黒沢永紀オフィシャルブログ(旧・廃墟徒然草)

産業遺産と建築、廃墟、時空旅行、都市のほころびや不思議な景観、ノスタルジックな街角など、歴史的“感考”地を読み解く

箱根渓雲荘

2005-02-20 22:53:35 | 産業遺産
 

箱根は好きな場所なのでよく行きますが、伊豆と同じく古くからの観光地なので、
営業をしなくなった宿泊施設やドライブインなども沢山あります。
画像は渓雲荘というもともと旅館だった建物の遺構です。
いつからあったかは正確には覚えてませんが、
少なくとも10年くらい前からはあったと思います。
外観が綺麗なので、てっきりまだ建築中なのかと思っていましたが、
近くのホテルのコンシェルジェに尋ねてみると、
既に閉鎖して何年も経つ旅館の跡だと言うことでした。

崖に寄り添うように作られたこの建物は、道からは2階建てに見えますが、
崖の下の方へ回ると正確には分かりませんが5階建位になっています。
確かに車道より下の階の浴槽がある部屋などは崩壊していて廃墟状態ですが、
車道の階はコンクリートも綺麗で、あたかもこれから内装をする前のような状態の、
不思議な廃墟でした。

◆ 追記 27.DEC.2006 ◆

車道沿いの階の中の様子。



かつて使われていたとは思えないほど、
とてもきれいな状態です。
おそらく旅館が閉鎖後、
全く別の用途へ作り替えようとしている最中に、
頓挫してしまったんではないでしょうか。





画像左端に階下へ降りる階段が見えます。
崖にそって建てられた階下の様子を、そとから見る事ができます。



階下は、車道階の内部ほど整備されていないようです。
画像では分かりにくいですが、
木々のすきまから階下の様子が少し垣間見えます。

また画像での撮影は困難でしたが、
さらに階下のフロアーには浴場施設跡のようなものも、
肉眼では確認できました。





画像のバンが停まっている駐車場から崖の下をのぞくと、
何らかの施設の基礎らしきものが見えます。



ボイラーや給水関係の施設跡のようにも見えますが、
大きさは意外と大きく、また高さもあって、
足がかりがないために内部を確認する事はできません。

見れば見るほど、かつて本当に旅館だったのか?と思う、
不思議な建物です。

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2 Comments

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Unknown (名無しのナナコ)
2024-09-23 02:32:56
渓雲荘はかつて本当に旅館でした私が幼稚園の頃に母が女中をしておりましたので確かです。その母も昨年他界致しました。今はセブンイレブンになっていますね。住み込みで働いていたので、その先にある山粋という日本料理店が寮になっていました。渓雲荘は地下に岩風呂やローマ風の風呂があり、お客がチェックアウト後に入らせていただいたり板前さんが幼稚園持っていくお弁当を作っていただいたり橋を渡った左側にも旅館があって温泉プールにもよく入らせて頂きました。チョコプラさんの言っている温泉幼稚園にも通っていました。大変懐かしく思いコメントを致しました。幼い頃の良い思い出です。
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Unknown (管理人)
2024-09-27 18:43:24
▼名無しのナナコさんへ

渓雲荘の操業していた時のお話を、ありがとうございます!
やはり階下は浴場があったのですね。
私が訪れたのも、もう20年くらい前のことですが、記事にも書いたように、人が使っていた様子は感じられませんでした。
しかしお話を伺って、渓雲荘が生き生きと蘇った気がいたしました。
ありがとうございました!
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