今日は歌舞伎座。團菊祭五月大歌舞伎は團十郎がでる演目は昼も夜も良さそうで迷ったが、幡随長兵衛が九代團十郎に当てて書かれた“傑作”だとあり。
また團十郎本人が語ったこのエピソードを読んで昼の部に。
「父から教わった最後の役.....ほとんど褒めることのない人でしたが、珍しく、私が演じた長兵衛を『悪くないんじゃないのか』と話してくれた」
昼の部の演目は3つ。
一、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)
松也と萬太郎が女(右近)をかけて闘い、負けた萬太郎が酒に生血を混ぜて飲ませる。鴛鴦となった右近と松也が情念に満ちた舞踏を見せる。右近はやはりエースなんだろう。華がある。
二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)
男女蔵が主君の縁談を破断にしようとする松也たちの陰謀を暴いて大活躍するハナシ。喜劇風で面白い。松緑が脇役でもさすがの存在感。
三、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)
團十郎を生で観りのは初めてだったが素晴らしかった。当たり役というのもあるだろうが、他の役者とはちょっと格が違う。
ハナシは言わば荒野の決闘。因縁の旗本菊之助に屋敷に招待され、ワナと知りつつ兄弟分、子分らが止めるのも聞かず1人で乗りこむ。ズルい武士の醜さと対照的な男らしい狭客の美学。
團十郎、うまい、かっこいい、粋でいなせで、男の中の男。
今年から毎月歌舞伎座に来ているが、今日のこの演目、市川團十郎が最高だ。
他の演目も観たいなぁ。どんな芝居をするんだろう。
次はいつ観れるかな。