佐久市 ヤナギダ 趣味の店

長野県佐久市野沢93番地
ヤナギダ☎0267-62-0220

「風に逆らって薫るもの」

2020-12-29 16:50:40 | 日記
肩書きや地位、財産、名声などは、
すべてはかなく消えていきます。
レッテルでその人を輝かせるの
ではありません。

問題は本質です。

人はあるところまでいくと、利徳
や恐怖、権力だけではついてきま
せん。

もはや、得るものもなく、特に不
利とわかっていても、その人に徳
があれば人はついていきます。

「徳とは行である。行とは見返り
を求めずただ行うころである」と
道元は言っています。

上になればなるほど、必要なのは
徳を磨くことだと思います。

「法句経」第五四にも、
「華の香りは風に逆らいては行か
ず。栴檀(せんだん)も多掲羅(た
がら)も末度迦(まどか)も(香木
の名前)また然り。

されど良き人の香は風に逆らいつつ
も行く。良き人の力はすべての方に
薫る」とあります。

男が仕事をするときは、常に捨て身
でなければならない。
捨て身とは、何も欲しがらぬこと
である。

納得、勝ち負けという、人間の物
差しを捨てることである。


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「恋の闇」 こいのやみ

2020-12-29 12:24:25 | 日記
新月の夜に現われるのは
きみの姿をした魔物かも
しれない

それでもぼくは 抱くだろう

闇と手を組み 堕ちるだろう

『恋のために理性を失った状態』
「恋の闇路」ともいい、恋のために
心が乱れて、理性を失った状態を
闇にたとえて言った言葉です。

恋をすると周囲のことが何も見え
なくなってしまいます。

心のコントロールもままらなく
なり、感情が激しく揺れ動きます。

われを忘れて嫉妬に狂ったりする
のも、まさに「恋の闇」の中に
迷い込んでしまうせいでしょう。

分別を失っている点では「恋は
盲目」も同じですが、こちらは
ぐんと明るい印象。

恋一筋で、恋人の欠点がまるで
見えなくなっている娘たちに、
「恋は盲目だね」と冷やかして
いったりする言葉です。



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「のに」のない花

2020-12-29 12:17:07 | 日記
「のに」のない花
今の私たちは、仕事や職場を通じ
て友を得ることが多い。

ところが、職場を離れてもなお友
であり続けることは難しい。

どこかで利ゆえにつながっていた
関係だから、利がなくなった途端
に去っていく。

そんなとき、あんなに〇〇だった
のに、という愚痴がつい口をつき
寂しい思いをするものです。

利益外の真の友をつくる努力を
したいものです。

あんなに世話をしてやったのに、
ろくな挨拶もない。

あんなに親切に、してあげたのに。

あんなに一生懸命に、尽くしたのに。
のに・・・。のに・・・(中略)

のにが出た時は愚痴

こっちに“のに”が付くと、向こ
うは恩に着せやがってと思う(中略)


花はただ咲くんです。(それを
とやかく言うのは人間・・・中略)

人間のように、のになんで愚痴は、
ひとつも言わない。

だから純粋で、美しいんです。
  (相田みつを「のに」)



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「ここへおいでよ」

2020-12-29 12:11:06 | 日記
ごく自然に、あなたへお茶を淹れる
私がいる。それをごく自然に受け取り、
静かに「ありがとう」と言うあなたが
いる。

目をこすった後の瞳が潤んで、あなた
は余計柔らかい表情になっている。

そんな静かで、穏やかで、自然な私た
ちの世界が回る。
そして私にだけ見せる、眼鏡を取った
さわやかな素顔。こんなに素敵な人を
ひとりじめにして、いいのだろうかと
思う。

「ここへおいでよ」
あなたが言った。
私は、なるべくふわりと空気のように、
隣へ座る。

「愛している」と口にださなくても、
私たちはわかり合えた。室内のまわ
りの空気がそう語っていた。

『恋や愛に図式があるとしたら
複雑で入り組んでいないほうがいい
に決まっている

シンプルだけれど 柔らかに 穏やかに
調和の取れた心具合に越したことはない

特に 暮らしていくとしたら なおさら
素のままで 無理もしない 心具合は
作ろうとしても出来るものでもない

ごく自然に ふらちの調和 空気 呼吸
なじんでいけば 目に見えない赤糸
というより

もっと自然な 運命 結びつき
ゆうるやかに 時と愛は進み

確かめなくとも 確実に ふたりの
空間ゆるがない』



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「こころ泥棒」になっていないか

2020-12-29 12:11:06 | 日記
泥棒をすることと、人の悪口を
言うこととどっちが罪が深いの
でしょうか?

作家の三浦綾子さんとK子さんの
話しである。

「そりゃ泥棒に決まっているじゃ
ないの。金や物を盗んだら、警察
に引っ張られるでしょ。でも、

人の悪口を言ったからって、警察
に引っ張られたって聞いたことない
わ」

「そう思うでしょう。でもね、たと
えば大事な友だちからいただいた
この銀のネックレス、高いものよ
ね、私は大事にしているけれど、

これを盗まれるより、私の悪口を
言われたほうが、ずっと心が傷つ
くと思うの。物なら盗まれても、
心まで傷つかないわ。

そりゃ大事な記念の品だから、
惜しいとは思うわよ。でもね、
悪口を言われたら、それはそれは
傷つくわ。

人の言った悪口がグサリと突き
刺さって、死んだ中学生だって
いるのよ。

親の悪口を言われて、カッとして、
相手を蹴り倒してたいへんなこと
になったことだって・・・・」

そこにいない人の悪口は、話の肴
にはおいしいもの。

二人集まればどこでも、上司や
同僚、知合いなどの悪口に花が咲
いています。

けれども悪口は周りを暗くします。
人の心を傷つけ、自分の心を汚し
ます。気をつけたいものです。



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「恋衣」こいごろも

2020-12-29 12:07:03 | 日記
不安になるのは なぜ
孤独になるのは なぜ

好きになればなるほど
苦しくなるのは なぜ

そう 理由はわかってる

いま ここに あなたがい
ない

いま あなたがここにいない
から

『心から離れない恋のたとえ』
寝ても覚めても、思いこがれて
やむことのない恋心は、まるで

身を離れない衣のようだ・・・
というもの。

常に心から離れない想いを、衣
のまつわる様子にたとえた優雅
な言葉です。

古歌にも「恋衣」という言葉が
効果的に使われています。

妹待つと山の雫に立ちねれてそ
ぼちにけらしわが恋衣

土御門院(つちみかどいん)『風雅』
の中の一首ですが、ひたすら恋人を
待ちこがれる切々たる思いが伝わっ
てきます。

「衣」というのは、どこかなまめ
かしく、男女の秘めた熱い想いを
包み隠している気がします。

与謝野晶子たちが若き日に刊行した
歌集の名も『恋衣』でした。

行く春や畳んで古き恋衣
春雨の衣桁(いこう)に重し恋衣


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あなたの優しさが、わからなくな る時がある

2020-12-29 12:01:16 | 日記
また一日、過ぎていく。
あなたの優しさが、わからなくな
る時がある。女はたぶん、欲が深く、
いつでもときめきに囲まれていたい
と贅沢に思う。

外は、本当に静かな、しめやかな
雨が降っていた。

あなたの淹れたコーヒーをいつく
しむように、てのひらで、ぬくもり
が逃げないよう飲んだ。

「本当に、降っているんだか降って
いないんだかわからないような、
静かな雨ね。でも、雨の気配は確実
にあって」

私は、つぶやくように言った。その
あとに、まるであなたの優しさのよ
うにと、心の中でくり返した。

・・・これ以上、愛をゆだねるなん
て、贅沢な私・・・

それからふたりは窓辺に立ち、さや
さや揺れる木々の音を聞き、

深い夜に目をこらさないと見えない
ほどの、細い、細い、糸のような雨を
見た。

『恋心のはざまに ほんの少し揺れる
ような隙間がある

それは 過ぎていく季節のせいかもし
れないし

心の 自然現象なのかもしれない

柔らかな 愛に囲まれていても 柔らか
すぎるから

無感動になったりするのかもしれな
かった

小さな その日を 大切にして

一日一日は 確実にやってくるのだし

空気や 風や 天気が 反乱を起こし
ても

やがて 穏やかな日が 繰り返しある

小さな幸福 劇的でなくても ささや
かに 確実に

自分から 反乱を起こしては たぶん
みじめだろう

メランコリーは 一種贅沢な 心の傾斜だ



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