしまったことが、
原因ではないと思います。
変化したところでは、セットメニューが復活したこと。
ただし2010年のセットとは違うアイテムでのセットです。
ところでこの“セット”というメニューですが、
一度も注文したことがないので、何とのセットかわかりません。
セットを注文された方がいらっしゃたら、
教えて頂けたら嬉しいです。
そしてこれが2017年(平成29)のメニュー。
ピンクの吹き出しの形で、色は付きましたが、
雑然と並んでいて、ちょっと見にくなってしまいました。
変化したところでは、
3,000円のオードブルや、カツのみ、唐揚げのみ
などのメニューが増えたことでしょうか。
7年間で最も値上げしたのはオムカレーの150円アップ。
逆に50円アップで頑張っているのが、
焼そばや焼うどん、野菜炒めや親子丼、そしてカレーライスや焼き飯です。
ちなみに2010年から常にある「チャーハン」と「焼き飯」。
値段も違いますが、この違いもわかりません。
以前に一度注文したことがあるのは、たぶんチャーハンだった思います。
これも両方を注文された方がいらっしゃたら、
教えて頂けたら嬉しいです。
ずっと変わらないのは上部の「かあちゃんの店♥♥♥」ですね。
■追記(2017年7月18日)
その後、知り合いのT氏が池島にいたので、
上記の謎メニューを解明してもらいました。
まず「チャーハン」と「焼き飯」の違いは、
卵入りがチャーハン、卵なしが焼き飯だそうです。
以前に注文したのは卵入りだったので、
すなわちチャーハンだとがわかりました。
またセットメニューというのは、
ご飯、みそ汁、お新香が付くいわゆる定食。
となると「〜弁当」との違いは?
■
“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
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