銀杏の落ち葉を見ると思い出すことがあります。
もう30年ほど前の事です。私は埼玉県の浦和に住んでいました。
弟が海外のホテルの和食店に就職し、明日は出発という日でした。
母から電話がありました。
「○○が帰らないのよ、明日は出発だというのに。
皆んな待っているのよ、あなた、どこへ行ったか知らない?」
私に心当たりはありませんでした。
でも、とにかく近くの喫茶店とか友達の家とか、
子供を乳母車に乗せて、知っている所へ行ってみました。
今のように携帯とかありません。
携帯があったら直ぐに連絡できたでしょうが、
当時はそんなものはなくて、本当に大変でした。
結局弟は見つからず、夕方の道を帰ろうとしていました。
「近道して帰ろうね」と、玉蔵院の門を抜けた時、
そこには一面の黄色い世界が広がっていました。
「うわ~!!」長女のはしゃぐ声、、、
「すごい!」私も思わず声が出ていました。
そんなに広くない境内に、銀杏の葉がびっしり落ちていました。
薄暗くなった境内、反面の黄色に光る地面、子供の歓声、、、
子供とよく遊ぶ公園は隣の敷地にあります。
でも、そんな光景は初めてでした。
今はどうなっているでしょうか。
時々、思い出してしまう素敵な光景です。
この季節、もしかしたら見られるかもしれないですよ。
一面の銀杏の絨毯。