とはずがたり

論文の紹介や日々感じたことをつづります

侵害受容器によるリンパ節機能制御

2020-12-31 08:12:41 | 疼痛
患者さんに関節リウマチの発症時のことを伺うと、身内が亡くなった後など、何らかのストレスを感じたエピソードを語ってくださる方が時々います。またストレスを感じると風邪をひきやすくなる、なんて嘘か眞かの話もあります。このように神経系による免疫の制御というのはよく知られており、一部はコルチコステロイドの分泌が関与するのだと思いますが、この論文ではリンパ節に神経ペプチド産生侵害受容性ニューロンを主とした感覚神経の特異的な支配が見られることを明らかにしています。これらの神経をoptogeneticな手法で活性化するとリンパ球の遺伝子発現が誘導されることも明らかになり、感覚神経による直接的な免疫制御の可能性を示唆する大変興味深い現象です。 
Huang et al., Lymph nodes are innervated by a unique population of sensory neurons with immunomodulatory potential. Cell. 2020 Dec 10;S0092-8674(20)31564-6. 


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