佐賀大学病院放射線科アンオフィシャルブログ ~さがの読影室から~

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2009.10.03 造影後CISSについて

2009年10月03日 23時16分01秒 | 抄読会
 ただいま当直中。比較的、時間があるのでスライド作りが進むか?と思われたのですが、読まなければならない文献が次から次に出てきてしまい、実際の作業が進みません…
 発表の準備に慣れてないからかなぁ…

 で、読んでいる最中に見つけた文献です。内容、スタディデザイン共に面白かったのでご紹介です。フリーのPDFでは無いかな?
 ざっとまとめたものをコピーします。興味のある方は原文を読まれてください。

 JCAT23(2);224-231

Contrast-Enhanced CISS MRI of Vestibular Schwannomas: Phantom and Clinical Studies

 Yoshinori Shigematsu et al

 CISSのコントラストは、heavily T2WIと同様であるが、他のシーケンスと異なり、造影剤による増強効果が強くみられる!
 このため第Ⅶ、Ⅷ脳神経と聴神経腫瘍の関係を見るのによい。
 ということを示した文献。

○ファントムと使って、FAを最適化した後に症例を撮像
 ファントムは、1%アガロースゲルに造影剤を溶解した11本のシリンジ。
○1.5Tでは、FA60°と70°で造影効果が強い

●CISSの説明
 造影後にCISSで増強効果が得られる理由はよくわかっていない
 CISSで利用される2つのSSFP信号(FISPと、PSIF)のうちの1つが関与していると考えられる

 FISPのコントラストは、短いTR,TE, 大きなFAでT2/T1コントラストを示す
 PSIFは、heavily T2WIを示す

 CISSは本当にお世話になっているのですが、結構複雑な内容を理解しないと解釈が困難なシーケンスです。もちろん、高コントラストと高空間分解能が特徴なので、神経血管圧排性病変などでは読影がしやすいシーケンスなのですが。

 繰り返しになりますが、興味のある方は是非原文をご覧下さい。面白かったですよ。
 ちなみに、熊本大学からの論文でした!
 
 

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