以前書いた記事「36協定に書く数字」の続編です。今回は協定届に書く文言についてです。
「特別条項」に対して「一般条項」という呼称が用いられているのを、働き方改革法施行時の特別条項つき36協定届(様式第9号の2)様式が新設されたのと並置してあるのを見てはじめて知りました。それまでは取り決めた特別条項を旧法様式(現様式第9号の4に類似)欄外に、その内容を付記補充する形でした。
一般条項、特別条項ともに業務内容を細分化して残業させる事由、人数、協定時数等を記載するのですが、一般条項に書く「時間外(休日)労働させる必要のある具体的事由」と、特別条項にある「臨時的に限度時間を超えて労働させることができる場合」の欄に書く事由は同じものを書けません。あくまで特別条項のほうは臨時的な内容に限るということで、一般条項と同じ内容書いたら指導ものになります。
ここでは、厚労省検討会での資料に実際の36協定届集計結果がでていましたので、特別条項に記載された特別な事情を抜粋してみました。
事由 | % |
---|---|
顧客都合による仕様変更対応、納期逼迫 | 45.5 |
季節要因等による受注・顧客集中による業務繁忙 | 19.8 |
機械故障トラブル対応 | 11.0 |
予算決算・経理業務 | 8.0 |
急な離職等による人員不足 | 3.9 |
クレーム対応 | 3.7 |
事業所の移転新設 | 2.3 |
人事業務(採用・異動) | 2% 未満 |
事業・経営計画策定見直し | |
株主総会対応 | |
大規模システム導入更新 | |
新規プロジェクト立ち上げ | |
取引先・官公庁対応 | |
天候不順等自然要因による業務増加 | |
災害事故からの復旧作業 | |
事務所新設移転 |
つづいて、特別条項における「限度時間を超えて労働させる場合における手続」です。前掲の集計はおおまかな集計手法になっており、細部不問で「通告」83.9%、「協議」15.4%でした。だれとの協議、だれへの通告かは不明です。通告協議相手は労働者自身、中には労働者代表(組合)ということもあるでしょう。
さいごに健康福祉確保措置については、届け出様式裏面にある記載要領からの番号選択してのさらに具体的内容の記述になります。
(2024年5月14日投稿、2025年1月11日編集)