初めて届いたLINEは印字して、
折り畳み、いつもカバンの中に
入れていた。
まるでお守りのようにして。
いいえ、それは海辺で拾った、
まっ白な巻貝だった。
あのひとの声が聞きたくなっ
た時、わたしは貝殻を取り
出して、そこに耳を当てれば
よかった。
本気で、飛行機を遅らせよ
うかと。
そうすればよかったかなと、
実はあのあともずっと後悔
している。
何度読んでも、そこまで来る
と、胸がふるえた。
覚えている。泣き出しそうに
なるほど嬉しいのに、それと
同じくらい、どうしようもな
く淋しかったことを。
読めば読むほど、ふたりの
あいだに横たわる、途方も
ない距離を感じて、あのひと
の言葉をなぞればなぞるほど、
わたしはその茫漠とした距離
に圧倒され、押し潰されそうに
なるのだった。
アイシテイル
トオクハナレテイテモ
ワタシタチハ
ツナガッテイル
それはわたしから、わたしへ
のメッセージだった。
宇宙の彼方を彷徨う「エン
キョリレイアイ」という名の
惑星。
そこに棲んでいるもうひとり
のわたしに、地上から、過去
と未来をつなぐ中継地点から、
わたしは来る日も来る日も、
信号を発信し続けた。
折り畳み、いつもカバンの中に
入れていた。
まるでお守りのようにして。
いいえ、それは海辺で拾った、
まっ白な巻貝だった。
あのひとの声が聞きたくなっ
た時、わたしは貝殻を取り
出して、そこに耳を当てれば
よかった。
本気で、飛行機を遅らせよ
うかと。
そうすればよかったかなと、
実はあのあともずっと後悔
している。
何度読んでも、そこまで来る
と、胸がふるえた。
覚えている。泣き出しそうに
なるほど嬉しいのに、それと
同じくらい、どうしようもな
く淋しかったことを。
読めば読むほど、ふたりの
あいだに横たわる、途方も
ない距離を感じて、あのひと
の言葉をなぞればなぞるほど、
わたしはその茫漠とした距離
に圧倒され、押し潰されそうに
なるのだった。
アイシテイル
トオクハナレテイテモ
ワタシタチハ
ツナガッテイル
それはわたしから、わたしへ
のメッセージだった。
宇宙の彼方を彷徨う「エン
キョリレイアイ」という名の
惑星。
そこに棲んでいるもうひとり
のわたしに、地上から、過去
と未来をつなぐ中継地点から、
わたしは来る日も来る日も、
信号を発信し続けた。