里麻のおうちの庭に毎日やってくる一羽の
小さなウグイスがおりました。
里麻は、このウグイスが大人になって、かわいく
歌ってくれることを楽しみにしていました。
でも、ウグイスは、いつまでたっても「ホーホケキョ」とは鳴かず
「ケッキョ、ケッキョ・・・」と鳴くばかり。
「どうしたのかな・・・鳴き方が解らないのかなぁ・・・。」
里麻は、とても気になりました。
「ウグイスさん、どうしたの?鳴き方が解らないの?」
「うん・・僕はお母さんとはぐれてしまって、一人ぼっちなんだ。
だから、上手く鳴けないんだ・・・・。」
里麻は、悲しくなってしまいました。
「ウグイスさん、気にしなくってもいいよ。だって、とってもいい声だもの!」
ウグイスは、大喜びで里麻のお庭を飛び回りました。
「ありがとう、元気が出たよ!本当は、気にしていたんだ。」
それからウグイスは、夜が明けると、毎日里麻の窓辺にやって来て
朝を告げる歌をかわいく歌ってくれるようになりました。