Sing Listen Travel 〜歌って、聴いて、旅をして〜

リタイアしてから鬱憤を晴らすようにできなかったことをやってきた。でもマンネリ化してる。まだやり残してることをやろう。

N響12月公演・諏訪内晶子さんのベートーヴェン

2020-12-11 22:58:00 | 諏訪内晶子
今夜はN響12月公演で東京芸術劇場。
諏訪内晶子さんのベートーヴェンヴァイオリン協奏曲を聴くため。
11月公演で神尾真由子さんのバーバーが素晴らしかったので、やはり生を聴かなくてはと思って。
 
それほど心の琴線に触れてこなかった前半が終わり。
休憩後に眩いばかりの諏訪内さんが現れ、ティンパニで始まったオーケストラは前半とはまるで違って聴こえた。
 
その導入部に続き、諏訪内さんが弾き始める。
身じろぎ、いや息さえ、しばらくつけなかった。
聴きながら、3日前に岡田暁生さんがいっていたことが浮かんだ
 
時代の趨勢は録音だが生演奏にはかわれない....
録音ではかなりの帯域の部分を切っている....
不可聴音域が音楽を感動的なものにする重要な役割を....
 
そうだ、いまこうして聴いている諏訪内さんの演奏、この音は、CDでは絶対に聴けないものなのだ。
 
15メートル先に見える諏訪内さんの信じがたい指さばき、弓さばき。
中低音から超高音での様々な音色が、様々な感情を表現して胸に迫ってくる。
 
やがて終盤が近づいて来る。
終わってほしくない。もっと聴いていたい。
でもエンディングはやってくる。
割れんばかりの拍手が続く。観客の、楽団員の、マエストロの。
諏訪内さんも納得の笑顔で、楽団員を讃えて。
 
今日のような素晴らしい演奏は、コンサートでなければ絶対に聴けない。
諏訪内さんのコンサートを今後何回聴いたとしても、今日と同じベートーヴェンは聴けない。
そんな当たり前のことを考えながら、ぼくはホールを後にした。
 
 
















 


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