参議院選挙投票まで1週間を切りました。自民党、公明党、共産党が伸びると世論調査でいわれています。戦争法廃止、立憲主義、民主主義回復を掲げる民進党、共産党、生活、社民党が参議院において過半数になる必要があります。しかし、現在の選挙情勢は、自民党、公明党で過半数の議席を獲得する様相です。自民党、公明党の独裁的な政権運営を許してはなりません。そこが選挙民にとって見抜けないじれったさがあります。
慶応大学の金子勝教授は、安倍首相は「息をつくようにうそをつく」だまされてはならない。だまされないためには、彼らが提起した(政策として決定した)数値目標に照らして総括することだ。―――そう分析しています。日銀を通じた市中への現金供給で国債は、その三割が中央銀行である日銀が所有するまでになりました。そして、安倍、黒田が掲げた物価上昇2%は3年たっても達成できず、安倍に至っては道半ばとーー公然と主張しています。また、消費税率を引き上げることは可能であると言いながらーー消費税率引き上げを実施しながら、真逆の結果を二年連続出し続けています。三本の矢は何一つ実現せずにーーー新三本の矢を打ち出しーーーウソノ上塗りを繰り返し、国民をだましを続けています。
その結果として、非正規労働の爆発的な増加、貧富の格差のますますの増加、社会保障制度の切り下げにより医療、介護をまともに受けることができない国民が続出しています。大学生は奨学金を借り社会に出てからも奨学金返済に何十年もかかる。こんなバカなことが拡大し、続いています。地方都市は人口減少で維持できなくなりつつあります。公共交通が廃止され、小中高学校の廃校、医療機関の廃業で、居住環境が破壊されています。このような地域に子供、小中学生を持つ家族は生活できません。そのことが人口減少、地方都市の過疎化を急激に促進しています。
本当に、安倍、山口によるウソとでたらめな政治、政権運営を止めさせなければなりません。
<東京新聞社説>参議院選挙 「安倍政治」の信を問う
参院選。安倍晋三首相は自らの経済政策を最大の争点と位置づけるが、問われるべきは三年半にわたる「安倍政治」そのものだ。
日本記者クラブ主催の九党首討論会。自民党総裁でもある安倍首相は自らの経済政策「アベノミクス」について「有効求人倍率は二十四年ぶりの高い水準になった。その成果を出してきた」と強調した。首相は参院選を、来年四月に予定していた消費税率10%への引き上げを二年半、再び延期する「新しい判断」について「国民の信を問う」選挙と位置付けている。
◆成長重視政策の是非
首相自身が成果を上げたと自信を深めるアベノミクスを「最大の争点」にして支持を取り付け、政権運営の原動力としようというのが、首相の思惑なのだろう。
逆進性が高く、景気に悪影響を与える消費税の増税見送りは妥当だとしても、増税できる経済状況をつくり出せると豪語していた公約を実現できなかった「失政」を不問に付すわけにはいかない。
成長重視のアベノミクスは格差を拡大し、個人消費を低迷させたと指摘される。そもそも正しい政策だったのか、一方、野党側の経済政策に実現性や妥当性はあるのか。各党、各候補の主張に耳を傾け、公約を比較して、貴重な票を投じる際の判断材料としたい。
私たちの暮らしにかかわる経済政策は重要だが、それにばかり気を取られていてはいられない。今回の参院選は従来にも増して、日本の将来を大きく左右する可能性を秘めた選択になるからだ。
最大の岐路に立つのが、首相自身が二〇一八年九月までの自民党総裁在任中に改正を成し遂げたいと明言した憲法である。
◆憲法の争点化避ける
自民、公明の与党は衆院で三分の二以上の議席を有し、参院選で自公両党と「改憲派」のおおさか維新の会、日本のこころを大切にする党を合わせて三分の二以上の議席を得れば、衆参両院で憲法改正の発議に必要な議席に達する。
首相は憲法改正について「選挙で争点とすることは必ずしも必要はない」と、参院選での争点化を避けているが、安倍内閣の下での過去の選挙を振り返り、政権の意図を見抜く必要があるだろう。
例えば一三年の前回参院選。首相は「三本の矢」政策の成果を強調し、首相自ら「アベノミクス解散」と名付けた一四年の衆院選では、消費税率10%への引き上げを一年半延期して「景気回復、この道しかない」と訴えかけた。
首相は経済政策を掲げて二つの国政選挙に勝利したのだが、参院選後に成立を急いだのは公約ではひと言も触れていない特定秘密保護法である。衆院選後には憲法違反と指摘される安全保障関連法の成立も強行した。
選挙であえて争点化せず、選挙が終われば多くの国民が反対する政策を強行するのは、安倍政権の常とう手段とも言える。国の在り方を定める憲法で、同じ手法を採ることが許されるはずがない。
参院選では、政策はもちろん、野党を含めた合意形成の努力を怠り、選挙で「白紙委任」されたとばかりに数の力で押し切ろうとする安倍政権の政治姿勢や政治手法の是非も厳しく問われて当然だ。
「安倍一強」の政治状況に歯止めをかけるため民進、共産、社民、生活の野党四党は選挙の勝敗を大きく左右する三十二の「改選一人区」のすべてで候補者を一本化して選挙戦に臨む。
自民党を利する野党候補乱立を避けるため、「野党は共闘」と求めた市民の声に応えたものだ。
理念・政策の違いは残るが、歴代内閣が継承してきた憲法解釈を一内閣の判断で変えて安倍内閣がないがしろにしたと指摘される立憲主義の回復と、憲法違反と指摘される安保関連法の廃止は共闘の大義に十分なり得る。選挙戦では中傷合戦に陥ることなく、堂々の政策論争を交わしてほしい。
公職選挙法が改正され、選挙権年齢が「二十歳以上」から「十八歳以上」に引き下げられた。七十一年ぶりの参政権拡大だ。
◆自ら意思示してこそ
今回の参院選では二十歳になった人に加え、十八、十九歳の約二百四十万人が有権者に加わる。
高齢者層に比べて若年層の投票率は低いが、年齢に関係なく同じ重みの一票だ。多少手間がかかっても各党・候補者の公約を比較して、投票所に足を運んでほしい。
自分の考えに合致する投票先が見当たらなかったら「よりまし」と考える政党や候補者に託すのも一手だろう。棄権や浅慮の「お任せ民主主義」ではなく、自らの意思を示すことだけが、未来に向けた道を開くと信じたい。