東京のソバ屋のいいところ
は、昼さがり、女ひとりふら
りと入って、席に着くや開口
一番、
「お酒冷で一本」といっても、
「ハーイ」としごく当たり前に、
つきだしと徳利が気持よく
目前にあらわれることだ。
レストランではこうはいかな
い。
ソバ屋は万人に平等だ。
喫茶店でケーキを頼むのが
奇異でないように、
酒とツマミを頼むのはフツー
の注文なのだ。
落語家さんだけの特権では
ないのです(笑)
女性の休日の楽しみかたに
これが出来たら世界が変
わるのでは・・・・・。
ソバ屋で憩う、昼酒の楽しみを
しってしまうと、
いまだ明るいうちに、ホロ酔い
かげんで八百屋や惣菜屋を
巡って、
翌日の飯の仕入れをしながら
就く家路は、
今日をたしかにし過ごした
張り合いがある。
暮らすといことは、時間をつなぐ
ことであり、酔ってうやむやに
終る一日からは、
暮らしの実感は生まれてこない。
いつもと違うお休みの過ごしかた、
アナログの世界に戻って、
自分を見つめ直すのでもいい
のではないだろうか・・・・・・・。