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三浦春馬氏主演「天外者」全体感想

2020-12-18 10:10:49 | 三浦春馬
 
ネタバレありです。
この感想は「作品について」です。
特に「三浦春馬氏について」に絞っていません。
 
最初の感想にも書いたが、三浦春馬氏がいるべき場所にいる
という爽快感。探し求めていたジグソーパズルの最後の
ひとつがパチリとはまったような。
kinkybootsで春馬ファンになった方や
時代劇に馴染まれてない方はそうは
思われないかもしれないけれど。
春馬氏の夢のひとつに、大河主演があったのは事実。
大河主演と思ってこの映画を観ました。
<順序がバラバラで申し訳ありません>
 
 
★残念ながら全体的に話が急ぎすぎている。
 この作品を二時間弱に納めなければならなかった
 ご苦労を察します。
★英国の武器弾薬を扱っていたグラバー氏のナレーションで進行する。
 
1若いパワーで作りたいとの監督の意向だったが、
 歴史物にしては、年長者の出演者にもう少し
 重々しい大物俳優さんがいてほしかった。
 (榎木孝明氏の出演が少ない)
 かたせさんのように年長者がいてこそ映える若者たちの姿。
 特に後の伊藤博文役の森永悠希さんのキャスティングは
 可愛いすぎる。(晩年に無理アリ?)
 
2五代幼少期に地球儀を作るというエピソードで
 五代の聡明さが描かれる。
 母親の深い愛も描かれるが、兄の反感を買ってしまい、
 大人になっても理解されない孤立した友厚。
 
3壊してしまった伊藤の万華鏡を難なく修理する
 エピソードで聡明さと器用さが描かれる。
 五代の聡明さ、イギリスへの憧れが描かれている。
 坂本龍馬、後の伊藤博文、岩崎弥太郎とすきやき鍋を
 囲んで交流を深める。
 
4薩英戦争が起こり、イギリス船から大砲を発砲され、
 船に囚われの身になり、司令官の前に引き出され
 藩の蔵の中身を与える代わりに砲撃をやめろという
 駆け引きをした五代の殺陣が見事だ。
 解放された後は、イギリス軍からも薩摩藩からも
 狙われることになり、命からがら長崎にたどり着く。
 
 
5グラバー氏に土下座し、日本の未来の設計書を英語で
 見事に書き、イギリスに渡れることになる。
(青少年十数人を連れて渡英と少ない映像とナレーションだけで
 説明されるので、下調べがないと分かりにくい)
 イギリスロケでも行われれば、もっと作品に
 厚みが出ただろうと思われる。
 渡英中に、暴漢に襲われた同士、坂本龍馬の横死を知る。
 この時の五代の泣き顔も春馬氏の演技力が現れる。
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5はる・森川葵さんの演技は初めて拝見。
 五代に夢を自由に見られる国を作るという目標を
 抱かせる大切な役割。か弱いながら字を勉強して
 世界を知りたい夢を持つ女性の存在を演じた。
 イギリス人に見受けされた後も、主に懇願して
 五代の命を救う。
 
 五代が命からがら長崎に帰った時に迎えた
 女郎屋女将(かたせ梨乃)さんの名演技。
 「お侍さんは何を売ってくれるんですっ」
 あの迫力はさすがです!!
 
 はるが五代の背中で息を引き取るシーンは
 大河「西郷どん」で母親の松坂慶子さんが西郷(鈴木亮平氏)の
 背中で桜島を眺めながら息を引き取るシーンを思い出させた。
 最愛の人の背中で息を引き取るという理想のシーンだ。
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6話が前後するが、実家に戻っても五代を憎む薩摩藩士に
 襲われ、母親との別れの際に髷を自ら落とすという
 劇的なシーン。母親役の筒井真理子さんの涙が美しい。
 
7青春時代を終えたストーリーはとても急いで過ぎる。
 いきなり、妻となる豊子との出会い。
 大阪へ出ていき政府高官となる五代。更に民間に下る。
 
8大阪で何かをなして、ある一家が幸せになるという
 細かい事例を入れてほしかったが時間が足りなかったようだ。
 
 そう。何を成したかという詳しい事例を入れてほしかった。
 
9「ハハキトク」の電報。
 美しい母の死に顔に決別して
(この時の春馬氏の泣きの演技も素晴らしい)
 行こうとする背中へ兄からの罵倒、
 門前で子どもから斬りつけられるという
 理解してもらえない辛さ。
 その時、五代の身体をすでに病魔がむしばんでいる。
 
10妻、豊子と水墨画を描く束の間の静かなシーンは
  女性なら皆さん、胸に残るだろう。
  出会いのシーンやラストシーンなど、蓮佛美沙子さんの
  静かな熱演にとても好感を持った。
 
11大阪商工会議所発足会で「私腹を肥やしているのだろう」と
  攻める大阪商人たちを前に薩摩弁で説き伏せる五代。
  手助けする弥太郎。
 
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 【五代の目標】
「地位でも金でもない、私は夢のある未来がほしいだけだ!」
 薩摩弁の迫力が素晴らしかった。
 
 
 故郷で憎まれ、大阪でも攻められ、
 五代に味方はいないのかと思われたが・・・
 亡くなってから、ラストに涙する展開になっている。
 妻、豊子の刀のツバに通された紐をなぞる仕草に
 静かで深い五代への愛情がこもっていた。
 
※足りない部分がたくさんあると思いますが
 とりあえずの全体感想です。

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