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森谷真理さんのリサイタル、至福の時間だった

2021-06-03 22:51:00 | 森谷真理
今日は森谷真理さんのリサイタルでサントリーブルーローズ。
日本リヒャルト・シュトラウス協会が例会に合わせて開催。協会会員以外にも開放してくださって聴けることに。

シュトラウス「4つの歌曲」から始まり。「4つの最後の歌」ほど有名ではないが。
「憩え我が魂よ」では闘い終えた勇者を鼓舞。「ツェツィーリェ」は恋人に理解されたいという願いを。「ひそやかな誘い」は恋人への熱き想い。「あした」は未来への確信と喜び。
森谷さんは喜びや愛や希望を、繊細に情感豊かに表現。
息もつけない張りつめた緊張感、魂の叫びのような激しい抑揚、があった。

聴きながら河原さんのピアノを、伴奏というのはちょっと違うと思った。河原さんのピアノと表情に、目と耳を奪われていた瞬間が何度もあったから。むしろピアノのヴォイスの重奏というほうが。

河原さんは、終演後のトークタイムですごいエピソードを語った。初めて森谷さんのリサイタルで演奏したときのこと。ドビュッシーのものすごく難しい曲があって、たいへんだったので。森谷さんと合わせでやったあと、感極まって、泣きそうで、しばらく言葉が出なかったと。
熱い、ピュアな、ひとなんだな。

そのあとはドビュッシー・抒情的散文、ラヴェル・シェラザード。
森谷さんはオペラはもちろん、ゲキジョウシマイ、クレッシェンテ、N響とのコンサート等々何もかも素晴らしいけど。
このような歌曲のリサイタル、ぼくは今日で3度目だけど、は格段に素晴らしい。

今日大ホールではバレンボイムのコンサートだった。ぼくも聴きたかったけど、森谷さんのリサイタルは外せなかった。
こんなリヒャルトシュトラウスやドビュッシーを誰が歌えるだろう。
こんなコンサートをあと何度聴けるだろう。
悪魔に魂を引き渡す約束をしてでも、聴きたい、手に入れたい、至福の時間だった。



























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