法律文は、ときには準用やら置き換え、読み替えで、政令への委任条項と、要件効果を読み通せないことかぎりない(読みこなせば限りはあるのでしょうけど)のですが、単純にして悪文といえるのもあります。たとえば、比較的平易な条文がつづく労働契約法の中で、13条はどうでしょう。
(法令及び労働協約と就業規則との関係) 第13条 就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、第7条、第10条及び前条の規定は、当該法令又は労働協約の適用を受ける労働者との間の労働契約については、適用しない。 |
何をいいたいか、一読してわかりますでしょうか。主語が2つあるようですし、「については」も2つあります。見ようによっては、「てにをは」の「が」のあとに「は」が4つ並んでいます。 意訳してみたらこんな感じでしょうか。
就業規則が、
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就業規則のその反する部分は、より有利な法令又は労働協約を適用するのであって、 |
この法律により、労働者の労働条件において就業規則が適用される場合があるとする、
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就業規則の該当部分については、この3条を適用しない |
としています。法や協約に反する部分なのですから、この法で適用するという効果を排除しているのです。
(2023年4月7日投稿)