先日うちへ面接に来てくれたLさんは、20代後半の華人系シンガポール人の女性です。そのLさん、到着して挨拶を交わすと直ぐに、「最近の就職状況はとっても競争が激しいですねえ。」と切り出してきました。
それはどういうことかとLさんに尋ねますと、「これまで10社の面接を受けたのですが、どこもダメでした。ひとつのポジションの募集に対して、大勢の応募者がいて、その人たちと競争しなければならないのです。この先いつ決まるのかさっぱり見通しが立たないので、正直不安を感じています。」とのこと。
そこで私は、「これまで受けてダメだった10社のお断りの理由や、企業面接の時の様子など」をLさんからヒアリングしてみました。すると浮かび上がってきたキーワードは「キャリア・チェンジ」。実際彼女のレジュメからもそれが見て取れます。
Lさんは大学でマーケティングやマーチャンダイジングなどを選考し、その後新卒で入社したのは大手百貨店でした。そこで6ヶ月ほどマーケ系の仕事し、その後ある日系企業へ営業事務のスタッフとして入社しました。3年勤めた後、つい最近のことですが、その企業さんは景気縮小に伴って商売も細ったという理由でスタッフの解雇に踏み切り、Lさんも残念ながら解雇されていました。
現在Lさんが探しているのは、前職と同じ営業事務系の仕事です。面接を受けたその10社も全てその営業事務系のポジションとのことです。ところがLさんによると、「面接先でよく言われたのが、“あなたはマーケティングやマーチャンダイジングを勉強して、それを活かせるリテール業界に就職したのにも関わらず、そこを6ヶ月で辞め、営業事務の仕事をしている。”ということなんです。つまり、皆さんが指摘しているのは、自分のキャリアには一貫性がないということなんですが。。。」
すると、なぜ当初目指したキャリアを変更しのかが問題になってきますが、その点については結構あっさりしていて、「当初は情熱を持って取り組んだ仕事や業界だったのです、ある日自分には向いていないのではと言う気がして、それで徐々に興味も失いました。ちょうど新卒で入ったところは6ヶ月の契約社員ということでしたので、それを機会に方向を変えたのです。」という答えが返って来ました。
なるほど、そうなりますと、これはキャリアの方向性が変わったことを上手くレジュメ上で表現しなければならないという問題になります。具体的な表現の仕方については個人個人の状況や担当エージェントやコンサルタントの方々のアドバイスの仕方によって変わってくるかと思いますが、私がLさんにアドバイスしたのは、まず職歴を学歴の前に書くこと。そしてそこに営業事務としてのスキルセットをもっと肉付けして書くこと。退職理由も明記し、今回の場合は「会社都合による解雇」とし、幸いそれを照明する会社からのレター(かなり好意的な文面でした)がありましたので、それを参照して下さいと添えること。
あと、これまでのレジュメは「職歴」というひとつの項目の中に、3年間の営業事務の仕事の次に6ヶ月の百貨店での勤務が書かれていましたが、その百貨店での仕事は「6ヶ月の契約の仕事だった」というのを幸いとして、新たに項目を設け「短期契約の仕事」とし「職歴」とは別項目として記載する。また「職歴」の前段階で「ターゲットとするポジション」という項目を作り、「自分は営業事務のポジションに就きたいので。なぜ就きたいかというと。。。。」と自分の思いを簡潔にまとめる。これらをするだけで、レジュメから受ける印象は随分と変わってくると思います。
要は「どのように自分を見せるか」です。キャリア・チェンジなどがあってレジュメに一貫性が感じられなくとも、恐れることはありあせん。特に英文レジュメの場合、その表現の仕方はある意味自由ですので、「どのように見せるか」を基本的なコンセプトとして項目等の構成を考えます。もちろん、レジュメに「ウソ」があっては絶対ダメですので、その点はどうか誤解なきように(笑)。あくまでも、「表現の仕方、見せ方」ですので(笑)。ここまでやったら後は人材エージェントの出番です。企業さんへどのように提案するか、だと思います。このLさんの場合は、私は結構長い文章を書きました(笑)。さて、どうなるでしょうか(笑)。
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今日も有り難うございました!
キャリアチェンジがなくても毎度も毎度レジュメには頭を悩ませています。 新卒の方と違い転職組ではいかに自分のキャリアを次の仕事につなぐか・・・ 歳のせいかもうレジュメの枚数が増えて困っています。 ふと思う事がありMonsterのレジュメサービス、調べてみましたがUS300ドル以上掛かるんですね、レジュメの添削・・・(( iдi )
シンガポールには二度ほど医療試験薬の日本向け代理店交渉で昔行ったことがあります。 誰もが言うように美しい都市、機会があれば住んでみたいと思いました。(でも確か住居費が異常に高いんですよね?)
ホントにそうですねレジュメの書き方。私は新卒の方には出来るだけ枚数を増やす努力を、そして職歴をそのまま書いてしまったら枚数が多くなってしまう方には減らす工夫をお伝えしています(笑)。
シンガポールの住居費、はいー、確かに高いです。最近は少し下がって来ましたが、それでも物凄く高いです(笑)。