『阿旺新伝』より
今日は香港の翡翠電視台にて10月24日より始まった『阿旺新伝』について。この『阿旺新伝』の主役・阿旺(アウォン)こと、丁常旺と言えば、香港・中国ではすっかりお馴染みの顔となった郭晋安(グオ・ジンアン)だ。
映画に出演する機会が少ない為か日本では余り知られていない香港スターズの一人と言える。彼のデビューは今を遡る事20年前の85年、以来、十数年の長きに渡って主役と言うものを演じた事がなかった。所謂、当り役に巡り会う事が無かったのだ。“とある”当り役が巡り会うまでは。
ここで気付く事は、彼が大器晩成型の役者だと言う事。勿論、劉徳華(アンディー・ラウ)、黎明(レオン・ライ)、郭富城(アーロン・クウォック)の様にアイドル出身では無いが、デビュー時期は彼等と変らない。デビューから2001年まではずっと脇役ばかりを務めていた。上の画像では、こんな幼い顔をしているが実はこの10月9日めでたく41歳の誕生日を迎えている。その当り役と言うのが、『知恵遅れ』、『弱痴』の役だ。
10月24日より始まった『阿旺新伝』は、もうすぐ30歳になる心優しい知恵遅れの青年・阿旺と彼を取り巻く仲間達を描いたコメディードラマだ。このドラマの元ネタは『戆夫成龍』(01年)と言う時代劇ドラマだが、このドラマで演じた知恵遅れ青年(中国語:*傻)阿旺の役柄が大ヒットし、その演技の馬鹿っぷりと純真さでお茶の間の人気者となった。その人気はあの台湾のアイドルグループ・F4の『流星花園Ⅱ』を抜く視聴率をマークし、まさにF4も真っ青な人気の鰻登りとなったのだ。
『戆夫成龍』より
以前は脇役でもシリアスでどこか影を持った役柄が多かった彼だが、この『戆夫成龍』の成功を切っ掛けに一挙に人気者となった。そんな郭晋安を待っていたのは、のちに続く“弱痴青年の役”のオンパレード。しかも、その演技は鬼気たるモノが感じられる。恐らく、この“弱痴”の役が郭晋安の芸人魂と人気に火を点けてしまったのだろう。この“弱痴”役の当りで思い切ってイメージ・チェンジを果たした郭晋安だが、『阿旺』の役を演じる為に15ポンド(約7キロ)も肥ったそうだ。しかも、髪の毛もドンブリを被せた様な坊ちゃん刈りにし、全力疾走で自動車を追いかけたりと、しっかり体も張っている。
いつも亀のデザインのリュックサックを背負い、補助輪付きの自転車に乗り、近所の子供たちからも馬鹿にされている青年・阿旺。でも、その純真さは人々を変えて行く…。今夜もこのドラマが見逃せない!
41歳なのにもうすぐ30歳の20代後半の役柄を演じるとは、年齢不詳王国・香港芸能界のなせる技なのか?!
ほかにも、郭晋安が馬鹿になってしまうドラマ&映画は沢山ある。
『傻王闖天下』
かの、王晶(ウォン・ジン)監督の時代劇テレビドラマ
『天下第一』キリッ
そして同じく王晶監督の作品で
『雀聖』(カンフー・マージャン)2004年度
『功夫』(カンフーハッスル)“包租公”(大家のオヤジ)役の元華と“包租婆(大家のババア)”役の元秋が再びタックを組んだ。愛と爆笑、そして感動のカンフー麻雀、この香港ならではのアクションコメディー…。しかし、日本では残念ながら、まだ公開されていない。…残念!
『雀聖』の中では、周星馳の映画でもお馴染みメンバーが出ていたりと、笑える部分が沢山ある。皆、リアクション芸人なので、表情や動きだけでも十分に笑いを取れる。香港映画の配給状態があまり良くないのか、地元で話題の香港映画も日本では余り公開されないのが、本当に残念だ。
しかし、私はこの業界(どの業界?)で仕事しているので、香港や中国で受けが良かった作品が、日本では必ずヒットするとは限らないのを知っている。特に香港の映画館等で映画を観ると、中には香港のスターと面識がある人が混ざっている事があり、ちょっとした学習発表会の様な雰囲気が有ったりもする。
日本人なら絶対笑わない様な場面で笑ったり、何故笑ってるのか不思議に思っていると、何かの映画やドラマをデフォルメしていたり、お馴染み金庸小説の一部を元ネタとしていたり…。元ネタを知らない日本人に突如『蝦蟇功』だとか『楊過、小龍女』、『葵花宝典』とか『東方不敗』云々と言うようなギャグを使っても、効果無しなのだ。小説や元ネタの内容を知らないとついて行けない。特に香港のアクション物やコメディーには、マメ知識がないと楽しめない部分が有り、日本人にも理解出来るように訳するのは大変だと思われる。
さて、弱智の青年を演じている彼だが、素顔は結構な男前
馬景涛(マー・ジンタオ)や古天楽にだって負けちゃいない…と私は思っている。
どうか、皆さんが『阿旺』を好きになってくれますように。南無南無…。
さて、今日は早く帰って9時から『阿旺新伝』を見るとしますかな…。
この前、『天下第一』を観終えたのですが、面白すぎです!
とくに郭晋安が登場するエピソードには抱腹絶倒でしたよ。
憨夫成龍も観ました。
こういうちょっとアホな役をやらせたら一流ですね(褒めてます(笑)
そうですか、41歳なんですね。
若く見えます~。
彼が人気が出てきたのは、たぶん羅嘉良主演の
『創世記』あたりからだったでしょうか。
(出てましたよね?)
支離滅裂なドラマでしたが、羅嘉良ファンなので
全部見ました。
芸能人ってほんと若く見えます。きっとそれだけの
努力をしてらっしゃるのだと思いますが。