こんにちは、蜂助です。
桜が咲いているのですが、我が家の庭もやっと春爛漫という感じになりました。
さて、今日4月28日は「主権回復の日」。61年前にサンフランシスコ講和条約が発効し、沖縄、奄美、小笠原、そして「北方領土」を見捨てた日です。秋田県の地方紙の社説がすばらしいので紹介します。
社説:主権回復の日 沖縄の歴史、直視が必要
政府主催の「主権回復の日」式典があす28日に東京で開かれる。61年前のこの日、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本は占領統治から独立を回復した。意義深い日であることは理解できるが、なぜ今、このように性急な式典開催となったのか唐突感は否めない。
何よりも沖縄などに対する配慮を欠いている。この日は沖縄や奄美群島、小笠原諸島が日本から切り離され、米国の施政権下に置かれた日でもある。本土側にのみ通じる歴史認識に基づく式典に、沖縄の人々が反発するのは当然だ。
安倍晋三首相は「主権を失っていた7年間の占領期間があったことを知らない若い人が増えている。日本の独立を認識する節目の日だ」と強調している。しかし歴史を知ることの重要性を説くのであれば、沖縄の歴史にもしっかりと目を向けるべきだろう。
沖縄の人々はこの日を日本から分離された「屈辱の日」と呼んできた。まずその痛切な気持ちを知らなければならない。沖縄返還はこの日から実に20年も後のことである。
沖縄は返還後も米軍基地での訓練に伴う事故の危険や騒音、米兵の度重なる犯罪に苦しめられてきた。現在も在日米軍専用施設の7割以上が集中する。
周辺住民がかねて危険を訴えてきた米軍普天間飛行場は県内移設の方針。それでは沖縄の基地負担の重さは変わらないと、県外移設を求めて県民が反発を強めている。基地問題が前進しない状況では、「主権回復の日」に対して県民が違和感を抱くのは無理からぬことだ。
安倍首相は「沖縄の苦難の歴史を忘れてはならない」と述べてはいるが、残念ながらさまざまな批判を受けてからの発言だった。沖縄が本土復帰した5月15日を記念する式典について検討するとしていたが、政府首脳から今年は政府が関与する形では開催しない意向が示されている。沖縄への配慮が後手後手となっているのは明らかだ。
自民党が昨年の衆院選公約に掲げていたことも、式典開催の理由に挙げられている。しかし安倍政権が憲法改正に積極的であることを考えると、「主権回復の日」はその機運醸成を狙ったものにも映る。
天皇、皇后両陛下の出席について「政治的な利用ではないか」という批判があることにも留意したい。歴代天皇として初めて沖縄を訪問されてから20年。その後も再三にわたって訪問されるなど、沖縄への思い入れが深いことを思えば出席を仰ぐのは適切だったかどうか。
式典に向けて安倍首相は「日本の未来を切り開いていく決意を新たにする」という旨の発言もしている。それがこの国全体の未来までを視野に入れた決意であるならば、日本の主権回復の意義を再認識するとともに、沖縄の歴史と現状を直視するのを忘れてはならない。
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