黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

軍艦島と池島のトークセッション開催

2018-06-26 16:03:05 | 池島炭鉱


一つ前の記事でもお伝えした、
世界遺産の軍艦島と、九州最後の炭鉱、池島を1日で巡る、
究極の産業遺産ツアー「池島散策&軍艦島周遊ワンデイツアー」を書籍化した、
『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』の発売記念トークイベントを、
2018年7月16日(海の日)の16:00から紀伊国屋書店新宿本店(9階イベントスペース)で開催!

書籍に企画と写真で参加頂いた酒井透氏とともに、
池島を中心にしたトークセッションです。

■『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』
発売記念トークセッション&サイン会
黒沢永紀(軍艦島伝道師)×酒井透(秘境探検家)■

※予約電話番号は03-3354-0131(10:00〜21:00)

詳しくはこちら>紀伊国屋さんイベントページ

『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』発売

2018-06-26 15:17:32 | 池島炭鉱


新刊のご案内です。
すでにいくつかの記事でお伝えして来た、
『池島散策&軍艦島周遊ワンデイツアー』
が本になりました。

『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』(筑摩書房)です。
ツアーに参加された方の補足はもとより、
これから参加予定の方の予習にも、
ツアーに参加されない方もヴァーチャルにツアーを楽しめ、
ツアーに関係なくても楽しめるように構成しました。

CXのココ調のコーナーでも取り上げられた新しいツアー。
写真には、秘境探検家の酒井透氏も参加した、
大判B5のオールカラーです。
ぜひご覧になって下さいませ。







目次をご覧になっておわかりのように、
ツアーで見学するポイント以外に、
軍艦島と池島の非公開エリアもふんだんに掲載。
さらに、ツアー以外の時間を過ごす、
長崎市内の食案内から夜景ポイント、
そしてインスタ映えスポットまで、
私が15年通った長崎の集大成でもあります。







冒頭はツアーの概要。
わざわざ軍艦島と池島の2島を巡る理由から、
ツアールートや催行会社の紹介まで、
ワンデイツアーのあらましです。







メインコンテンツは池島から。
ツアールートに沿って島をヴァーチャルに歩きながら、
中を見られない施設もそろぞれ補足。
特に坑道見学は、その行程に沿って完全紹介。







軍艦島は、周遊で見られる施設を中心に、
その歴史や内部を公開。
後半には、周遊時の撮影に効果的な、
望遠レンズの比較も掲載しています。







また、船上からはその外観しか見られない、
長崎港に点在する数々の遺産群も、
非公開施設の内部を含めて掲載。
長崎の遺産群が、すべて軍艦島と深い関係にあることが、
お分かり頂けると思います。







これはワンデイツアーの船内ガイドでもお話させてもらってますが、
軍艦島と池島の比較ページ。
それぞれテーマ毎に軍艦島と池島を比較することで、
炭鉱から生活まで、その違いがはっきりと見えてくることと思います。







また、
数年前にオープンし、そのご進化し続ける、
体感型ミュージアムの「軍艦島ディタルミュージアム」も徹底取材。
全フロアの紹介からその楽しみ方まで、
もはや軍艦島の補足を越え、
それだけで体験といえるまでに進化したミュージアムの全貌です。







ツアー以外の時間を過ごす長崎市内の食案内は、
ご当地メニューを中心に、「地元の人が薦める」ではなく、
東京人の私が美味しいと思ったものをチョイス。
国内でも特殊な文化をもつ長崎グルメをご紹介。







世界新三大夜景のひとつに認定された長崎の夜景。
有名な稲佐山はもとより、それ以外のスポットも紹介。







最後は、テーマ別にまとめたインスタ映えスポット集。
撮影を通して、
和華蘭(=よくわからない)文化といわれる長崎の異国情緒溢れる文化に
触れて頂ければと思います。



『軍艦島 池島 長崎世界遺産の旅』筑摩書房

文・構成:黒沢永紀/写真:酒井透、黒沢永紀
B5ソフトカバー/160ページ/オールカラー/税抜1,800円

↓お申し込みはこちら
amazon

軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー 3月催行リポ(前編)

2018-04-01 03:47:02 | 池島炭鉱


前回の投稿でお知らせした『軍艦島周遊と池島炭鉱ワンデイツアー』
3月分を無事催行しました。

と言っても、初日の3/21はあいにくの悪天候で3/24へ延期。
このへんが船でのツアーの難しいところですね。







初日の3/22は前日の風が残り、
午前中はかなり船が揺れて、軍艦島の撮影にもひと苦労でした。
それしても軍艦島の外観は、いつみても圧巻。
続く3/23と3/24は好天となり、
快適な船旅となったのでホットしています。







昨年、試験的に行った時より出航を1時間早め、
10:30頃には池島へ到着です。
そして午前中は、ガイド付での散策。
池島港から昼食会場の「かあちゃんの店」まで約1時間半、
島の主要な見学ポイントを巡ります。

まずは、もともと池だった池島港の話から。
島内では、元島民だった森山ガイドが大活躍です。







港を出発して発電所などを見ながら、
やがて歓楽街のあった郷地区へ。

アップダウンの激しい島内で歩きやすいように、
ツアーでは、身長に合わせて伸縮できるステッキポールを用意しています。







かつての歓楽街を見学するお客さま方。
最初に池島を訪れた15年前は、しっかり残っていたスナック街も、
現在ではかなり崩壊が進んでいます。







歓楽街から炭鉱アパートエリアへ移動。
かつての炭鉱風呂や初期に建設されたアパート群、
そして独身寮など、池島の生活の中心地を見学します。







午前中のガイド付散策の最後は、
炭鉱のシンボル「立坑櫓」が見える展望台で最後の話。
森山ガイドは島内のいろいろな施設でお仕事をされていたので、
いずれも貴重な話ばかりです。







お昼ご飯は、かつて独身寮で賄いを作っていた、
かあちゃんこと脇山さんの「かあちゃんの店」で。
早朝からの船旅と島内の散策で、
みなさんお腹がすかれたことでしょう。
もくもくと召し上がっています。







献立は、単身者に一番人気だった鳥の唐揚げ、
かあちゃんの店での人気メニューの皿うどん、
そして池島で採れたツワブキの甘辛煮浸し。
このツアー用にかあちゃんが作ってくれる、
オリジナルメニューの「池島定食」です。



4月以降の日程はこちら。

4月20日(金)21(土)22(日)
5月19日(土)20(日)21(月)
7月27日(金)30(月) 
8月23日(木)25(土)27(月)
9月22日(土)23(日)24(月) 

お申し込みははこちらから↓

軍艦島コンシェルジュ『軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー』

軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー 3月分催行!

2018-03-19 19:43:05 | 池島炭鉱


以前にお知らせした『軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー』。
今週から3月分の催行です!
3月は、21日(水)22(木)23(金)の3日間。
21日は祝日ということもあって既に満席を頂いてますが、
22日と23日はまだまだ余裕がありますので、
お近くの方や九州の方など、是非ご参加下さい!







出航は、長崎港の南寄りにある常盤桟橋。
昨年は、10時出航でしたが、
今年からは池島での散策時間を多くするために、
午前9時の出航です。

船は、以前にもお伝えした通り、
軍艦島の上陸ツアーを催行する軍艦島コンシェルジュのマーキュリー号。
150人乗りでスタビライザー付の高速船は、
揺れにも強くて、船酔いが心配な方にも安心です。







常盤桟橋を出航して最初に見えて来るのは、
長崎港に点在する世界遺産群。
三菱長崎造船所にある、
同時代のもので世界唯一稼働するジャイアントカンチレバークレーンや、
明治時代に建造された巨大造船ドックの第三船渠など、
現役施設のために、間近で見学できない世界遺産を、
船上から堪能します。








軍艦島の最大のウリ、外海側の炭鉱アパート群は、
観光上陸でも結局船上からしか見られないので、
このツアーでは周遊でじっくりと見学。
その後、マーキュリー号で一路池島へ。







池島島内ツアーの前半は、ガイド付見学。
フォトジェニックな火力発電所や、
炭鉱操業時から残る木造炭住などを見て回ります。







午前中の後半は、かつての歓楽街。
廃墟となった数々のスナックや飲食店に、
かつての繁栄を追憶します。







お昼ご飯の後は、各自散策マップを片手に自由散策の時間。
旧ソ連時代の建物のような外観が印象的な8階建ての炭鉱アパートは必見。
軍艦島ほどではないにせよ、
土地の狭い離島炭鉱の特色を良く現しています。







池島見学の最後は、トロッコに乗って入坑する、
実際に使われていた坑道の見学。
国内に残る炭鉱跡で、
トロッコに乗って実際の坑道を見学できるのはこの池島だけ。
坑内では、元炭鉱マンが丁寧に説明をしてくれます。







また坑内では、実際に使われていた各種機器の、
模擬運転の体験もできます。
岩盤に穴を開ける穿孔機や石炭を削り取るドラムカッターなど、
地底産業のリアル体験は、貴重な思い出になると思います。

近代化の歴史が眠る軍艦島、
そして実際に炭鉱街を体感できる池島。
炭鉱アパートエリアへ入れない軍艦島も、歴史が浅い池島も、
どちらも一つでは片手落ち。
二つの炭鉱を巡ることで、
長崎の産業遺産を満喫して頂けると思います。

軍艦島に行かれたことのある方はもちろん、
池島だけいかれたことのある方も、
そしてどちらもまだ行かれていない方も、
この機会にぜひご参加下さいませ。



4月以降の日程はこちら。

4月20日(金)21(土)22(日)
5月19日(土)20(日)21(月)
7月27日(金)30(月) 
8月23日(木)25(土)27(月)
9月22日(土)23(日)24(月) 

お申し込みははこちらから↓

軍艦島コンシェルジュ『軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー』

軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー 2018

2018-02-05 04:53:49 | 池島炭鉱


昨年の秋に催行した、軍艦島と池島炭鉱を1日で巡る、
『軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー』。
昨年はモニターもかねて3回でしたが、
おかげさまでご好評をいただき、
今年は春から秋にかけて、大幅に増便しての催行となりました。

3月21日(水)22(木)23(金) 
4月20日(金)21(土)22(日)
5月19日(土)20(日)21(月)
7月27日(金)30(月) 
8月23日(木)25(土)27(月)
9月22日(土)23(日)24(月) 







運行会社をはじめ、行程や見学ルートなどは昨年と同じです。
船は、軍艦島の上陸ツアーを催行する軍艦島コンシェルジュのマーキュリー号。
150人乗りでスタビライザー付の高速船は、
揺れにも強くて、船酔いが心配な方にも安心です。

軍艦島の最大の魅力である住宅棟群は、
軍艦島上陸ツアーでも船上からの見学だけなので、
このツアーでは、その美味しい所だけをピックアップ。
軍艦島を周遊して住宅棟群を間近で満喫したあとは、
一路池島炭鉱跡へ。







池島炭鉱は21世紀まで操業していた九州最後の炭鉱。
日本の資源産業の最後の時代を生き残るために、
究極のハイテク設備が投入された炭鉱は、
“海底の大工場”とよばれていました。
炭鉱のシンボル、立坑櫓から石炭の生産工場、
そして炭鉱住宅街まで総ての施設が遺るのは、
この池島だけです。







軍艦島と違って、池島では、
炭鉱アパート群から歓楽街まで、炭鉱街のほとんどのエリアへ、
実際に入ることができます。
島の自然とコンクリのアパート群、
そして鉄の炭鉱施設が三位一体となって生み出す類を観ない異空間は圧巻。







池島散策の最後には、炭鉱の坑道見学も。
実際に使われていた坑道を、
これまた実際に使われていた機関車に乗っての入坑見学ができる炭鉱は、
日本で唯一、この池島だけ。
暗く、そして湿度の高い炭鉱のリアルな作業現場を体感できます。



近代化の歴史が眠る軍艦島、
そして実際に炭鉱街を体感できる池島。
炭鉱アパートエリアへ入れない軍艦島も、歴史が浅い池島も、
どちらも一つでは片手落ち。
二つの炭鉱を巡ることで、
長崎の産業遺産を満喫して頂けると思います。

軍艦島に行かれたことのある方はもちろん、
池島だけいかれたことのある方も、
そしてどちらもまだ行かれていない方も、
この機会にぜひご参加下さいませ。

詳しくはこちら↓

軍艦島コンシェルジュ『軍艦島周遊&池島炭鉱ワンデイツアー』

※アップ当初、リンクが間違っていました。2/7訂正済み

「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」モニターツアーリポ

2017-10-09 23:46:37 | 池島炭鉱
前回の記事でお知らせした、軍艦島と池島を1日で満喫できる、
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」。
去る2017年9月29日に先行してモニターツアーを行いました。
そのリポートです。

「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」軍艦島デジタルミュージアム
軍艦島デジタルミュージアム

09:00 軍艦島デジタルミュージアムに集合。
出航前にツアーの諸説明をしたあと、
約30分の短い時間ながら、
軍艦島デジタルミュージアムを見学。
(ミュージアム入館料はツアー料金に込み)





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」常磐桟橋
常磐桟橋

10:00 常盤桟橋出航
運行船舶は軍艦島の観光上陸を行う、
軍艦島コンシェルジュ所有のマーキュリー号(定員140名)。
池島の坑道見学の人数の関係で、当面最大50人でのツアー。
モニターツアーには長崎の新聞社やテレビ局、
また旅行代理店やホテルの方々等、
30名余の方々にご参加頂きました。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」マーキュリー号
マーキュリー号の船内

10:15 長崎港内
長崎港内では、長船の所有する世界遺産を中心に、
造船所、グラバー、戦艦武蔵などと炭鉱の深い繋がりについて解説。
女神大橋を越えたら、軍艦島の過去についての解説です。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」軍艦島周遊
軍艦島周遊

10:30 軍艦島周遊
軍艦島の主要な見所である住宅棟は、
上陸ツアーでも船上からの見学なので、軍艦島は周遊のみ。
島をゆっくりと一周して、
鉱業所や住宅棟のポイントをとりあげながら解説。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」一路池島へ
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」一路池島へ

11:00 角力灘
船内では、軍艦島の現在と未来を話して一旦休憩。
その後池島へ到着するまで、軍艦島と池島を対比しながら、
池島炭鉱の基本を知って頂きます。

軍艦島周遊後は一路池島を目指して航行。
マーキュリー号はスタビライザー付なので、
揺れに強く、船酔いも安心。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島島内案内
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島島内案内

12:20 池島散策開始
かあちゃんの店で昼食(ツアー料金内)後、
島内の散策開始です。
※人数が多い場合は二班に別れ、
約30分の散策先行組もあり。
ガイドは私と元島民であり、
軍艦島コンシェルジュで長年ガイドを勤める森山さん。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島住宅棟群
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島住宅棟群

12:30 住宅棟エリア
学校や8階建てを中心に、
私黒沢が池島の炭鉱住宅の特徴や構造などを説明。
そして森山さん、
が島民ならではのリアルな思い出を交えた話をしながら進行。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島展望台
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島展望台

12:50 展望台
展望台からは第二立坑と蟇島を眺望。
第二立坑の深さや役割、
そして蟇島のはるか沖合まで海底坑道が掘られていた説明など。
森山さんは第二立坑事務所の売店でお仕事をされていたので、
その思い出や入坑体験、
そして知人が事故で亡くなった話などで泣かせてくれます。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」炭鉱住宅内覧
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」炭鉱住宅内覧

13:10 炭鉱住宅内覧
坑道見学を運営する三井松島リソーシスの方のご協力で、
実際に使われている炭鉱住宅のお部屋を内覧。
午前中からの坑道見学に組み込まれた、
鉱員住宅よりはるかにゴージャスな職員住宅で、
職階の差を実感してみるのもいいと思います。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」パチンコ店跡
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」パチンコ店跡

13:30 新店街〜郷地区
住宅棟の中を徒歩で移動。
炭鉱風呂や独身寮、商店街跡などをまわって、
中央会館という宿泊施設でちょっと休憩。
その後、炭鉱進出前から人が住んでいた郷地区へ。
郷地区ではパチンコ店跡やスナック跡を見学して、
かつての賑わいを想像体感。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」郷地区
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」郷地区

13:40 郷地区下部
郷地区の下部では、江戸時代から炭鉱進出前の池島の話。
かつての角打の店やスナック跡などを見学。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」坑内見学
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」坑内見学

14:30 坑道見学
その後、坑内見学の準備をして入坑。
いよいよ炭鉱の坑道見学の時間です。(ツアー料金内)
坑道見学は、元池島で働いた炭鉱マンの方々がガイド。
暗く湿度の高い実際の坑道で、
石炭の採掘機器やダイナマイト用の孔を掘る削岩機の、
運転体験もあります。





「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島まんじゅう
「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」池島まんじゅう

15:20 見学終了
坑道見学終了後、記念撮影をして、少し自由行動。
池島まんじゅう(ツアー料金内)が、
歩き疲れた胃に染み込みます。
16時過ぎに池島港を出航して一路長崎港へ。



以上「軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー」の、
モニターツアーのリポートでした。

実際の運行は、今年度は10月21日(土)と11月11日(土)の2回。
今回のモニターツアーでのご意見を参考に、
より皆様にご満足頂けるツアーにしていきたいと思っています。



お申し込みは以下へ。

軍艦島コンシェルジュ

軍艦島コンシェルジュ/オフィシャルサイトのトップページにある、
上のバナーをクリック。
PDFをダンロードして、お申し込み下さい。

軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアー開始

2017-09-26 03:34:33 | 池島炭鉱
今年の春に上梓した『池島全景〜離島の異空間』の発売を記念して、
軍艦島周遊&池島散策ワンデイツアーを実施いたします。
いまのところ、10/21日(土)と11/11(土)の2回を予定。

池島へは行きたいけど、
遠くて大変だなぁ〜と二の足を踏んでおられた方へ朗報です。

従来、長崎市からバスと船を乗り継いで、
約3時間かかっていた池島行。
今回のツアーでは、長崎港から出航した船で、
そのまま池島へ向います。
軍艦島から池島へ、船で行けばなんと45分!
ツアーのタイトル通り、
1日で軍艦島と池島の両島を巡れる企画です。

軍艦島&池島ワンデイツアーの航行ルート
軍艦島&池島ワンデイツアーの航行ルート

午前10時頃に長崎港を出航し、まずは軍艦島へ。
軍艦島を周遊したのち、一路池島を目指します。
午後めいっぱい、池島を満喫して頂き、
再び同じ船で長崎港へ帰港する楽チンツアー。





軍艦島コンシェルジュ/マーキュリー号
軍艦島コンシェルジュ/マーキュリー号

出航は長崎港の常磐桟橋から10:00頃。
船は軍艦島上陸ツアーで知られる、
軍艦島コンシェルジュ所有のマーキュリー号。
定員140名の高速船です。





軍艦島周遊
軍艦島周遊

一部の見学路からしか見学できず、
最も魅力的な住宅棟群は、上陸見学でも周遊のみ。
ならいっそ、最初から周遊でもいいでしょう。
林立する凄い住宅棟群を見た後は、
一路池島を目指します。





池島炭鉱:かあちゃんの店のちゃんぽん
池島炭鉱:かあちゃんの店のちゃんぽん

池島へ着いたらまず昼食です。
かつて独身寮でまかないを作っていた、
かあちゃんがきりもりするかあちゃんの店で、
絶品のチャンポンを。





池島炭鉱の8階建てアパート
池島炭鉱の8階建てアパート

昼食後は、池島島内の散策です。
その外観が特徴的な8階建てアパートや学校などを巡りながら、
唯一無二の異空間を体感。





池島炭鉱の現役の炭鉱アパートの部屋
池島炭鉱の現役の炭鉱アパートの部屋

コースの途中では、実際に今でも使われている、
現役の炭鉱マンのアパートも見学します。





池島炭鉱の坑道見学
池島炭鉱の坑道見学

そして最後に、実際に使われていた坑道見学。
暗くて湿度の高い炭鉱の坑道で、
地底産業の過酷さを体感しながら、
石炭掘削機の運転体験などもあります。

坑道見学のあとは出航まで自由時間。
16:00過ぎに池島港を出港し、
長崎港へ17:00頃の帰港を予定しています。



なお、池島炭鉱の坑道見学以外、
すべて私がメインでナビゲートさせて頂きます。

料金はお一人様9,500円。
高価な印象だと思いますが、一般の交通機関をそれぞれ使った場合、
軍艦島周遊が3,000円、バスが往復で2,020円、フェリーが往復で880円
そして池島の坑内見学が2,680円で、
合計8,580円かかります。
なにより、一般交通機関では、
1日で軍艦島周遊と池島の見学は不可能です。
そう考えると、お得なツアーといえるのではないでしょうか。

ぜひこの機械に、ご参加くださいませ。



詳細は以下へ。

軍艦島コンシェルジュ

軍艦島コンシェルジュ/オフィシャルサイトのトップページにある、
上のバナーをクリック。
PDFをダンロードして、お申し込み下さい。

池島炭鉱:鉱業所病院

2017-06-18 23:11:33 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

池島鉱業所病院は、池島炭鉱が営業を開始した、
1959年(昭和34)に開業した総合病院。
1964年(昭和39)に現存するRC2階建ての建屋に改築され
以降閉山まで、池島の島民の健康を守った、
会社が運営する病院でした。
RC2階建ての建屋内には、ベッド数51床をはじめ、
外科から内科、小児科から歯科まで、
現代の総合病院と比べても、遜色のない充実の病院です。

池島炭鉱/鉱業所病院

書籍『池島全景』内に掲載した病室は、
ベッドが綺麗に並ぶ光景ですが、
病室によってはシーツ等の処理が適当で、
暗がりで見ると、ちょっとビックリする病室もあったり。





池島炭鉱/鉱業所病院

診察室にはカルテをはじめ、多くの書類も残っていて、
さらに室内や調度が綺麗なため、
掃除をすればすぐにでも使えるような印象です。





池島炭鉱/鉱業所病院

2002年春のカレンダーが残っているということは、
閉山後もしばらくは運営されていたのでしょう。
現在では、裏手にある小さな診療所が、
長崎市によって運営されています。





池島炭鉱/鉱業所病院

院内に残されていた雑誌のグラビア。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、
まだ活動はされているようですね。
孤独のグルメseason6の長崎飯店の回に、
若女将役で出演されていたのが記憶に新しいです。





池島炭鉱/鉱業所病院

診察準備室に残っていたVHSビデオ。
そりゃあ、確かに病院ですが。。。(^◇^;)


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
『池島全景 離島の《異空間》』絶賛発売中!!


『池島全景 離島の《異空間》』長崎新聞で紹介

2017-06-16 15:37:33 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)が、
本日(2017年6月16日付)の長崎新聞で紹介されました。

池島炭鉱/長崎新聞の池島全景紹介記事
※画像クリックで拡大
※リンク記事はいずれなくなると思うのでキャプチャをアップしておきます。

在京の長崎の方々とお話すると、
池島自体をご存知なかったり、
また名前はしっているものの、場所がわからないとか、
21世紀まで操業していたことをご存知なかったりと、
その認知度の低さを痛感します。

長崎新聞への掲載で、
長崎の方々にも、池島をもっと知って頂けたらと思います。


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
『池島全景 離島の《異空間》』絶賛発売中!!


池島炭鉱:ボタ運搬軌道跡

2017-06-15 11:48:12 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

ボタの運搬軌道跡。

池島炭鉱/ボタ運搬軌道跡

画像は、池島のほぼ中央、
外海行政センター池島事務所のすぐ横の県道に、
小さな架道橋があります。
右手奥に写る排気立坑ともに、
池島の中ではフォトジェニックな場所の1つですが、
この架道橋は、ボタを運搬していた軌道の架道橋です。

「ボタ」とは「硬」とも書き、
採掘した石炭の中に混入する岩石等の不要物のこと。

池島炭鉱の場合、
地上に運び出された石炭からすぐにボタを取り除き、
このボタ運搬軌道で、ボタの埋め戻し区域へ運ばれていました。





池島炭鉱/ボタ運搬軌道跡

オレンジ色の点線がボタの運搬軌道。
右端が地上に運び出された石炭からボタを分別して、
ボタ用のトロッコに搭載するスタート地点。
そこから中央会館や学校の裏手を通って、
左端の第二埋め戻し区域まで運ばれ、
海側へ放出されていました。





池島炭鉱/ボタ運搬軌道跡

画像は、島内唯一の宿泊施設「池島中央会館」の裏手から、
郷地区の共同墓地へ通じる細道の架道橋。
金網の奥が、ボタ運搬軌道の跡です。





池島炭鉱/ボタ運搬軌道跡

軌道跡は画像のように、
ベルトコンベアのゴムを切り刻んだもので覆われています。
軌道を守るためとのことですが、
これがなかなかに重く、ちょっとやそっとでは剥がせません。
しかし、ということは軌道は綺麗に残っているということなので、
整備して、足踏みトロッコで走れるようにしたら愉しいと思います。





池島炭鉱/ボタ運搬軌道跡

植物の繁殖が激しく、先へ行くのは断念しましたが、
海上から見ると、軌道跡と思われる場所がはっきりとわかるので、
まだ全行程、残っているのだと思います。
矢印の一番右端の位置が、外海側へボタを放出していた場所。
ただし単線なので、
一度に何組も行くことができないのがネックかも知れませんね。


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
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池島炭鉱十年の変貌 09その他の変遷

2017-06-13 05:51:42 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

取材で通った2004年〜2017年の約12年の間に、池島がどう変わったか。
今回は、これまでアップして来たもの以外の変貌です。

■長崎市設池島総合食料品小売センター(市場)■

池島炭鉱/長崎市営総合食料品小売センター内

画像は、昨日アップした「かあちゃんの店」が入店する、
長崎市営総合食料品小売センター(通称“市場”)の2010年(平成22)の様子。
この頃は、まだ壁際の店舗が営業していました。
池島炭鉱の母体である三井松島産業のスーパー事業部が運営した、
パインスーパーの流れを汲むもので、
店名のパインは、松島の「松」から付けられたのでしょう。





池島炭鉱/長崎市営総合食料品小売センター内

パインも2013年(平成25)には閉店し、
市場内で営業する店舗は「かあちゃんの店」だけとなりました。
そのおかげで、かつて行商が店を並べたスペース全部が、
かあちゃんの店の食堂となったわけですね。





■池島ストア(商事)■

池島炭鉱/池島ストア

かあちゃんの店が入店する市場の目の前に、
かつては巨大スーパーの「池島ストア」がありました。
大島炭鉱の厚生課から独立した大島商事(のちのマツシマ商事)が運営したことから、
通称“商事”と呼ばれていたスーパーです。
画像は2005年(平成17)の池島ストア。
左手前の焼鳥コーナーの提灯が灯っていることからお判りのように、
この時代は、1階だけですが、まだ営業していました。





池島炭鉱/池島ストア

そしてこれが2014年(平成26)。
商事の建屋は完全に解体され、現在では更地になっています。
炭鉱時代に島内で最大だったスーパーがなくなってしまったのは、
かつての池島の繁栄を知る手がかりが、
一つなくなってしまった、ということかもしれません。





■廃車■

池島炭鉱/アパート中庭の廃車

画像は2005年(平成17)に、6棟の前庭にあった廃車。
ボンネットの中にも雑草が生い茂り、
余命幾ばくもない印象でした。
ところが…





池島炭鉱/アパート中庭の廃車

2015年(平成27)に同じ場所を見ると、
セイタカアワダチソウが繁殖して多少見えにくくなりましたが、
野ざらしのわりには、10年の経年変化を感じさせない存続っぷりです。
周囲の雑草が、劣化のスピードを遅くしたのでしょうか。





■高速船■

池島炭鉱/高速船<れぴーど>

画像は2009年(平成17)に撮影した、
佐世保と池島を結ぶ「れぴーど」号。
西海沿岸商船が運行する、定員202名の高速船です。
2009年といえば、
閉山後の池島活性化事業の一つだった池島アーバンマインが、
ちょうど操業を始めた頃。
島内には、作業員の方々かなりいたので、
定期船も大型のものだったのだと思います。





池島炭鉱/高速船<れぴーど2>

2015年(平成27)に池島港に停泊する高速船。
同じく西海沿岸商船が運行する「れぴーど2」。
似た様なルックスですが、こちらは定員92名。
半分以下の小ささです。
前述のれぴーどもまだ運行されているようですが、
最近では、れぴーど2しか見たことがありません。
池島アーバンマインが閉鎖され、
高速船の利用者も激減したのでしょう。

9回にわたってお届けしたきた、池島の十年の変遷。
10年というわりには意外と劣化の度合いは少ないようにも思います。
しかし、一つ一つの解体や崩壊が、
やがて多くのものを失うことにも繋がります。

何度もお伝えしてきましたが、
一度壊した施設、あるいは壊れた施設は、
二度と元へは戻りません。
それは、20世紀の日本を根底から支えた炭鉱という文化が、
消えてなくなってしまうことだと思います。


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
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池島炭鉱十年の変貌 08かあちゃんの店のメニュー

2017-06-12 18:11:56 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

取材で通った2004年〜2017年の約12年の間に、池島がどう変わったか。
今回は、「かあちゃんの店」の変貌です。

池島炭鉱/「かあちゃんの店」のメニューの前で微笑む脇山さん

画像は2010年(平成22)に撮影した、
現在島内で唯一の食堂「かあちゃんの店」のメニュー前で微笑む、
“かあちゃん”こと脇山さん。

脇山さんは、炭鉱操業時に、
港の近くにあった協力会社(下請け)の独身寮「港寮」で、
まかないを作っていた方。
閉山後、島民からのたっての願いで、
かつての食料品小売センター(通称“市場”)の建屋内に、
飲食店「かあちゃんの店」を開店しました。





池島炭鉱/「かあちゃんの店」の食事

かあちゃんの店の食事の一部。
左上は、長崎名物ちゃんぽんで、お店では一番人気です。
左下は、ご飯とカツとスパゲッティの3種を、
様々な味付けのバリエーションでワンプレートに盛る、
長崎B級グルメのトルコライス。
かあちゃんの店では、ソース掛けトンカツにチャーハン、
それにケチャップ・スパゲッティの盛り合わせで、
トルコライスとしては、ちょっと変わり種です。
右上は定番的に美味しいオムライス。
そして右下の丼ものは甘い味付け。

最初に池島を訪れた2004年は昼過ぎから日帰り、
2005年は、まだ営業していた池島ストアで食料を購入したので、
かあちゃんの店へは行ってませんが、
2009年以降は常にお店を訪れ、なんらかの食事を食べてきました。





池島炭鉱/かあちゃんの店の2010年のメニュー

かあちゃんの店では、注文が入ってから作り始めるので、
食事ができ上がるまでけっこう時間がかかります。
その結果、常に店内の様子をいろいろと撮影してしまうわけですが、
では、かあちゃんの店の何が変遷しているのかというと、
実はメニューなんです。
画像は2010年(平成22)に撮影したメニューは、
値段毎に整然と色分けされたものでした。





池島炭鉱/かあちゃんの店の2012年のメニュー

そしてこれが2012年(平成24)のメニュー。
冷やし中華や各種セットがなくなり、
値段もいくつかの料理で50円アップしています。
もちろん、ご覧になっておわかりのように、用紙も別のものに。





池島炭鉱/かあちゃんの店の2014年のメニュー

画像は2014年(平成26)のメニュー。
用紙に色がなくなってしまいました。
値段もこの時期、ほぼ全てのメニューが100円アップしています。
その原因は聞いてませんが、
おそらく観光客が増加したのと、
閉山後の2007年に島内に設立された、
池島アーバンマインという都市鉱山の企業が閉鎖し、
島内に会社員がいなくなってしまったことが、
原因ではないと思います。

変化したところでは、セットメニューが復活したこと。
ただし2010年のセットとは違うアイテムでのセットです。
ところでこの“セット”というメニューですが、
一度も注文したことがないので、何とのセットかわかりません。
セットを注文された方がいらっしゃたら、
教えて頂けたら嬉しいです。





池島炭鉱/かあちゃんの店の2017年のメニュー

そしてこれが2017年(平成29)のメニュー。
ピンクの吹き出しの形で、色は付きましたが、
雑然と並んでいて、ちょっと見にくなってしまいました。
変化したところでは、
3,000円のオードブルや、カツのみ、唐揚げのみ
などのメニューが増えたことでしょうか。

7年間で最も値上げしたのはオムカレーの150円アップ。
逆に50円アップで頑張っているのが、
焼そばや焼うどん、野菜炒めや親子丼、そしてカレーライスや焼き飯です。

ちなみに2010年から常にある「チャーハン」と「焼き飯」。
値段も違いますが、この違いもわかりません。
以前に一度注文したことがあるのは、たぶんチャーハンだった思います。
これも両方を注文された方がいらっしゃたら、
教えて頂けたら嬉しいです。

ずっと変わらないのは上部の「かあちゃんの店♥♥♥」ですね。

■追記(2017年7月18日)
その後、知り合いのT氏が池島にいたので、
上記の謎メニューを解明してもらいました。

まず「チャーハン」と「焼き飯」の違いは、
卵入りがチャーハン、卵なしが焼き飯だそうです。
以前に注文したのは卵入りだったので、
すなわちチャーハンだとがわかりました。

またセットメニューというのは、
ご飯、みそ汁、お新香が付くいわゆる定食。
となると「〜弁当」との違いは?


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
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池島炭鉱十年の変貌 07炭鉱アパート

2017-06-11 17:09:48 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

取材で通った2004年〜2017年の約12年の間に、池島がどう変わったか。
今回は、住宅棟関連の変貌です。

池島炭鉱/炭鉱住宅8階建て

画像は2005年(平成17)に撮影した炭鉱住宅の“8階建て”。
その名のごとく8階建てで、
池島の炭鉱住宅の中では最も高層の4棟である、
25棟、27棟、29棟、31棟をまとめてそう呼ばれています。

池島の鉱員アパートはいずれも、
戦後の公営住宅でよく建設された、
階段踊り場の両側に居室が一部屋ずつある、
いわゆる階段室型の構造で、
独身寮以外は全てこの形です。





池島炭鉱/炭鉱住宅8階建て

ほぼ同じ位置から撮影した2017(平成29)の様子。
パッと見はそれほど変わっていない印象をうけます。
手前2棟の、5階に施工された横移動できる渡り廊下の、
階段室部分の張り出しを覆っていたトタン壁がなくなったのと、
ガラスの割れた部分が多少増えたくらいでしょうか。
植物も成長しているようです。

一見、とても綺麗に見える8階建てですが、
池島炭鉱の人口増加期に突貫で建設された建物で、
施工がそれほど良くなく、
閉山後すぐに使われなくなったとのこと。





池島炭鉱/炭鉱住宅9棟

画像は2009年(平成11)に撮影した炭鉱住宅の9棟。
1棟〜17棟は最初期に建設された鉱員アパートで、
その壁面には、時間経過を感じさせるものとそうでないものが混在しています。
画像の9棟の壁面はとても50年経過した壁面とは思えないので、
途中で塗り直しがされたものでしょう。

ちなみに池島での炭鉱アパートは、
建物の番号に「棟」だけを付け、
「1棟」「25棟」「131棟」のように呼びます。





池島炭鉱/炭鉱住宅9棟

そしてこれが2017年(平成29)の9棟。
ご覧のように、ほぼ蔦で覆われました。
4階中央のベランダに残る洗濯機が、
かろうじて同じ棟であることを物語っています。
初期のアパートの中では、
この9棟だけが極端に蔦で覆われていて、
他の棟は殆ど覆われていません。





池島炭鉱/突堤の公営住宅

画像は選炭工場からみた2004年(平成16)の、
池島港の突堤に建ち並ぶ公営住宅群。
港の周辺に建つアパート群はいずれも公営で、
おもに協力会社(いわゆる下請け)の作業員とその家族が住んでいました。
選炭工場の建屋ですこしわかりにくいですが、
海に張り出した北側の突堤の上に、
ズラッと並ぶ公営住宅が見えます。





池島炭鉱/突堤の公営住宅

画像は2012年(平成24)に、選炭工場から見た突堤。
かつて整然と並んでいた公営住宅は、
7棟が2009年前後に解体され、
今では6棟のアパートが遺るばかりです。

突堤に建ち並ぶアパート群は、
池島を訪れる時に最初に見える《異空間》を演出していたので、
解体されてしまったのは残念です。

左寄りに写る緑色のルーフィングの建物が、
港ショッピングセンターのビル。
その上のグレーの屋根が開発センターで、
坑道見学の際に映像を見ながら炭鉱弁当を食べるところ。
その左隣がターミナルビル、
さらにその左の三角屋根が港浴場です。

港ショッピングセンタービルとターミナルビルは、
建物の両端に階段がある片側長廊下タイプの構造で、
いずれも1階が炭鉱の所有、2階以上が公営という、
変則的な建物です。


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池島炭鉱十年の変貌 06発電所とフライアッシュタンク

2017-06-10 11:05:34 | 池島炭鉱
第二の軍艦島といわれる、
軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
『池島全景 離島の《異空間》』(三才ブックス)の発売記念として、
書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

取材で通った2004年〜2017年の約12年の間に、池島がどう変わったか。
今回は、火力発電所関連の施設です。

池島炭鉱/火力発電所の電気集じん機

画像は2005年(平成17)に撮影した、火力発電所の電気集じん機。
電気集じん機は、
石炭を燃焼した時にでる石炭灰(フライアッシュ)を収集する機器。
集められた灰は、道を挟んで向かいにある、
フライアッシュ・タンクに貯蔵され、
坑内の石炭を採掘した後の空洞密閉の原料として使われていました。





池島炭鉱/火力発電所の電気集じん機

ほぼ同じ位置から撮影した2017(平成29)の様子。
四角錐にすぼまっている部分や、
それに続くダクトの部分などの表面が剥落し、
内壁が完全に錆び付いて、いたるところに穴があき始まっています。

火力発電所のボイラー棟や発電棟は、
2017年現在でも、案外しっかりとしている様子ですが、
集じん機が崩落するのは時間の問題かもしれません。





池島炭鉱/火力発電所のフライアッシュタンク

画像は火力発電所の道を挟んで反対側に建つ、
フライアッシュ・タンクの2005年(平成17)の様子。
錆は浮いているものの、ほぼ原型を留めています。





池島炭鉱/火力発電所のフライアッシュタンク

そしてこれが2017年(平成29)のフライアッシュ・タンク。
左の頂上部に載るダストコレクターを初め、
全体的に錆の量が少し増えた程度で、
電気集じん機の劣化具合に比べると、
12年経過したとは思えない存続っぷりです。

特にフライアッシュ・タンクは周囲に建物もなく、
波浪風雨に直接晒される環境にあるにもかかわらず、
ここまで劣化していないのには驚かされます。





池島炭鉱/火力発電所のフライアッシュタンク

『池島全景』内には、ページの都合で、
フライアッシュ・タンクの画像を2枚しか収録できなかったので、
建屋内のそれ以外のものも少しアップしておきます。

画像は建屋の前室にあたる場所にあった、
フライアッシュ・ブロワ。
発電所で生成されたフライアッシュを、
空気圧でタンクへ送り込むブロワ。
(だと思います。もしかしたら排気ブロワかな。
いずれにせよ、ファン関連の施設)





池島炭鉱/火力発電所のフライアッシュタンク

書内に収録しなかった建屋の内部。
右に写るブルーやグリーンの部分が、
ダストレス・アンローダと呼ばれる加湿器だと思います。
貯蔵されたフライアッシュは、適宜加湿され、
下部の排出口から排出されていました。





池島炭鉱/火力発電所のフライアッシュタンク

建屋の壁面に遺る系統配電盤。
殆どのスイッチは、開閉を操作するものだったようです。
ちなみに画像中央に写る2つの五角形のベース状のものが、
フライアッシュタンクですが、
その下には「1号サイロ」「2号サイロ」とあるので、
「フライアッシュ・サイロ」でもいいのかもしれませんね。


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池島炭鉱十年の変貌 05本卸捲座

2017-06-09 04:09:58 | 池島炭鉱
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軍艦島と同じ長崎市にある炭鉱跡<池島>の全貌をまとめた、
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書籍に収録できなかった池島を、シリーズでお送りしたいと思います。

取材で通った2004年〜2017年の約12年の間に、池島がどう変わったか。
今回は、鉱業所の施設です。

池島炭鉱の本卸捲座

画像は2004年(平成16)の本卸捲座。
本卸とは、池島炭鉱で最初に造られた斜坑のこと。
この時は、まだ本卸は稼働していて、
巻上機も現役で動いていました。
なので、全てがピカピカです。
巻上機を操作されていたのは、
現在坑内見学で活躍されている越田さん。
何度も巻き差しをお願いし、
回転している巻上機を撮影したのを思い出します。





池島炭鉱の本卸捲座

そしてこれが10年後の、2015年(平成27)の様子。
ドラムの形こそ残っていますが、
塗装はひび割れ、色もくすんでしまいました。
おそらく捲座にはもう通電されていないのでしょう。





池島炭鉱の本卸捲座

特にモーター部分の塗装の剥落は半端ないですね。
ただし、捲座の建屋が木造のわりにしっかりと残っているので、
全体的には、かろうじて往年の姿を留めています。





池島炭鉱の本卸捲座

2004年(平成16)撮影の、
捲座と本卸の人車を繋ぐ長いワイヤーロープ。
この時は、機械油の臭いをまき散らしながら、
カラカラと軽快な音をたてて、ガイド滑車が回転していました。
まめにメンテナンスをしているとはいえ、
人車の命綱といえるロープが野ざらしだったのには驚きです。





池島炭鉱の本卸捲座

2015年(平成27)に、同じ場所から見た光景。
人車が繋がっていないワーヤーロープはたるみ、
ガイド滑車も塗装が剥げ、
全ては鬱蒼とした草の中に埋没して、
もはや何があったのかわからない状態です。


“第二の軍艦島”といわれる、九州最後の炭鉱のあった池島の全貌を、
12年以上の取材と400枚超の写真で紹介する国内初の池島本。
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