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「私の本棚2017.1.24」

2019-05-06 17:15:16 | 経営コンサルタント

 

■         今日のおすすめ

 『コンサルタントの教科書』(和仁達也著 かんき出版)

 

■         年間報酬3千万円越が10年続くコンサルタント(はじめに)

 紹介本の表題の添え題として書かれているのが「年間報酬3千万越が10年続くコンサルタント」です。それは大手コンサルティング・ファームの話ではなく、独立系個人コンサルタントの話です。報酬に関して言えば、個人コンサルタントの場合の一番の壁は、時間に限りがあることでしょう。しかし、著者は、その時間の壁を越え、「年間報酬3千万円の持続安定的コンサルタント」を実現しました。自身の実現プロセスを記述したのが紹介本です。

 私の感覚では「個人コンサルタント年間報酬3千万円」なんて別の世界の話ではと思いましたが、新年に当たり、初心に帰りコンサルタントの在り方を考えてみたいと思い、紹介本を読んでみました。

 そこに大切なヒントがありました。それは一言でいうと、クライアントのビジネスモデルについては一生懸命考えても、自身のコンサルタント業についてのビジネスモデルについては真剣かつ戦略的に考えていなかったことに気付いたのです。

 紹介本には、独立系個人コンサルタントにとって、あるいは士業(税理士、司法書士、弁護士など)をクライアントに持ったコンサルタントにとって、参考になるヒントが、著者自身の体験談として語られています。

 紹介本の中で語られている、著者の体験談の中から、いくつか参考になるヒントを次項でご紹介します。

 

■         持続的な安定報酬を得る為のコンサルタント・ビジネスモデルのポイント

【コンサルタント・ビジネスの4つのモデル】

 著者は、コンサルタント・ビジネスを①プロジェクト型(問題解決型。3か月から1年以内係る。)②アドバイス型(解決すべき課題達成型。1年以上係る。)③ワークショップ型(ビジョンにフォーカスしたセミナー型。1日~数回のビジョン、目標策定セミナー。)④パートナー型(ビジョンにフォーカスして1年以上の長期で係る。)の4つにまず区分します。その上で、縦軸に「契約期間の長さ」、横軸に「フォーカスポイント(問題点⇔ビジョン)」のマトリックスを作り、①~④を配置します。

 著者は①~③のどの型が良いかの正解はないと言います。しかし、マトリックスの一番上位(契約期間が長く、ビジョンにフォーカス)に来る「④パートナー型」に、①~③を入り口にして、持っていくことが大切と主張します。

①  ~③の入り口がなく、最初から④のパートナー型に持っていくのは難しいと思い

ますが、パートナー型に持っていく展望を持っていることは、大切なポイントと思います。

【パートナー型コンサルタントは社外のNO2を目指す】

 著者は、パートナー型コンサルタントは、組織外に居ながら、クライアントの組織のNO2の役割を果たすことと位置付けます。

 現実にそれが可能になることによって、クライアントにとっての利用価値が上がり、成果にも繋がることになります。それによって、契約の長期化と、高い報酬を実現することが出来ると著者は主張します。

 組織外に居ながらクライアントの組織におけるNO2であることには、大きな意味があると私は思っています。組織内の幹部・従業員に話せないことの相談相手になる、また、組織外のNO2だから出来る提案、アドバイスも多くあります。組織外NO2の立場だから、トップと従業員のコミュニュケーションを図ることも出来るケースがあるでしょう。

【コンサルティング技術に関する貴重なノウハウ】

 紹介本には、著者の体験に基づく貴重なノウハウもたくさん書かれています。その中のいくつかをご紹介しましょう。

 まずは、相手のニーズを引き出す技術。「社長これだけ順調にいっていると悩みなんかないですよね?」と質問すると、必ず「いや実は」と言って、社長の悩みごとの独白になると著者は紹介しています。

 次は相談に乗るときの場づくり。相手との間に「安心安全ポジティブな場」を作ることが大切と著者は言います。それには「相手をやる気にさせる言葉使い」と「相手に恥をかかせない言葉使い」が大切と説きます。

 他にも色々と参考になる著者独自の体験談が出てきます。詳しくは紹介本をお読みください。

 

■         独立系個人士業が持続安定的に成長するには(むすび)

 紹介本を読んで痛感しているのは、私たち独立系個人コンサルタントが、クライアントに語っていることが、自分自身の事業でも出来ているかということです。

 まずは「ミッション」を持つことでしょうか。それは自身の人間性に基づいたものでなくてはなりません。それがクライアントから受け入れられるか、事業を進める際の連携パートナーから受け入れられるか、それによって自身の事業の成否が決まってくるのではないでしょうか。

 次は「ビジョン(自身の事業でどのようなポジションを築きたいか。その為にいつまでに何をするか明確にする。)」を持ち、それを更新していくことでしょうか。自身の「ビジョン」が有ることで、自身の日々の行動が意味の有るものになって来るのではないでしょうか。

 

【酒井 闊プロフィール】

 

 10年以上に亘り企業経営者(メガバンク関係会社社長、一部上場企業CFO)としての経験を積む。その後経営コンサルタントとして独立。

 企業経営者として培った叡智と豊富な人脈ならびに日本経営士協会の豊かな人脈を資産として、『私だけが出来るコンサルティング』をモットーに、企業経営の革新・強化を得意分野として活躍中。

https://www.jmca.or.jp/member_meibo/2091/

http://sakai-gm.jp/index.html


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