Dr.keiの研究室2-Contemplation of the B.L.U.E-

皐月@佐原 遂に発見!佐原の老舗でNEW WAVE系!創業63年で三代目3年目!

 

大スクープです!

遂に、あの佐原で、素晴らしいラーメン店を発見しました。うまく書けるか分からないけれど、書いてみたいと思います!! 

佐原というと、ホント、最強のラーメン不毛地帯というイメージが僕の中にありました。ラーメン屋さん自体、存在するのか?というくらいに、ラーメン屋さんの話題がなく、既存のラーメン情報誌にも、佐原のお店は全くもって掲載されていません。過去のラーメン本を見ても、本当にない。面白いくらいにないんです。

思い浮かぶのは、「サワラーメン」(イベント)くらいです。
http://www.sawarayeg.com/sawaramen.html

何度か、佐原に来ているし、そのたびにラーメン店を探しましたが、誰に聞いても、「ラーメン屋はない」という返事しかもらえず、絶望的な気持ちになりました。あれほどの大きな町なのに、他には色んな飲食店があるのに、どうしてラーメンはないんだ?!と、自問自答しました。

http://r.tabelog.com/ramen/chiba/A1204/

これが実情です。

で、googleマップで、佐原周辺を表示させて、そこに「ラーメン」と入れると、そこに、「皐月」というお店の情報が掲示されたのです。それ以外にも、数件、ラーメン店らしきお店があることも分かりました。で、悪麺友らんちばさんとこのお店に向かったわけです。(実は、本当は「とんかつ・らーめんはな芳」が狙いだったのですが、あいにく営業しておらず…)

お店の住所等の情報はありました。
http://ramen.walkerplus.com/shops/detail/m12023421/
http://r.tabelog.com/chiba/A1204/A120404/12009890/
http://www.katorishi.com/aji1.html
唯一?実食レポもありました。
http://r.tabelog.com/chiba/A1204/A120404/12009890/dtlrvwlst/2510774/
(好印象です!)
http://kixpocket.blogspot.jp/2011/11/blog-post_08.html
(このブログにも、「皐月」の文字が…)

現存する情報はこの程度です。


 

さて、お店の話です。

細い路地を奥に入ったところに、この「中華麺類専門の店 皐月」はありました。そのお店の外観を見た瞬間、そして、このお店の暖簾を見た瞬間に、僕もらんちばさんもエクスタシーレベルで興奮してしまいました。「げ!何これ?!」って。

この暖簾を見た瞬間に、それなりのラーメンフリークさんなら、誰もがエキサイトすると思います。少なくとも、石神師匠や佐々木さんはそう感じてもらえると思います。しかも、このロケーション。もう、自分が今どこにいるのか、何をしようとしているのかを全て忘れるくらいに興奮しました。どう考えても、地方の名老舗店そのもの。しかも、研ぎ澄まされた老舗店。それ以外に考えられない、そんなお店だったのです。

しかも、店内に入り、さらに驚愕しました。もう、本当に「驚愕」でした。

レトロで路地裏の小さな古いお店ですよ。その店内に入るや否や、そこにいたのは、いかにも「昔、やんちゃでした」というオーラを放つ30代の若いお兄ちゃん。しかも、でかくて、力強そうで、ぶつかったらどこかに連れていかれそうな…(以下自粛)、そんなお兄ちゃんがいたのです。

このお兄ちゃんこそ、この皐月の三代目の方だったのです。この三代目のお母様(二代目の奥様であり、三代目のお母様)もおられて、親子で営業しているお店なのです。

しかも、創業はなんとなんと63年。戦後間もない頃にできたお店で、その当時からラーメンを提供していたというのだから、もうあいた口が塞がらない。これまでのラーメン人生で最高レベルで興奮している自分に気づけないくらいに、エキサイトしました。しかも、それだけでなく、三年前に世代交代をし、中華料理店で修業をしていた息子さんがこのお店の跡継ぎとして、よそから戻ってきたというのだから、もうびっくり。料理の勉強をきちっとした3代目に、戦後からずっとラーメン店主として生きつづけた2代目夫婦。この二世代が繰り広げる味の格闘と葛藤。もう、震えが止まりません。

メニューに、まさにそのことが示されています。

 

なんと、初代の味と三代目の新たな味が共にメニューに記載されているではありませんか。聞くと、初代~二代と続くこの店伝統の味と、三代目の新たな感性で作りだした坦々麺を両方出しているんだそうです。昔からのお客さんは初代の味を、そして、若いお客さんたちは三代目の味を、それぞれ食べているようです。(なお、暖簾に書かれてあるタンメンやあんみつはかつてのメニューで、現在は提供されていません。暖簾を守りたいという願いがあるそうです)

となると、もう、この二つを食べるしかありませんよね。どちらも食べましたが、僕とらんちばさん、共通の意見としては、まずはここでは初代のラーメンを食べるべき!という結論に至りました☆

 

見てください! この美しさ! 伝統と現在を合わせた見事なヴィジュアルです!

こちらのラーメンは、見た目はレトロでノスタルジックなラーメンなのですが、それでも何か凄いものを感じる一杯になっていました。地方の名店に来て、「あ、これは間違いない」と確信する感じに似ています。このラーメンを見た瞬間に、「タダモノではない」という印象を受けました。

スープを一口飲むと、一瞬、それがいったいどんな味なのか、語ることができませんでした。たしかにノスタルジックな感じはするけど、単なるノスタルジック系ラーメンではない。かといって、何か奇抜な材料が使われているとも思えない。油分はほとんど浮いておらず、さっぱりしている。けれど、味自体はびしっとしまっている。醤油の味がきりっと立っていて、ほんのりと魚介の香りがする。その魚介は煮干しなんだけど、煮干しっぽさは少しも感じさせない。なんとなく和風な感じ、という程度に抑えている。このギリギリの美学みたいなものが、節々に感じられました。

完成度が抜群に高いです。63年前とベースは変わらないんでしょうけど、今の時代でかつ古さを感じさせない新たな息吹を感じました。ノスタルジックで、かつ先鋭的というか。それこそ、淡麗醤油系と言ってもいいくらいです。このお店の外観からは想像できない味でした。

店主さんも、「油っぽさが自分には無理なんです」とおっしゃっていました。とことん油を差し引きつつ、物足りなさを少しも感じさせない。まさに、美学としか言いようがないんですね。かなり絶賛していますが、ホント、絶賛したくてたまりませんもん。

正直に言えば、そして厳しく言えば、もっと美味しくなると思います。スープのダシが弱くて、油分も少ないので、醤油の味がかなり強く感じられます。それがいいという人もいるでしょうけど、醤油、動物系ダシ、和ダシのバランスがややミスマッチしているかな、という感じです。それは、ずっとそうなのか、3代目のクセというか、特徴なのかは分かりませんが、スープ自体、もっと美味しくなるような気がしました。

さて、続けて、三代目の坦々麺。

 

こちらは、上のラーメンとうってかわって、濃厚で、酸味、甘み、辛味が複雑に合わさった(四川風?)の刺激的な坦々麺でした。かなりクリーミーというか、マイルドです。若い人に人気だというのは頷けます。とにかく刺激的です。いわゆる「マーラー風」というやつで、辛さと痺れを感じさせます。さらに、そこにトマトがどかんと入っていて、酸味もかなり感じます。挽肉もたっぷりで、旨みもしっかりと閉じ込められていて、中国料理店で修業したというその経験が存分に発揮されているように思いました。

それから、スープの奥に入っていたたくさんの高菜が、またこの坦々麺の味に旨みを与えていたと思います。(そういえば、まるわCHINESE STYLEのラーメンにも入っていたなぁ) 
http://blog.goo.ne.jp/nakata20002002jp/e/e36aae00f3c1c52215a3990280d3b612
(高菜入りの坦々麺はそれなりにあります)

ちなみに、初代のラーメンは細麺で、三代目の坦々麺は太麺となっています。このあたりも、是非注目したいところですね。

トマトがざくっとどかんとスープに入っています。辛さと酸味が気持ちよく融合します!

***

このお店の凄いところは、初代~二代目のラーメンと、若き三代目の坦々麺が、せめぎ合っているところです。そして、この三代目の坦々麺が、このレトロな店内・外観とミスマッチしているところです。ここが、もう、最高に魅力的でした(、と同時に、このお店の大きな課題でもあると思います)。

また、店主さんもこのことで頭を悩ませているようですが、昔ながらの中華そば文化と、三代目が学んできた中華料理文化が、良くも悪くも、お店の印象を二分していることが気になりました。坦々麺を頂いた限りで言えば、相当きちっと中華料理の勉強をされてきたんだと思います。が、この「皐月」は、歴史と伝統のある中華そばの専門店です。このお店がこのお店である限り、ここはラーメン屋さんです。しかも、佐原の路地裏にある老舗ラーメン店です。だから、こちらに来るお客さんも、「ラーメン」を期待してくるわけです。ですが、その期待とは裏腹に、本格中華が出てきたら… それはそれでありだとも思いますが、あまりにもイメージが違いすぎる。。。

ラーメンと中華の間の葛藤が、見事にこのお店に出ていました。それは、同時に、世代間ギャップでもあり、師弟関係のズレであり、異文化間の対話であります。ラーメン自体、中国からやってきたものではありますが、今や純粋な中国料理ではありません。ラーメンはあくまでもラーメンですから。その「ラーメンの固有の文化」に、三代目が気づければ、かなり化けると思います。

…そう、まるわCHINESE STYLEの小林店長のように。彼もまた、しっかりと中華料理を学んだプロです。彼は、自分のスタイルをゆるやかに変えながら、ラーメンの魅力を、そのラーメンの文脈で、表現し、そこに、中国料理の技法を(見えないかたちで)反映させている、類稀な料理人だと思います。彼は、ラーメンといういわば複合的な料理文化を積極的に取り入れ、そのフィールドで、自分の技を生かしています。

小林さんのように、三代目もラーメン文化の文脈を理解し、そこに自分の学んできた技術を(見えない形で)反映させれば、このお店のイメージに合ったラーメン・坦々麺が作れるような気がします。

それと同時に、このお店の未来の可能性、いや、佐原のラーメン界の未来の可能性が拓けてくると思います。このお店は、今後、かなりのポテンシャルを持っていると思います。60年以上の歴史がありながら、新たな息吹が入り込むことで、新たな味の旅に出ようとしている、そんな素敵なお店が他にありますか?!

だから、僕は最大限のエールを送りたいと思いますし、このお店の今後に最大限の期待を寄せたいと思います。久々に震えました。

*なお、2代目奥さまは、なんと日本舞踊の先生でもあるんだそうです。お弟子さんも来ていました。3代目は元?格闘家、これ、めちゃめちゃ凄いと思いません??? 何から何までビックリですから。


 

上にも書きましたが、この三代目。総合格闘技の経験者の方だと聞きました。それにもまた驚きました。が、僕は常々、ラーメンはK1、あるいは総合格闘技だ!と思っていました。そのことをお話したら、「まさに、その通りです」、と答えてくれました。一瞬だけでしたが、分かり合えた気がしました(苦笑)。

さらにユニークなラーメンもありますし、これからももっともっと変なラーメンを作っていきたい、と語ってくれました。ホント、心底、今後の活躍に期待したいと思いますし、また、千葉のラーメン好きの皆さんには、是非是非、ここのラーメンを食べて頂きたいと思います。

遂に見つけた佐原の名店、皐月。ここにあり


おまけ

また、この地域には、魅惑的で謎?なお店が点在しています。営業しているかどうか分からないお店もありました。とにかく魅力的です。

何のお店なんでしょう?
http://r.tabelog.com/chiba/A1204/A120404/12009892/

すっごい惹かれます。…が、営業してないです、、、よね?!

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