下記の記事は日経ウーマンオンラインからの借用(コピー)です。
跳ねるだけ、歩くだけ、女性の骨を強くする習慣
丈夫な骨を育てるのに最も効果的なのが、ジャンプ。東北大学大学院の永富良一教授らの研究では、低い台からストンと落ちる“ミニジャンプ”を1日50回、1年間行って大腿骨頸部の骨密度が増加した。「ジャンプ運動はつま先から着地すると筋肉も鍛えられ、効果的」と慶友整形外科病院・骨関節疾患センターの岩本潤センター長も薦める。
■週3回のジャンプ運動で骨密度が約2〜3%上がった
(データ:J Appl Physiol;100,839-843,2006より抜粋)
1日10回のジャンプ運動を週3回、6カ月続けた女性としなかった女性の骨密度の変化を比較。行った群は腰椎、大腿骨頸部ともに骨密度が約3%上昇していた。また別の動物実験で、ジャンプ運動を連続して最大100回させたところ、10回以上では効果が頭打ちになったという。負荷に対する骨の感受性は、回復に一定の期間が必要になる。
回数は1日10回、それも1日おきがいい。「骨の刺激に対する反応は10回程度で落ち、回復するのに時間がかかる。週3回、短時間でできる運動なので、閉経前からぜひ習慣にしたい」(岩本センター長)。
また、骨への刺激で活性化される骨芽細胞は、最近“骨ホルモン”として注目を集める「オステオカルシン」を出す。糖代謝を高め、血管や内臓を健康にするほか「動物実験では、筋肉トレーニング効果を高めるという報告もある」(永富教授)という。
一方、閉経を迎えて骨折の不安を抱える人も安心して行えるのが“大また歩き”。「歩幅を3割ほど広げた大また歩きでは、下半身の筋肉が強化できる。背筋を伸ばしてバランスを調整すると、体幹も強化される」(永富教授)。体幹を支える背筋を鍛えると、骨粗しょう症で弱りやすい背骨の骨密度が上がるという研究データもある。一歩ずつ力強く歩こう。
■閉経前後で骨代謝のバランスが変わる
全身の骨は約5年、成長期は約2年で入れ替わるといわれ、古い骨を壊す「破骨(はこつ)細胞」と、新しく骨を形成する「骨芽(こつが)細胞」が相互にバランスよく働いて骨量が保たれる。このうち、破骨細胞の働きをコントロールするのが女性ホルモンだ。更年期を迎えるとその分泌量は減少し、破骨細胞を制御できずに骨がどんどん溶け出す。これに対して骨芽細胞の働きが追いつかず、骨形成のバランスが崩
55歳まではジャンプで骨を強化! 両足とび「骨パワーウオーク」
骨密度を高める効果が最も高いのが、ジャンプ運動。運動習慣がある人、転ぶ心配のない若い人は階段を利用したジャンプ運動を閉経前から取り入れて、強い骨を育てよう。
ジャンプを10回。1日おきでOK
【スクワットでタメをつくってジャンプ、両足で着地する】
下り階段の最後の1段で行う。「ワン」で腕を後ろに大きく振り、両ひざを深く曲げて腰を落としたら、「ツー」で腕を前に大きく振り上げて伸びあがり、前へジャンプ。「スリー」で着地する。ひざは痛めないように軽く曲げ、両足のつま先から着地する。1日おきに10回ずつ、週3回を目安に行う。転ばないように気をつけよう。
れて、閉経後の骨密度低下を招く。
55歳からは筋力で骨を弱らせない! 大また「骨パワーウオーク」
閉経後で骨折の不安がある場合も、安心して行いやすい骨密度の維持・増加のための運動の1つが、荷重をかけた有酸素運動だ。大また歩きで、丈夫な骨に必要な下肢や体幹の筋力を高めよう。
1. 目線は前方へ
2. お腹を締める
3. かかとから着地
4. いつもの1.3倍
5. 足裏でしっかり蹴り出す
6. お尻を使う
7. 背すじを真っすぐキープ
【お腹を締めて背すじを伸ばし広めの歩幅で歩こう】
お腹を締めて背すじを伸ばし、いつもより広めの歩幅で歩こう。腕を振って推進力をつけながら、かかとから着地して後ろへ蹴り出す。転ばないことが大切なので、無理に速く歩かなくていい。
■強度の高い有酸素運動、ジャンプと筋トレで骨密度低下は防げる
データ:Osteoporos Int;26:2491-2499,2015 閉経後早期の女性(平均55.5歳)が、週2回・計1時間のエアロビクス、ジャンプ運動、筋トレを継続的に実施。骨粗しょう症の影響を受けやすい腰椎、大腿骨頸部の骨密度減少は、行わなかった群に比べて16年にわたり低く抑えられた。さらに最新の研究で、骨粗しょう症の平均65歳の女性が週2回のジャンプ運動と筋トレを8カ月間行ったところ、何もしない群に比べて骨密度が増加していたという報告もある。
永富 良一
東北大学大学院医工学研究科・医学系研究科教授
医工学研究科長、専門は体力科学、健康科学、スポーツ医科学。日本体力医学会理事、日本臨床スポーツ医学会監事、ヨーロッパスポーツ科学会議学術委員、日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
岩本 潤
慶友整形外科病院 骨関節疾患センター長
慶應義塾大学医学部卒業。専門は整形外科、スポーツ医学、骨代謝学、骨粗しょう症。「Exercise is medicine(運動は薬なり)」を理念に運動と骨の研究に従事。趣味はフルマラソン。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます