♪ sakoのフォトブログ

この場所は、とても大切な私の居場所です♪

子タコのキューちゃん物語・番外編(その2)

2011年09月08日 | 童話

明石の子タコのキューちゃんは、クジラのクロちゃんと二人で、

遠い南の海に来ています。

キューちゃんは、この海で、大きなタコさんとお友達になりました。

キューちゃんが、大きいタコさんのおうちに遊びに行くと、

大きいタコさんのおうちは、青いきれいなバケツでした。

その隣には、赤い貝殻で飾られた、可愛いおうちがあって。

そこから、ちょこっと顔を出したのは、大きいタコさんの妹タコさんでした。

「あら、変ったタコさんね、こんにちわ。」と妹タコさんはキューちゃんに

言いました。

「やあ、こんにちわ。僕は東の海から来たキューちゃんだよ。よろしくね。」

キューちゃんと、妹タコさんはすぐに仲良しになって、妹タコさんは、

島を案内してくれることになりました。

 

 

 

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子タコのキューちゃん物語・番外編【南へー3】

2011年08月03日 | 童話
何回も太陽が登っては沈んで行き、二人の目の前にはようやく

目指していた南の島が見えて来ました。

「クロちゃん、島だよ!島がみえたね!」

「あれが、キューちゃんの海から、一番遠い島さ。」

「大きい島や小さい島が、たくさんあるね。それに、なんてきれいな

海なんだ・・・。」

キューちゃんは、どこまでも透き通って見える美しい海に

びっくりしました。


二人は、小さい島に近づきました。

「クロちゃん、海の中にきれいなお花が咲いているよ。

それに、海の中に大きな木が生えているね。」

「あれは、お花じゃなくて、サンゴって言うんだ。

それに、あの大きな木はマングローブだよ。すごいだろ。」

サンゴ周りには、色とりどりのお魚が群れをなして、まるでダンスを

踊っているように美しく泳いでいました。

そして、マングローブの根っこには、大きなお魚がお昼寝をしていました。

沖にはイルカがジャンプして遊んでいます。

「南の島は、なんておもしろいんだ。」

キューちゃんは大はしゃぎです。


青いお魚さんがキューちゃんを見つけて言いました。

「ねえ、キミは面白い形をしているんだね。一緒に遊ぼうよ。」

「僕はキューちゃんだよ。よろしくネ。」

キューちゃんは、大喜びで仲間に入りました。

キューちゃんが、サンゴや岩陰に隠れて遊んでいると、岩の隙間から

大きな大きなタコさんが顔を出しました。

「あ、南のタコさん、こんにちわ。僕は東の海から来たキューちゃんだよ。

タコさんは、とっても大きいね。」

「あれ、君はタコなの?東のタコはみんなそんなにペラペラなのかい?」

大きいタコさんは、不思議そうにキューちゃんを見ました。

「僕は干物のタコなんだ。ペラペラなのは僕だけさ。」

「ふーん、そうなんだ。でも、そんなことは関係ないよ。

タコはタコ同士、僕が島を案内してあげるよ。」

大きいタコさんは、長い足にキューちゃんをくっつけて、マングローブの森を

案内してくれました。



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子タコのキューちゃん物語・番外編【南へー2】

2011年08月02日 | 童話
ある波の高い夜のことでした。

夕方から降り始めた雨は、夜になって段々強くなって行きました。

キューちゃんとクロちゃんは、非難するために小さい島を見つけて、

その近くで朝を待つことにしました。

でも、雨は強さを増し、まるで台風のような風も出てきました。

クロちゃんは、疲れたのかすぐに眠ったけれど、キューちゃんは

台風が怖くてなかなか眠ることが出来ませんでした。


すると、突然、ゴーッと言う大きな音がしたかと思うと、

強い風と共に、大きな波がザブーンと二人を飲み込んでしまいました。

「うわーっ!クロちゃん・・・。」

キューちゃんは、叫ぼうとしたけれど、波に飲まれて声を出すことが

出来ません。

キュ-ちゃんは、暗い暗い海の底に沈んで行ってしまいました。

クロちゃんは眠ったまま気付きません。

キューちゃんは、波に押し流されて、どんどん遠くへ行ってしまいました。


嵐が治まって、キューちゃんが気付いたのは、次の日の朝の事でした。

昇る朝日で海がキラキラと輝き、その眩しい光でキューちゃんは

目を覚ましました。

「ここはどこ?クロちゃん、クロちゃん・・・。」

キューちゃんは、クロちゃんの姿を探しましたが、どこにも見当たりません。

仕方が無いので、一人で波の上をプカプカと浮いていました。

だけど、広い広い海の上で、たった一人でポツンといると、淋しくて淋しくて

涙が出てきます。


キューちゃんがしばらく浮いていると、たくさんのカモメさんが

キューちゃんの上を飛んで行こうとしていました。

「あれ?君は明石の海で、貨物船の後ろをクジラ君と一緒に泳いでいた

ペラペラ君じゃないか。どうしてここに一人でいるんだい?」と

一羽のカモメさんがキューちゃんに声をかけました。

「カモメさん、僕は友達のクロちゃんとはぐれてしまったんだよ、うわーん・・・。」

キューちゃんは泣きながらカモメさんに言いました。

「よし。それなら、みんなでクジラ君を探してあげるよ、心配しないで。」

そう言うとカモメさん達は猛スピードで飛んで行きました。


太陽が、キューちゃんの真上に来た頃、遠くで高い高い噴水が上がりました。

そう、クロちゃんが塩を吹き上げて合図をしたのです。

「あ、あれはクロちゃんだ!クロちゃーん!」

クロちゃんがキューちゃんに気付き、やってきました。

「良かった!きゅーちゃん、大丈夫だったんだね。」

「うん。でも、すごーく淋しかったよ。」

またキューちゃんは、クロちゃんの背中にぴったりと貼りついて

クロちゃんと一緒に南へと向かいました。


<続く>







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子タコのキューちゃん物語・番外編【南へ-1】

2011年07月29日 | 童話
明石のペラペラ子タコのキューちゃんは、風で飛ばされて行った遠くの海で

クジラのクロちゃんと出会い、お友達になりました。

あれからクロちゃんは、時々キューちゃんの所へ遊びに来てくれるように

なりました。

キューちゃんは、クロちゃんの大きな背中に張り付いて、海を自由に泳いで

遊ぶのが大好きで、楽しくて楽しくて仕方がありません。

ある日キューちゃんは、クロちゃんに言いました。

「クロちゃん、もっともっと遠くの海に行ってみたいんだ。

お願い、クロちゃん、僕を連れてって。」

「ああ、良いとも。おいらは色んな所へ行ったことがあるし、どこでも

自由に行けるからね。キューちゃんは、一体どこに行きたいんだい?」

「ずっとずっと遠くだよ。クロちゃんが行った一番遠くへ行きたいな。」

「それなら、南の海へ行こう。」

キューちゃんは、クロちゃんの背中にぴったりと張り付いて、明石の海を

後にしました。



キューちゃん達が南へ向かってから、何日目かのことでした。

今まで何も無かった穏やかな海に、突然竜巻が現れて、猛スピードで

近づいて来たのです。

「クロちゃん、あのぐるぐるしたものは何?」

「うわぁ、竜巻だ。巻き込まれたら大変なことになるぞ。とにかく逃げよう。」

クロちゃんは、ぐんぐんとスピードを上げて竜巻から離れました。

「ふう・・・。危なかった。」

竜巻が通り過ぎた後には、空からたくさんのお魚が降ってきました。

それにはキューちゃんもびっくり。

「竜巻ってやつは、何でも空に巻き上げてしまうんだ。」

「クロちゃんのように大きくても?」

「そうさ、僕のお父さんのようにもっともっと大きくてもね。」

二人はまた、南へ向かって進んで行きました。



しばらくすると、一隻の船が転覆しているのを見つけました。

あたりには人影も無く、どうやら竜巻に巻き込まれたようでした。

「きっとどこかへいると思うんだ。探そう。」

クロちゃんは、あたりを泳いで飛ばされた人を探しました。

すると、船から大分離れた所に、一人のおじさんが浮いていました。

「あ、大丈夫だったんだ。助けるぞ。」

クロちゃんは、ゆっくりとおじさんに近づき、横にぴったりと付いて

おじさんを助けに来たことを知らせました。

「キミは、私を乗せてくれようとしているのか、クジラくん。」

クロちゃんは、尾ヒレを小さく振ってそれに答えると、おじさんは、

ゆっくりとクロちゃんの背中に乗りました。

おじさんは、クロちゃんの背中に張り付いているキューちゃんを見つけると、

「おお・・これはタコの干物かい?」と不思議そうに言いました。

キューちゃんも、8本の足をヒラヒラさせて、合図をしました。

「そうか、クジラ君とタコ君は仲良しなんだね。」

おじさんは、嬉しそうに目を細めました。



クロちゃんとキューちゃんは、おじさんを近くの島の浜辺で降ろすと、

おじさんは言いました。

「キミ達は旅の途中だったようだが、とんだ寄り道をさせてしまったようだ。

気をつけて行くんだよ。有難う、世話になったな。」

クロちゃんとキューちゃんは、再び南の海を目指して泳いで行きました。

<続く>








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子タコのキューちゃん物語・番外編(ご要望にお答えして)

2011年07月27日 | 童話
明石のペラペラ子タコのキューちゃんは、風で飛ばされて行った遠くの海で クジラのクロちゃんと出会い、お友達になりました。 あれからクロちゃんは、時々キューちゃんの所へ遊びに来てくれるように なりました。 キューちゃんは、クロちゃんの大きな背中に張り付いて、海を自由に泳いで 廻るのが大好きで、楽しくて楽しくて仕方がありません。 ある日キューちゃんは、クロちゃんに言いました。 「クロちゃん、もっともっと遠くの海に行ってみたいんだ。 お願い、クロちゃん、僕を連れてって。」 「ああ、良いとも。おいらは色んな所へ行ったことがあるし、どこでも 自由に行けるからね。キューちゃんは、一体どこに行きたいんだい?」 「ずっとずっと遠くだよ。クロちゃんが行った一番遠くへ行きたいな。」 「それなら、南の海へ行こう。」 キューちゃんは、クロちゃんの背中にぴったりと張り付いて、明石の海を 後にしました。 キューちゃん達が南へ向かってから、何日目かのことでした。 今まで何も無かった穏やかな海に、突然竜巻が現れて、猛スピードで 近づいて来たのです。 「クロちゃん、あのぐるぐるしたものは何?」 「うわぁ、竜巻だ。巻き込まれたら大変なことになるぞ。とにかく逃げよう。」 クロちゃんは、ぐんぐんとスピードを上げて竜巻から離れました。 「ふう・・・。危なかった。」 竜巻が通り過ぎた後には、空からたくさんのお魚が降ってきました。 それにはキューちゃんもびっくり。 「竜巻ってやつは、何でも空に巻き上げてしまうんだ。」 「クロちゃんのように大きくても?」 「そうさ、僕のお父さんのようにもっともっと大きくてもね。」 二人はまた、南へ向かって進んで行きました。 しばらくすると、一隻の船が転覆しているのを見つけました。 あたりには人影も無く、どうやら竜巻に巻き込まれたようでした。 「きっとどこかへいると思うんだ。探そう。」 クロちゃんは、あたりを泳いで飛ばされた人を探しました。 すると、船から大分離れた所に、一人のおじさんが浮いていました。 「あ、大丈夫だったんだ。助けるぞ。」 クロちゃんは、ゆっくりとおじさんに近づき、横にぴったりと付いて おじさんを助けに来たことを知らせました。 「キミは、私を乗せてくれようとしているのか、クジラくん。」 クロちゃんは、尾ヒレを小さく振ってそれに答えると、おじさんは、 ゆっくりとクロちゃんの背中に乗りました。 おじさんは、クロちゃんの背中に張り付いているキューちゃんを見つけると、 「おお・・これはタコの干物かい?」と不思議そうに言いました。 キューちゃんも、8本の足をヒラヒラさせて、合図をしました。 「そうか、クジラ君とタコ君は仲良しなんだね。」 おじさんは、嬉しそうに目を細めました。 クロちゃんとキューちゃんは、おじさんを近くの島の浜辺で降ろすと、 おじさんは言いました。 「キミ達は、旅の途中だったようだが、とんだ寄り道をさせてしまったようだ。 気をつけて行くんだよ。有難う、世話になったな。」 クロちゃんとキューちゃんは、再び南の海を目指して泳いで行きました。
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