心の隅々を探っていく。
小さなカケラでいい
面影……いや、幻でもいい
残り香でもいい
些細な風聞でもいいから
痕跡を見つけられないかと。
どこにも見つけられない事を知りつつ。
だから、自分で
彼を表現する言葉を探すしかない。
表現者を表現する言葉?
それは何。
花びらから落ちた露?
青い空の真ん中から、
突然消えた太陽。
その跡は闇ではなく、
ぽっかり空いた真っ白な空洞だ。
その空虚を埋めるために
今日も心の中をさまよう。
いつまで?
いつまでも。