Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

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ドイツがEUをコントロールするようなった背景

2016-07-03 11:43:41 | World politics

 トッドは2014年出版の「ドイツ帝国が世界を破滅させる」の中で、ドイツがEUをコントロールするようなった背景、それはドイツがグローバリゼーションに対応していったプロセスでもありますが、次のように書いています。
 ドイツは産業の部品製造を安い労働力を活用するために東欧諸国に移転しました。その一方、国内ではディスインフレ政策により給与総額を抑制し、高い生産性と強い競争力を確立していったのです。これに対してEU各国は統一通貨ゆえに、平価の切り下げによる相対的な競争力の上昇もなく、ドイツの輸出だけが一方的に増大していったのです。こうして経済的に、そして政治的にドイツはEUをコントロールするようなっていきます。統一通貨ユーロの導入が致命的な誤りだったわけです。
 こう見ていくと、ギリシャ危機への対応に際して、そして今もなおそうですが、ドイツがギリシャの債務縮小に応じない態度いかに酷いことかがわかります。
 Brexitの方向になったことから、スタージョン党首らがスコットランドはUKから抜けてEUに残ろうと動いています。彼らはユーロを使えるから独立が容易だと考えているようですが、ドイツが一人勝ちとなっているEUの経済構造を理解しているのでしょうか。ギリシャ危機からら何も学習していないのでしょうか。ユーロを使えばどういう未来がまっているか、よく考えるべきです。

 


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