僕の部屋には大量のビデオがある。かつてのTV番組が大量に残されている。
当時不登校だった僕は(本と)TVが大好きで、とにかくビデオを取りまくっていた。音楽はもちろん、グルメ番組は特に大好きだった。
その中に、1989年のラーメン事情を特集したTV番組があった。当時から、実は僕は(あまり意識することなく)ラーメンが好きだったようだ。中学生の時、よくマルタイラーメンを食べていたことははっきりと覚えている。
その1989年のラーメン特集番組では次のラーメン店が紹介されていた。
醤油
●山東省(墨田区) ラーメン480円
●だるまや(南青山) だるまそば700円
●坂内(港区有楽町) ラーメン490円
●さぶちゃん(神保町)人気急上昇中 半ちゃんラーメン480円
●直久(銀座) ラーメン300円
●SORAMAMEそらまめ(調布市布田) ターローメン900円
●満来(西新宿) チャーシューメン1100円
●王民 亭(北沢)江戸っ子ラーメン550円
●味助(銀座) ワンタンメン700円
●支那そばこうや(四谷) ワンタンメン700円
豚骨
●九州じゃんがららーめん(神田) 全部入り940円
●肥後のれん(新宿)熊本ラーメン ぱーこーめん780円
●ザボン(歌舞伎町)鹿児島ラーメン のりラーメン800円
●ふくちゃん(宇田川町)長浜 博多ラーメン500円
●香月(恵比寿)
味噌
●一点張(赤坂) みそラーメン650円
●天鳳(六本木) みそラーメン620円
●味の道(上野)東京初のみそラーメン 手作り950円
●時計台(銀座) 大盛りジャンボラーメン1500円 元祖大盛り?
●えぞ菊(早稲田) みそラーメン650円 若い人向け
●古典札幌ラーメン芳蘭(有楽町) みそラーメン1000円
今も健在のお店もあれば、もうなくなってしまったラーメン屋もあれば、巨大チェーン店化したお店もある。
1989年はまだ魚介系豚骨も二郎も横浜家系も巷で浸透していなかった。魚だしを使っているお店はあっても、現在みたいな強烈な出汁はなかった(ような)。
ラーメン通の友人Yさんに指摘を受けたので修正します(感謝です!) 二郎は1989年当時すでにちゃんとありました。山田拓美さんの二郎@都立大学(現在は三田)、生郎@吉祥寺、ですね。すでに1970年には創業しているようです(こちら)。また、1985年には慶應義塾大学の冊子にも取り上げられています(こちら)。勉強不足でした(汗)。また家系ラーメンの歴史認識も甘かった(大汗)。元祖の吉村家が誕生したのが1974年(kei生まれておらず)。詳しい歴史についてはこちらを参照。ラーメンショップ~家系ラーメンの流れについてはもっとしっかり調べなければ!と痛感しました。ただし、吉村家、本牧家、そして1988年に創業した六角家など数件しか存在していなかった。1989年という時代にはまだどちらも「爆発前のマグマ」だったと言ってもいいだろう。この当時はやはり「醤油」、「豚骨」、「味噌」というジャンルが大多数の支持を受けていたのであり、またこの頃に新たなラーメンの味が生まれつつあったということだろう。実に奥深い。
さて、上の番組を見る限り、当時もやはり日本人はラーメンが大好きだったということが分かる。僕は「ラーメン原理主義者」ではないが、ラーメン史は大切にしたいと考えている。この時代、醤油と豚骨と味噌という三つのカテゴリーがまだ通用した時代であり、今ほど複雑ではなかった。それでも、当時としては味噌や豚骨は「若者向け」であり、ゴテゴテしたラーメンも数多くあった。時計台のジャンボラーメンは今の二郎以上のボリュームを博していた。また、「なんでんかんでん」が超話題になったのもこの頃。
また、値段を見ても、今と同じくらい高いラーメンもあった。物価の変動を考慮しても、ラーメンって実はあんまり値段が変わっていないのかもしれない。まだまだ300円ラーメンってあるし・・・
こうやって20年くらい前のラーメン番組を見てみるとすごく面白いなと思う。やっぱり僕はラーメンが中学生の頃から好きだったみたいだ。このビデオを撮っていた頃、未来の僕がこれほどラーメンにはまるとは予想だにしていなかったことだろう。